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中国工場再稼働で景気循環銘柄買われる
  • MRA商品市場レポート for PRO

2020年2月18日 第1688号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「中国工場再稼働で景気循環銘柄買われる」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は米国がプレジデンツデーため休場であり、様子見気分が強かったが、コロナウイルスの影響で稼働を停止していた中国の工場が再稼働し始めた模様であり、景気循環系商品の上昇が続いた。

統計が正しければ、中国の新型肺炎の拡大は徐々に鎮静化に向かっていると考えられる。

しかし、正しい統計・直近の状況を示した統計の発表がない中、唯一即時性がある統計として、市場はWHOの新規感染者数動向に着目しながら売買をしていることは明らかであり、新規感染者数の増加ペースが減少していることを考えると、景気循環系商品には上昇圧力が掛かりやすい。

日本では感染ステージが次のステージに移ったと見られ、今週~来週にかけて感染拡大期に入ると見られている。

この類のリスクはパニックになる必要はないが、事前にやりすぎるぐらい対応しておいて何もなければよかった、とするべき類のものである。

リスクが顕在化した時に対処するためのコストと、事前に行う場合のコストを比較した場合、圧倒的に前者の方が高コストになることは忘れてはならない。

※関連グラフはリンクをご参照ください。詳しい解説は「MRA商品市場レポート for PRO」をご購読ください。
https://marketrisk.jp/news-contents

※Brent原油の期間構造アップデートはこちらから。
https://marketrisk.jp/news-contents/contents/8377.html

■新型肺炎関連情報

新型肺炎の感染も拡大しており、どのように終息するかは全く予想がつかない状況。

※新型コロナウイルスの新規感染者数状況は、こちらのリンクからどうぞ。
https://marketrisk.jp/news-contents/contents/8599.html

※より詳しい解説は、MRA商品市場レポート(有料)の「昨日の世界経済・市場動向のトピックス」「MRA's Eye」などで解説しています。

※レポートのお申込みはこちらから。
https://marketrisk.jp/news-contents/news/3592.html

【本日の価格見通し総括】

本日も新型コロナウイルスの影響度合いが市場動向を左右すると見るが、現時点で「流行地域となるリスク」が意識されているのは中国のほかは日本のみであり、日本の現状と海外情勢との違いが鮮明になると予想される。

現在日本国内の感染ステージは次のステージ(国内での感染が拡大するステージ)にあると考えられ、民間検査もようやく認められるようになったことから恐らく感染者数は増加することになるだろう。日本の今後を占う上では、今週が1つのヤマになると考えられる。

ただ、海外は感染者数の増加が抑えられ、かつ、感染の疑いがある人の追跡もできる状態になっているようだ。もちろんアナはあるだろうが、この段階で海外情勢がさらに悪化する可能性は低下してきている。

本日、予定されている統計では、独ZEW景気期待指数(市場予想21.5、前月26.7)、現状指数(▲10.0、▲9.5)、ニューヨーク連銀製造業景気指数(5.0、4.8)に注目しているが、強弱まちまちの内容となる見込みであり、景気循環系商品は方向感に欠ける展開が続こう。

ただし、レンジワークながらも中国の工場の一部再稼働を受けて、景気循環系商品には買戻し圧力が掛かる展開が予想される。

【昨日の世界経済・市場動向のトピックス】

昨日発表された日本のGDPは、前期比年率▲6.3%と5四半期ぶりのマイナス成長となった。10月の消費税上げの影響がことのほか大きく、駆け込み需要の剥落が成長を押し下げる形となった。

特に民間需要の落ち込みが大きく、このほか、台風などの特殊要因、各種特需の剥落などの影響もあって住宅・設備投資も顕著な減速となった。

弊社が懸念するのは、企業が積極的に行ってきた省力化投資の結果、製造業は営業設備や人手不足の拡大に歯止めが掛かり、徐々に労働市場の需給が緩和すると見ていたが、今回の新型コロナウイルスの影響でそれが加速する可能性がある点だ。

以前、このコラムでコメントしたが、いわゆるアベノミクスで雇用が拡大したのが、飲食・サービスと、卸売・小売、介護などのセクターである。しかし新型コロナウイルスの影響が日本でも拡大した場合、飲食業への影響は無視できないことになる。

特に飲食業は現金商売であるため、来店がなければ資金繰りが厳しくなるのは説明の必要もないだろう。これに従来からの省力化投資が重なれば急に労働市場の需給が緩和するシナリオも十分にあり得るということだ。

また、より懸念しているのは新型コロナウイルスへの日本政府の対応が不十分で、各国政府は「日本は安全だ」という神話に疑問を呈しつつあるといえる。クルーズ船から自国民を受け入れるので帰国させろ、という要求が相次いでいるのは、日本政府の対応に不満を持っていることの表れである。

仮に日本が流行地域に指定されてしまった場合、日本からの出国や日本への入国が停止される可能性は高い。すでに一部の米企業は日本を含むアジアへの出張を数ヵ月単位で取りやめるところも出てきているようだ。

また、中国からの供給が途絶している商品も多く、サプライチェーンへの影響が無視できない状態になっている。日本はハイテク分野を含む「素材の重要な供給国」であり、日本でなければ生産できないものも多い。この状態で感染が拡大した場合、世界のサプライチェーンに深刻な影響を与えることになるだろう。

上記の悲観的なシナリオが顕在化した場合、日本経済は二四半期連続でマイナス成長となり、統計上の「リセッション入り」となる可能性があり得る。昨日もコメントしたが、日本経済は経済的にも、国としての信用的にも胸突き八丁の正念場にきているといえる。

「火事になってからは保険に入れない」また、「火事になったら粛々を火を消すしかない」。今は後者のステージにあると考えられ、今回を乗り切った後に「のど元過ぎれば熱さを忘れる」とならないよう、将来のリスクに備える良い切っ掛けになった、と考えるべきではないだろうか。

また、リスクが顕在化した時に対処するためのコストと、事前に行う場合のコストを比較した場合、圧倒的に前者の方が高コストになることは忘れてはならない。

【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】

(マクロ要因)

