宇露情勢悪化による供給不安で上昇する商品目立つ
- MRA商品市場レポート
2024年11月20日 第2849号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「宇露情勢悪化による供給不安で上昇する商品目立つ」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は、総じて堅調な推移となった。ドルが金利低下の中で下落したことや、米国の長距離ミサイルがロシア向けに用いられたことを受け、プーチン大統領が核ドクトリンの見直し(より容易につかえるように)を指示したとの報道を受けて、同国からの資源供給が影響を受けるとの見方が強まったことが背景。
景気の先行き、というよりは供給面を材料にしたショート・スクイーズが価格を押し上げていると考えられる。逆に言えば供給面の問題解消時には価格が下落することを意味する。
しかし同時に中国が金属やバッテリー原料などを対象に、増値税の還付を撤廃ないしは引き下げを決定しており、12月1日からこれが適用されるため駆け込み的な需要の増加も価格を押し上げたのではないか。
今後の市場動向は長引くロシアとウクライナの戦況、イスラエルを中心に悪化している中東情勢、などの地政学的リスクと、米新政権誕生後の経済政策動向に左右されることになる。
しかし足元の景気の減速は恐らく変わらないため、Q125頃まで景気循環系商品価格が低迷する可能性は高く、問題はそれ以降である。
トランプ新政権が公約としている政策を実施すると、まずは減税の恒久化と追加減税の影響で景気が過熱することが期待されるが、同時に関税の引き上げ(実質的に米国民への増税と同じ効果)、不法移民強制送還によって労働力が不足してインフレが再燃、長期金利の上昇が不動産セクターを不安定化させることから、過度な景気の過熱にはならないと予想される。
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