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ドル高進行でエネルギー下落 生産調整で工業金属強い
  • MRA商品市場レポート

2024年3月22日 第2677号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「ドル高進行でエネルギー下落 生産調整で工業金属強い」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、ココアやオレンジジュースなどのその他の農産品と、昨日下落したLME非鉄金属・工業金属が供給面を意識した買いで上昇した他は、スイス中銀の予想外乗り下げを受けたドル指数上昇が価格を下押しした。

なお、昨日発表された各国のPMIは欧州が減速、米国がやや改善となりこのこともドル高を進行させ、広くドル建て資産価格の下押し要因となった。

引き続き市場は米政策金利動向に注目しており、神経質な推移が続いている。ただ株式市場は「ソフトランディング成功」を期待しており、堅調な推移が続いている。

株を中心に運用を行っているファンドのうち、ポートフォリオに商品を組み込んでいるところは投資比率を一定にするために商品を買い増すことが多い。この結果、財の価格が上昇してインフレ圧力を高めることが懸念される。

テイラー・ルールに従って米政策金利を推定すると、BBG試算で3.97%、弊社試算でも3.67%程度であり、現在のFF金利は確かに高い。ただし、サマーズ元財務長官が指摘するように中立金利が上昇しているならば、この水準は切り上がることになる。中立金利は「上がっていた」ことが事後的に確認できる類いのものであるため現時点ではこの判断は難しい。

仮に緩和が遅れれば、高金利の負担に耐えられない事業体の破綻などのリスクが顕在化し、実際は中立金利が上昇していてその中で利下げが行われるならば、上述の通りインフレが加速することになる。

結局、足下発表されている統計を詳細に吟味して判断せざるを得ないが、そうなるとFRBの想定している利下げ回数や幅が最も答えに近いと考えられ、年後半に3回利下げが行われ、広くリスク資産価格を押し上げる可能性があると考えてよいのではないか。


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