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エネルギーセクター堅調・金属セクター軟調
  • MRA商品市場レポート

2021年9月30日 第2044号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「エネルギーセクター堅調・金属セクター軟調」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は工業金属セクターが売られ、エネルギーや生産におけるエネルギーコストの影響(肥料や燃料など)が小さくない農産品セクターも物色された。

現在、世界は「エネルギー供給不足による工業活動、経済活動の停滞」を強く意識し始めており、燃料であるエネルギー価格は上昇し、それに伴う電力・エネルギー供給の制限で、原料需要が減少する、との見方が強まっている。

残念なことに今年の冬は北半球は厳冬となる可能性が高いようで、仮に暖房・燃料油、ガスを確保できなければ凍死者が出る可能性がある。それを回避しようとした場合、順番的には生命に影響が及ばない、産業セクターから稼働を停止する動きが強まることになる。

それでも供給が足りなければ、住宅向けにも供給が絞られることになる。これは危機的な状況だ。

恐らく日本でも十分な在庫が確保できていない(統計の発表がかなり遅いため、正確なところは不明)場合、冬場が厳冬となり発電需要が増加、スポット電力価格が急騰、大手電力会社の提示する概ね原油にリンクする電気料金で販売を行っている新電力が、経営危機にさらされる可能性は低くない。

比較的エネルギー供給が潤沢な米国も、特に暖房油からプロパンガスへのシフトが進んだ郊外の農村部のエネルギー供給には懸念があり、大きな問題となるだろう。再生可能エネルギーを推進し、従来型の化石燃料に否定的なバイデン政権には打撃となる。

それだけではなく、コロナの感染拡大も継続している上、「外交通」のはずのバイデン大統領がアフガンや対仏政策で失態を演じ、さらに中国に対しても融和的な発言を始め、コロナの感染者数も増加していることでバイデン政権の支持率は不支持率に逆転されている。

この場合、来年予定されている米中間選挙でトランプ派・共和党が復権する可能性もあり、「脱炭素社会ヘのシフトが急速に逆回転」するリスクは低くないと考えられる。

【本日の見通し】

本日も工業金属価格が軟調に推移し、エネルギーは供給制限と需要の増加で堅調な推移が予想される。しかし、エネルギーについても工場の稼働停止が相次ぐこと、価格上昇による消費手控えもあるため上昇余地は限られよう。

本日予定されているその他の材料で注目は、ISM製造業指数の先行指標であるシカゴPMIに注目している。市場予想は65.0(前月66.8)と高水準ながらも減速見込みであり、景気循環系商品価格の下落要因に。

【昨日のセクター別動向と本日の見通し】

◆原油

原油価格は小幅に続落した。株価の下落やドル高の進行、高値圏にあることから利益確定の動きが出たとみられる。

しかし、OPECプラスが40万バレル程度の増産しか行わない見通しであることや、ガス・石炭価格の上昇が止まらない中で液体燃料需要の増加観測が強まっていることが価格を押し上げている。

チャートポイントは50日移動平均線(Brent:72.88ドル、WTI:69.99ドル)が下値として意識されるが、水準は切り上がっている。

昨日発表の米石油統計は原油在庫がAPI統計と同様+4.5MB(市場予想▲2.5MB)と増加したが、ガソリン在庫は予想比小幅な増加となり、ディスティレートは予想に反して増加した。

需要は季節性の影響もあるが減少し、2015-2019年平均水準まで急減している。どの商品の出荷が減少したという訳ではなく全体的に出荷が減少している。

ハリケーンの影響による製油所の稼働停止はほぼ回復しているため、恐らく価格上昇に伴うレーショニングが起きたと考えるのが妥当だろうか。

なお、原油、ガソリンの在庫水準は過去5年平均を下回り、ディスティレートの在庫は過去5年レンジを下回っており在庫水準は低いと言わざるを得ない。このまま確かに冬が厳冬になれば、製品供給に懸念が出ると見られる。

本日も冬場の供給リスクへの懸念が高まる一方、中国の経済活動がエネルギー供給の低迷によって鈍化している可能性が高いことが売り材料視されるため、高値圏を維持しつつも軟調な推移になると予想。

◆石炭・LNG・天然ガス

豪州石炭スワップ先物価格は上昇。中国は電力不足を背景に計画停電に踏み切っており、火力発電燃料の主力である石炭調達圧力は旺盛とみられる。

中国の石炭輸入動向への説明力が高いバルチック海運指数は続伸。バルチック海運指数は中国の石炭輸入の指標の1つであるが、冬場に向けた調達が始まった可能性は高い。

JKM先物市場は上昇して30ドルを超えた。冬場のピーク(11月~2月)のJKM価格はいずれも30ドルを超えている。欧州天然ガスが高値を維持、日本勢を含むアジア勢の調達が加速していることが背景。

中国のLPGの調達も増加しており、明らかに世界的なガス供給が十分でないことを示唆している。ラニーニャ現象発生が見込まれるこの冬、気温次第ではあるが今年の1月に見られたような電力スポット価格が暴騰する展開は、リスクシナリオというよりむしろメインシナリオかもしれない。

欧州天然ガスは大幅に上昇。フランス・ドイツの電力価格が過去最高値を更新、引き続き冬場に向けた在庫積み増し需要は旺盛と見られる。

価格が高ければ電力販売を手控える(調達・販売しても利益が確保できない)企業も出てくるとみられ、この冬に欧州が深刻な電力危機、暖房燃料危機に陥る可能性は日に日に高まっている。最悪の場合厳冬が予想されるため、人命が失われる可能性は否定できない。

人命が失われるリスクがある中で、COP26はどのような議論になるか注目である(恐らく現在のガス供給不足は脱炭素とは関係無く、むしろ再生可能エネルギーの供給体制をより堅牢なものにするべきだ、といった主張がなされる可能性の方が高いのではないか)。

米天然ガスは下落。世界的にガス・LNGが不足しているものの天然ガスは局地性が強いため、米国の気温が平年並みに戻る地域が増加している予報を受けて利益確定の売りに押された。

こういう時に資源に恵まれる米国は非常に強い。ただしガスが不足した場合に原油供給を増加させようと思っても、比較的速やかに増産が可能なシェールオイルでも増産決定から増産まで6ヵ月程度かかるため今から増産をしても間に合わない。

LNGタンカーレートは東西とも横這い。ここまでの天然ガス・LNG価格上昇は投機の買いが助長している部分も否めない。

スポットLNGタンカーレートはスエズ以東は緩やかに上昇、以西は大幅に上昇した。明らかにピークシーズンに向けた調達圧力の高まりによるものと見られる。

2021年9月13日~9月19日のLNG取引は前週比▲40万トンの640万トン(前週+70万トンの680万トン)、スポット調達のシェアは24%(23%)と小幅に上昇。

輸入量の減少は中国と西欧・イタリアの輸入が減少したことによるもの。中国向けの輸入減少に対して日本は増加している。

上記期間の1週間前に日本はスポットカーゴの売却を行っていたが、スポット価格上昇に伴う余剰分売却で、国内の調達にゆとりが出たと見られたがまだ調達が十分な訳ではなさそうだ。

石炭は供給不足が顕著であり、中国、欧州(東欧)のみならず、インドも在庫が低く本日も高値維持の公算。

欧州地域はガス供給制限を材料とした買いが続くとみられやはり高値圏を維持。

◆非鉄金属

LME非鉄金属価格は総じて軟調な推移となった。中国の不動産問題に加え、電力供給不足により中国政府が企業に対して稼働を停止する命令を出し始めるなど、工場向けの金属需要が強制的に減少する、との見方が強まったため。