・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標の減速(価格下落要因)。

・世界景気の減速観測。IMFは2020年の経済見通しを引き下げ(+3.4%→+3.3%)ている。2021年も3.4%(▲0.1%)に引き下。

ただし2020年の回復はイランやトルコ、アルゼンチンなどの政治的に不安定な国の回復を想定しているため、先行き見通しも極めて不透明。

・FRBの利下げに打ち止め感が広がっていたが、新型肺炎の影響であと2回弱の利下げを市場は織り込みつつある(▲50bp程度)。景気の減速が懸念されているため追加利下げは景気循環系商品価格の下支え要因に。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格の上昇要因(Q319の中国GDPは前年比+6.2%、前期+6.3%と1992年の統計発表以来の低水準となり、減速懸念が再び意識されている)。

※一方、鉱工業生産や固定資産投資などは政府の対策の影響が徐々に顕在化している形。

・2018年からインドが人口ボーナス期入りしており、構造的な需要の増加が見込めることは中長期的な価格の上昇要因。

(特殊要因)

・中国の新型肺炎の影響拡大(パンデミックリスクの顕在化)を受けた経済滑動の鈍化(景気循環系商品価格の下落要因)。

・米中通商交渉は部分合意。しかし関税が撤廃されたわけではなく、完全に解決(米国が、中国が軍事技術に転用し、安全保障上の脅威となる可能性があるため、最も重要と考えている技術の強制移転や知的財産権保護、国有企業への補助金撤廃などを中国が確約)するまでは景気循環銘柄価格の下落要因となりやすい。

ただし、新型肺炎の影響で当面は中国の合意不履行は問題視されない可能性が高まった。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの強まり(下落要因)。

・中東情勢が再度緊迫化し、域内景気への悪影響への懸念(下落要因)。可能性は低いが、イランと米国の散発的な衝突は続き、軍事衝突懸念が再びつよまる可能性があることは排除できず。

・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク。今後は2020年12月末の移行期間までに条件で合意ができるか否か。場合によっては、ハードブレグジットの可能性も。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下落要因)。

・日韓対立によるハイテク分野の市場混乱や、極東地区の地政学的リスクの高まり(下落要因)。

(投機・投資要因)

・米利下げによって、金融株を中心に株が上昇、リスクテイク再開で景気循環系商品価格にプラスの影響を与える場合。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油市場動向総括】

昨日の原油相場は上昇した。新型肺炎の新規感染者数が、世界的にはそのペースが落ちていること、最大消費国である米国への影響が限定される、との見方から需要の減速懸念が後退したため。

また、結果は見送られているがさらなる下落があればOPECプラスが減産期間延長、ないしは追加減産に踏み切るとの見方が強まったことが価格を押し上げた。

【原油価格見通し】

原油価格は最大消費国である米国の個人消費が堅調なこと、地理的にも新型コロナウイルスの影響を受け難く、かつ、封じ込め策が他国と比較すれば奏功しているとみられることから、堅調な推移になると考える。

Brentの期間構造は2022年頃までバックワーデーションの状態を維持している。水準は低下したが、新規感染者数の減少傾向を受けて目先の需要への不安が後退した形。一大産油国のマーカー原油であるWTIは、6-7月までコンタンゴの状態であり、需給が緩和した状態が続くと見られている。結果、Brent/WTIスプレッドは拡大する可能性が高い。

※Brent・WTIの期間構造はこちらから。https://marketrisk.jp/news-contents/contents/8377.html

中国は早期終息を国際的に喧伝しているが、日本での感染拡大の可能性が高まっていること、米国で大量に発生しているインフルエンザが、実は新型コロナウイルス奈のではないか(CDCは再検査を主張)との報道もあり、前回のSARSの例を参考にすればやはり7月~8月頃になるのではないか。

唯一、参考になるデータは新規感染者数の推移のみであり、しばらくこれに左右される展開が続くと考えられる。※状況のアップデートはこちらから。https://marketrisk.jp/news-contents/contents/8599.html

OPECプラスの追加減産に対しては、ロシアが否定的(原油価格は依然、ロシアの予算レートを上回っているため)であり、予算的にも厳しいサウジアラビアが強く望んでいる。

米国の中東撤退方針強化以降、中東へのプレゼンスを高めようとしているロシアが、サウジアラビアに一定の配慮をせざるを得ない状況にあるため、応分の協力はするだろう。恐らく現時点では6月末までの減産期間延長が落しどころになると見ている。

一方、トランプ大統領の中東和平案を受けて、イスラエルとパレスチナの軍事的な衝突は激しさを増している。イスラム国がイスラエルに攻撃を仕掛けるとも表明しており、特にシーア派三日月地帯の治安は悪化し、供給懸念が高まっているのも事実だ。

米国は中東原油への依存度が低下しているため、中東政策が「雑」になる傾向があり、中東情勢不安は今まで以上に高まっていると考えるべきである。

米・イラン問題は国同士の衝突リスクは低下したものの、武装勢力による小規模な攻撃は継続している。このような状況だと、米国人が1人死ぬことがレッドラインとするならば、局地的攻撃が偶発的な事故を誘発し、大規模な軍事行動につながる可能性は排除できず、今回と同様のイベントリスク顕在化で価格が上昇するリスクはあると見ている。

なお、ウクライナ機の誤射・撃墜をイラン政府が正式に認めた。ただし、搭乗者の大半はイラン人であり、イラン国内で指導部への反発が強まる可能性がある(すでに強まっている)。

現在、中東で特に懸念しているのがトルコの動きだ。トルコが関連している中東北アフリカ地区で、軍事的な衝突が懸念されるのはシリアとリビアだ。

シリアへの介入は、イドリブ県のクルド族を対象とした軍事攻撃であり、これにアサド政権は強く反発しており、本格的な軍事衝突の懸念が高まっている。両国とも重要な産油国ではないが、域内原油の輸送に支障をもたらし、かつ、テロによる暴力の拡散懸念を高めるものだ(戦火拡大となれば、難民が南欧に流入して欧州経済のリスクを高めることに)。

リビアへの介入は、イスラエルが生産見込みであるガスの輸送を、地中海パイプラインで南欧諸国に油送することを検討しており、リビア暫定政府に肩入れすることで「領海を通るパイプラインの敷設を認可しない」とさせるためである。

地中海パイプラインを用いなければ、イスラエルのガスはトルコを経由して輸送するしかなくなる。逆に言えばトルコを通じて輸送できなければ、トルコは1.南欧への影響力行使、2.パイプライン使用料の確保、ができなくなるため看過できないのだ。

