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株安・ドル高で景気循環系商品売られる
  • MRA商品市場レポート

2021年5月13日 第1953号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「株安・ドル高で景気循環系商品売られる」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は自国通貨建て商品が上昇、発電燃料、ソフトコモディティの一角が上昇したが、その他の景気循環系商品価格は総じて水準を切り下げる流れとなった。

米消費者物価指数が市場予想を上回る伸びとなり、同国のインフレ懸念が意識されて長期金利が上昇、実質金利の上昇と、長期金利上昇を背景としたドル高進行が材料となった。

これまでの価格上昇は、月初の米雇用統計が市場予想を下回ったことで「都合良く」長期金利が低下したこと、ドル安が進行したことが材料の1つとなっていたが、それが米CPIを受けて逆回転した形。

しかも米FRBクラリダ副議長が「米消費者物価指数には驚いた」と素直な驚きの発言をしたことも、長期金利上昇と株安に繋がることとなった。

【本日の見通し】

本日も昨日の米消費者物価指数の上昇を受けたドル高と、株の調整圧力が強まる展開が予想されることから広く商品価格は下落すると予想される。

しかし今回の消費者物価指数の上昇は一過性のものである可能性が高く、FRBも緩和政策を継続する見通しであることから早晩、景気循環系、インフレ系資産に買い戻しが入る展開が予想される。

【セクター別動向と見通し】

◆エネルギー

原油価格は上昇後下落。IEAがインドの需要見通しを考慮しても供給過剰感が解消されたとの見通しを示したことで上昇していたが、米石油統計での原油在庫の減少が市場予想ほどではなかったことや、米CPIを受けたドル高進行が材料となった。

昨日発表の米石油統計は予想比で原油が弱き、石油製品は強気な内容だった。

原油は生産が増加(+0.1MBD)、輸入は横ばい、稼働率は低下(▲0.4%)、在庫は▲0.4MBの減少となった。在庫日数は▲0.3日の31.1日と、過去5年レンジを回復した。需給バランスは通常の状態に復帰したと言える。

原油価格に影響が大きいクッシング在庫は▲421KB(+254KB)と減少。輸入が減少(▲0.2MBD)、製油所の稼働率が上昇(+1.8%)したことが影響した。クッシングの在庫スペースの稼働率は58.0%(58.0%)と横ばい。

石油製品在庫は、ガソリンが増加、ディスティレートは減少した。ガソリンは+0.4MB(前週+0.7MB)、ディスティレートは▲1.7MB(▲2.9MB)となった。

石油製品はコロナショック後以降、出荷動向に注目しているが、米ガソリン出荷は前年比+55.5%の8.91MBD(前週+67.9%の8.95MBD)と減少、コロナの影響がなかった2019年と比較すると▲6.0%(▲5.5%)と減速している。

コロニアル・パイプラインに対するサイバー攻撃でパイプラインが停止したのが7日であり、統計は7日までのものであるため一部、このサイバー攻撃が出荷に影響したとみられる。

ディスティレートは前年比+33.6%の4.07MBD(+27.8%の4.11MBD、2019年比+6.7%(+8.5%))と減速。

製品全体では、前年比+23.1%の19.08MBD(+34.2%の19.79MBD、2019年比▲5.1%(▲2.0%))と、ガソリン・ディスティレートと同様減速した。

輸出は+14.5%の5.37MBD(▲3.2%の5.13MBD、2019年比+1.6%(▲3.5%))と回復。出荷+輸出は+21.1%の24.46MBD(+24.3%の24.92MBD、2019年比▲3.7%(▲2.4%))と今週については足踏みとなった。

全体の出荷・輸出は過去5年平均を回復しており需要堅調。ただし、プレ・コロナの2019年水準を回復するには、米国内での人・モノの移動制限が解除されることが必要条件になると考える。

石炭価格(豪州炭)は大幅に上昇して100ドルに到達。中国の経済活動の回復や脱炭素に伴う供給減少が引き続き材料視されている。材料は変わらず。

中国の石炭輸入動向の指標の1つであるバルチック海運指数は上昇。ばら積み船の需給は引き続きタイトな状態が続いている。航空機輸送市場が回復するまではこの水準が続くことになるだろう。

JKMは石炭の上昇もあって上昇。夏場に向けた在庫積み増しの動きと欧州地域の供給が十分でないことがLNGカーゴ需給をタイト化させ、価格の押し上げ要因となっている。ただしLNGのタンカーレートは東西とも「若干」上昇ペースが鈍化し始めている。

5月3日~9日の世界のLNG取引740万トンのうち260万トンがスポットで取引された。豪州とエジプトが供給のトップ2。中国は鉱物資源分野で制裁をしている豪州から主に調達。

欧州天然ガスは上昇。排出権価格の再び上昇したことで、石炭+排出権よりもガス需要が増加したことが背景。なお、欧州排出権の上昇を助長しているのはファンドと金融機関であり、発電燃料価格の上昇に投機的な動きが影響している可能性が否定出来なくなってきた。

本日は米長期金利の上昇圧力や株価の調整もあり、調整売りに押される展開を予想。

石炭・LNGは夏に向けた在庫積み増しの動きがアジア・欧州で旺盛とみられ高値圏を維持すると予想。材料は変わらず。

◆非鉄金属

LME非鉄金属価格は下落した。LME指定倉庫在庫の減少は継続しているが、注目の米消費者物価指数が市場予想を上回り、ドル高が進行したことが材料となった。需給バランスがタイトであることが材料で上昇していたが、投機的な買いが押し上げていたことは否めない。

本日も昨日の流れでドル高が進行すると予想され、価格を押し上げてきた投機の利益確定の動きで軟調な酸いになると予想する。

◆鉄鋼・鉄鋼原料

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは上昇、大連先物は小幅に上昇、豪州原料炭スワップ先物は上昇、大連原料炭先物は下落、上海鉄鋼製品先物は直近限月が下落し、中心限月が上昇した。

環境規制強化に伴う鉄鋼生産の減少と、経済対策による鉄鋼需要の増加で鉄鋼製品価格は高止まりしており、鉄鋼製品価格の水準が変わらないことから、回帰分析で説明可能な220ドル程度での推移が続くと考える。

