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非景気循環商品物色される
  • MRA商品市場レポート for PRO

2018年11月28日 第1443号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「非景気循環商品物色される」

昨日の商品価格は景気循環系商品が売られ、非景気循環商品が物色される流れとなった。特に景気循環系商品の中で非鉄金属については中国の工業利益の減速が影響した。

週末に予定されているG20での米中首脳会議の動向を睨み、ポジション調整的な取引が主体で、昨日買われたものが売られ、売られたものが買われやすくなる地合いだった。

週末のG20ではトランプ大統領と習近平国家主席が対談の予定だが、どのような結論になるか不透明である。

このコラムでも主張しているが、基本的に米国の中国に対する制裁 は少なくとも中国が知的財産の保護や認めていない技術の強制移転 の停止、といったことを明文化するまで続けると予想される。

ただ、景気が減速し、支持率低下につながるような選択をトランプ大統領もし難いことは事実であり、1月から予定している関税引き上げを「一時的に」凍結ないしは延期する可能性はあり得る。

ただ、市場はこれを過剰に期待している面も否めず、上述の通り基本、制裁は継続方針であることを考えると楽観はできない。

固有商品の動きで注目は米国・欧州の天然ガスだ。天然ガスは全体の市場動向とはあまり関係なく上昇している。

天然ガス価格の上昇は、1.そもそも年初の厳冬の影響で在庫水準が低い、2.パイプライン問題で原油生産が停滞し、随伴ガスの生産が停滞している、3.寒波の影響、とみられる。

通常、天然ガス市場では実需筋の買いポジションに対して投機が売り向かう形になる。しかし足元は投機がネット買い越しとなっており、上記を材料にした買いが入っているようだ(ロングの増加)。

気温は一過性のものであり、時間経過とともに影響は緩和するとみられるが、まだ冬が本番でない中での気温低下である。

年明け以降に米国の原油増産本格化、天然ガス生産も増加、が見込まれていたが原油価格の下落でその先行きも微妙である。この場合気温次第であるが価格は予想外に高止まりする可能性がある。

本日も引き続き、G20に向けた各国要人の発言や、来週予定されているOPEC会合に向けた米国、中東要人の発言が相場を左右しそうだ が、予定されている統計では、過去の指標であるが米GDP改定(前 期比年率+3.5%、速報+3.5%)に注目しているが、リバイスはなさそ うなので影響は限定だろう。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

昨日の原油価格はもみ合った。下落を続けていた原油価格が一旦下げ止まり、週末のG20と来週のOPEC総会を控えて様子見気分が強まっている。

12月のOPEC総会では▲100万~▲140万バレルの減産が見込まれている。OPEC単体であれば100万バレル、ロシアが賛同すれば140万バレルの減産になるだろう。

▲140万バレルの減産を行えば、2019年の「前年比でみた場合の供給過剰感」は払しょくされることになるため、原油価格はBrent ベースで70ドル程度、WTIで60ドル程度まで上昇すると予想される。

サウジアラビアは少なくとも▲100万バレル程度の減産は行いたい、と考えているとみられるが、実際にこれができるかどうかは米国の 反応次第だ。

CIAはムハンマド皇太子がカショギ氏の殺害の指示をしたと結論づけており、ある意味サウジアラビアは米国に弱みを握られている形となっている。国際社会もムハンマド皇太子を擁護するトーンは強 くない。

となると、下手に大規模な減産を行って原油価格が高騰した場合、安い原油を望む米トランプ大統領のご機嫌を損ね、ムハンマド皇太子批判が強まる可能性もある。

ただ、▲140万バレル程度の減産であれば、来年の供給過剰分の払拭程度にとどまるため、価格上昇は穏やかなものに留まるため、トランプ大統領が激怒する、ということはないのではないか。

しかし、これにイランに対する制裁が進捗すると、前年と比較した場合の需給はよりタイトになり、Brentで70ドルを超える大幅な上昇になると考えられる。

この場合、価格には上昇圧力が掛かることになるが、景気拡大ペースの減速感が強まる中での原油価格上昇であり、その後の景気減速時の需要の減少を大きくさせ、下落幅が大きくなる可能性がある。