イメージし難いが、コロナが発生した時に強制的に経済活動が停止され、商品価格が急落した構造と似ている。

本日は先ほど発表された中国製造業PMIが市場予想を下回り、50の閾値を下回ったことから軟調推移を予想。ただし明日から始まる中国の大型連休を控えた在庫積み増しの動きも予想されるため、下落余地は限定されると見る。

◆鉄鋼・鉄鋼原料

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは上昇、豪州原料炭スワップ先物は小幅に下落、大連原料炭先物は上昇、上海鉄鋼製品先物はまちまちだった。

明日から始まる中国の大型連休を控えて在庫積み増しの動きが強まったためと考えられる。なお、鉄鋼原料在庫は鉄鉱石の在庫が比較的潤沢である一方、原料炭の在庫水準は低く、前者は下押し圧力が、後者が上昇圧力が掛りやすい。

鉄鋼製品は恒大集団の債務問題はあるものの、需要はまだ底堅く推移しており供給制限がある中で上昇、鉄鉱石は割安感が出てきたことから買いが入ている。

本日は大型連休を控えた在庫積み増しの動きが予想されるため、鉄鉱石・原料炭とも上昇を予想。

◆貴金属

昨日の貴金属セクターは軟調な推移となった。リスク回避のドル高が進行するなか、金価格はリスク・プレミアムを切下げる形で小幅に下落。

銀・PGMは金価格にほとんど追随する動きとなったが、経済活動の鈍化に伴う工業向け需要減少観測が意識されたため、金以上に下落した。

テーパリングを織り込む流れの中、金価格が軟調に推移し、株価も調整圧力が強まっていることから総じて貴金属セクターは軟調な推移を予想。

◆穀物

シカゴ穀物市場は上昇した。ドル高が断続的に進行したものの米石油統計でエタノール在庫の減少が確認されたことが背景。資源価格高騰をテーマにした循環物色が、ラニーニャ現象終了の影響で下落していた穀物セクターにも及んでいる可能性がある。

本日も固有の材料に乏しいが、リスク回避のドル高バイアスが再び強まっているため本日は軟調な推移を予想。

※中長期見通しは個別セクターのコラムをご参照ください。

市場データ・グラフ類の添付ファイルのサンプルはこちら。

【昨日のトピックス】

昨日投開票が行われた自民党の総裁選挙は、下馬評で評価が高かった河野氏が敗北し、「当初の」見通し通り岸田氏が勝利した。派閥政治が残っていることを確認する結果だったと言える。

仮に脱原発や最低賃金保障、といった政策を全面的に押し出していれば河野氏の勝利もあったかもしれないが、結局派閥政治に回帰した河野氏の戦略のブレが影響したのではないだろうか。

ただ、脱炭素を進めて全て再生可能エネルギーに、というかなり過激な政策を打ち出していた河野氏が敗北したことで、現在欧州で起きているようなエネルギー危機発生リスクは大きく低下したと考えられ、まだ工業主体の日本にとってはよかったのではないか。

しかし、世界的に政権の評価はコロナ対策が左右すると考えられるため、ほとんど手つかずだった医療体制の整備やワクチン・経口薬の開発促進などを進められなければ次の選挙で敗北する可能性は低くない。

ただ、野党も結束できている訳ではないため、自民党が議席を減らしたとしても与党であることに変わりはなさそうだ。

しかしもし政局となった場合、海外は政治的に大きく揺れているため、外交経験の乏しい野党が勝利した場合、地政学的なリスクに対する対応能力に諸外国から疑問符が付けられ、日本が厳しい状況に置かれる可能性も有り得る。もちろんこれは自民党が与党であったとしても、外交が必ず上手くいく保証はない。

海外情勢が混乱する中、日本が国内政局に感けている時間はない。

【マクロ見通しのリスクシナリオ】

・中国恒大集団の債務問題が不動産セクター全体に波及し、世界的に株安となり経済活動が逆回転する場合(工業金属などの景気循環系商品を筆頭に、リスク資産価格の下落要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(これは人口動態を考えると、現実のリスクとなるのは2030年以降か)。

・環境重視型社会への急激な転換による、経済活動の鈍化リスク。成長ドライバーの1つとして期待される、中東・北アフリカ産油国が人口ボーナス期を活かせない(逆に鉱物産出国は高成長となる可能性も)。

逆に脱炭素に向けたインフラ投資の加速で資源価格が急上昇、金融緩和マネーが大量に市場に滞留する中でハイパーインフレとなるリスク。

・コロナウイルスの感染再拡大によるロックダウンが景気循環系商品の需要を減じる場合(価格下落要因)。

逆に想定以上に新型ワクチン・治療薬の開発が速やかに行われた場合は需要の増加要因に。

・来年の中間選挙を控えて、バイデン大統領が国内の支持を得られない場合。財政面や企業負担増の理由から造反が発生し、議会を通過しない場合は景気のリスクに(景気減速要因)。

・米財政出動が加速、景気回復期待を受けた価格上昇が顕著となる場合。

この場合、長期金利上昇でドル高が進行しやすく価格の下落を意識しなければならない。

・米中対立激化による、新冷戦構造が発現しブロック経済圏が発生して貿易活動が鈍化する場合(場合によると武力衝突も)。

「能動的に」軍事を行う方針に舵を切った中国習近平政権が、台湾統一を目指して侵略する可能性は高くなった。

・米テーパリング実施が、コロナの感染に苦慮する中南米、欧州・アフリカの新興国経済に悪影響を及ぼす場合(景気減速要因)。

・独総選挙結果を受けた連立政権樹立に難航し、域内最大経済国のドイツ経済が減速する場合、また、EUの指導力が低下し域内経済が停滞する場合(景気減速要因)。

・次の成長ドライバーとして期待されるインド経済が、期待通りの成長をできない場合(人種差別問題による国民の離反、市場開放・規制改革の遅れ、中国との対立など)。

2018年にすでに人口ボーナス期入りしているため、鉱物・エネルギーをはじめとする景気循環系商品需要の増加は2023~2024年頃。

・アフガン情勢の混乱が域内経済に混乱(大量の難民発生、コロナの感染拡大が欧州圏にもたらされるなど)をもたらし、米中対立を先鋭化させる場合(景気の減速要因)。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油価格見通し】

原油価格はこれまで脱炭素の流れで増産が見送られてきたことから直ちに供給増加ができないこと、OPECも40万バレルの増産ペースを変更する意向は余りないこと、欧米投資銀行が100ドル原油予想を相次いで発表、投資熱が高まっていることなどから高値を維持、中期的にはOPECの増産、米テーパリング開始、発電燃料供給不足が企業活動を鈍化させることを背景に軟調な推移になると予想する。

足下の懸念材料はガス・石炭価格が高騰し、代替燃料として石油製品を求める動きが強まっている点。ガス価格が高騰を続ける場合は季節性がそれほどない原油価格が冬場に上昇する可能性は低くなくなってきた。

テーパリングに関しては、前回実施時は中盤に原油価格は下落に転じており、今回テーパリング開始も価格の下押し要因となるが、利上げの先送り観測でドル安が進行するならしばらくは価格の下支え要因となる。

弊社年末に向けてBrentは60ドル台半ば、WTIは60ドル台前半への調整をメインシナリオとしていたが、足下の厳しい供給環境、代替品としての原油需要の高まりを考えると大幅に引き上げざるを得ない。