本日も、鉄鋼製品価格が鉄鉱石価格(先物)を牽引してるため、鉄鋼製品需給がタイトであることから鉄鉱石価格は高止まりすると予想。

豪州原料炭は中国との対立で低水準も底堅い展開に。

◆貴金属

金価格は米消費者物価指数が市場予想を上回る上昇となったことで長期金利が上昇し、実質金利も上昇、ドル高も進行したため下落した。銀も金価格の下落を受けて調整、プラチナ、パラジウムも金銀価格の下落と株価の調整で大幅に水準を切り下げた。

本日は米長期金利上昇を受けたドル高基調の継続観測を受けて下押し圧力が強まる展開が予想される。

◆穀物

穀物価格はまちまち。夜間に発表されたCONABならびにUSDAの統計は市場予想比で弱気な内容で下落要因となったが、大豆はバイオ燃料向けの需要増加期待などの油脂価格の上昇で堅調だった。

昨晩発表のCONABならびにUSDAの統計は以下の通り。

・5月米需給報告単収見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 179.5Bu/エーカー(179.5、172.0)大豆 50.8Bu/エーカー(50.9、50.2)小麦 50.0Bu/エーカー(NA、49.7)

・5月米需給報告生産見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 149億9,000万Bu(150億2,931万Bu、141億8,200万Bu)大豆 44億500万Bu(44億3,105万Bu、41億3,500万Bu)小麦 18億7,200万Bu(18億7,715万Bu、18億2,600万Bu)

・5月米需給報告輸出見通し(実績/前月)トウモロコシ 24億5,000万Bu(NA、26億7,500万Bu)大豆 20億7,500万Bu(NA、22億8,000万Bu)小麦 9億Bu(NA、9億6,500万Bu)

・5月米需給報告在庫見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 15億700万Bu(13億2,715万Bu、13億5,200万Bu)大豆 1億4,000万Bu(1億3,319万Bu、1億2,000万Bu)小麦 7億7,400万Bu(7億5,132万Bu、8億5,200万Bu)

・5月CONABブラジル作付け面積(市場予想/前月)トウモロコシ 1,987万ha(1,971万ha、1,972万ha)大豆 3,850万ha(3,864万ha、3,847万ha)

・5月CONABブラジル生産量(市場予想/前月)トウモロコシ 1億642万トン(1億112万トン、1億897万トン) 単収 5,355kg/ha(5,132Kg/ha、5,526kg/ha)大豆 1億3,541万トン(1億3,614万トン、1億3,554万トン) 単収 3,517kg/ha(3,526Kg/ha、3,523kg/ha)

本日は昨晩の統計を受けてトウモロコシや小麦に下押し圧力が強まりそうだが、大豆かかくがは昨日の価格上昇が大きかったため調整売りに押されるとみるが、需給見通しはタイトであり結局上昇に転じると考える。

※中長期見通しは個別セクターのコラムをご参照ください。

市場データ・グラフ類の添付ファイルのサンプルはこちら。

【昨日のトピックス】

昨日発表された中国の資金関連統計は、総じて中国政府が資金供給を抑制し始めていることを伺わせる内容だった。

人民元建て新規融資は1兆4,700億元(前月2兆7,300億元)と21ヵ月ぶりの低水準となり、世界の工業セクター活動の先行指標の1つであるM1は前年比+6.2%(市場予想+7.1%、前月+7.1%)と市場予想、前月とも下回った。

中国政府はコロナウイルスの影響緩和を受けて徐々に刺激策を解除する方針とみられ、特にバブル感が強まっている住宅セクター向けの投資には徐々にブレーキがかかることが予想される。

今のところ「ブーム」である鉱業セクターの買い圧力は、中国の活動鈍化が徐々に顕在化する中でトーンダウンすると予想される。

また、昨日は注目の米消費者物価指数が発表されたが市場予想を大きく上回る伸びとなった。市場の見方は分かれているが、景気が回復していることはもちろんあるだろうが、それ以上に供給面の制限の影響が大きいと考えられる(どちらかと言えばコストプッシュインフレか)。

となると、コロナの状況が緩和する中では物流も回復すると予想されるため、この上昇圧力は緩和される、と考えるのが妥当である。FRBの金融政策変更には繋がらないのではないか。

【マクロ見通しのリスクシナリオ】

・来年の中間選挙を控えて、バイデン大統領が国内の支持を得られない場合。恐らく選挙を考えると今年の夏までが勝負。

財政面や企業負担増の理由から造反が発生し、議会を通過しない場合は景気のリスクに(景気減速要因)。

・米財政出動が加速、景気回復期待を受けた価格上昇が顕著となる場合。

この場合、長期金利上昇でドル高が進行しやすく価格の下落を意識しなければならないが、足下、どの中央銀行・政府も景気過熱は意識しているものの沈静化させるタイミングと判断していないため、しばらくは顕著な価格上昇リスクとなる見込み。

常識的に考えると今年の年末頃からテーパリング開始の見通しとなるが、来年の米中間選挙を控えて米政権がテーパリング実施にクギを刺す可能性がある。この場合、2022年にかけて、さらにリスク資産価格が上昇する可能性も。

・コロナウイルスの感染再拡大(または新たなウイルスの発生、効くと期待しているワクチンが変異種などを対象にそれほど今夏がなかった場合、など)によるロックダウンが景気循環系商品の需要を減じる場合(価格下落要因)。

これは既に欧州、インド、日本などで顕在化。

逆に想定以上にワクチン・治療薬の開発が速やかに行われた場合は需要の増加要因に。

・環境重視型社会への急激な転換による、経済活動の鈍化リスク。成長ドライバーの1つとして期待される、中東・北アフリカ産油国が人口ボーナス期を活かせない(逆に鉱物産出国は高成長となる可能性も)。