しかし、需給面の材料を整理すると価格には下向きバイアスがかかりやすい。そもそも景気が循環的に減速する可能性が高い中で米国 の利上げが持続する見通しである上、米国発の中国制裁、同盟国へ の保護主義政策の拡大が景気を下押しすることになる。

中国に対する制裁は、超党派で決定していると考えられるため、今回の中間選挙で議会にねじれが発生しているが、恐らく継続することになるだろう。

先日のペンス副大統領の講演でのスピーチは、明確に経済面で中国に宣戦布告しているのと同じである。これはトランプ政権というよりも、議会共和党の意向と考えたほうが良い。

米国が中国と貿易で合意するとの報道があったが、選挙前のリップ サービスであり、実際に合意するのは容易ではない。というのも一 連の制裁で米国は中国から、まだ何も得ていないからだ。

ではいつまで制裁が続くかといえば、具体的には、中国の景気拡大が失速して米国と覇権を争えるような状態になくなる、中国が世界シェアを取りに行こうとしているハイテク分野の内製化をあきらめ る、人民元高を許容する(バブル崩壊時の日本と同じ)、といった 明確な成果があるまで継続するのではないか。

ただし、利上げを継続する中で米国景気が失速し、国民からの不満が高まる可能性がある2019年末頃が、翌年に大統領選挙を控える「トランプ政権のリミット」と考えられ、制裁は継続しつつも来年 春頃までに一部制裁が緩和されるのがメインシナリオだ。

トランプ大統領弾劾裁判の可能性が高まっていたが、共和党が上院で過半数を維持しているため、弾劾は実質的に不可能だろう。そして、単体で人気が採れる大統領候補はほかにはおらず、トランプ政 権は二期目に突入する可能性が高いと見ている。

イラン問題の今後の展開は複数考えられるが、今のところ来年の5 月までは制裁の100%履行が延期された。

イランに対する制裁が解除されるのは、イランが明確に核放棄する場合に限られるとみられる。上下院を民主党が確保できなかったためだ。

仮に予定通り禁輸措置が行われるとすれば、サウジやUEAがこれを代替することになるだろう。しかしその場合、OPECスペアキャパシティは「ゼロ」の状態になり、微小な有事が発生しただけでも原油 が100ドルを超える上昇になってもおかしくない。

仮に70ドル~80ドルの原油価格が続けば、景気の循環的な減速局面での原油価格高騰であるため、米国の増産とOPECの減産幅縮小と相まって、その後、大幅な価格下落がもたらされると予想する。

ただし、需要の減速が明確ではない上に上流部門投資が十分ではないことから、下落したとしてもWTIで50ドル、Brentで60ドルを長期にわたって下回り続けるのは難しいと考える。

北朝鮮問題はトランプ大統領からすればある意味「終わった材料(支持率上昇につながらない材料)」だった。

しかし、選挙の結果議会がねじれたため、大統領選に向けたアピール目的で北朝鮮と和平条約を結ぶ可能性はあり得る。この場合、地 政学的リスクは後退するが、日本の防衛負担が増えると考えられる ため、日本は国防を巡って議論が紛糾することが予想される。

ロシアとの距離を縮めているのは、イスラエルと敵対するイランを擁護しているロシアを懐柔することで、シリアからのイラン軍撤退 を促す、という意図があるためと考えられる。

よってロシアとの関係改善は、ある程度中東情勢の緊張緩和に寄与すると期待される。原油の価格面では下押し材料となるだろう。

欧州はかつての最も親密な同盟地域だったが、民主主義の傾向が強く、リベラルな雰囲気が強いこの地区とトランプ大統領は反りが合 わない。この地区との対立は貿易問題での対立を激化させ、需要面 で価格にマイナスに作用すると予想される。