なお、米中合意は市場に一定の安心感をもたらしたが、数ヵ月にわたって材料とされてきたこと、第二弾合意が困難とみられること、中国が米国の要求通り合意を履行するかどうか不明なこと、中国の人権問題が俎上に載せられる可能性があること、などからむしろ今後は下向きリスクとなる可能性がある。

ただ、しばらくは米中合意の履行が肺炎の影響で困難であるため、当面、中国の合意順守未達が材料視されることはなかろう。

FOMCは、一旦利下げを打ち止めとなったが、新型肺炎の影響で追加利下げの可能性が出てきており、価格に一定の下支え効果をもたらそう。

仮に景気が後退した場合、金融政策の効果が限定される中で各国とも、より直接的に景気を刺激する財政出動を検討し始めているとみられ、エネルギーセクターにおいても今後の大きなテーマとなると予想される。

財政出動は使途にもよるが、エネルギー価格の押し上げ要因になると考える。米政権は中間層への減税を検討している。

米国は財政にゆとりはないため減税も形式的なものになろうが、「選挙戦モード入り」で景気に必要以上のアクセルが踏まれる可能性が高まっている。

【石炭市場動向総括】

石炭先物市場は小幅に下落した。足元の中国の需要が減速していることと、ピークシーズンであることによる買い圧力が拮抗しているため、レンジワークを続けている。

【石炭価格見通し】

石炭価格は新型肺炎への対策進捗期待が、市場参加者のリスク選好を回復させているものの、新型肺炎の影響拡大は継続しており電力需要が鈍化するとみられることから、現状水準でもみ合うものと考える。

また、欧州で天然ガス価格の低迷や環境規制の強化に伴う脱石炭の動きが強まっていることも、石炭価格を下押ししよう。

長期的には同様の環境規制の強化が石炭供給を減じるため、価格の押し上げ要因となる。欧州の脱炭素の動きは非常にトリッキーだ。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・OPECプラスは減産期間の延長で協議を行っているようだが、今のところ合意は形成されておらず。

・産油国の財政悪化による上流投資部門投資の減速は、インドなどの新興国需要顕在化時の価格上昇要因。

・世界2位の消費国である中国の輸入増加。12月の貿易統計では、原油の輸入が4,548万トン(前月4,574万トン)と高い水準を維持。

今後、特に中東・欧州原油価格動向に中国の景気動向が与えるリスクはさらに増すことが予想される。

・EV普及による需要の伸び鈍化を、軽量化目的の樹脂向け需要増加が相殺(世界の需要が減少を始めるのは2050年頃からか)。

・世界的な石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。価格上昇要因(石炭)。

・競合燃料である天然ガス・LNG価格が供給過剰で低迷していることは、石炭価格の下落要因に。

(特殊要因)

・中国の新型ウイルスの影響拡大に伴う、景気減速懸念の強まり。

・米国とイランの軍事衝突リスクは回避されたが、「レッドゾーン」の水準が低く設定されたこともあり、偶発的な衝突が軍事力行使の懸念を強め、価格が上昇するリスクは残存している。

・米国の中東への関与低下や原油価格の下落による、中東・北アフリカでの暴動発生。特にシーア派三日月地帯とリビアでの発生リスク。

・シリアイドリブ県を巡る、トルコとシリアの武力衝突懸念(中東の不安定化による供給懸念と、難民流入による南欧州の景況感悪化)。

・米朝交渉は目立った進捗がなく、制裁は継続する見込みであり北朝鮮炭の供給制限も継続されることは、価格の上昇要因(石炭)。

(投機・投資要因)

・WTIはロングが小幅増加、ショートが小幅増加となった。相対的な米国の対応力の強さ、感染への影響が限定されるとの見方で小康状態。

Brentはロングが減少、ショートが増加。アジア地区の景気減速とOPECプラスが生産調整で合意できていないことが材料視されている状況。

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

WTIはロングが577,155枚(前週比 +238枚)ショートが180,386枚(+843枚)ネットロングは396,769枚(▲605枚)

Brentはロングが387,298枚(前週比▲46,784枚)ショートが103,867枚(+22,500枚)ネットロングは283,431枚(▲69,284枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属市場動向総括】

LME非鉄金属価格は上昇した。休日延長で稼働を停止していた中国の工場が再開したことや、新型コロナウイルスの新規感染者数の減少が続いていることで、3月をピークに終息に向かい、中国の需要減少への影響は限定されるとの見方が強まったため。

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は、新型コロナウイルスの新規感染者数が再び減少に転じていること、中国製造業の稼働が緩やかながら始まったことを「受けて徐々に上昇余地を探る動きになると考える。

新型肺炎の影響で投機筋が売り越しに転じているため、しばらくこの買い戻しの動きが強まるのではないか。ただし終息宣言が出たわけではないため、力強い戻りにはならないと考えている。

実際、中国の工場は引き続き低稼働の状態が続いていることから実需の回復ペースは緩慢であり、価格が顕著に上昇するには、景気への影響が限定されるというのが必要条件で、さらに中国国内の詳細な情報がもたらされることや、WHOが終息宣言を出すことが必要になる。

なお、米中合意は市場に一定の安心感をもたらしたが、数ヵ月にわたって材料とされてきたこと、第二弾合意が困難とみられること、中国が米国の要求通り合意を履行するかどうか不明なこと、中国の人権問題が俎上に載せられる可能性があること、などからむしろ今後は下向きリスクとなる可能性がある。

制裁緩和の影響は今後の統計を睨みながらになる。ただ、中国が米国との合意を順守した場合、日本の中国向け工業品輸出が減少して、日本企業にとってはマイナスに作用する恐れがある。

ただ、しばらくは米中合意の履行が肺炎の影響で困難であるため、当面、中国の合意順守未達が材料視されることはなかろう。

FOMCは、一旦利下げを打ち止めとなったが、新型肺炎の影響で追加利下げの可能性が出てきており、価格に一定の下支え効果をもたらそう。

仮に景気が後退した場合、金融政策の効果が限定される中で各国とも、より直接的に景気を刺激する財政出動を検討し始めているとみられ、非鉄金属セクターにおいても今後の大きなテーマとなると予想される。