・米中対立激化による、新冷戦構造が発現しブロック経済圏が発生して貿易活動が鈍化する場合(場合によると武力衝突も)。

「能動的に」軍事を行う方針に舵を切った中国習近平政権が、台湾統一を目指して侵略する可能性は高くなった。

・次の成長ドライバーとして期待されるインド経済が、期待通りの成長をできない場合(人種差別問題による国民の離反、市場開放・規制改革の遅れ、中国との対立など)。

2018年にすでに人口ボーナス期入りしているため、鉱物・エネルギーをはじめとする景気循環系商品需要の増加は2023~2024年頃。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(これは人口動態を考えると、現実のリスクとなるのは2030年以降か)。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油価格見通し】

原油価格は高値でもみ合うものと考える。最大消費国である米国の経済統計は良好なものが多いこと、DOEやOPECなどの見通しは需給ファンダメンタルズがさらにタイト化する見通しであることが背景。

しかし、OPECの増産バイアスは強まり、米国のイランに対する制裁が解除される可能性がたかまっていること、コロナのロックダウンの影響が広がっている欧州・インドでの需要減速は不可避であること、米景気の回復期待で米長期金利上昇・ドル高圧力がかかるシナリオは依然、メインシナリオであり調整圧力が上昇圧力を上回る可能性は低くないとみる。

なお、米国のイラン核合意復帰に向けた動きが進んでおり、サウジアラビアも米国の軍事的な支援を得られなくなったことでイランとの距離を縮める動きを見せていることから、当面、原油価格には下押し圧力になると見られる。

常識的に考えれば経済活動の再開で2022年頃(早ければ今年の年末)から米国でテーパリングが始まり、過去の例を考えると長期金利の上昇などを通じてリスク資産価格には一時的に調整圧力が強まる可能性は高い。そのため、2022年には一旦調整局面があり、その後、持続可能な上昇になると予想する。

【見通しの固有リスク】

・ワクチン接種の進捗が想定よりも早まり、人の移動制限が解除され需要増加に供給が間に合わず、価格が急騰するリスク(供給の時間差リスク)。

同時に変異株が猛威を振るい、ワクチンが効かない場合(需要減少で下落リスク)。

・米国経済が正常化する中で急速なドル高が進行し、投機的な売り圧力が高まる場合。

・OPECプラスの増産タイミングの見誤りによる、供給不足(価格上昇要因)。

・脱炭素の進捗、生活様式の変化による構造的な需要減少が加速した場合

1.中東産油国の財政悪化によって情勢不安が顕在化、供給途絶リスクが高まる

2.中東以外の産油国の生産者の破綻

3.上流投資部門投資が減速し、インドなどの新興国需要顕在化時に供給が間に合わない場合

4.価格面、数量面で予算を確保できない産油国が、OSPを大幅に引き上げる場合(第3次オイルショック)

などが価格上昇要因に。

・バイデン政権がシェールオイルのフラッキングやパイプライン敷設を制限/禁止する場合、供給減少で価格上昇要因に。

また、イランに対する制裁が緩和される場合、原油価格の下落要因に。

・米国の橋渡しでイランとサウジを初めとするスンニ派諸国が和解し、巨大なイスラム教圏が誕生した場合。

リスクシナリオの位置づけだったが、「巨大なイスラム圏」ができることにはならないが、バイデン政権誕生によってサウジアラビアはイランと関係改善に動かざるを得なくなっており、域内の緊張緩和観測が強まっている。

【石炭価格見通し】

海上輸送石炭価格は高値を維持すると考える。中国の製造業活動の回復とそれを受けた電力向け需要が旺盛と考えられるため。LNG価格の上昇も価格上昇を後押し。

中国政府は国内炭の供給能力増強にシフトしているが、経済活動の回復に供給が十分ではない。

ただし、豪州との対立や、環境規制強化の中で石炭需要は減速するとみられること、非常に矛盾するが国内生産を増加させていることから海上輸送炭価格の上値は重くなると予想される。

4月の石炭輸入は前年比▲29.8%の2,173万トン(前月▲1.8%の2,733万トン)と減少に転じた。中国国内の電力需要が回復していることで輸入が増加していたが、調達に目処が立った可能性がある。

ただ、中国の石炭輸入需要の指標であるバルチック海運指数が高い水準を維持していることを考慮すると、まだ輸入は高水準で推移する可能性が高いと考える。

燃料炭の港湾在庫の水準を見るに、需要減速・国内生産が同時に起きていると予想される。よって、石炭価格にも徐々に下押し圧力が掛りやすくなることが予想される。

【見通しの固有リスク】

・世界的な環境重視型世界へのシフトを受けた、石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。短期的には価格の上昇要因。

・中国と豪州の対立、中国国内の生産能力増強に伴う、海上輸送炭需要の減少。

・北半球の夏場の猛暑(/冷夏)・冬場の厳冬(暖冬)。

・エルニーニョ現象発生が予想される夏場にかけて、北半球が猛暑となるリスク(気象庁の分析では冷夏になりやすい。日本は西日本が猛暑になる可能性)

【天然ガス・LNG】

天然ガス価格は中国の経済活動が活発であり、電力向け需要増加が見込まれること、ロシアの欧州向けのガス供給が制限される(増枠がないということ)ことから、石炭価格と歩調を合わせ、堅調な推移になると予想。

3月の中国のLNG輸入は前年比+34.6%の564万トン(前月555万トン)と大幅な増加となっている。徐々に中国も石炭からガスへのシフトが起きていると見られ、電力需要の増加を背景に輸入を拡大していることが窺える。

長期契約のLNGに関しては、原油リンクとなるため上昇見通しだが、価格反映までに3ヵ月程度の時間差があるため(消費者への影響はさらに3ヵ月後)、現時点ではまだ上昇していないと考えられる。次の懸念は夏のピーク時の電力・ガス価格への影響だろう。

【見通しの固有リスク】

・ロシア・ウクライナの対立で、欧州向けのガス供給が制限される場合、LNGカーゴ市場の需給タイト化で価格の上昇要因。

・最大供給国であるロシアの増産(下落要因)。

・産油国の減産継続による随伴ガス供給の減少懸念。

・北半球の夏場の猛暑(/冷夏)・冬場の厳冬(暖冬)。

・エルニーニョ現象発生が予想される夏場にかけて、北半球が猛暑となるリスク(気象庁の分析では冷夏になりやすい。日本は西日本が猛暑になる可能性)