しかし米金融面での調整圧力は継続するため、年末にかけて高値を付けた後、年末~年始にかけて調整する可能性は高いとみている。

米DOEの2021年供給は96.10MBD、需要は97.37MBD、需給バランスは▲1.27MBDの供給不足。

価格を下押ししてきたコロナであるが、徐々に「ウィズコロナ」に舵が切られつつあり感染拡大が価格下落に影響するステージは早晩終了するとみられる。

しかし、それはこの冬到来が懸念される第6波までに解消する、とは考え難いため引き続き景気循環系商品価格の下落要因である。

中国の輸入規模はその水準は世界最大であるものの、原油価格に余り影響を与えない中国の原油輸入は、8月は前年比▲6.2%の4,453万トン(前月▲19.6%の4,124万トン)と前年比では減速しているが、大幅に増加している。

中国は輸入に関して価格感応度が高いため、7月・8月の価格下落時の輸入が増加している。需要の回復もあろうが、主に戦略備蓄向けと考えられる。

【見通しの固有リスク】

・気温低下による暖房向け燃料需要が増加、ないしは不稼働の液体系燃料発電(ディーゼルや重油)を有する国や地域が再稼働を決定した場合(価格の上昇要因)。

・電力・ガスをはじめとするエネルギー供給制限が経済活動を強制的に停止させ、需要が減少する場合(価格の下落要因)。

・コロナの変異株が猛威を振るいワクチンが効かない場合(需要減少で下落リスク)。

・米国経済が正常化する中でテーパリングなどの金融緩和解除が加速、急速なドル高を通じて投機的な売り圧力が高まる場合(価格の下落要因)。

・OPECプラスの増産ペースの遅れないしは上流部門投資不足による供給不足。またはイランを巡り武力衝突や制裁解除が遅れた場合(価格上昇要因)。

価格が上昇する中でOPEC諸国の減産維持統制が効かなくなり、増産競争に舵が切られる場合(下落要因)。

・脱炭素の進捗、生活様式の変化による構造的な需要減少が加速した場合(価格下落要因)。

・脱炭素の過剰な進捗による供給懸念(価格上昇要因)。

1.中東産油国の財政悪化によって情勢不安が顕在化、供給途絶リスクが高まる場合

2.中東以外の産油国の生産者の破綻

3.上流投資部門投資が減速し、インドなどの新興国需要顕在化時に供給が間に合わない場合

4.価格面、数量面で予算を確保できない産油国が、OSPを大幅に引き上げる場合(第3次オイルショック)

かなり過剰なペースで脱炭素が進められており、オイルメジャーも株主・政府の圧力を受けて脱炭素に舵を切り、タイムリーな原油増産が困難になっている。

この場合、「脱炭素移行期間の景気回復時」には十分な燃料供給が出来ないリスクが高まり、来年以降の価格上昇局面で原油価格が100ドルを超えるリスク(リスクシナリオの位置づけ)。

なお、脱炭素が完了しても100%原油が不要になることはなく、OPECの価格支配力が増すため、この場合でも価格は上昇へ。

【石炭価格見通し】

海上輸送石炭価格は堅調な推移になると考える。中国の冬場の電力需要向けの調達は堅調であること、基本、季節的に調達圧力が弱まる時期にあるものの、天然ガス価格の高値維持が背景。

中国政府は脱炭素といいつつ、石炭の国内生産を増加させている。増加していた中国6大電力会社の石炭在庫水準も再び減少を始めておりこのまま高値で推移する可能性は高い。

石炭は「座礁資産」と呼ばれ、上流部門投資ができなくされていることから、増産をしているのはGlencoreや中国企業ぐらいであり、供給が不十分であること、需要側の構造はそう簡単には変わらないことを考えると、調整があるといってもしばらくは高い水準での推移が予想される。

8月の石炭輸入は前年比+35.8%の2,805万2,000トン(前月+15.6%の3,017万8,000トン)と前月から水準は減少したが、昨年の水準を上回った。過去5年平均は上回っている。

猛暑・渇水による発電燃料としての石炭需要増加と、中国の経済活動回復に伴う電力需要の増加が続いているためと考えられる。

【見通しの固有リスク】

・今冬はラニーニャ発生が予想され、厳冬のリスクも意識されているが懸念に反して暖冬となる場合(価格下落要因)。

・電力・ガスをはじめとするエネルギー供給制限が経済活動を強制的に停止させ、需要が減少する場合(価格の下落要因)。

・Nord Stream2の稼働が早期に行われ、天然ガス価格が急落する場合(下落要因)。

・世界的な環境重視型世界へのシフトを受けた、石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念(価格の上昇要因。これは既に顕在化)。

・中国と豪州の対立、中国国内の生産能力増強に伴う、海上輸送炭需要の減少。

【天然ガス・LNG】

天然ガス価格は中国の経済活動が活発である一方、自然エネルギー供給(英国の風力、ブラジル・中国のの水力など)が減少、火力発電向けの燃料需要が旺盛なこと、石炭価格も高値を維持していることから、価格は高値を維持すると考える。

在庫不足の状態に変わりはなく、ノルドストリーム2の稼働も来年夏にずれ込む可能性が出てきたことから価格は高値維持。

このままだと欧州全体がラニーニャ現象発生が懸念される中で冬場に突入し、厳冬の中、計画停電が行われる可能性がある。この場合、人命のリスクが無視できない。

8月の中国の天然ガス輸入は前年比+11.5%の1,044万トン(前月+27.0%の934万トン)と減少したが、季節的に見ると過去5年レンジを大きく上回った状態が続いている。

8月の中国のLNG輸入は前年比+11.7%の665万トン(前月+12.6%の567万トン)と過去5年レンジを上回り構造的な需要増加は続いているが、やや伸びは鈍化した。

長期契約のLNGに関しては、原油リンクとなるため上昇見通しだが、価格反映までに3ヵ月程度の時間差があるため(消費者への影響はさらに3ヵ月後)、現時点ではまだ上昇していないと考えられる。次の懸念は夏のピーク時の電力・ガス価格への影響だろう。

【見通しの固有リスク】

・今冬はラニーニャ発生が予想され、厳冬のリスクも意識されているが懸念に反して暖冬となる場合(価格下落要因)。

・電力・ガスをはじめとするエネルギー供給制限が経済活動を強制的に停止させ、需要が減少する場合(価格の下落要因)。

・8月18日にNord Stream2が稼働しているとの誤ったデータが発表された直後、ガス価格が大幅に下落している。

政治的な要因でNord Stream2の稼働は遅れると考えられるが、同パイプラインが稼働して欧州のガス需給が緩和した場合(価格下落要因)。

・石炭と同様、「化石燃料であること」を理由に上流部門投資が制限される、あるいは原油生産減少による随伴ガス供給が減少する場合(構造的な価格上昇要因)。

・産油国の減産継続による随伴ガス供給の減少懸念。

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

WTIはロングが506,363枚(前週比 ▲6,263枚)ショートが150,385枚(▲7,177枚)ネットロングは355,978枚(+914枚)

Brentはロングが371,637枚(前週比+11,177枚)ショートが51,986枚(▲9,827枚)ネットロングは319,651枚(+21,004枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は中国の不動産バブル抑制が不動産市場全体に波及する可能性が高いこと、直近の直近の工業生産、固定資産投資、不動産投資、工業セクター利益も減速が顕著であり、当面、加熱した景気の沈静化に中国政府が舵を切る可能性が高いことから軟調推移を予想。