財政出動は使途にもよるが、非鉄金属価格の押し上げ要因となる見込み。今のところ米政権は中間層への減税を考えているようだ。

米国は財政にゆとりはないため減税も形式的なものになろうが、「選挙戦モード入り」で景気に必要以上のアクセルが踏まれる可能性が高まっている。

中長期的には環境面に配慮した「省エネ金属」需要が高まることから非鉄金属価格は上昇すると予想される。具体的には社会インフラとして「バッテリー」としての需要が高まると予想される、電気自動車に使用される金属が対象となる(銅、アルミ、ニッケル、リチウム、コバルトなど)。

再び非鉄金属が持続的な上昇に転じるのは、インドの構造的な需要が顕在化するタイミングになるだろうが、中国が1994年に人口ボーナス期入りし、非鉄金属価格が上昇を始めたのが2000年頃からであることを考えると、2023~2024年頃になるのではないか。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・最大消費国である中国の製造業PMIは減速したが、閾値の50を維持。しかし、新型肺炎の影響が統計に表れるのは2月以降であり、さらなる減速の可能性は高い(価格の下落要因。

在庫水準はほぼ変わっていないが、新規受注(主に国内)が堅調に推移しており、新規受注/完成品在庫レシオには上昇圧力が掛かっている。

・1-12月期中国工業生産は前年比+5.7%(1-11月期+5.6%)と小幅な改善となったが、12月単月では+6.9%(前月+6.2%)と伸びが加速(フロー需要の増加=価格上昇要因)。

・1-12月期中国固定資産投資 前年比+5.4%の55兆1,478億元(1-11月期+5.2%の53兆3,718億元)と減速、公的+部門は6.8%(+6.9%)と減速したが、民間部門は+4.7%(+4.5%)とやや持ち直し(ストック需要の改善=価格上昇要因)。

・1-12月期中国不動産開発投資 前年比+9.9%の13兆2,194億元(1-11月期+10.2%の12兆1,265億元)と減速傾向が顕著に。

中国政府は景気刺激に住宅セクターを用いない、と発言しているため伸びが加速するとは考え難い。特に建材であるアルミや配電に用いられる銅の下落要因に。

・12月の中国の銅地金・製品の輸入量は52万7,000トンと、同じ時期の過去5年の最高水準。また、銅鉱石の輸入も192万8,000トンと、過去最高となった前月は下回ったものの、同じ時期の過去5年の最高水準を大きく上回っている。公共投資(電線網整備)などの公的需要が需要を下支えしているとみられ、中国の取引所在庫は過去5年平均を下回っている。

・環境規制の強化で特殊需要が増加する(軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルトなど)

・中国の環境規制強化に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・亜鉛の精錬キャパシティ不足に伴う需給のタイト化。一方鉱山生産は増加しており、亜鉛精鉱需給は緩和、TCも高止まり。

・環境規制強化・米制裁の影響による石炭価格上昇が、中国の非鉄金属製造コストを高止まりさせる場合。

・インドをはじめとする新興国の構造的な需要増加(中長期的な要因)。

(特殊要因)

・中国の新型ウイルスの影響拡大に伴う、景気減速懸念の強まり。

・米国が中国に対する人権問題(香港・新疆ウイグル自治区問題)を強めた場合、再び通商問題が議題に上がる場合(価格の下落要因)。

・中国政府が地方政府に債券発行枠の増枠を促し、シャドーバンキングを含むアンダーグラウンドな資金調達を認めてでも公共投資を進める方針を示したことは、需要面で価格の上昇要因に。

・環境問題や人権問題(コンフリクト・メタルの問題)を背景とする鉱山供給の減少。

・資源ナショナリズムの高まり。インドネシアのニッケル未処理鉱石禁輸措置再開(銅とボーキサイトは2022年から実施の予定)。

・インドとパキスタンの対立が武力衝突に発展、インドの人種差別問題が反政府行動に繋がり、インドが人口ボーナス期の成長メリットを生かせない場合(下落要因)

・LME指定倉庫在庫の減少が、LMEの倉庫運営ルール変更に伴う保管場所変更の取引の影響である場合、ルールが見直された際に再度、LME指定倉庫在庫が急増する可能性(下落要因)。

(投機・投資要因)

・2月7日付のLMEロング・ショートポジションの動向は、鉛と錫以外は、すべてロングが減少、ショートが増加した。ただし全ての金属のネットロングは減少している。

投機筋のLME+CME銅ネット買い越し金額は▲51.4億ドル(前週▲27.6億ドル)と売り越し幅を拡大した。買い越し額の増加率は+86.0%。

買い越し枚数はトン数換算ベースで▲1,483千トン(前週▲894千トン)と、錫と鉛以外は売り越しの状態。ネット売り越しの増加率は+66.0%。

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料市場動向総括】

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは上昇、原料炭スワップ先物は上昇、中国鉄鋼製品先物価格は中心限月価格が上昇した。

新型肺炎の早期終息期待が高まっていること、休日延長で稼働を停止していた中国の工場が徐々に稼働に転じているとみられることが材料となった。

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は中国の工場が徐々に稼働を始めたこと、Valeの生産調整の影響、中国政府の景気刺激策への期待で上昇余地を探る動きになると考える。

しかし新型コロナウイルス禍は終了していないため上昇余地も限られ、結局現状の水準でもみ合うものと考える。

中国河北省の高炉稼働率は2月14日時点で73.6%と前週の74.8%からさらに低下が確認されている。通常、高炉は再稼働時のコストがかかるため、稼働している高炉は稼働させ続けることが前提であるが、その前提が崩れている。鉄鉱石需要は減少する可能性は引き続き残存している。

米中の通商合意は景況感の改善で鉄鉱石価格・鉄鋼製品価格の上昇要因となるが、香港・新疆ウイグル自治区の人権問題を巡る対立を見るに、まだ両国関係は鉄鉱石価格の波乱要因になると見る。

ただ、しばらくは米中合意の履行が肺炎の影響で困難であるため、当面、中国の合意順守未達が材料視されることはなかろう。

また、冬場の鉄鉱石価格は季節的には強含みやすいものの、冬場の鉄鋼製品生産規制により鉄鋼向け需要が減速するため(短期的には鉄鋼製品価格の上昇で、鉄鉱石価格の上昇要因となる)、今年は例年よりは低い水準での推移になるのではないか。

