PCE予想通りも雇用関連統計減速で景気循環系商品軟調
- MRA商品市場レポート
2024年3月1日 第2662号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「PCE予想通りも雇用関連統計減速で景気循環系商品軟調」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は、エネルギーや非鉄金属、発電系燃料の発電燃料価格が下落した。注目の米PCE価格指数はほぼ市場予想通りだったが、米週間新規失業保険申請件数が増加するなど、足下の景気の弱さを意識させる統計が発表されたこともあり、金融緩和は6月頃から実施されるとの期待を高めたことが逆に市場参加者のリスク選好を高めたことが背景。
昨日発表のPCE価格指数は、総合指数が前月比+0.3%(市場予想+0.3%、前月+0.1%)、前年比+2.4%(+2.4%、+2.6%)、コア指数が前月比+0.4%(+0.4%、+0.1%)、前年比+2.8%(+2.8%、+2.9%)であった。
前年比の物価上昇率は低下しており、インフレ抑制が進捗していることを伺わせる内容。しかし、前月比ベースでは+0.3%となっており、年率に倒せば+3.7%、コア物価指数は+0.4%であるため、+4.9%に相当する。これを見る限り、米国のインフレが沈静化していると考えるのはやや早計と言える。
結局、FRBは高金利を維持せざるを得ず、当面、リスク資産価格の上昇を抑制することが予想される。ただ、このまま高金利政策を継続した場合、景気減速時の下振れリスクが高まることになる。
確かに米経済は堅調であるが、商業用不動産セクターはコロナショック後以降、冴えない状態が続いており、不動産不良債権問題に揺れる中国からチャイナマネーも欧米の不動産市場(日本も含まれる)に流入していることから、中国市場の不安定化が欧米市場に影響する恐れもある。
「景気減速局面での高金利政策がもたらすリスク」は意識しておきたいところだ。
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