ただし、この冬にかけては発電燃料の不足を背景とする電力供給不足リスクが顕在化しており、強制的に生産が停止される金属が増えることから供給面で価格はサポートされるため下落余地は限定されると考える。

同時に、電力・ガスをはじめとするエネルギー供給制限は経済活動を強制的に停止させ、工場向けの金属需要を減少させる可能性もあるため、発電燃料の不足は短期的には供給制限で価格を支えるが、工場稼働停止の場合、即時に需要が減少するため短期的には下落要因と整理するのが妥当か(価格への影響は通常、需要面の影響の方が供給面よりも大きい)。

しかし、米上院でインフラ投資法案が可決したこと、民心の安定のために中国政府も一定の支援策を実施する可能性があることから、2022年以降は再び上昇に転じると見る。

また、長期的にはインドの人口ボーナス期入り、まだ脱炭素の流れ、省エネの流れに変わりがないため、供給面・需要面の制限から価格が上昇するという見通しを変更する必要はないと考えている。

【LME金属需給見通し】

(2021年)

銅 生産 24,947千トン 需要 26,790千トン 需給 ▲842千トン

亜鉛 生産 14,045千トン 需要 14,069千トン 需給 ▲24千トン

鉛 生産 12,381千トン 需要 12,168千トン 需給 +213千トン

アルミ 生産 67,716千トン 需要 66,444千トン 需給 +1,272千トン

ニッケル 生産 2,573千トン 需要 2,612千トン 需給 ▲40千トン

錫 生産 429千トン 需要 431千トン 需給 +28千トン

【中国重要統計の評価】

8月の中国製造業PMIは50.1(前月50.4)と市場予想の50.2、前月共に下回った。まだ閾値の50は上回っているが中国の経済活動は鈍化の方向に向かっていると考えられる。

内訳を見ると生産鈍化(51.0→50.9)は続いているがまだ高水準だが、新規受注(50.9→49.6)、輸出新規受注(47.7→46.7)、受注残(46.1→45.9)と需要の鈍化が顕著である。

その一方でまだ在庫水準は低く、完成品在庫は47.6→47.7、原材料在庫は47.7→47.7、サプライヤー納期も短縮(48.9→48.0)している。

さらに細かく見ると、購買量は高い水準を維持(50.8→50.3)しており、購入価格も高値を維持(62.9→61.3)、販売価格も低下しては来たが高い水準を維持(53.8→53.4)という状態。

このことは、1.在庫水準が低いため在庫積み増しの動きはみられる、2.供給制限は徐々に解消しているが恐らく完全ではないため、仕入れ値は高い、3.価格上昇に伴い最終需要が減少している(レーショニング。特に中国の消費者は価格感応度が高い)可能性がある。

工業金属価格に対する説明力が高い新規受注在庫レシオは、完成品が1.040(前月1.069)、原材料が1.040(1.067)と両指数とも小幅に低下しており国内の需給が緩和していることをうかがわせる。

これまで非鉄金属価格の上昇を牽引してきたのは中国の住宅セクターであるが、中国の建設業PMIは7月、減速していた。しかし8月の統計は60.5(前月57.5)と回復している。鉄鋼製品価格の上昇が7月の需要を減じていたとみられ、8月の鉄鋼製品価格は下落している。

中国政府も増加するデフォルトを回避する目的で金融緩和を行っていることもあり、建築向けの需要は政府当局は抑制方針であるものの底堅く推移するのではないか。

8月の中国の貿易統計を見ると、ベンチマークである精錬銅の輸入は前年比▲41.1%の39万4,017トン(前月▲44.3%の42万4,280トン)と過去5年平均を下回り続けており、減速感が鮮明となっている。

8月の銅精鉱の輸入は前年比+18.6%の188万6,000トン(前月+5.5%の189万トン)と高い水準を維持している。TCの上昇もあって製錬需要が増加したと考えられる。

8月の銅スクラップの輸入は+60.2%の12万9,802トン(前月+98.9%の14万9,369トン)。

ただし全体としては輸入に下押し圧力が掛っている印象は否めず、しばらくは調整圧力が強まる展開が予想される。

工業金属のフロー需要に影響する工業生産は、1-8月期累計で前年比+13.1%(1-7月期+14.4%)と伸びが鈍化、単月でも 前年比+5.3%(前月+6.4%)と鈍化が鮮明になっている。

ストック需要の指標である固定資産投資も年初来累計で+8.9%(+10.3%)と明確に減速。公的セクターの伸び鈍化は所与としても、よりボリュームの大きな民間部門が前年比+11.5%(+13.4%)と伸びが減速していることは、中国政府によるバブル抑制行動が影響しているとみられる。

中国政府が最も懸念している不動産開発投資はまだ前年比+10.9%(1-7月期+12.7%の8兆4,895億元)と高い伸びを維持しているがそれでも減速基調にあり、新築住宅販売の前年比上昇も+0.16%(前月+0.30%)と伸びが鈍化している。

いずれも「伸び」が鈍化しているのみであり、中国の経済活動が回復していることは間違いがない。しかし、需要の伸びが想定を下回る場合、多くの場合供給過剰を誘発して価格の下押し要因となる。

【政策動向・脱炭素】

政策動向・脱炭素の流れは中長期的な材料。米バイデン政権は8年間で1兆2,000億ドルのインフラ投資計画実施計画。

道路・橋梁・主要プロジェクトに1,090億ドル、電力インフラに730億ドル、旅客・貨物鉄道に660億ドル、ブロードバンド・インターネットサービスに650億ドル、公共交通機関に490億ドル、空港に250億ドルを投じる。

さらには2022年度予算も戦後最大となる歳出を6兆ドルと、以上と戦後最大の水準とする方針。

これらの需要は景気に関係なく発生する需要であるため、需要の見通しは底堅く、価格の調整があっても下値余地は限定される可能性が高い。

これまで中国が鉱物セクターの需要動向に関して主役であり、今後も非鉄金属価格の動向は中国動向が左右するが、「新規の需要」については欧米動向が重要になる可能性は意識しておきたいところ。

この場合、米国の景気回復=ドル高・金属価格上昇、という構図も考えられる。

米国・中国・インドがどのような動きをするかに環境政策は左右されるが、ここまでの各国の動きを見ていると当面は環境向けに使用される金属の需要増加は「今後10年・20年の大きなテーマ」となる可能性が高い。

軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル、銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルト、リチウムなど。

2020年の中国の新エネルギー車の販売は前年比+7.5%の137万台(前年124万台)となった。全体の自動車販売が2,523万台なのでシェアは5.4%(4.9%)と上昇している。それでも電気自動車が非鉄金属市場の重要なテーマになるには、あと数年は要する見込み。

【見通しの固有リスク/個別金属の特殊要因】

・中国不動産大手恒大集団の破綻懸念が中国の住宅セクターに広がり、中国の不動産バブルがはじける場合(価格下落要因)。

・ロジスティクスに障害が残る中、非鉄金属の偏在が現物プレミアムを押し上げるリスク(北米で顕在化)。

・猛暑や渇水による燃料価格上昇で、1.電力供給不足による稼働停止・供給減少、2.発燃料価格の上昇を通じて生産コストが上昇する、場合(価格上昇リスク)。

・米国経済が正常化する中でドル高が進行し、投機買いが膨らんでいる非鉄金属市場で投機の手仕舞い売り圧力が高まる場合(下落リスク)。

・米中間選挙に向けて、米民主党が追加でインフラ投資(2兆ドルのクリーンインフラ投資など)を議会の採決を得て実行に移す場合(上昇リスク)。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・チリやペルーで広がる左派勢力伸長に伴う大衆迎合的な政策が可決し、鉱山生産に過剰なロイヤルティが適用される場合(供給減少ないしは生産コスト上昇で価格の上昇要因)。