なお、Valeは生産計画を下方修正したが、それでも2020年は同社の生産が本格再開の可能性が高いこと、景気の底入れは夏以降であると予想されることから、鉄鉱石価格の見通しはやや弱気である。

原料炭は新型肺炎の影響に加え、鉄鋼需要の伸びが欧州・中国を中心に減速していることから、下値余地を探りやすくなっている。しかし、世界的な石炭生産制限の流れを受けて鉄鉱石とは異なり、原料炭の価格中期見通しはやや強気である。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・直近の中国鉄鋼業PMIは47.1(前月43.1)と回復した。生産活動の回復(44.1→46.7)と、新規受注の回復(36.2→46.8)が影響した。

しかし、そもそも水準が閾値の50を下回っており、原材料在庫の水準も51.1(前月48.9)と閾値の50を上回っていることを考えると、そこまで鉄鋼セクターの業況が良い、というわけではない。

・1-12月期中国工業生産は前年比+5.7%(1-11月期+5.6%)と小幅な改善となったが、12月単月では+6.9%(前月+6.2%)と伸びが加速(フロー需要の増加=価格上昇要因)。

・1-12月期中国固定資産投資 前年比+5.4%の55兆1,478億元(1-11月期+5.2%の53兆3,718億元)と減速、公的+部門は6.8%(+6.9%)と減速したが、民間部門は+4.7%(+4.5%)とやや持ち直し(ストック需要の改善=価格上昇要因)。

・1-12月期中国不動産開発投資 前年比+9.9%の13兆2,194億元(1-11月期+10.2%の12兆1,265億元)と減速傾向が顕著に。

中国政府は景気刺激に住宅セクターを用いない、と発言しているためさらに伸びが加速するとは考え難い。特に建材であるアルミや配電に用いられる銅の下落要因に。

12月の中国の貿易統計では、鉄鋼製品の輸出は468万トン(前月458万トン)と過去5年の最低水準を下回り、輸出需要が停滞していることを示唆。

また、燃料炭・原料炭の内訳が出ていないが、石炭輸入は急速に減速し、277.2万トン(前月2,078.1万トン)となった。「新たなアノマリー」となった中国の季節的な輸入減少である。

今後に関しては輸入規制が導入されると見られる、石炭の国内生産も11月時点で3億3,406万トンと過去5年の最高水準を大きく上回っている。このことから、今後も輸入は減少すると予想される。

・中国の12月の鉄鉱石の輸入量は加速し、1億130万トン(前月9,065万トン)と高い水準を維持した。一方で、今年の鉄鉱石生産は3月以降漸増しており、11月は7,924.5万トンに達している。

中国の鉄鉱石港湾在庫は前週比▲45万トンの1億3,065万トン(過去5年平均1億2,315万トン)、在庫日数は▲0.1日の26.8日(過去5年平均 29.4日)と在庫日数ベースは過去5年平均を下回り、鉄鉱石の需給ファンダメンタルズはタイト化しているため、鉄鉱石の輸入需要は堅調に推移すると見られる。

・中国の鉄鋼製品在庫水準は前週比+283.6万トンの1,882.4万トン(過去5年平均1,340.5万トン)と例年を上回った状態が続いている。

なお、12月の鉄鋼製品の輸出は468万トン(前月458万トン)と過去5年の最低水準を下回り、輸出需要が停滞していることを示唆。

・長期的には人口ボーナス期入りしているインドが、すでにインフラ整備のための投資拡大方針(5年で約160兆円)を示しており、鉄鋼製品・鉄鉱石価格を押し上げ。

(特殊要因)

・中国の新型ウイルスの影響拡大に伴う、景気減速懸念の強まり。

・中国政府の経済対策(金融緩和や公共投資など)は価格の上昇要因。

・世界的に広がる環境規制強化の流れで、鉄鉱石や原料炭などの生産に一定の影響が起きる場合。

(投機・投資要因)

・特になし。

---≪貴金属≫---

【貴金属市場動向総括】

金価格は小幅安となった。米国市場が休場だったため、米実質金利変化が材料となり難い中、ドルが他通貨比で物色されたため。

昨日の金のリスクプレミアムは228ドルで、昨日よりも+3ドル程度水準を切り上げている(毎日回帰分析を行っているため、前日の数字も変化している点にはご注意ください)。

PGMはプラチナが小幅上昇、パラジウムは景気への楽観から上昇した。

【貴金属価格見通し】

金価格は新型コロナウイルスの影響が読み切れない中、低金利政策が継続すると見られていることから高値圏での推移になると考える。

あまりニュースになっていないが中東ではシリアとトルコの全面衝突の可能性が高まっていることや、米中東和平案を受けてイスラエル・パレスチナの対立が深まっていることから、金のリスクプレミアムには上昇圧力が掛かると見られる。

仮に地政学的リスクが完全に解消した場合、リスクプレミアムがはげ落ちる形で金価格は下落することになる。現在のプレミアムは230ドル程度であり、実力ベースでは金価格は1,350ドル程度と考えられる。

ただ実際は過去の実質金利からの乖離幅は平均で160ドル程度であるため(リスクが完全になくなることはあまりない)、リスクが回避された場合、1,500ドル程度までしか下げ余地はないと見ている。

なお、米中合意は第二弾合意が困難とみられること、中国が米国の要求通り合意を履行するかどうか不明なこと、中国の人権問題が俎上に載せられる可能性があること、などからむしろ今後は金銀価格の上昇リスクとなる可能性がある。

ただ、しばらくは米中合意の履行が肺炎の影響で困難であるため、当面、中国の合意順守未達が材料視されることはなかろう。

銀価格は金銀在庫レシオ(銀在庫÷金在庫)は上昇していたが高止まりしている。金銀在庫レシオから類推される金銀レシオは、80倍程度が適切と考えられ、20ドル前後まで価格が上昇してもおかしくない。

特にリスク回避姿勢が強まり金が割高となる局面では、割安な銀が投機的な観点から物色される可能性は高かろう。

PGM価格は金銀価格が高値圏を維持する見込みであることから同様に高値を維持すると考えるが、新型肺炎の影響拡大が無視できないため、金銀価格対比では割安に推移しよう。