短期的には投機筋動向が価格に影響を与えやすいが、11月20日付の WTIの投機筋ポジションは、ロングが前週比▲32,596枚の528,849枚、 ショートが▲18,585枚の161,662枚、Brentは11月20日付でロングが ▲26,306枚の278,611枚、ショートは+5,957枚の96,042枚となって いる。

WTI、Brentともロングの解消売り圧力が非常に強いことを示唆して おり、ここまでの下落が投機の手仕舞いによるものである可能性が高いことを示している。この流れはもうしばらく続くだろう。

中長期的には中国の人口ボーナス期が2030年頃まで続く事、2020年 頃からはインドも人口ボーナス期に入り需要の増加が見込まれることから強気である。

なお、EVが普及して原油需要は2035年~2040年頃にピークを迎える との見方が市場のコンセンサスとなりつつあるが、リチウムやコバルトの供給問題や、EV普及のための財政負担を考えると、補助金の サポート無しでは成立しないEV化が、市場の期待通りに進むとは考 え難い。

同様に、補助金のサポートが必要なバイオ燃料が化石燃料に取って代わるシナリオも想定し難い。

これに加えて、軽量化目的の樹脂利用(化学製品向け需要の増加)なども期待できること、液体燃料は保存や輸送の観点からみて依然 割安であり、アフリカなどの新興国では引き続き利用されると見ら れることから、2035年に「需要の伸びは鈍化」するものの、減少に 転じると判断するのは早計ではないだろうか。

実際に減少に転じるのは世界的に人口伸びの鈍化が実感される頃(2050年頃か)になると見る。

この見通しの上昇リスクを現物の需要・供給に分けてみてみると、需要面は原発事故などの突発事象で他のエネルギーを原油で代替せ ざるを得なくなった時がこれに当たるが、これはなかなか想定し難 い。

供給面は、以下のようなものが上昇リスクと考えられる。

1.中東情勢不安の顕在化

2.PDVSA(ベネズエラ)の生産停止

3.上流部門投資の低迷(徐々に再開)

この中で顕在化の可能性が高まっているのが1.と2.だ。

1.については米国・サウジ・イスラエルvsロシア・イランの構図で考えると理解しやすい。トランプ政権がイランに対して強硬な態度を取っているのは、ユダヤ人ロビーとキリスト教福音派に配慮し てのことであり、議会としてもロシアとの対決姿勢を強める構図と なる。

そして、イラン産原油を一滴も買うな、という相当強硬な政策が採用されている。それが実際に可能とは思えないが、この結果、イランは核合意離脱並びにホルムズ海峡封鎖オプションを誇示せざるを 得ず、それだけで価格は上昇するだろう。

また、イランからすればこれは従来からこの地域に存在する、シーア派とスンニ派の争いである。今までと違うのが、サウジアラビアがイスラエルと一時的に連携する可能性があることだ。ただ、米国 のイスラエルへの大使館移転で、連携する可能性は低下している。

これにクルド人vsトルコ・イラン・シリア・イラク、といった対立軸も入ってくると本当に理解が困難になる。基本、目の前の敵の敵は見方の構図がその時発生している問題を理解する上での手助けと なる。

これに加えてムハンマド皇太子のスキャンダル、それに伴う欧米の制裁と報復が原油供給を著しく減じるシナリオも想定される。

さらに、東西分裂状態が続くリビアで原油生産が安定して増加する可能性が低いことも、供給不安を高めるだろう。

2.については5月の選挙でマドゥロ大統領が再選を果たし、国内の状況はさらに悪化している。

PDVSAの生産が完全に停止すれば恐らく原油価格は10ドル単位で上昇するとみるが、これが現在じわじわと顕在化している形。これはもはやメインシナリオとなっている(その後OPECの減産解除で大幅 に下落する展開を予想)。

1.と2.の違いは、1.はホルムズ海峡の封鎖が意識されるため、供給途絶が長期にわたる可能性がある一方、2.が顕在化した場合 湾岸諸国の増産が予想されるため、影響が一時的なものに止まる点 である。

