ドル安進行と大統領選を控えたポジション調整でまちまち
- MRA商品市場レポート
2024年10月31日 第2835号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「ドル安進行と大統領選を控えたポジション調整でまちまち」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は非鉄金属、金を除く貴金属が売られたが、その他の商品は比較的堅調な推移となった。米GDPがやや減速、同時にインフレの鈍化を示唆する内容だったため、ドル安が進行したことが背景。
非鉄金属などは来週の大統領選挙を控え、かつ、中国の経済対策規模が期待ほどではないことから利益確定の売りが見られたと考えられる。
昨日の米GDPは前期比年率+2.8%(市場予想+2.9%、前期+3.0%)と伸びが鈍化し、市場予想も下回ったが、個人消費は+3.7%(+3.3%、+2.8%)と市場予想・前期とも大幅に上回っている。米GDPへの寄与が大きい個人消費の回復は、同国の景気が市場予想よりも堅調であることを示唆している。
しかし、Indeedの提供する雇用指数は10月後半になってから大幅に減速している。ハリケーンの影響もあろうが、JOLT求人や米週間新規失業保険申請件数の内訳を見ると、ハリケーンの影響を受けていない地域の雇用環境はやや減速している状況。
一方で個人消費のほぼリアルタイムの指標である米石油製品出荷はガソリン・ディスティレートとも回復、全体の出荷も回復しており同国の景気はまだ明確に悪くなっている訳ではない。
結局、「利下げは行うが、これまで想定されているペースでの利下げの必要が無い」ことを示唆している。米GDPの成長率がこの高金利の中でも、潜在成長率の2.1%を上回る成長が続いている。このことは中立金利が上昇している可能性を示唆するものである。
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