チリで議論されている銅のロイヤルティ増税案の詳細は以下の通り。

年内実施予定の選挙結果では課税強化で生産コスト上昇、または減産となる可能性も。

3%の新ロイヤルティに加え、銅価格に連動して税額が賦課される仕組み。

2ドル~2.5ドル/ポンド(4,406~5,508ドル/トン):15%2.5ドル~3(5,508~6,609):35%3ドル~3.5(6,609~7,711):50%3.5ドル~4(7,710~8,813):60%4ドル~4.5(8,813~9,914):70%

年間販売量が5万トン未満の小規模生産者は品位95%の粗銅の場合▲5%の軽減税率、アノードの場合(99.4~99.6%)が適用される。

2023年までは現行の営業利益率によって5~14%の鉱業ロイヤルティが適用されるが、2024年以降は新税制を適用。

・インドネシアが再び低品位ニッケル鉱石の輸出を制限する場合(ニッケル価格の上昇要因)。

・環境問題や人権問題(コンフリクト・メタルの問題)を背景とする鉱山供給の減少。

また、環境に配慮したメタル使用の義務化などが欧州で進む場合などのコストアップ(グリーン・メタルの義務化によるコスト増加)。

中国の環境規制強化に伴う供給の減少。エネルギー排出量の多い新疆ウイグル自治区でのアルミ生産は減産の影響は既に材料視されている。

【投機筋のポジション動向】

・LME投機筋買い越し金額 前週比▲5.4%の294億ドル(前週 311億ドル)・LME投機筋買い越し数量 前週比▲1.4%の6,319.7千トン(前週 6,410.1千トン)

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は中国政府の発電燃料供給不足と環境改善目的の鉄鋼製品生産減少、中国不動産セクターの先行き不安が鉄鋼向け需要を減じることから、水準を切下げる展開を予想。

直近の工業生産、固定資産投資、不動産投資、工業セクター利益とも前年比ベースの減速が顕著であり、中国政府の想定通り中国経済は過熱が沈静化の方向に向かっている。

ただし、同時に中国政府は金融緩和を行っていること、米欧中のインフラ投資による建材向け需要増加観測を背景に下落したとしても下値余地は限定されるのではないか。米国では鉄鋼製品価格上昇が継続している。

なお、鉄鉱石先物の期先の価格が限界生産コストの目安として意識されるが、80ドル程度で安定しており、やはり中長期的にはこの水準に価格が回帰すると考えている。

【中国の政策動向】

中国共産党は2021年から始まった新しい5ヵ年計画で鉄鋼生産量の削減の必要性を表明している。今のところ昨年の生産量を超えないようにする、というのが中国政府の目標。

最大生産都市である唐山市は、2021年20日~12月31日まで、大気汚染基準に違反し、データを改ざんした4社は7月~12月末まで▲30%減産、その他の16社は12月末まで▲30%の減産を新たに実施することを義務づけられている。

これにより、唐山市の粗鋼生産は前年比▲2,223万トンの1億2,177万トン、鉄鉱石需要は▲3,500万トン減少するとみられている。

別の話だが、半年後、北京オリンピック中に粗鋼生産が停止させられる可能性は高い。

粗鋼生産が減少すれば、鉄鉱石の在庫水準の指標である在庫日数も、分母が小さくなるため上昇が予想され、鉄鉱石価格の下落要因となる。これは原料炭も同様。

【中国重要統計の評価】

8月の中国鉄鋼業PMIを見ると、総合指数は41.8(前月43.1)と悪化した。生産がやや回復(43.1→44.0)、輸出向け新規受注がやや回復(30.8→31.8)したが、新規受注が国内向けが鈍化(36.8→31.6)したことが影響した。いずれにしても閾値の50を大きく下回っており、中国の鉄鋼業の景況感は悪い。

コロナの感染拡大の影響、異常気象による生産抑制、中国政府が温室効果ガス削減、というよりは国内の住環境改善を目的として過剰な鉄鋼生産を抑制していること、などが素直に統計に反映された形。

なお、何もなければ9月は中国の鉄鋼需要のピークになるため生産活動の回復が見込まれるが、今年は政策的な抑制の方針を背景にそれほどの需要増加にはならないのではないか。

需要の減少で目安となる新規受注・在庫レシオは、新規受注完成品レシオが0.94(前月1.16)と大幅に低下、新規受注原材料レシオも0.89(1.03)と低下しており、中国の鉄鋼製品需給バランスが緩和方向の圧力を受けていることを示唆している。

これまで非鉄金属価格の上昇を牽引してきたのは中国の住宅セクターであるが、中国の建設業PMIは7月、減速していた。しかし8月の統計は60.5(前月57.5)と回復している。

鉄鋼製品価格の上昇が7月の需要を減じていたとみられ、8月の鉄鋼製品価格は下落している。

中国政府も増加するデフォルトを回避する目的で金融緩和を行っていることもあり、建築向けの需要は政府当局は抑制方針であるものの底堅く推移するのではないか。

工業金属のフロー需要に影響する工業生産は、1-8月期累計で前年比+13.1%(1-7月期+14.4%)と伸びが鈍化、単月でも 前年比+5.3%(前月+6.4%)と鈍化が鮮明になっている。

ストック需要の指標である固定資産投資も年初来累計で+8.9%(+10.3%)と明確に減速。公的セクターの伸び鈍化は所与としても、よりボリュームの大きな民間部門が前年比+11.5%(+13.4%)と伸びが減速していることは、中国政府によるバブル抑制行動が影響しているとみられる。

中国政府が最も懸念している不動産開発投資はまだ前年比+10.9%(1-7月期+12.7%の8兆4,895億元)と高い伸びを維持しているがそれでも減速基調にあり、新築住宅販売の前年比上昇も+0.16%(前月+0.30%)と伸びが鈍化している。

いずれも「伸び」が鈍化しているのみであり、中国の経済活動が回復していることは間違いがない。しかし、需要の伸びが想定を下回る場合、多くの場合供給過剰を誘発して価格の下押し要因となる。

【中国鉄鋼製品輸出入・在庫動向】

8月の中国の鉄鋼製品の輸入は前年比▲52.5%の106万3,000トン(前月▲59.8%の105万トン)と低迷し、過去5年平均を下回った状態が続いている。

8月の中国粗鋼生産は前年比▲12.2%の8,324万トン(前月▲7.0%の8,679万トン、前々月+2.5%の9,388万トン、前々々月+7.8%の9,945万トン)と減速が鮮明になった。前年比での伸びが鈍化。生産調整の影響が出ている。

一方、8月の鉄鋼製品の輸出は前年比+37.3%の505万3,000トン(前月+35.6%の567万トン)と前月から前年比の伸びを拡大した。ただし、過去5年平均を下回る水準に減少しており、やはり国内供給を優先させていることが窺える。

なお、中国の鉄鋼製品需要は旺盛とみられるが、在庫水準は前週比▲14万1,000トンの1,537万2,000トン(過去5年平均 1,137万2,000トン)と例年を上回り水準は高い。