1.の場合、実際に封鎖が起きれば原油価格が100ドルを超えても何ら不思議はない。

金融面・政策面では、以下の要因が上昇リスクとなる。

1.米金融規制緩和

2.米景気拡大ペースの鈍化に伴う利上げペースの減速

3.2.に限らず長期金利が日欧の低金利政策の継続で低下する場合

1.は中間選挙で民主党が下院を押さえたため、その可能性はほぼゼロになった。

2.は足元の統計減速で、来年の利上げペースが鈍化する可能性が出てきた。

下落リスクは需要面は何かしらの信用リスクが顕在化することが材料となる。

1.中国の金融市場・住宅市場正常化推進加速

2.米国内インフレ発生による利上げペースの加速

3.地政学的リスク(特に需要面では欧州の混乱)の顕在化

4.北朝鮮戦争の開戦や中東情勢悪化を受けたリスク回避の動きの強まり

5.株価の調整

6.トランプ政権の保護主義政策推進

7.価格上昇に因る需要の減少(レーショニング)

8.トルコ問題の新興国への拡大による、新興国需要の減少

9.ベネズエラをはじめとする新興国のデフォルト

1.の中国の金融市場・住宅市場正常化は不採算の国家プロジェクトを見直すなど緩やかに調整が起きているが、景気をクラッシュさせるほどのものにはなっていない。

2.については原油高の進行に伴うインフレ懸念の高まりが顕在化していたが今のところ後退している。しかし、トランプ政権の関税強化が国内の物価を押し上げる可能性もあるため、このリスクが顕 在化する可能性は以前よりも高い。

ただ、潜在成長率の低下もあってこれ以上長期金利は急騰しない、との見方もあり引き続き先行きはグレーだ。

4.はリスクシナリオであるが、恐らくその可能性は大きく低下した。米朝の交渉は今後も継続する見込みであり、どのように転ぶかはわからない。1つ確実なのは、同問題の解決に向けて日本の負担 は相当重くなるということだ。

中東についてはイランと米国は挑発の応酬となっている。しかし、石油製品価格の上昇が米国民からの支持率を押し下げる可能性があるため、ここにきてイランに対する米国のトーンは若干後退してい る。

しかし、イランは(国民向けのポーズもあってか)強気の姿勢を崩していないため、しばらく緊張状態は続くだろう。

イランと米国が欧州やロシアのとりなしで交渉のテーブルに着く、というのが希望的観測を含めたメインシナリオだったが、中間選挙を受けて対外的なポイントを稼ぎたいトランプ政権が、イランに対 して弱腰になると考え難いため、このシナリオの可能性は後退した。

5.は株価は投機の動きを示す指標であり、ここに調整圧力が高まれば高値圏にあり記録的な水準まで積み上がっている投機の手仕舞い売りが加速する可能性がある。原油価格の上昇に伴う長期金利の 上昇が、そのきっかけになる可能性はある。

6.は同盟国に対しては事前の期待通り常識的な落としどころを探る動きになりつつある。しかし選挙まで「戦う大統領」のポーズを示しておかなければならないため、何かしらの果実を得るまで関税 問題は解決しないだろう。

7.は保護主義政策の拡大で世界的に景気の拡大ペースの鈍化が懸念されている中で原油価格が高騰していることは、消費者がこの価格高騰に耐えられない可能性が高まることを示唆している。顕在化 の可能性が高いリスク要因となってきた。

9.は比較的現実のものとなるかもしれない。中国はベネズエラに対して622億ドル程度の融資(The Inter-American Dialogue調べ)をしていると考えられ、これは1,300億ドル程度と言われるベネズ エラの外貨建て債務(+PDVSA債務)の5割近くに相当する。

仮にデフォルトしたり、政権が倒れた場合、ベネズエラの次期大統領がこの契約は無効として、IMFや米国に泣きつく可能性はあり、 この場合の中国は債権放棄を余儀なくされる可能性がある。

