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株安で軟調 米宇交渉まさかの決裂
  • MRA商品市場レポート

2025年3月1日 第2921号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「株安で軟調 米宇交渉まさかの決裂」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場はその他農産品などが価格を切り上げたが、その他の商品は総じて水準を切り下げる動きとなった。

注目の米個人所得・支出統計は所得が増加したもの支出が減少、加えて合意が期待された米宇首脳会談が決裂するなど、非常に不安定な相場展開となった。引けに掛けて株が急騰したが、それまでは総じて株が調整していたため、全体として下押し圧力が強い1日だったと言える。

昨日発表の米個人所得は所得が前月比+0.9%(市場予想+0.4%、前月+0.4%)と市場予想を上回り好調。しかし支出は▲0.2%(+0.2%、+0.8%)、実質支出が▲0.5%(▲0.1%、+0.5%)と低迷、同時に貯蓄率は4.6%(前月3.5%)と上昇している。

このことは、米国の消費者が景気減速に備えて貯蓄を積み増していることを示唆している。懸念されるのが既にGDPナウが減速していることだ。

昨日は、カナダ・メキシコに対する関税引き上げが予定通り行われるというのが最大のニュース、かと思われたが違っていた。

合意するとみられていたウクライナと米国の鉱物資源に関するディールが決裂したのだ。

いつ生産が可能になるか分からない鉱物資源を、ディールの材料として提供し、米国を宇露交渉のカードとして使おうと考えたゼレンスキー大統領の考えに反発した、というよりはそれが首脳会談の場で出てくるということは事前の調整不足だった可能性が高い。

ただし株式市場はプラスで反応している。あえて理由を求めるなら、今回の交渉決裂がむしろ終戦を早める、米国の関与低下による負担減少による米景気下支え期待、あたりだろうか。ただ、市場は既に終戦以外の選択肢はないとの方向に傾いている可能性は否定できない。


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