【鬼滅に関する考察~何で売れたんだろう?】
- 新村ブログ《油売りのひとりごと》
過剰なフィーバーだった鬼滅ですが
なんとなく落ち着いてきたような気がしますね。
さすがにあれだけの映画館で上映してれば
相当早いペースで1回見ちゃうからでしょう。
でもなんでこんなに売れたんだか。
昨日、BSテレビ東京出演時に
メイクさんが話をしていたんですが、彼女は
「もう一ひねりあっても良かったような」
というご意見だった。
彼女自身はイマイチ、と感じたらしい。
でも、この言葉を聞いて、そうか、と思い至りましたよ。
そう。「全くひねってないから」人気なんです。多分。
話の内容としては、悪い鬼が出てきて
それを退治しようとする主人公と
それを導く師匠の存在(複数いることでAKB48的な戦略をとっていますが)
ほとんど(全く?)発生しないどんでん返し
そう、そうなんですよ。
最近のマンガやドラマは最終回ぐらいになって突然
「まさか...君が!!」
的な裏切りが当たり前に起きますよね。
ドラマや推理小説、マンガの醍醐味の1つですが。
ある意味、この集大成が「半沢直樹」だった気がします。
どんでん返しはいいんですが、さすがにお腹いっぱいでした。
半沢直樹は毎週どんでん返しでしたから。
そこに出てきたいわゆる「ジャンプの王道バトル漫画」
安心して見ていられる(必ず主人公が勝つ)お話な訳です。
ほとんど見てないから分かりませんが
ドロドロの愛憎劇ばかりだった日本の恋愛系ドラマの中に
韓流のドラマが新鮮に見え、ブームになったのと
なんとなく似ている気がしますよ。
もちろん、敵である鬼の人生や生い立ちにもフォーカスして
敵であるはずの鬼に可哀想感を醸成したことも
女性ファンを取り込んだと思います。
これは描いている人が女性だからできたのかもしれませんけど。
このおかげで、ある意味、お話が多層的になったように思います。
裏側の視点、といいますか。
多分、ここに焦点当てた感じです。
最近、涙腺が緩いのでこれですら涙が...
(https://www.pressnet.or.jp/adarc/adc/2013/no1_b.html)
また、敵の鬼に関してここまで丁寧に生い立ちを描いたところも大きい。
よく荒木先生が言っている「生まれてから今までのディテールを
きちんと設計することで、キャラが勝手に話を作ってくれる」
を忠実に行った、といえます。
ただJOJOですら、キチンと生い立ちがマンガの中で
描かれているのはディオだけですし。
もちろん、荒木先生は話にしなくても
敵キャラの設定も、相当細かくやっていると思いますが。
話を戻すと、恐らく世の中のドラマやマンガも
原点回帰で王道の話が増えてきて
鬼滅の差別化が難しくなるような気が。
鬼滅も堕姫・妓夫太郎戦・隠れ里編で映画1本
鬼舞辻無惨との最終戦で映画1本
って感じなんでしょうけれど、ここまでのブームには
ならないような気がするなぁ。
って、余計なお世話ですかそうですね。