パラジウムは供給懸念が強く意識されているため引き続き、高値圏での推移となると予想される。

なお、パラジウムは投機の買いが押し上げているというよりも実際に顕著な供給不足によって上昇しているものであり、「どこまで上昇するのか」「調整した時のめどはどこか」といったことは正直不明である。

中国・世界の自動車販売は前年比マイナスが続いているが、徐々に前年比マイナス幅が徐々に縮小し始めていることから、需要面で価格を押し上げる可能性は高い。

1月の米自動車販売は1,684万台(市場予想 1,677万台、前月 1,670万台)と利下げの影響もあり回復している。今後、米国政府が宣言通り中間所得者層向けの減税が実施できるか、長期金利上昇を抑制できるかに注目が集まろう。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・市場はFRBの年1回の利下げを見込んでいるが、政策変更はないとの見方が現在のメインシナリオ。しかし新型肺炎の影響次第では追加利下げの可能性も否定できず。

ECBに関しては緩和余地がないため、今後は財政出動に向け、各国政府に働きかけを強めることになるだろう(これは中央銀行の権限外であるが)。

・景気の先行きを懸念した株価下落とそれに伴う長期金利・実質金利の低下(金銀価格の上昇要因)。ただし、欧州の政情安定化や、各国の金融緩和などを背景とする景況感の改善で株価が上昇した場合には金銀価格の下落要因。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

・排ガス規制強化に伴うパラジウムへのシフト観測(プラチナがパラジウムを代替するには数年単位で時間を要する)。

・パラジウム需要増加に伴うPGMの増産により、結果的にプラチナが供給過剰となり価格の下落要因に(プラチナ)。

パラジウムはニッケルやプラチナ鉱山からの副産物としての生産が大半(80%)であり、プラチナ価格が低迷する中では増産されにくい、

(特殊要因)

・中国の新型ウイルスの影響拡大に伴う、安全資産需要の高まり。

・中東・北アフリカ有事発生に伴う安全資産需要の高まり(上昇要因)。

・米中通商交渉が部分合意したが、第二弾合意は中国側にメリット少なく、むしろ今後は状況が悪化する可能性の方が高いか。この場合安全資産需要増加で価格の上昇要因。

・トルコとシリアのイドリブ県を巡る対立が激化しており、全面衝突の可能性も出てきていることは金の安全資産需要を高め、価格の上昇要因に。

・英国のブレグジットは、移行期間中の合意は容易ではなく、無秩序離脱の可能性はまだなくなっていない。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加。

(投機・投資要因)

・銀価格は金銀在庫レシオが銀在庫の減少、ないしは金在庫の増加、あるいは両要因によって低下した場合、金銀レシオが上昇するリスク(銀価格の上昇要因)。

・金はロングが増加、ショートが大幅に減少。新型肺炎の影響に伴う低金利政策の継続観測が価格を押し上げている状況。銀はロング・ショートとも減少したがロング手仕舞いの影響がおおきかった。

PGMは銀と同様、手仕舞いの動きが強まり、ロング・ショートとも減少。

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが356,535枚(前週比 +626枚)、ショートが48,561枚(▲7,542枚)、ネットロングは307,974枚(+8,168枚)、銀が96,395枚(▲683枚)、ショートが28,758枚(▲517枚)、ネットロングは67,637枚(▲166枚)

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

プラチナはロングが71,738枚(前週比 ▲1,242枚)ショートが9,898枚(▲302枚)、ネットロングは61,840枚(▲940枚)

パラジウムが10,603枚(▲989枚)、ショートが5,438枚(▲126枚)ネットロングは5,165枚(▲863枚)

---≪農産品≫---

【穀物市場動向総括】

シカゴ穀物市場はプレジデンツデーのため休場。

【穀物価格見通し】

シカゴ穀物価格は、新型コロナウイルスへの新規感染者数が中国の疑い症例を含めたもの、中国以外(特に日本)での感染者数拡大を考えると、やはり貿易に影響が出る可能性は高く、レンジワークながらも頭重い推移になると考える。

ファンダメンタルズ面では、米トウモロコシ・大豆の受け渡し可能在庫は過去5年の最高水準を上回っており、供給に懸念は少なく、価格には下押し圧力が掛かりやすい地合い。

小麦は豪州火災の影響や、ロシア・ウクライナの悪天候の影響で供給に懸念が出ていること、シカゴの小麦在庫は過去5年の最低水準を引き続き下回っていることから、上昇圧力が掛かりやすい。

今後の市場の注目は大豆、トウモロコシの作付け意向面積。今の価格水準だとトウモロコシの作付け面積が増加する見込み。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・最終確定作付け面積動向(トウモロコシは増加、大豆は減少、小麦は横ばい)トウモロコシ 9,170万エーカー(市場予想8,703万エーカー、前年8,913万エーカー)大豆 8,004万エーカー(8,468万エーカー、8,920万エーカー)小麦 4,561万エーカー(4,561万エーカー、4,780万エーカー)

・2月の米需給報告の生産見通しトウモロコシ136億9,200万Bu(前月136億9,200万Bu)大豆 35億5,800万Bu(35億5,800万Bu)小麦 19億2,000万Bu(19億2,000万Bu)

・2月の米需給報告の在庫見通しトウモロコシ18億9,200万Bu(市場予想18億7,972万Bu、前月18億9,200万Bu)大豆 4億2,500万Bu(4億4,832万Bu、4億7,500万Bu)小麦 9億4,000万Bu(9億5,888万Bu、9億6,500万Bu)

・12月末の四半期在庫トウモロコシ 113億8,900万Bu(市場予想114億7,171万Bu、前月22億2,100万Bu)大豆 35億5,200万Bu(31億9,033万Bu、9億900万Bu)小麦 183億4,000万Bu(190億300万Bu、23億4,600万Bu)

(特殊要因)

・新型肺炎の影響拡大による、輸出活動の停滞(シカゴ定期を含む生産地価格の下落要因)。

・米中通商交渉は部分合意、シカゴ穀物の買い材料となる。しかし、問題の本質は両国の軍事を巡る覇権争いであり、二次合意も難しく中国の合意不履行を材料に両国関係が再び悪化する可能性も考えられ、シカゴ定期の下落要因に。