この場合、中国国家開発銀行や中国輸出入銀行の負担となり、最終的には中国政府の負担となる。崩壊の危機に直面しているベネズエ ラであるが、これ以外の国もデフォルトする可能性はあるため、氷 山の一角ともいえる。今のところベネズエラ問題のみで中国が崩壊 するとみる向きは少ないが、そのリスクは無視できない。

供給面は、以下の要因が主な下落リスクシナリオだ。

1.北米の増産加速

2.OPECの出口戦略が意識される

3.イスラエルを中心とした中東情勢絵不安でサウジアラビアやイランなどの足並みが揃わず、OPECの結束が崩壊する場合

1.は米国のパイプラインのキャパシティ問題もあり、増産ペースは鈍化している。原油価格が採算ラインに乗ってから増産が始まるまでの時間差や新しいパイプラインの稼働時期を考えると、再び増 産ペースが加速するのはQ418になってからだろう。

2.は、サウジとロシアがむしろ減産に舵を切る可能性が出てきたため、顕在化の可能性が後退した。

3.はイランに対する制裁の度合いによるが、今のところは崩壊までには至らないとみられる。

石炭価格はじりじりと水準を切り下げながら、高値圏での推移を続けている。中国の国内の生産が減少しているうえに北朝鮮の制裁が続いていることが影響している。価格の減速は、価格に対する説明 力が高い、「中国の景況感の鈍化」が影響していると見る。

北朝鮮への制裁解除は当面ない見込みだが、中国が米国にゆさぶりをかける目的で解除する可能性もなくはない(この場合、さらに米国が中国に制裁を科す可能性がある上、米国と関税関連で共闘でき ると考えていた欧州や日本の協力が得られなくなるため、その可能 性は低いが)。

また、12月にCOP24(第24回気候変動枠組条約締結国会議)が開催 される。米国はこの枠組みから脱退を表明しており欧州諸国は米国の引き留めに必死だ。

この状況で中国は脱退しない方針を打ち出しており、「対米協調」を目的として積極的に石炭使用や鉱山向け融資を絞る可能性もあり得る。このリスクは小さくなく石炭供給懸念を通じて石炭価格を高 止まりさせるとみている。

---≪LME非鉄金属≫---

LME非鉄金属価格は下落した。中国の工業セクター利益が前年比+3.6%と前月の+4.1%から鈍化、工業セクターの活動鈍化懸念が強ま ったことは工業金属需要の減少観測を強め、非鉄金属価格の下落要 因となった。

非鉄金属の最大消費国である中国の構造的な景気減速、米国の利上げ継続や原油価格の続落を受けた実質金利上昇、並びに新興国から の資金流出観測が強まっていること、米国の中国に対する追加制裁 発動が外需を減速させ、非鉄金属価格を下押しすると予想される。

しかし、中国政府は景気を軟着陸させるために預金準備率を引き下げたり、公共投資などの財政政策に傾斜せざるを得なくなってきて いることが需要を押し上げること、LME指定倉庫在庫の減少は継続 しており、足元の需給はまだタイトと考えられることが価格を下支 えすると考えられる。

以上から、非鉄金属価格は軟調ながらもしばらくは底堅い推移になるのではないか。

中国に対する米国の制裁は、超党派で決定していると考えられるため、今回の中間選挙で議会にねじれが発生しているが、恐らく継続 することになるだろう。そして、内政面で新たな政策を打ち出し難 い状況にあるためより中国に対する対応は苛烈になると予想され、工業金属価格にマイナスに作用すると見る。

足元の株価の調整や経済統計の鈍化を受けて、米国がG20で中国に 対する制裁を一部緩和するのでは、との期待が高まっているが、何 かしらの緩和はあるかもしれないが、制裁自体は継続するだろう。

先日のペンス副大統領の講演でのスピーチは、明確に経済面で中国に宣戦布告しているのと同じである。これはトランプ政権というよ りも、議会共和党の意向と考えたほうが良い。

