中央銀行の高金利政策持続観測を受けた金利高・ドル高が重石
- MRA商品市場レポート
2024年1月3日 第2620号(簡易版)商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「中央銀行の高金利政策持続観測を受けた金利高・ドル高が重石」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は軒並み水準を切下げる展開となった。2024年最初の取引日となった1月2日、欧米中央銀行の利下げは当面ない、との見方が強まり各国の債券が売られ、利回りが上昇したことで、株にも売りが入る流れとなった。
各国金利高、株安はリスク回避的にドルが物色される流れを急速に強め、ドル高が進行するなかでドル建て資産が売られる流れとなり、ほとんどの商品が水準を切下げる動きとなった。
原油価格はホルムズ海峡近辺での米・イランの対立懸念で上昇していたが、実際の供給途絶になっていないためドル高に押され、非鉄金属や貴金属、穀物セクターもドル高に押された。
年初の取引はこの1年の方向性を決める、とも言われるが恐らく今年は昨年の流れを引き継ぎ、金利動向が相場動向を左右しそうである。「景気後退を回避するための利下げが、インフレを逆に助長しないかどうか」を中央銀行は慎重に見極める必要が出てきているためだ。
市場の見通し通りであればQ224が景気の底、FOMCやIMFの見通しを元にするとQ324頃が景気の底となると予想される。
1990年代、2000年代の、アジア通貨危機、ドットコムバブル崩壊、リーマンショックなど、「景気が悪化してから後追いで慌てて利下げをする」のかある程度のインフレリスクを意識しつつも早期に利下げを行うか。
景気減速局面入りでは金融政策動向が価格を左右しやすいため、今年も引き続き中央銀行の政策動向、並びにそれを左右する物価指標、景気に先行性のあるPMIやISM指数の内容を注視する必要があろう。
なお、昨年の重要なテーマだった「日銀のマイナス金利解除」だが、今回の震災の影響で先送りされるのでは、と市場ではみられている様子であり、円は買い戻されている。ただし中期的な円安の修正は継続しそうである。
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