【中国鉄鉱石輸出入・在庫動向】

原料である鉄鉱石の7月の輸入は前年比▲21.4%の8,851万トン(前月▲12.1%の8,942万トン)と減速した。中国政府の鉄鋼ミル稼働制限の動きが輸入を鈍化させたとみられる。

また中国の鉄鉱石需要は鈍化している可能性がある。

なお、中国の最大の輸入相手である豪州では鉱山の人繰りが付かず生産が停滞しているとの指摘もあるが、直近5月の輸出統計では明確な減速は確認されていない。

鉄鉱石港湾在庫は前週比▲40万トンの1億3,010万トン(過去5年平均1億2,512万トン)、在庫日数は27.9日(過去5年平均 27.5日)と数量ベース・日数ベースでも過去5年平均を上回り急速に需給が緩和していることが確認されている。

在庫日数は粗鋼生産の水準の高さに依拠するため、中国政府の鉄鋼生産抑制方針を受けて在庫日数の上昇傾向は続き、価格を下押しすると予想される。

【中国原料炭輸出入・在庫動向】

原料炭は中国の生産活動回復が継続しているが、前年比の伸び鈍化が明確になってきたため(中国政府の方針通り)、価格は下落余地を探る動きになると考える。

また、中国政府は原料炭を含む石炭の国内生産を増加させる方針であることも、海上輸送原料炭価格を下押ししよう。

とは言え、環境規制強化の流れで世界的に原料炭供給を増加させられる地域が限定されることから、下落余地も同様に限定される都見るのが妥当だ。

8月の中国の原料炭輸入は前年比▲34.7%の468万2,831トン(前月▲48.8%の377万1,291トン)と回復しているが、過去5年レンジを下回った状態が続いている。豪州からの輸入停止と、モンゴルからの輸入停滞(コロナの影響)、国内の鉄鋼生産削減政策が影響しているとみられる。

中国の港湾在庫の水準は鉄鋼の最大生産省である河北省の主要港である、京唐港の港湾在庫は前週比▲4万トンの112万トンと過去5年平均の126万8,000万トンを下回っている。

在庫日数は4.4日と、過去5年の平均である5.3日を下回り、タイトな状態。しかし、中国政府の方針を受けた粗鋼生産の減少の可能性は高く、価格には下押し圧力が掛る公算。

【見通しの固有リスク】

・中国の不動産セクター減速が、建材需要を減少させる可能性(鉄鋼製品価格の下落を通じて鉄鋼原料価格の下落要因)。

・世界的に広がる環境規制強化の流れで、鉄鉱石や原料炭などの生産に一定の影響が起きる場合(価格上昇要因)。

・コロナウイルスの感染拡大長期化による、鉱山生産の減少リスク(価格上昇要因)。

---≪貴金属≫---

【貴金属価格見通し】

【金】

金はしばらく上昇圧力が強まる展開が予想される。米雇用統計がやや弱気な内容だったことでテーパリングは早期に行われるものの、ぺースが緩慢で利上げはまだ先と強調されたことで、一旦調整的に長期金利の下押し圧力が強まるため。

ただしテーパリングが進捗する中では(というよりは、テーパリング宣言からテーパリング実施まで、その影響を織り込む中では)長期金利に上昇圧力が掛り、中期的に下落に転じる見通しに変化はない。

なお、過去5年平均を基準にすると名目金利1bpに対する金価格の感応度は±3.0ドル弱であり、米10年金利が現在の水準から30bp上昇すれば▲90ドルの下落圧力となる(60bpで▲180ドル)。

現在の金の実質金利で説明可能な価格(金基準価格)は1,611ドル(前日比+1ドル)、そこからの乖離(リスク・プレミアム)は116ドル(▲8ドル)。

リスク・プレミアムは、過去3ヵ月平均で130ドル、6ヵ月で170ドル、1年で190ドル、5年で175ドルとなっている。

なお、金価格を実質金利要因と為替要因に分類した場合、為替要因はリスク・プレミアムのところに内包されると整理している(為替は名目金利の影響も受けるので、純粋に為替の要因のみ切り出すのが困難であることから)。

※毎日回帰分析をアップデートし、リスク・プレミアム自体の水準を見直しているため、前日比の整合性が取れていない場合があります。

【銀】

銀価格は金価格との比較感で売買されるが、金銀レシオは現在、77.2倍。過去1年を基準にすると72倍、5年では80倍、2000年以降では66倍程度が妥当。

今後、さらに金銀レシオが低下するには、工業需要の増加が必須。今後、IT化の進捗でエレクトロニクス向けの需要が増加することが必要。太陽光パネルの増設は脱炭素の行きすぎヘの反発や、米国が太陽光パネルの主要生産国である中国からの調達を手控えると考えられ、影響は限定と考える。

なお、銀価格=金価格÷金銀レシオ であり、金銀レシオが低下することで金価格が変動した時の弾性値が上昇(ボラティリティは上昇し、足元金の2倍に上昇)する点は留意。

(例)金が2,000ドル、銀が20ドルのとき 金銀レシオが100倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1セント変化 金の変化率は±0.05%、銀は±0.05%

 金銀レシオが1倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1ドル変化 金の上昇率は±0.05%、銀は±5%

【PGM】

プラチナ価格は銀価格との連動性が高い。これは供給過剰で投機的な取引の影響が強まっていることによる。プラチナの需給バランスはWPICデータを元にすると今年も除く投機で供給過剰であり、投機動向が価格を左右しやすい。

パラジウムは半導体供給低迷が自動車生産に影響を与える状況が来春ぐらいまでは続く可能性があるため、当面低水準での推移。しかし自動車販売が回復すれば再び高値圏へ。

8月の米自動車販売は年率1,306万台(市場予想1,443万台、前月1,475万台)と減速。目先はパラジウム価格の下落要因となりやすい。

中国の自動車販売は中国自動車工業協会の集計で以下の通りであり、明らかに伸びが減速している。半導体供給不足に加え国内景気の伸び減速が影響。

8月 前年比▲17.4%の179万8,841台7月 ▲11.8%の186万3,550台。6月 ▲12.4%の201万5,309台5月 ▲3.0%の212万7,000台4月 +8.8%の225万台3月 +76.5%の252万5,000台2月 +371%の146万台1月 +30%の250万台

調査会社のオートフォーキャスト・ソリューションズによれば半導体不足による供給減少の累積は7月16日時点で167万8,000台となっており、2019年1-7月期の966万9,484台から▲17.4%減少している。

この回復がある、ないしは供給側の混乱(南アフリカ)による生産減少がなければ、PGM価格は低水準で推移しよう。

【見通しの固有リスク】

・アフガニスタン情勢がかなり混迷の度合いを深めており、周辺地域への影響(南欧など)が拡大し、軍事的な行動に発展、足下のリスク・プレミアムが低いことからリスク回避の見直し買いが入る場合(貴金属セクター全体の上昇要因)。

・主要生産国の南アフリカの電力供給不安や、コロナウイルスの影響拡大で供給が滞る場合(PGMの価格上昇要因)。

・コロナからの回復は各国まだらであり、先行する米国が金融正常化に動いた場合、新興国から資金が流出して信用リスクが高まる場合(安全資産価格の上昇要因)。

・米中の対立激化。バイデン政権は対中強硬姿勢を明確にしており、対立がさらに激化する場合(安全資産価格の上昇要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加(実際に破綻が意識されるのは2030年以降か)。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

