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テレビ東京「モーニングサテライト」に新村が出演しました。
  • メディア出演

モーサテでの解説終了しました。世界株安の引き金になった、原油価格下落の背景と見通しについての解説です。
基本的に、1.コロナウイルスの感染拡大防止のための移動の強制停止による輸送燃料需要減少、2.長時間濃厚接触のリスクがある工場の稼働停止、で需要が減少する中、ロシアとサウジアラビアが減産協議で決裂、4月以降、供給増加が始まる(OPECプラスが減産を止めれば、それだけで170万バレルの増産要因に)との見方で需給緩和観測が広がっているためです。サウジの決定の背景は、教科書的には価格を下げてロシアの翻意を促すこと、非OPECが4月以降増産するなら我々も増産する、ということの2点。より穿った見方をすると、ロシアに対するさや当てではありますが、いくつか生産者を破綻させてやろう、という意図があったかもしれません。ただ、ここまで価格が下落すれば、経済活動が停止しているといっても一定の需要喚起につながること、コロナウイルスの感染拡大が落ち着けば需要の増加が見込めること(WHOはこの意見に否定的)、サウジ・ロシアとも価格低迷の長期化は予算的にも厳しいこと、(サウジの裏の意図である)生産者の破綻があれば供給が減少すること、価格下落が中東情勢を悪化させ、小規模な武力衝突が供給懸念を顕在化させる可能性があること、から、とりあえずは30ドルが目処となります。取り敢えずBrent・Dubaiは節目の30ドルを維持したのでしばらくこの水準で推移しそうですが、需給バランスが崩れている状況でファンダメンタルズ分析はあまり意味がなく、一時的ではありますがBrent、Dubai、WTIとも20ドル台で推移することはあり得ると見ています(テクニカル分析が有効に)。いずれにしても、需要減少の価格下落局面で、OPECを含む産油国の足並みがそろったことはほとんどなく、「痛みを感じてから最終的に結束する」という流れですのでしばらくこの状態は続くでしょう。ですが、前回出演時に「原油価格下落リスク」を経済視点で指摘しましたが、今回はむしろ、コロナ終了後や中東情勢不安を受けた、「原油価格上昇リスク」を指摘しておきたいと思います(この辺りの説明は、弊社のレポートやHPをご参照ください)。

「激震!世界マーケット 原油急落 今後のシナリオは」
番組HPはこちらから。