ただし新型肺炎の影響で、しばらくの間、中国が合意を履行しなくても問題視はされないと予想される。

・米・イランの対立激化により、穀物輸送に影響が出る場合(下落要因)。ただし非景気循環銘柄需要が高まり最終的には上昇要因に。

・エルニーニョ現象は終息したとみられるが、より北米の穀物生産に影響を与えるラニーニャ現象の発生の懸念は排除できず、特に今年の春先以降、価格が上昇する可能性があり、価格の上昇要因に。

・中国の豚コレラ被害の拡大により、飼料需要が減少した場合は価格の下落要因(逆に終息すれば上昇要因)。

・トランプ政権が製油業者に対する再生可能燃料基準(バイオ燃料の混合を義務付け)の適用を31の製油業者に対して免除していたが、これを撤廃するよう指示したと伝えられたことは、国内向けのエタノール・バイオディーゼル向け需要増加観測を強め、価格の上昇要因に。

(投機・投資要因)

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

トウモロコシはロングが313,255枚(前週比 ▲2,196枚)、ショートが275,034枚(+12,202枚)ネットロングは38,221枚(▲14,398枚)

大豆はロングが165,001枚(+7,502枚)、ショートが188,685枚(+11,348枚)ネットロングは▲23,684枚(▲3,846枚)

小麦はロングが157,897枚(▲1,404枚)、ショートが116,658枚(+5,725枚)ネットロングは41,239枚(▲7,129枚)

◆本日のMRA's Eye


「ジョンソン・マッセイPGM見通しレビュー」

【プラチナ】

2019年のプラチナ需給は鉱山生産の減少をリサイクル品からの回収が相殺し、前年比+7万4,000オンスの増加となる一方、自動車向けの需要が減速する中で工業向け需要が▲36万7,000オンスの減少となるため、実需のバランスは供給過剰となる。

しかし価格の低迷による投資妙味の高まりから、投資需要が前年比+106万4,000オンスの増加となるため、全体では▲20万6,000オンスの供給不足となる見込み。

ただ。この状態が続くかどうかは、すでに相対的に高値圏にきているプラチナに対して、さらに投資需要が増加するかに依拠するため、金価格が現状高止まりしていることを考えると、2020年も需給がタイト化するかどうかは疑わしい。

2020年は中国とインドでの大型トラック向けのPGM充填量が増加することが、プラチナ需要を支えると考えられる。ただしこの増加は、宝飾品向けのプラチナ需要の更なる減少と、ガラス分野向けの需要の落ち込みで相殺される見込み。

供給は自動車触媒からのリサイクル量の増加(2000年~2007年にかけてディーゼル車向けのプラチナ使用量が増加したため。ただし、ディーゼル車の触媒におけるプラチナの使用量が減少しているため、リサイクル量の増加は将来的には頭打ちに)が一次供給の減少を補うため、今年もETFなどの投資需要が需給バランスを決定づけると考えられる。結果、金銀価格に追随する動きとなりやすい。

2020年のプラチナ供給は6年ぶりに600万オンスを下回る見込み。これは南アフリカの鉱山生産者の経営合理化の影響や、ロシアの鉱床の品位低下が影響している。南アフリカの生産は経営合理化による減産と、新規鉱山の増産によってほぼ横ばいの公算。ロシアはサウス・クラスター事業で露天掘鉱を開発する予定であり将来の増産が見込まれるが、計画通りであっても2023年からとなる。

ただし、中国がChina VI、インドがBaharat VI(BSVI)という排ガス規制に対応したトラックの利用が始まるため、PGMの利用が増加することになる。なお、インドで発売されるトラックはすべて、プラチナを利用した先進の後処理システムを搭載することになりプラチナ需要を押し上げよう(今までのトラックには後処理システムにほとんどPGMを用いていない)。

なお、先進後処理システムは、参加触媒とディーゼル車用微粒子捕集フィルター(DPF)が組み込まれており、NOxの排出を抑える選択還元触媒(SCR)とともに使用される。

中国は2020年内にBlue Sky Protection Planの下、主要都市でChina VIが先行して導入される見込み。これにより、中国で生産される25%のトラックがこの基準を満たすと想定され、中国のトラック向けのPGM使用量は2019前年比で少なくとも2倍に増加すると見られている。

小型ディーゼル車向けの応酬の規制は、2021年以降、2025年までに2021前年比で二酸化炭素の排出量を▲15%、2030年までに▲37.5%にすることが要求されている。結果、自動車の電化が進むが一部の高級車にはディーゼルエンジンの提供を継続する可能性があり、販売減少を下支えすると考えられる。

インドは4月の規制導入に先立ち、大衆向けの低価格モデル提供を中止するため、ディーゼル車の販売は前年比▲40%~▲50%になると予想されている。

なお、高騰を続けるパラジウムをプラチナに置き換える動きは、限定されると考えられる。技術的な問題もさることながら、そのための製造ライン変更のための設備投資、ディーゼル車の販売不振を考えると採算に乗らないため。

【パラジウム】

2019年のパラジウム需給は、鉱山生産が前年から小幅減少、リサイクル品からの回収の増加で供給が前年比+27万3,000オンスとなる一方、需要が環境規制強化に伴い自動車触媒向けの需要が+89万5,000オンスの増加になることから、▲110万2,000オンスの大幅な供給不足となる見込み。

2020年のパラジウム需給についても、供給不足幅が拡大する見込み。背景には中国でChina VI、欧州でEuro 6dに対応した自動車の製造が増加することがある。これによってガソリン車向けの触媒平均充填量が増加し、自動車向け需要は1,000万オンスを上回る見込み。

使用済み自動車からの回収は増加するが、鉱山供給は南アフリカのリストラやロシアからの供給減少で減少の見込み。これらの供給不足を解消する可能性があるのが、ロシア中銀の備蓄放出で100万オンス程度の可能性があるとJ&Mは指摘。

価格上昇が続いた場合、代替物が多数存在する、歯科向けの需要が減少する可能性がある。特に保険でカバーされていない北米の需要減少が起きる可能性はあろう。電子分野でもニッケルや金への代替の可能性があるが、技術的な問題、それをクリアするための設備投資なども必要となり、直ちに転換が進むわけではない。

2020年7月からChina VIが中国全土で適用されるが、これにより1台当たりのパラジウム充填量は大幅に増加することになる。欧州では、Euro 6dが1月から段階的に適用され、充填量が昨年に続き、2桁の伸びになる見込み。

