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用語解説-その6
  • ビジネスへのヒント
  • MRA商品市場レポート for MANAGEMENT(週末版)

【ビジネスへのヒント】第388号

「コンタンゴとバックワーデーション」
商品価格動向を見る上で「先物価格の期間構造」は重要な概念の1つです。期間構造とは何でしょうか?あまり商品市場に関係ない仕事をしている方でも、「期間の長い預金金利は、期間の短い預金金利よりも高い」ということはご存じだと思います(注:中央銀行が金融引き締めを行った結果、短期金利が上昇して長期金利よりも短期金利の方が高くなる逆転現象が発生することはあります)。このように、預け入れる期間によって金利水準が異なり、その期間に対応した価格体系全体のことを「期間構造」と呼びます。商品市場では、現物受け渡しまでの期間が短いものの価格よりも、現物受け渡しまでの期間が長いものの価格の方が高い状態を「コンタンゴ」と呼び、逆に現物受け渡しまでの期間が短いものの価格よりも、現物受け渡しまでの期間が長いものの価格の方が高い状態を「バックワーデーション」と呼びます(穀物の場合はコンタンゴの状態をキャリー、バックワーデーションの場合をインバースと呼びます)。通常、現物の供給に問題が無い状態の時、商品価格の期間構造はコンタンゴとなります。期先の価格は通常、「調達金利コスト+倉庫の保管コスト」が現物価格に上乗せされて決定されるためです。尚、倉庫の保管コスト(インフレに連動)、調達金利コスト(通常ドル金利)の変動の影響を受けることになります。期間構造がコンタンゴの場合、現物を保有するインセンティブが発生します。現物価格+調達金利コスト+倉庫の保管コスト<先物価格であれば、現物を保有し、先物を売り建てれば利益が確定するからです。在庫が積み上がると2つの効果が発生します。在庫が積み上がるということは、「需要が旺盛ではないため、在庫が積み上がっている」「在庫投資が行われている」の2通りの解釈が可能なためです。前者の場合には相場は下落しますし、後者の場合には相場は上昇します。ですが総じて在庫が増加した時には価格が下落することが多いようです。次に、期近が期先よりも高いバックワーデーションですが、これは「現物を保有する時にメリットがある」場合に発生します。例えば鉱山が閉鎖されたり、パイプラインが爆発したりして現物が供給できなくなり、しかも利用可能な在庫が少ないような場合です。基本的に先物市場(先渡し市場)で売りポジションを保有している市場参加者は、納会日までに現物を調達するないしは反対売買(商品によっては差金決済)をしなければなりません。そもそも先物市場は現物を調達する目的で使われていますので、現物が供給できなくなるような場合には、反対売買をせざるを得ず、結果的に価格が高騰してしまうことになります(流動性が略無限大の金利や為替の市場ではこのようなことは発生し難く、流動性の低い商品等の市場ではこのようなことが往々にして発生します)。このように、現物を保有する時に発生する便益(メリット)のことをコンビニエンス・イールドと呼んでいます。