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

WTIはロングが658,677枚(前週比 +8,377枚)ショートが158,664枚(▲1,925枚)ネットロングは500,013枚(+10,302枚)

Brentはロングが399,764枚(前週比+8,160枚)ショートが83,194枚(▲3,311枚)ネットロングは316,570枚(+11,471枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は高値圏を維持すると予想する。

各国の財政出動並びに金融緩和スタンスは継続される見込みであり、中国のみならず、米民主党政権は1.9兆ドルの経済対策に加え、2兆ドル(インフラ投資は0.6兆ドル程度)の追加対策を実施の計画であり、中国も7月の共産党結党100周年記念までは少なくとも景気刺激を続けると見られるため。

これらの需要は景気に関係なく発生する需要であるため、需要の見通しは底堅く、価格の調整があっても下値余地は限定される可能性が高い。

また、投機的な買いの手仕舞いは4月初で一巡(ファイザー社のワクチン開発成功の時期の水準)、投資銀行を中心に「脱炭素」をテーマに市場参加者に非鉄金属に投資を「させたい」と考えている可能性は高く、投機的な買いが価格を当面高値に押し上げることになるだろう。

弊社はベンチマークである銅の価格が、指定倉庫在庫の水準から判断するに1,000ドル程度高いと見ていたが、「テーマ性(今は市場では「脱炭素銘柄」とされている)があること」から、水準感は9,000ドル~11,000ドルに切り上がっていると判断せざるを得ない。

しかし、それでも中期的には調整圧力が強まる展開になるとの予想は、現時点では変更する必要はないと考えている。中国政府が国内バブルを警戒する姿勢を強めていること、米経済統計回復に伴うドル高進行、早ければ2021年末頃から始まる可能性がある、米テーパリング開始の可能性、生産国の生産が回復する可能性が高いことが材料。

米国・中国・インドがどのような動きをするかに環境政策は左右されるが、ここまでの各国の動きを見ていると当面は環境向けに使用される金属の需要増加は「今後10年・20年の大きなテーマ」となる可能性が高いと言える。

具体例を挙げると、軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル、銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルト、リチウムなどが挙げられる。

2020年の中国の新エネルギー車の販売は前年比+7.5%の137万台(前年124万台)となった。全体の自動車販売が2,523万台なのでシェアは5.4%(4.9%)と上昇している。それでも電気自動車が非鉄金属市場の重要なテーマになるには、あと数年は要するだろう。

4月の中国製造業PMIは51.1(前月51.9)と市場予想の56.1を大きく下回った。中国政府も投資主導による景気の過熱に配慮せざるを得ない状況になっていると考えられ、総じて指数の内数はほとんど水準を低下させている。

新規受注は52.0(53.6)と前月から▲1.6低下、輸出新規受注が50.4(51.2)と▲0.8の低下となった。このことは中国国内の需要の伸びが減速していることを示唆している。

新規受注在庫レシオは、完成品が1.11(前月1.15)、原材料が1.08(1.11)と両指数とも低下。それにもかかわらずLMEインデックスが上昇している。

このことは、中国の需給面というよりも、1.中国外の需要が旺盛、2.供給の影響、3.ドル安進行に伴う投機的な動き、のいずれかの要因によるものと考えられるが、中国以外の需要回復はもちろんあるが、2.3.の影響が大きいと考えられる。

これまで非鉄金属価格の上昇を牽引しているのは中国の住宅セクターであるが、4月の中国の建設業PMIは57.4(62.3)と、閾値の50を上回っているが急減速している。

住宅セクター向けの一連の建材需要は旺盛であるがその「増加ペース」が鈍化していることは、やはり先行きの住宅向けの需要が減速する可能性が高まりつつあることを示唆している。

【見通しの固有リスク/個別金属の特殊要因】

・期待されていた米国のインフラ投資規模が、議会の反対で減額ないしは延期される場合(下落リスク)。

・米国経済が正常化する中でドル高が進行し、投機買いが膨らんでいる非鉄金属市場で投機の手仕舞い売り圧力が高まる場合(下落リスク)。

・米中間選挙に向けて、米民主党が追加でインフラ投資(2兆ドルのクリーンインフラ投資など)を行う場合(上昇リスク)。

・主に銅山を中心とする労使交渉長期化による供給減少が、2021年も継続する場合(上昇リスク)。

・中国の環境規制強化に伴う供給の減少。特にエネルギー排出量の多い新疆ウイグル自治区でのアルミ生産は減産の影響を免れない状況に(供給減少でアルミ価格の上昇要因に)。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・環境問題や人権問題(コンフリクト・メタルの問題)を背景とする鉱山供給の減少。

また、環境に配慮したメタル使用の義務化などが欧州で進む場合などのコストアップ(グリーン・メタルの義務化によるコスト増加)。

【投機筋のポジション動向】・LMEのファンド筋のポジションは、アルミと錫がロングが減少、ショートも減少したがロング解消の圧力が強かった。

それ以外の金属は全てロング増加とショート減少が顕著であり、明らかに投機筋はアップサイドにベットしている状況。しばらくアップサイドモメンタムは強い状態が続きそうだ。

ただし、ロングの増加とショートの減少は、「価格面でのネガティブ材料」が出たときに、ロングの解消とショートの新規積み上げを容易にするため、相応に下落リスクが高まっていることも認識すべきである。

・LME投機筋買い越し金額 前週比+8.4%の330億ドル(前週 305億ドル)・LME投機筋買い越し数量 前週比+3.1%の6,617.8千トン(前週 6,418.5千トン)

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は、米中のインフラ投資による建材向け需要増加観測を背景に、高値を維持すると予想する。

またこれまでの経済対策の影響で、中国国内の鉄鋼原料在庫日数の水準が低いことから(鉄鋼製品在庫の水準は増加)在庫積み増し需要も継続する可能性が高い。ただし、中国政府は景気刺激と同時に住宅セクターのバブルを懸念し始めており、住宅取得規制の動きも見せていることから、徐々に住宅向けの需要は減速しよう。