供給側はプラチナとの関係もあってリストラが進み、大幅な増加は見込めない。ロシアもNorlisk NickelがTalnakh鉱床とSouth Culster鉱床からの増産を計画しているが2023年頃の見込みであり、2020年の需給緩和には寄与しない。

◆主要ニュース


・Q419日本実質GDP速報 前期比▲4.6%(前期確定+0.1%)、前期比年率▲6.3%(+0.5%)
 GDPデフレータ 前年比+1.3%(+0.6%)
 民間消費支出 前期比▲2.9%(+0.5%)
 民間住宅▲2.7%(+1.2%)
 民間企業設備投資▲3.7%(+0.5%)
 公的需要+0.4%(+0.8%)

・1月日本首都圏マンション販売 前年比▲34.5%の1,245戸(前月▲14.3%の6,392戸)

・12月日本鉱工業生産改定  前月比+1.2%(速報比▲0.1%、前月改定▲1.0%)、前年比▲3.1%(▲0.1%、▲8.2%)
 出荷+0.3%(+0.3%、▲1.7%)、▲3.4%(+0.3%、▲7.7%)
 在庫+0.9%(▲0.7%、▲0.9%)、+1.3%(▲0.8%、+1.6%)

・12月日本設備稼働率 前月比▲0.4%(前月▲0.3%)

・1月対中直接投資 前年比+4.0%の935億元

・1月中国新築住宅価格 前月比+0.27%(前月+0.35%)

・1月中国新築住宅価格 前年比値上がり 66都市(前月68都市)、横ばい 0都市(0都市)、値下がり 4都市(2都市)、前月比値上がり 47都市(50都市)、横ばい 8都市(4都市)、値下がり 15都市(16都市)

・サバクトビバッタの被害拡大で、ソマリアが国家非常事態宣言。

・中国政府、全人代の開催延期を決定。

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・サウジアラビア ファルハン大臣、「イスラエルとの正常化はパレスチナの条件に適した和平合意への署名次第。」

【メタル】
・特になし。

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.TGE大豆 ( 穀物 )/ +11.14%/ +11.14%
2.ICE欧州天然ガス ( エネルギー )/ +6.23%/ ▲28.68%
3.TCM天然ゴム ( その他農産品 )/ +3.65%/ ▲8.80%
4.パラジウム ( 貴金属 )/ +3.50%/ +29.51%
5.SGX天然ゴム ( その他農産品 )/ +3.49%/ ▲1.98%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
70.TGEトウモロコシ ( 穀物 )/ ▲8.27%/ +1.35%
69.ビットコイン ( その他 )/ ▲6.74%/ +34.77%
68.日経平均 ( 株式 )/ ▲0.69%/ ▲0.56%
67.ニューキャッスル炭 ( エネルギー )/ ▲0.50%/ +2.07%
66.インド・センセックス ( 株式 )/ ▲0.49%/ ▲0.48%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :休場( - )
S&P500 :休場( - )
日経平均株価 :23,523.24(▲164.35)
ドル円 :109.88(+0.10)
ユーロ円 :119.07(+0.16)
米10年債利回り :1.58(±0.0)
独10年債利回り :▲0.40(±0.0)
日10年債利回り :▲0.03(▲0.01)
中国10年債利回り :2.88(+0.04)
ビットコイン :9,646.95(▲697.60)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :22.71(+0.16)
エネルギー :31.35(▲0.21)
ベースメタル :18.12(+0.41)
貴金属 :23.40(+0.38)
穀物 :14.54(±0)
その他農畜産品 :24.27(+0.2)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :25.44(±0)
Brent :34.75(▲0.06)
米天然ガス :34.38(±0)
米ガソリン :31.41(±0)
ICEガスオイル :34.89(▲0.69)
LME銅 :17.87(+0.89)
LMEアルミニウム :11.11(+0.39)
金 :10.70(±0)
プラチナ :18.73(+0.21)
トウモロコシ :20.07(±0)
大豆 :10.70(±0)

【エネルギー】
WTI :52.05(+0.63)
Brent :57.55(+0.23)
Oman :56.62(+0.12)
米ガソリン :158.33(+0.31)
米灯油 :169.82(+1.77)
ICEガスオイル :513.25(▲1.25)
米天然ガス :1.84(+0.01)
英天然ガス :22.16(+1.30)

【石油製品(直近限月のスワップ)】
Brent :57.55(+0.23)
SPO380cst :293.91(▲3.04)
SPOケロシン :65.36(▲0.47)
SPOガスオイル :66.58(▲0.57)
ICE ガスオイル :68.89(▲0.17)
NYMEX灯油 :169.50(▲0.03)

【貴金属】
金 :1581.13(▲2.93)
銀 :17.69(▲0.05)
プラチナ :970.55(+4.87)
パラジウム :2519.81(+85.16)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :5,811(+58:9C)
亜鉛 :2,169(+15:15.5C)
鉛 :1,881(+20:30B)
アルミニウム :1,712(▲22:33.5C)
ニッケル :13,080(▲70:10C)
錫 :16,630(+75:0B)
コバルト :33,309(▲18)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :5822.00(+65.50)
亜鉛 :2175.50(+26.50)
鉛 :1872.00(▲2.00)
アルミニウム :1717.00(▲3.00)
ニッケル :13155.00(+105.00)
錫 :16615.00(+60.00)
バルチック海運指数 :425.00(+4.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR青島) :休場( - )
SGX鉄鉱石 :86.72(+0.96)
NYMEX鉄鉱石 :休場( - )
NYMEX原料炭スワップ先物 :154.71(+1.72)
上海鉄筋直近限月 :3,378(±0.0)
上海鉄筋中心限月 :3,413(+28)
米鉄スクラップ :283(±0.0)

【農産物】
大豆 :休場( - )
シカゴ大豆ミール :休場( - )
シカゴ大豆油 :休場( - )
マレーシア パーム油 :2725.00(+65.00)
シカゴ とうもろこし :休場( - )
シカゴ小麦 :休場( - )
シンガポールゴム :163.00(+5.50)
上海ゴム :11435.00(+85.00)
砂糖 :休場( - )
アラビカ :休場( - )
ロブスタ :1290.00(+3.00)
綿花 :休場( - )

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :休場( - )
シカゴ生牛 :休場( - )
シカゴ飼育牛 :休場( - )

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。