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米統計減速・株安・FOMCを受けて軟調
  • MRA商品市場レポート

2024年2月1日 第2641号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米統計減速・株安・FOMCを受けて軟調」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、農産品セクターが堅調だったが、景気循環系商品と金属セクターは軟調な推移となった。

中国のPMIがやや改善してはいるものの、製造業PMIの低迷が続いていることが金属価格を押し下げた(詳しくは有料レポートの「昨日のトピックス」をご参照ください)。

エネルギーは米雇用コスト指数などの低下によるドル安が価格を押し上げたが、FOMCを受けてドルが上昇したこと、米石油統計の石油製品出荷の低迷が材料で水準を切下げている。

これまでエネルギー価格が中東情勢不安を材料に上昇、その他の商品にも基本的に上昇圧力を掛けてきたが、昨日の米統計は原油価格に対する説明力が高い労働市場の需給緩和や製造業の景況感がまだ低迷していることを示唆する内容であり、調整的に景気循環系商品価格が下押しされやすい地合にある。

ただ、一昨日発表された米コンファレンスボード消費者信頼感指数や、JOLT求人は米国の消費が底堅く、雇用も同様に底堅いことを示しており、昨日のFOMCでパウエル議長が「まだ利下げのタイミングではない」といった趣旨の発言をしたことと平仄が取れている。

実際、米国のサプライズ指数の1月中旬以降の上昇は、アナリストの想定よりも米経済が堅調であることを示唆しており、積極的に利下げが推奨されるようなタイミングでないことも事実だろう。

しかし、昨日のFOMCを受けて市場は「まだ3月利下げの可能性はある」として、利下げ確率は53.0%(前日40.4%)と10ポイント以上上昇している。市場は現状をFRB以上に悲観しているようだ。

しかしこれまでのFRBの政策と市場の見方は両方とも予想通りになっていないが、結果的にFRBのスタンスに市場が寄っていく形になっているため市場の利下げ期待はまだ過剰と考えた方が良いかもしれない。


本日の見通し、昨日のセクター別動向と本日の見通し、マクロ見通しのリスクシナリオ、本日のMRA's Eye、主要ニュース/エネルギー・メタル関連ニュース/主要商品騰落率/主要指数/市場の詳細データPDFは、有料版「MRA商品市場レポート」にてご確認いただけます。
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