また、中国共産党は2021年から始まる新しい5ヵ年計画で鉄鋼生産量の削減の必要性を表明している。温室効果ガスの排出削減を目的として、業界として二酸化炭素の輩出の多い鉄鋼業(とアルミ生産業)の生産量を前年比でマイナスとする方針であり、鉄鋼製品向けの需要が減少することから、年後半に掛けては価格は下落すると予想する。

最大生産都市である唐山市は、2021年3月20日~12月31日まで、大気汚染基準に違反し、データを改ざんした4社は3月20日~6月末まで▲50%、7月~12月末まで▲30%減産、その他の16社は12月末まで▲30%の減産を新たに実施することを義務づけられた。

また、Q221には邯鄲市も生産管理措置を導入する見通しであり、鉄鋼製品供給は制限される可能性が高い。

これにより、唐山市の粗鋼生産は前年比▲2,223万トンの1億2,177万トン、鉄鉱石需要は▲3,500万トン減少するとみられている。ただし今のところ鉄鋼製品価格の上昇もあって、鉄鉱石価格には下押し圧力がそれほど強まっていない状況。

4月の中国鉄鋼業PMIを見ると、総合指数は45.4(前月47.9)と減速した。指数の内訳を見ると新規受注はそれなりに堅調であるものの、生産が落ち込んでいることが影響した。上述の唐山市を中心とする、環境規制強化の中での生産減少が総合指数悪化に寄与した。

しかし、生産が落ち込んでいるものの完成品・原材料とも在庫水準は若干切り上がっている。絶対水準自体が低いので引き続き完成品・鉄鋼原料とも需給はタイトとみられる。

目安となる新規受注・在庫レシオは、新規受注完成品レシオが1.29(1.30)とやや低下、新規受注原材料レシオは1.25(1.18)と水準は高い。経験則になるがこのレシオが1を超えると各種製品価格の上昇が顕著になる。

4月の中国の鉄鋼製品の輸入は前年比+16.2%の117万4,000トン(前月+15.8%の132万トン)と伸びが増加、過去5年レンジの上限で推移している。

3月の中国粗鋼生産は9,402万トン(前月8,305万トン、1月 9,024万トン、12月9,125万トン、11月 8,766万トン)と同じ時期の過去5年最高水準を大きく上回っている。

その一方、3月の鉄鋼製品輸出は+16.4%の754万トン(前月490万トン)と加速し、過去5年平均を回復した。国内需要の減速と、海外情勢の回復による輸出需要の増加の両面の影響だろう。

なお、中国の鉄鋼製品需要は旺盛とみられるが、在庫水準は前週比▲82万トンの1,632万5,000トン(過去5年平均 1,339万2,000トン)と、例年よりも在庫水準は高いが、既に在庫の取り崩し時期に突入している。在庫の減少ペースは再び例年を上回っている。

4月の中国の建設業PMIは57.4(62.3)と、閾値の50を上回っているが急減速している。需要は旺盛であるがその「増加ペース」が鈍化していることは、やはり先行きの住宅向けの需要が減速する可能性が高まりつつあることを示唆している。

原料である鉄鉱石の4月の輸入は前年比+3.0%の9,857万トン(前月+18.9%の1億211万トン)と鈍化した。しかしそれでもこの時期の輸入量としては過去5年のレンジを大きく上回っている。引き続き鉄鉱石需要は旺盛と見られる。

鉄鉱石港湾在庫は前週比▲20万5,000トンの1億3,105万トン(過去5年平均1億2,808万6,000トン)、在庫日数は25.7日(過去5年平均 30.6日)と例年と比較して在庫日数の水準は低い。一時回復傾向が見られたが、再び低下しており、価格を下支えしよう。

原料炭は中国の生産活動回復が継続していること、国内の鉄鋼需要が公共投資で底堅いことから、同様に底堅い推移になると考える。

しかし、中国政府は原料炭を含む石炭の国内生産を増加させる方針であることから、海上輸送原料炭価格の上値も重い。

3月の中国の原料炭輸入は前年比▲13.0%の491万トン(前月▲39.6%の323万トン)と減少している。

中国の港湾在庫の水準は鉄鋼の最大生産省である河北省の主要港である、京唐港の港湾在庫は前週比+22万トンの145万トンと過去5年平均の147万8,000トンを下回っている。

在庫日数は前週比+0.8日の5.3日と、過去5年の平均である6.5日を下回っており、需要を考慮すると原料炭需給はまだタイトな状態にあると言える。

【見通しの固有リスク】

・鉄鉱石価格の上昇がレーショニング(価格上昇による需要減少)を引き起こす場合。

・世界的に広がる環境規制強化の流れで、鉄鉱石や原料炭などの生産に一定の影響が起きる場合。

・コロナウイルスの感染拡大長期化による、鉱山生産の減少リスク。

・中国とインドの国境紛争の激化で、インドが中国に対して鉄鉱石輸出を制限する可能性(中国のFOBインデックスは上昇、その他の地域の鉄鉱石価格は低下)。

---≪貴金属≫---

【貴金属価格見通し】

<<金>>

金は高値圏での推移を継続すると考える。長期金利の上昇圧力がやや緩和していること、リスクテイク回復の中ドル安傾向であることが材料。しかし、米景気の相対的な回復期待の強さからドル高・長期期金利(緩やかに)上昇圧力が強まることから、中期的な見通しはやや弱気。

現在の金の実質金利で説明可能な価格(金基準価格)は1,615ドル。そこからの乖離(リスク・プレミアム)は200ドルと昨日から▲7ドル低下。

なお、金価格を実質金利要因と為替要因に分類した場合、為替要因はリスク・プレミアムのところに内包されると整理している(為替は名目金利の影響も受けるので、純粋に為替の要因のみ切り出すのが困難であることから)。

※毎日回帰分析をアップデートし、リスク・プレミアム自体の水準を見直しているため、前日比の整合性が取れていない場合があります。

<<銀>>

銀価格は金価格との比較感で売買されるが、金銀レシオは現在、67.2倍。過去1年を基準にすると80倍、5年でも80倍、2000年以降では65倍程度が妥当。

今後、さらに金銀レシオが低下するには、実際に太陽光パネルの設置が米国で進捗するなどの新規材料が必要になるのではないか。

なお、銀価格=金価格÷金銀レシオ であり、金銀レシオが低下することで金価格が変動した時の弾性値が上昇(ボラティリティは上昇し、足元金の2倍に上昇)する点は留意。

(例)金が2,000ドル、銀が20ドルのとき 金銀レシオが100倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1セント変化 金の変化率は±0.05%、銀は±0.05%