環境重視型社会へのシフトはパラジウム需要を増加させるが、さらに加速して「水素社会」まで到達すると、燃料電池車需要が増加して構造的にプラチナ価格の上昇要因となる可能性。

・コロナウイルスの感染拡大による、最大生産国の1つである南アフリカの鉱山稼働が電力供給問題もあって不安定であることによる供給懸念。

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが296,670枚(前週比 ▲10,318枚)、ショートが109,023枚(+9,795枚)、ネットロングは187,647枚(▲20,113枚)、銀が66,708枚(+1,881枚)、ショートが51,073枚(+12,922枚)、ネットロングは15,635枚(▲11,041枚)

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

プラチナはロングが33,230枚(前週比 ▲419枚)ショートが32,012枚(▲2,704枚)、ネットロングは1,218枚(+2,285枚)

パラジウムが2,598枚(▲356枚)、ショートが5,311枚(+630枚)ネットロングは▲2,713枚(▲986枚)

---≪農産品≫---

【穀物価格見通し】

シカゴ穀物価格は堅調な推移になると考える。冬場のラニーニャ現象の発生(北半球の天候相場は終了も、南半球の天候相場入り)が懸念されていることや、その他の商品価格が上昇する中で割安感がまだある穀物セクターが物色される可能性が高まっているため。

8月の中国の大豆輸入は前年比▲1.2%の948万8,000トン(前月▲14.0%の867万トン)と回復し、過去5年水準を上回った。依然として中国の大豆在庫の水準は低いため、相応の輸入需要があると見られる。

Locust WatchではFAOの予想通り、降雨がなかったため群生相の発生は極めて抑制されている。Locust Watchでも今のところ差し迫った危機の発生リスクは指摘されていない。

しかし、ラニーニャ現象発生に伴うサイクロン発生リスクも低くないため、再び越冬できるバッタの数が増加する可能性も有り得るため、引き続き注意が必要だ。
http://www.fao.org/ag/locusts/common/ecg/75/en/210923update.jpg

【見通しの固有リスク】

・ラニーニャ現象発生観測による投機筋の買い圧力の強まり(価格の上昇要因)。

・環境重視型社会へのシフトにより、燃料向け穀物需要が増加する場合(価格の上昇要因)。現在はそれほどの数量でもない、バイオディーゼル向けの大豆需要増加など。

・新型コロナウイルスの影響拡大による、輸出活動の停滞(シカゴ定期を含む生産地価格の下落要因)。

【米農務省需給報告データ】

・米作付け意向面積トウモロコシ 9,114万エーカー(市場予想9,313万エーカー、前年9,699万エーカー)大豆 8,760万エーカー(9,010万エーカー、8,351万エーカー)小麦 4,636万エーカー(4,495万エーカー、4,466万エーカー)綿花 1,204万エーカー(1,215万エーカー、1,370万エーカー)

・米穀物最終作付け面積 実績(前年)トウモロコシ 9,269万エーカー(9,082万エーカー)大豆 8,756万エーカー(8,383万エーカー)小麦 4,674万エーカー(4,425万エーカー)

・9月米需給報告単収見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 176.3Bu/エーカー(175.6、174.6)大豆 50.6Bu/エーカー(50.4、50.0)小麦 44.5Bu/エーカー(NA、44.5)

・9月米需給報告生産見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 149億9,600万Bu(149億137万Bu、147億5,000万Bu)大豆 43億7,400万Bu(43億6,526万Bu、43億3,900万Bu)小麦 16億9,700万Bu(NA、16億9,700万Bu)

・9月米需給報告輸出見通し(実績/前月)トウモロコシ 24億7,500万Bu(24億Bu)大豆 20億9,000万Bu(20億5,500万Bu)小麦 8億7,500Bu(8億7,500万Bu)

・9月米需給報告在庫見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 14億800万Bu(13億4,137万Bu、12億4,200万Bu)大豆 1億8,500万Bu(1億8,152万Bu、1億5,500万Bu)小麦 6億1,500万Bu(6億1,259万Bu、6億2,700万Bu)

・6月末四半期在庫 実績(前期末)トウモロコシ 41億1,200万Bu(77億1004万Bu)大豆 7億6,700万Bu(15億6,400万Bu)小麦 8億4,400万Bu(13億1,400万Bu)

・9月CONABブラジル作付け面積(市場予想/前月)トウモロコシ 1,987万ha(NA、1,982万ha)大豆 3,853万ha(NA、3,853万ha)

・9月CONABブラジル生産量(市場予想/前月)トウモロコシ 8,575万トン(NA、8,665万トン) 単収 4,316kg/ha(NA、4,371kg/ha)大豆 1億3,591万トン(NA、1億3,598万トン) 単収 3,527kg/ha(NA、3,529kg/ha)

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

トウモロコシはロングが368,776枚(前週比 ▲1,573枚)、ショートが103,275枚(▲8,440枚)ネットロングは265,501枚(+6,867枚)

大豆はロングが138,867枚(▲4,249枚)、ショートが77,813枚(+452枚)ネットロングは61,054枚(▲4,701枚)

小麦はロングが86,658枚(▲5,760枚)、ショートが84,816枚(▲3,028枚)ネットロングは1,842枚(▲2,732枚)

◆本日のMRA's Eye


「錫価格は高値維持~半導体向け需要増加では再び上昇へ」

LME錫価格は高騰を続け、2021年9月24日には36,830ドルと上場来高値を付けた。しかしその後、米テーパリング実施観測や恒大集団の債務問題を背景とする株安を受けたリスク回避姿勢の強まりで非鉄金属が売られる流れを受け、錫価格も水準を切下げた。足下、その他の非鉄金属と同様移動平均線が価格の節目として意識されているため、このチャートポイントを維持できるか、下抜けるのかによって価格水準が決まりやすい。

しかし、最大消費国である中国は、かねてから共産党政権が意識しているバブルの抑制方針を受けて景気が減速を始めており、景気減速観測に伴う期待需要の減少観測から価格には調整圧力が強まりやすい地合。ここまでの急落は投機的な要因によるものと考えられるが、価格下落には実際の需給ファンダメンタルズの緩和がある。

非鉄金属をはじめとする商品の「足下の需給」を統計で把握することは難しい。そのため期間構造を元に足下の需給を判断せざるを得ないが、このときに参考になるのがキャッシュ価格と3ヵ月先渡し価格のタイムスプレッドである。

需給がタイトな場合、タイムスプレッドはタイトになり期近の価格が上昇するのはこのコラムで何回か説明させて頂いている通り。

過去の推移を見ると、錫の需給バランスの判断材料となるタイムスプレッドは直近限月vs3ヵ月先渡しで今年の3月に▲4,895ドルのバックワーデーションと極めてタイトな状態となったが、足下は▲1,650ドルまで縮小しており、需給環境はやや緩和しているとみられる。

これはコロナの影響はあるものの、インドネシアからの錫輸出が回復していること、冒頭のコメント通り最大消費国である中国の需要が減速していること、半導体供給に制限がある中で、半導体向け需要が頭打ちとなっていることが影響していると見られる。なお、早晩この状態は解消し、半導体向けの需要は回復することが見込まれるがそれにはまだ時間が必要だろう。

主要消費国である中国の減速はあるが、2022年の錫需給は2021年比で需給バランスが緩和する見通しであり、直接関係はないものの恒大集団問題は高い確率でその他の不動産業並びにそこに対する融資元である銀行経営の圧迫要因となるため、中期的には価格には下押し圧力が掛りやすい。

