新型肺炎による低稼働と企業決算悪化で軟調も減産期待が支え
- MRA商品市場レポート for MANAGEMENT(エネルギー)
2020年2月19日 第1690号
◆昨日のエネルギー市場総括
「新型肺炎による低稼働と企業決算悪化で軟調も減産期待が支え」
中国工場の低稼働状態は継続。
前日は中国勢の市場復帰で価格水準を切り上げたが、やはり中国工場の稼働率が上昇しない状況がしばらく続く、とみられていることは景気循環系商品価格の下落要因となった。
アップル決算を受けた株価の調整。
アップルがQ120の売上高予想を達成できない見込み、と表明したことで株価が大きく調整、その他の企業も新型肺炎の影響を免れないとの見方が強まっていることは株価を押し下げ、景気循環系商品のリバランスの売り圧力を強め、価格の下落要因に。
OPECプラスの減産拡大観測。
ロシアは2月の臨時会合開催に否定的だが、ロシアの主要生産者は6月末までの減産延長には前向きと伝えられており、原油価格の下支え要因に。
◆今日のエネルギー市場見通し
「新型肺炎拡大懸念後退と業績悪化、ドル高観測でもみ合い」
新型肺炎の新規感染者数減少。
WHOの新型コロナウイルス新規感染者数は再び減少に転じており、感染ペースが鈍化していると見られていることは景気への懸念を後退させ景気循環系商品価格の上昇要因に。
新型肺炎の影響を受けた企業業績の悪化懸念。
昨日はアップルの決算が、新型肺炎の影響で下方修正されると報じられたことや、BHP Billitonも中国の影響で業績が下振れするリスクを指摘しており、このような動きが広まる可能性が出てきていることは、株価の下落を通じて景気循環系商品価格の下落要因に。
相対的なリスク回避でのドル高進行圧力の高まり。
新型肺炎の影響がどこまで拡大するかわからない中、地理的にも離れ、封じ込め策も奏功しているとみられる米ドルが相対的に割高で推移しやすい環境にあることは、リスク回避のドル高圧力を高め、ドル建て資産価格の下落要因に。
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