 金銀レシオが1倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1ドル変化 金の上昇率は±0.05%、銀は±5%

<<PGM>>

プラチナ価格は銀価格との連動性が高い。これは供給過剰で投機的な取引の影響が強まっていることによる。これまで、各国の自動車セクターの回復期待と、主要生産国である南アフリカの供給不安が価格を押し上げている。

ただし米長期金利上昇に伴う、ベンチマークの金価格の調整や、南アフリカのコロナの影響緩和期待で下押し圧力が強まることになるだろう。上値も重い。

仮に脱炭素が進んで水素が用いられ、燃料電池が進むのであればプラチナの構造的な需要が増加するシナリオは、需要・価格面でのポジティブリスクシナリオ。投機の比率が高い商品であるため、こうした観測記事だけでも材料に価格が反応しやすい。

パラジウムは景気正常化期待による金価格調整→経済正常化による需要増加、ロシア生産者からの供給減少観測を受けて高値を維持すると考える。

コロナショック後、パラジウム価格は基本的にETF価格との連動性が高まった(自動車向けの需要減少で余剰が発生したため)が、足下、ETFの残高の変動以上に価格が上昇している状況。

自動車生産が回復すれば再びパラジウム供給不足が発生し、ETFの残高減少と価格上昇が同時に発生する可能性が高いとみている。

3月の米自動車販売は年率1,775万台(前月1,567万台、市場予想1,638万台)と急回復した。

中国の3月の自動車販売は中国自動車工業協会の集計で前年比+76.5%の252万5,000台(前月+371%の146万台、1月+30%の250万台、12月+6.4%の283万台、11月+12.7%の276万9,666台、10月+12.6%の257万3,000台、9月+13.0%の256万5,201台)と高い水準を維持している。

ただし2019年比では±0.0%であり、横ばい。

【見通しの固有リスク】

・個人投資家のETFを通じた買いが、経済合理性を無視した水準まで貴金属価格を押し上げるリスク。

・主要生産国の南アフリカの電力供給不安や、コロナウイルスの影響拡大で供給が滞る場合(PGMの価格上昇要因)。

・コロナからの回復は各国まだらであり、先行する米国が金融正常化に動いた場合、新興国から資金が流出して信用リスクが高まる場合(安全資産価格の上昇要因)。

・米中の対立激化。バイデン政権は対中強硬姿勢を明確にしており、対立がさらに激化する場合(安全資産価格の上昇要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加(実際に破綻が意識されるのは2030年以降か)。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

環境重視型社会へのシフトはパラジウム需要を増加させるが、さらに加速して「水素社会」まで到達すると、燃料電池車需要が増加して構造的にプラチナ価格の上昇要因となる可能性。

・コロナウイルスの感染拡大による、最大生産国の1つである南アフリカの鉱山稼働が電力供給問題もあって不安定であることによる供給懸念。

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが270,194枚(前週比 ▲523枚)、ショートが99,453枚(▲645枚)、ネットロングは170,741枚(+122枚)、銀が78,858枚(+2,478枚)、ショートが30,991枚(▲2,548枚)、ネットロングは47,867枚(+5,026枚)

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

プラチナはロングが39,894枚(前週比 ▲602枚)ショートが11,663枚(+463枚)、ネットロングは28,231枚(▲1,065枚)

パラジウムが6,039枚(+42枚)、ショートが2,954枚(▲39枚)ネットロングは3,085枚(+81枚)

---≪農産品≫---

【穀物価格見通し】

トウモロコシ・大豆は米需給報告・作付け意向面積の結果を受けた需給タイト化観測を背景に、高値圏での推移になると考える。

しかし、米国の作付進捗率は例年を大きく上回っており、もし米国の作付面積が意向面積を上回った場合、エルニーニョ発生の可能性も考慮すると下落リスクが小さくないと弊社は考えている。

Locust WatchではFAOの予想通り、降雨がなかったため群生相の発生は極めて抑制されている。当初懸念されていた食害発生のリスクは低下している。
http://www.fao.org/ag/locusts/common/ecg/75/en/210503greeningHoA.jpg

【見通しの固有リスク】

・エルニーニョ現象発生による生産条件改善を受けた増産観測(価格の下落要因)。

・環境重視型社会へのシフトにより、燃料向け穀物需要が増加する場合(価格の上昇要因)。現在はそれほどの数量でもない、バイオディーゼル向けの大豆需要増加など。

・新型コロナウイルスの影響拡大による、輸出活動の停滞(シカゴ定期を含む生産地価格の下落要因)。

【米農務省需給報告データ】

・米作付け意向面積トウモロコシ 9,114万エーカー(市場予想9,313万エーカー、前年9,699万エーカー)大豆 8,760万エーカー(9,010万エーカー、8,351万エーカー)小麦 4,636万エーカー(4,495万エーカー、4,466万エーカー)綿花 1,204万エーカー(1,215万エーカー、1,370万エーカー)

・米穀物最終作付け面積トウモロコシ 9,201万エーカー(市場予想 9,514万エーカー)大豆 8,383万エーカー(8,483万エーカー)小麦 4,425万エーカー(4,472万エーカー)

・5月米需給報告単収見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 179.5Bu/エーカー(179.5、172.0)大豆 50.8Bu/エーカー(50.9、50.2)小麦 50.0Bu/エーカー(NA、49.7)

・5月米需給報告生産見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 149億9,000万Bu(150億2,931万Bu、141億8,200万Bu)大豆 44億500万Bu(44億3,105万Bu、41億3,500万Bu)小麦 18億7,200万Bu(18億7,715万Bu、18億2,600万Bu)

・5月米需給報告輸出見通し(実績/前月)トウモロコシ 24億5,000万Bu(NA、26億7,500万Bu)大豆 20億7,500万Bu(NA、22億8,000万Bu)小麦 9億Bu(NA、9億6,500万Bu)