しかし、コロナを切っ掛けにしたリモートワークの定着でIT向けの需要が増加する見通しであるほか、半導体向けの需要が回復する見通しであり「構造的な需要の回復」が価格を押し上げると予想されるため、長期的な見通しは強気だ。

また、欧州主体で進んでいる環境規制強化と同時に、若年層労働者に労働を強制して製造した「コンフリクトメタル」への規制も厳しくなると予想されるため供給面での制限は多く、今の環境保護主義的な政策が継続すれば錫価格はさらに上昇することになると考えるのが妥当だろう。

◆主要ニュース


・8月独輸入物価指数 前月比+1.4%(前月+2.2%)前年比+16.5%(+15.0%)

・9月ユーロ圏消費者信頼感速報 ▲4.0(前月改定 ▲5.3)

・米MBA住宅ローン
 申請指数 前週比 ▲1.1%(前週+4.9%)
 購入指数 ▲1.2%(+2.2%)
 借換指数 ▲0.9%(+6.5%)
 固定金利30年 3.10%(3.03%)
 15年 2.43%(2.34%)

・8月米中古住宅販売仮契約 前月比+8.1%(前月▲2.0%)
 前年比▲6.3%(▲9.6%)

・自民党の総裁選、岸田議員が勝利。年内に数十兆円規模の財政出動をともなう経済対策を実施方針。

・中国恒大集団、保有する地銀株を国有企業に売却。システミックリスク発生を回避へ国が後押しした模様。

・OPECプラス、11月も減産幅縮小継続も40万バレルに止まる見込み。JTCは2022年140万バレルの供給過剰を想定、前回の160万バレルからやや下方修正。2021年は▲110万バレルの供給不足となる見込み。

・FRBパウエル議長「供給面の制約によるインフレは予想以上に長期化している。2022年の成長はかなり堅調でトレンドを上回る。米当局の利上げにはまだ遠い。デジタル通貨の発行は鋭意検討。今の物価上昇は新たな高インフレ時代に繋がらない。」

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】

・DOE米石油統計 原油+4.6MB(クッシング+0.1MB)
 ガソリン+0.2MB
 ディスティレート+0.4MB
 稼働率+0.6

 原油・石油製品輸出 7,477KBD(前週比▲94KBD)
 原油輸出 2,699KBD(▲5KBD)
 ガソリン輸出 679KBD(+65KBD)
 ディスティレート輸出 839KBD(▲28KBD)
 レジデュアル輸出 92KBD(+11KBD)
 プロパン・プロピレン輸出 1,167KBD(▲40KBD)
 その他石油製品輸出 1,927KBD(▲85KBD)

・ハンガリーがロシアとの間で天然ガスの長期供給契約を締結したことを受けてウクライナ政府が抗議。

【メタル】

・8月日本銑鉄生産 前年比+802千トンの5,918.6千トン(前月5,902.2千トン)

・8月日本粗鋼生産 前年比+726千トンの7,923.8千トン(前月8,006.4千トン)

・8月日本熱間圧延鋼材生産 前年比+521千トンの6,984.6千トン(前月 7,196.6千トン)

・8月日本伸銅品生産 前年比+50.6%の5万5,230トン(前月+48.8%の6万5,710トン)

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.ICE欧州天然ガス ( エネルギー )/ +10.09%/ +281.38%
2.CME牛乳 ( 畜産品 )/ +8.17%/ +13.16%
3.NYB綿花 ( その他農産品 )/ +3.00%/ +33.05%
4.LIFFEココア ( その他農産品 )/ +2.51%/ +5.87%
5.SHF錫 ( ベースメタル )/ +1.83%/ +83.18%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
66.NYM米天然ガス ( エネルギー )/ ▲6.63%/ +114.81%
65.銀 ( 貴金属 )/ ▲4.10%/ ▲18.43%
64.ICEアラビカ ( その他農産品 )/ ▲2.62%/ +50.80%
63.日経平均 ( 株式 )/ ▲2.12%/ +7.65%
62.LIFFEロブスタ ( その他農産品 )/ ▲2.04%/ +54.00%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :34,390.72(+90.73)
S&P500 :4,359.46(+6.83)
日経平均株価 :29,544.29(▲639.67)
ドル円 :111.96(+0.46)
ユーロ円 :129.85(▲0.41)
米10年債 :1.52(▲0.02)
中国10年債利回り :2.86(▲0.01)
日本10年債利回り :0.08(▲0.01)
独10年債利回り :▲0.21(▲0.01)
ビットコイン :41,125.06(▲660.84)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :29.16(+0.35)
エネルギー :38.23(▲0.7)
ベースメタル :22.48(▲0.45)
貴金属 :29.82(+0.8)
穀物 :20.74(+0.08)
その他農畜産品 :30.91(+1.2)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :23.91(▲0.12)
Brent :21.19(▲1.17)
米天然ガス :61.51(▲3.33)
米ガソリン :36.51(+0.2)
ICEガスオイル :22.86(▲0.74)
LME銅 :19.35(▲0.75)
LMEアルミニウム :23.75(▲1.21)
金 :13.94(+0.09)
プラチナ :32.66(+0.13)
トウモロコシ :31.75(+0.06)
大豆 :13.94(+0.09)

【エネルギー】
WTI :74.63(▲0.66)
Brent :78.39(▲0.70)
Oman :75.87(▲0.36)
米ガソリン :223.23(+3.04)
米灯油 :231.65(+2.75)
ICEガスオイル :666.75(+2.50)
米天然ガス :5.45(▲0.39)
英天然ガス :215.10(+19.72)

【貴金属】
金 :1726.37(▲7.64)
銀 :21.54(▲0.92)
プラチナ :954.33(▲13.29)
パラジウム :1861.42(▲18.24)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :9,216(▲45:11.5B)
亜鉛 :3,059(▲22:11.5C)
鉛 :2,162(▲22:23.5B)
アルミニウム :2,930(+14:17C)
ニッケル :18,560(▲50:65B)
錫 :35,950(+450:1650B)
コバルト :53,023(±0.0)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :9160.50(▲95.50)
亜鉛 :3046.00(▲25.00)
鉛 :2134.50(▲24.50)
アルミニウム :2913.00(▲19.00)
ニッケル :18270.00(▲225.00)
錫 :35580.00(▲210.00)
バルチック海運指数 :4,962.00(+245.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR中国、1営業日前) :114.98(▲0.62)
SGX鉄鉱石 :119.37(+0.20)
NYMEX鉄鉱石 :119.7(▲0.19)
NYMEX豪州原料炭スワップ先物 :349.67(▲0.33)
大連原料炭先物 :575.82(+2.78)
上海鉄筋直近限月 :5,803(▲20)
上海鉄筋中心限月 :5,641(+44)
米鉄スクラップ :594(+9.00)

【農産物】
大豆 :1283.25(+6.25)
シカゴ大豆ミール :337.80(+0.50)
シカゴ大豆油 :57.73(▲0.04)
マレーシア パーム油 :4710.00(+22.00)
シカゴ とうもろこし :539.25(+6.75)
シカゴ小麦 :711.00(+4.50)
シンガポールゴム :181.30(+1.00)
上海ゴム :12830.00(▲25.00)
砂糖 :18.94(▲0.04)
アラビカ :193.40(▲5.20)
ロブスタ :2116.00(▲44.00)
綿花 :103.94(+3.03)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :90.63(▲1.05)
シカゴ生牛 :121.68(▲0.33)
シカゴ飼育牛 :154.18(▲0.23)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。