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人民元安を契機とするドル高で総じて軟調
  • MRA商品市場レポート

2024年3月25日 第2678号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「人民元安を契機とするドル高で総じて軟調」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、ガスや穀物セクターの一角が上昇したが、その他は総じて軟調な推移となった。ドル高が断続的に進行したため、週末を控えたポジション調整にともなう売り圧力が強まったためと考えられる。

昨日は目立った材料や発言がなく、パウエル議長の挨拶も金融面ではコメントがなかった。その中で中国人民元が200日移動平均線のレジスタンスを大きく上抜けて下落したことで、リスク回避的にドルが物色された可能性が高い。

このコラムやMRA's Eye、MRAマンスリーなどで解説しているが、中国の不動産問題の解消に時間が掛かる以上、中国景気の浮揚のためにはかつての日本と同様「通貨安にして輸出を増やす」ぐらいしか選択が無い状態。

ただ、日本と大きく異なるのは自国通貨安とした場合、同国からの資金流入が加速する可能性があるため、中国人民銀行も容易に人民元安を許容できない。さらに中国に対する直接投資もQ323にはネットマイナスになるなど(Q423にはプラスに回復)、中国から脱出する動きも強まっているなど、中国が置かれている状況は楽観できるものではない。

直ちに中国の不動産セクターが悪化して、危機的な状況になることは中国政府も是が非でも回避すると考えられ、今すぐに聞きが顕在化するとは考え難い。

しかし、想定よりも中国の状況が悪化するリスクはまだ解消されたわけではないことは意識しておく必要があろう。


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