エネルギー上昇 工業金属下落
- MRA商品市場レポート
2024年10月18日 第2826号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「エネルギー上昇 工業金属下落」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場はエネルギー価格が最大消費国である米統計の改善で上昇、その他農産品なども上昇したが、中国住宅都市農村建設相の会見が、需要を新たに創出するような内容ではなかったことから工業金属セクターは売られた。
特段材料がないが、金を含む貴金属セクターは堅調。株の上昇に伴う投資比率維持の観点から買われていること、過去に金が上昇した時も同じだが、一般の個人投資家を含めて「金が強地合」という情報が広がる中、現物を保有して売らない投資家が増加しているとみられる。
特に金に興味が無かった一般の投資家も、ETFを通じて1万円単位で金を保有することができるため(例えば証券コード1540の純金上場投信(現物国内保管型)は1口から売買可能で現在値が12,240円)、個人投資家も手が出しやすい。
目先の注目は米国の景気が本当に後退するのかしないのか、というところに移りつつある。基本的に米景気は減速、金融正常化の中で利下げが行われる、というメインシナリオは維持であるが、利下げの回数が修正される可能性はあろう。
実際、市場参加者の年内利下げ見通しは2回から1回に低下している。しかしまだ2025年末までには5.9回利下げを見込んでいるため、これまで11月から来年の年末まで6回利下げの見通しだったが、ギリギリ5回に低下している状態。そのため、ドルにも修正高圧力が掛かっている。
昨日発表された日本の貿易統計は、輸出金額は前年比▲1.7%と10ヵ月振りに減少。円高にシフトしたことで輸出価格が減少したとみられる。9月のドル円は前年比で▲3.3%の円高となった。
輸入金額は+2.1%と6ヵ月連続の増加。円高の進行が輸入を促したと考えられるが同様に円高圧力で金額ベースでは下押しされている。
今後、恐らく輸出は横這いになると考えられる。米国の減速と中国の景気刺激が相殺氏合うためだ。ただ、中国を含むアジア向けの規模が大きく、これらの地域は中国の景気を強く受けるため、中国の経済対策が小規模なものに止まる中ではその相殺効果も限定されると予想される。
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