・5月米需給報告在庫見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 15億700万Bu(13億2,715万Bu、13億5,200万Bu)大豆 1億4,000万Bu(1億3,319万Bu、1億2,000万Bu)小麦 7億7,400万Bu(7億5,132万Bu、8億5,200万Bu)

・3月末四半期在庫(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 77億100万Bu(77億7,024万Bu、112億9,400万Bu)大豆 15億6,400万Bu(15億2,829万Bu、29億4,700万Bu)小麦 13億1,400万Bu(12億7,116万Bu、17億300万Bu)

・5月CONABブラジル作付け面積(市場予想/前月)トウモロコシ 1,987万ha(1,971万ha、1,972万ha)大豆 3,850万ha(3,864万ha、3,847万ha)

・5月CONABブラジル生産量(市場予想/前月)トウモロコシ 1億642万トン(1億112万トン、1億897万トン) 単収 5,355kg/ha(5,132Kg/ha、5,526kg/ha)大豆 1億3,541万トン(1億3,614万トン、1億3,554万トン) 単収 3,517kg/ha(3,526Kg/ha、3,523kg/ha)

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

トウモロコシはロングが609,370枚(前週比 +15,178枚)、ショートが73,224枚(+595枚)ネットロングは536,146枚(+14,583枚)

大豆はロングが302,464枚(+654枚)、ショートが54,877枚(+3,700枚)ネットロングは247,587枚(▲3,046枚)

小麦はロングが137,015枚(▲1,771枚)、ショートが108,975枚(▲107枚)ネットロングは28,040枚(▲1,664枚)

◆本日のMRA's Eye


「欧州排出権価格への投機の影響増す」

原油価格は最大消費国である米国、第二位の消費国である中国の経済活動回復で上昇していたが、OPECプラスの増産やイランの増産観測がこれを上回っており、相当上値が重くなっている。

それに対して価格が上昇しているのが石炭とLNG・天然ガスといった発電燃料。これはいくつかの要因が挙げられるが、一般的に言われているのが、中国の経済活動の回復が顕著で電力向けの発電燃料需要が旺盛なこと、この冬場の北半球の大寒波の影響で在庫が減少していること、石炭に関しては欧州が主導している脱炭素の流れによって供給が制限されていること、天然ガスは最大生産国のロシアの生産抑制並びに欧州へのガス供給の割り当てを制限していること、などが材料である。

実際、中国の3月の電力消費は前年比+20.7%の6,631億kwh、2019前年比でも+15.7%と大幅な伸びとなっている。これに対して発電量は前年比+19.1%の6,579億kwhと統計の数値上、消費に追いついていない。

中国の主要発電燃料は石炭であり、電力需要増加時に石炭価格が上昇するのは不思議ではないが、中国も環境規制強化のために天然ガス、LNGを選好しており輸入量も増加している。

中国の天然ガス輸入は直近4月の貿易統計でも、前年比+31.5%の1,015万トンと増加し、構造的な需要増加が確認出来る。LNGは長期契約のものもあるが、不足分はスポット市場で調達するため、JKM価格の上昇要因となる。

こうした極東地域の調達圧力の高まりを受けて欧州でも天然ガス価格が上昇、結果的に米国の天然ガス価格にも上昇圧力がかかることになる。

通常、流動性の低い市場で現物を用いた投機を行うケースは多くなく、JMKなどはその対象となりにくい。しかし、欧州の排出権取引は取引歴も長く流動性があるため投機の対象となりやすく建玉もJKMにくらべれば圧倒的に大きい。

欧州では価格が低ければ石炭を購入、それに排出権を組み合わせて擬似的にクリーン・エネルギーを創出する。発電効率などにも依拠するが、この価格が上昇すればLNGや天然ガスを用いた方が経済的にメリットがあればガスが選好される。

足下の排出権価格の高騰は、排出枠の削減など欧州がより環境面に厳しいスタンスを示したことによる需給の影響(といっても政治的な意図がある需給のタイト化)によるものと考えられる。

直近の価格上昇は実需筋の買いによるものの可能性が高いが、ここまでの水準上昇に投機筋が影響しているのはネットポジション動向を見ても明らかである。ただ、ポジションの規模的には圧倒的に実需筋の方が大きいため、投機は相場動向を増幅する方向に働いていると考えるのが妥当だろう。

ただ、直近の動きを見ると投機筋のネット買越しは減少に転じており、実需筋の調達に目処が立てば大きく下落する可能性はある。

鶏が先か、卵が先かの議論になってしまうが、夏場に向けた燃料調達に目処→石炭価格下落→排出権価格も下落→ガスも下落、という流れになる。仮に排出権価格が下落すれば、欧州におけるガスの優位性が低下するため、ガス価格を押し下げることになるだろう。

今後、こうした排出権市場での投機の取引動向も注視する必要が出てきた。

◆主要ニュース


・3月日本景気動向指数速報 先行指数 103.2(前月改定 98.9)、景気一致指数 93.1(89.9)

・4月中国人民元建て新規融資
 前年比▲13.4%の14,700億元(前月▲4.3%の27,300億元)

・4月中国マネーサプライ M2 前年比+8.1%の226兆2,100億元(前月+9.4%の227兆6,500億元)
 M1 +6.2%の60兆5,400億元(+7.1%の61兆6,100億元)
 ファイナンス規模 1兆8,500億元(3兆3,416億元)
 国内企業全体の総財務残高 296兆2,000億元(294兆6,000億元)

・3月ユーロ鉱工業生産 前月比 +0.1%(前月▲1.2%)
 前年比+10.9%(▲1.8%)

・3月インド鉱工業生産 前年比+22.4%(前月▲3.4%)

・4月インド消費者物価指数 前年比+4.29%(前月+5.52%)

・4月米消費者物価指数 前月比+0.2%(前月+0.6%)、前年比 +4.2%(+2.6%)
 コア 前月比+0.8%(+0.6%)、前年比+3.0%(+1.6%)
・4月米実質平均賃金 前年比▲1.4%(前月+3.9%)
 実質平均時給▲3.7%(+1.5%)