ではいつまで制裁が続くかといえば、具体的には、中国の景気拡大が失速して米国と覇権を争えるような状態になくなる、中国が世界 シェアを取りに行こうとしているハイテク分野の内製化をあきらめ る、人民元高を許容する(バブル崩壊時の日本と同じ)、といった明確な成果があるまで継続するのではないか。

しかし、利上げを継続する中で米国景気が失速し、国民からの不満が高まる可能性があり、場合によると11月に開催されるG20での米 中首脳会談で何らかの緩和措置が取られる可能性はある(あったと しても限定的で、制裁は継続すると考えられるが)。

そしてこうした制裁の影響は顕在化しつつある。中国工業部門利益は、年初来ベースで前年比+13.6%の5兆5,212億元(1-9月期+14.7% の4兆9,713億元)、10月は+3.6%の5,480億元(前月+4.1%の5,455億 元)と大幅に伸びが減速している。構造的・循環的な景気減速に加 え、米国の制裁の影響が徐々に顕在化していることの証左であろう。

結局、工業金属の最大消費国である中国への制裁は緩和はすれども継続する見込みであるため、非鉄金属需要にとってマイナスに作用 することは避けえない。

また、中国の構造的な景気の減速、循環的な減速、保護主義政策に対抗するための人民元安誘導が資本流出を招き、その他の新興国に も影響が出ること、なども価格を下押ししよう。

トランプ大統領弾劾裁判の可能性が高まっていたが、共和党が上院で過半数を維持しているため、弾劾は実質的に不可能だろう。そし て、単体で人気が採れる大統領候補はほかにはおらず、トランプ政 権は二期目に突入する可能性が高いと見ている。

なお、構造的に工業金属需要が増加し、価格が上昇するのはおそら く次の需要のけん引役となるインドが人口ボーナス期入りする2020 年頃からになるとみているため、長期的には強気の見通しである。

短期的には投機筋の動向が重要になるが、11月16日付のLMEポジシ ョンを見ると全ての金属でロング・ショートとも増加し、ネット買 い越し枚数も増加した。

投機筋のLME+CME銅ネット買い越し金額は165.2億ドル(前週148.6 億ドル)と買い越し額が増加している。しかし買い越し枚数はトン 数換算ベースで4,696千トン(4,570千トン)と6月頃から始まった 米中貿易戦争開始前とほぼ同水準まで買い戻された。

このことはさらに価格が上昇するには追加の材料が必要であること を示唆している。具体的には中国や米国の公共投資実施や、米国の 利上げペースの鈍化などだろう。

中長期的な見通しは人口動態が重要になるが、中国の人口ボーナス 期は2030年頃まで続く事、2020年頃からインドが人口ボーナス期に 入ることから構造的な需要増加はまだ継続すると見ており、強気の スタンスを崩していない。

なお、アジア開発銀行は2016年~2030年のアジアのインフラ投資規 模は26兆ドル(3,000兆円、年間1兆7,000億円)に達すると試算し ている。

一帯一路構想は「中国の周辺国の実効支配」を目的とするものであ ることは明確であり、このまま世界中がすんなりこれを受け入れる かは微妙だ。実際パキスタン、ネパール、ミャンマーの水力発電プ ロジェクトが相次いでキャンセルになっている。マレーシアの鉄道 案件も先送りとなった。

現実は、貧困国に資金を貸し出し、返済がなければ担保としてその 土地や港湾を召し上げる、というバブルのころに日本で問題になっ たことを国家として行っている。老練なマハティールは中国の戦略 の意味を理解しているということだ。

また、2018年の軍事費も前年比+8.1%の1兆1,069億元と大幅に積み 増しされており、中国が軍事的に周辺国を支配しようとしているの は明らかだ。

しかし、10月の米中首脳会議で安倍首相は透明性を高めることなど を前提に、一帯一路構想への協力を約束した。中国の資金繰りが悪 化している可能性は高く、中国は日本の支援を欲しがっている、と も考えられる。