・4月米財政収支 ▲2,256億ドルの赤字(前月▲7,380億ドルの赤字)

・EU経済見通し 2020年、2021年
 ユーロ圏 4.3%(前回見通し3.8%)、4.4%(3.8%)
 EU 4.2%(3.7%)、4.4%(3.9%)
 ドイツ 3.4%(3.2%)、4.1%(3.1%)
 フランス 5.7%(5.5%)、4.2%(4.4%)
 イタリア 4.2%(3.4%)、4.4%(3.5%)

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・DOE米石油統計 原油▲0.4MB(クッシング▲0.4MB)
 ガソリン+0.4MB
 ディスティレート▲1.7MB
 稼働率▲0.4

 原油・石油製品輸出 8,126KBD(前週比+54KBD)
 原油輸出 2,752KBD(▲196KBD)
 ガソリン輸出 708KBD(+83KBD)
 ディスティレート輸出 1,006KBD(+17KBD)
 レジデュアル輸出 142KBD(+2KBD)
 プロパン・プロピレン輸出 1,334KBD(+73KBD)
 その他石油製品輸出 2,087KBD(+67KBD)

・IEA月報
 世界石油需要 Q121:93.1、Q221:94.6、Q321:98.3、Q421:99.6、2021:96.4
 非OPEC供給(含むNGLs) Q121:62.0、Q221:63.7、Q321:64.9、Q421:64.9、2021:63.9
 Call on OPEC Q121:31.1、Q221:30.9、Q321:33.4、Q421:34.7、2021:32.5

※需要見通しを上方修正、非OPEC供給増加でCall on OPEC減少。

・IAEA、イラン、ウラン濃縮度最大63%に。

【メタル】
・日鉄ステンレス、5月のステンレス系冷延薄板鋼板価格を、クロム系を1万円/トン引き上げ。ニッケル系は据え置き。

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.欧州排出権 ( 排出権 )/ +4.25%/ +69.29%
2.LIFFEココア ( その他農産品 )/ +2.80%/ ▲2.88%
3.CBT大豆油 ( 穀物 )/ +2.39%/ +58.46%
4.ICEココア ( その他農産品 )/ +2.10%/ ▲4.88%
5.SGX鉄鉱石 ( 鉄鋼原料 )/ +1.88%/ +43.70%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
66.ビットコイン ( その他 )/ ▲4.27%/ +87.90%
65.パラジウム ( 貴金属 )/ ▲2.74%/ +16.70%
64.ブラジル・ボベスパ ( 株式 )/ ▲2.65%/ +0.58%
63.銀 ( 貴金属 )/ ▲2.18%/ +2.35%
62.S&P500 ( 株式 )/ ▲2.14%/ +8.17%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :33,587.66(▲681.50)
S&P500 :4,063.04(▲89.06)
日経平均株価 :28,147.51(▲461.08)
ドル円 :109.67(+1.05)
ユーロ円 :132.39(+0.44)
米10年債 :1.69(+0.07)
中国10年債利回り :3.13(+0.00)
日本10年債利回り :0.08(+0.01)
独10年債利回り :▲0.12(+0.04)
ビットコイン :54,482.8(▲2428.52)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :24.03(▲0.15)
エネルギー :20.58(▲2.48)
ベースメタル :22.19(+0.93)
貴金属 :21.00(+1.61)
穀物 :26.84(▲0.01)
その他農畜産品 :26.20(▲0)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :19.51(▲5.76)
Brent :17.40(▲5.53)
米天然ガス :23.48(▲0.99)
米ガソリン :20.92(▲1.98)
ICEガスオイル :18.12(▲3.52)
LME銅 :20.69(▲0.03)
LMEアルミニウム :17.83(+5.28)
金 :15.45(▲0.04)
プラチナ :22.23(+1.24)
トウモロコシ :32.46(+0.24)
大豆 :15.45(▲0.04)

【エネルギー】
WTI :66.08(+0.80)
Brent :69.32(+0.77)
Oman :67.27(+0.64)
米ガソリン :216.10(+2.11)
米灯油 :206.95(+2.78)
ICEガスオイル :556.25(±0.0)
米天然ガス :2.97(+0.01)
英天然ガス :66.76(+1.14)

【貴金属】
金 :1815.69(▲21.78)
銀 :27.02(▲0.60)
プラチナ :1215.31(▲24.99)
パラジウム :2857.84(▲80.57)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :10,546(+13:9C)
亜鉛 :2,999(▲21:14C)
鉛 :2,222(▲14:18.5C)
アルミニウム :2,493(▲73:18.5C)
ニッケル :17,942(▲33:10C)
錫 :29,830(▲84:3590B)
コバルト :44,635(±0.0)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :10410.00(▲146.00)
亜鉛 :2974.00(▲41.00)
鉛 :2183.50(▲35.00)
アルミニウム :2496.00(▲37.00)
ニッケル :17765.00(▲230.00)
錫 :29785.00(▲215.00)
バルチック海運指数 :3,254.00(+14.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR中国、1営業日前) :225.04(▲1.03)
SGX鉄鉱石 :223.94(+4.14)
NYMEX鉄鉱石 :218.38(+3.09)
NYMEX豪州原料炭スワップ先物 :117.83(+1.83)
大連原料炭先物 :266.41(▲2.06)
上海鉄筋直近限月 :5,947(▲28)
上海鉄筋中心限月 :6,093(+52)
米鉄スクラップ :620(±0.0)

【農産物】
大豆 :1660.50(+23.00)
シカゴ大豆ミール :450.90(+1.40)
シカゴ大豆油 :68.66(+1.60)
マレーシア パーム油 :4800.00(+12.00)
シカゴ とうもろこし :757.50(▲2.00)
シカゴ小麦 :754.75(▲5.00)
シンガポールゴム :237.60(+3.00)
上海ゴム :13835.00(▲120.00)
砂糖 :17.84(▲0.26)
アラビカ :145.75(▲2.15)
ロブスタ :1467.00(▲18.00)
綿花 :88.23(+0.48)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :111.80(+0.33)
シカゴ生牛 :118.60(▲0.03)
シカゴ飼育牛 :136.75(+1.43)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。