一帯一路構想が、中国の軍事的支配権拡大に用いられないよう、日 本が監視できるかどうか。非常に重要な決断だったといえる。

この見通しの上昇リスクは需要面では、

1.中国の財政出動並びに住宅価格上昇容認

2.環境規制の強化で特殊需要が増加する(軽量化目的のアルミ、 EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80 キロ/台が使われる)、蓄電池としての鉛、コバルトなど)

3.トランプ政権のインフラ投資計画実施

などが考えられる。

1.は米国の経済制裁を受けて、構造的な景気の軟着陸を目指すに は内需刺激しかなくなっており、預金準備率の引き下げや、住宅セ クターの再度の過熱を容認する可能性は排除できなくなっている。

市場はEVブームに沸いているが、コバルトの壁に加え、EV普及のた めの補助金負担は好景気時しか難しいこと、道路財源問題などを考 えると市場が期待しているほどのペースで普及するとは見ていない

ここまでのニッケル価格の上昇はEVブームというよりは中国の住宅 セクターの減速が明確でない事や、EVブームを材料にした投機買い の側面が強く、実際の需要に影響を及ぼすのは順調に行ったとして 2020年頃以降になるのではないか。

3.はそもそも大きな政府を目指している民主党の理解が得られや すいため、メキシコとの壁は作らないと思うが一部実施される可能 性は高まった。

供給面は個別性が強いが、以下が上昇リスク要因として挙げられる。

1.大規模鉱山の減少に伴う安価な資源確保環境の悪化(コストを 掛ければ採掘できる。リサイクルの充実は必須)

2.中国の環境規制強化に伴う減産の継続

3.石炭価格上昇による生産コスト(電力コスト)の高止まり

4.労使交渉動向

5.Rusalに対する制裁が長期化し供給懸念が強まる場合

5.はすでに顕在化してしまったリスクだが、特にアルミ・ニッケ ル・パラジウムへの影響が大きい。Rusalに対する制裁は米財務省 が一部緩和する趣旨のコメントをしており、事前予想ほどの影響が 出ない可能性が出てきた。

金融面・政策面では、以下が主な上昇リスク要因だ。

1.米金融規制緩和

2.米景気拡大ペースの鈍化に伴う利上げペースの減速

3.2.に限らず長期金利が日欧の低金利政策の継続で低下する場合

1.は中間選挙で民主党が下院を押さえたため、その可能性はほぼ ゼロになった。

2.は足元の統計減速で、来年の利上げペースが鈍化する可能性が 出てきた。

下落リスクは多く、以下があげられるが主に信用リスクの拡大が要 因の軸となる。

1.中国の金融市場・住宅市場正常化推進加速

2.米国内インフレ発生による利上げペースの加速

3.地政学的リスク(特に需要面では欧州の混乱)の顕在化

4.北朝鮮戦争の開戦や中東情勢悪化を受けた、リスク回避の動き の強まり

5.長期金利の上昇

6.5.に付随するが株価の調整

7.米輸入規制強化並びにそれに対する報復

8.トルコ危機や米利上げの影響を受けた新興国需要の減少

9.ベネズエラをはじめとする新興国のデフォルト

1.の中国の金融市場・住宅市場正常化は不採算の国家プロジェク トを見直すなど緩やかに調整が起きているが、景気をクラッシュさ せるほどのものにはなっていない。

2.については原油高の進行に伴うインフレ懸念の高まりが顕在化 していたが今のところ後退している。しかし、トランプ政権の関税 強化が国内の物価を押し上げる可能性もあるため、このリスクが顕 在化する可能性は以前よりも高い。

ただ、潜在成長率の低下もあってこれ以上長期金利は急騰しない、 との見方もあり引き続き先行きはグレーだ。

4.はリスクシナリオであるが、恐らくその可能性は大きく低下し た。米朝の交渉は今後も継続する見込みであり、どのように転ぶか はわからない。1つ確実なのは、同問題の解決に向けて日本の負担 は相当重くなるということだ。

中東については今のところ落ち着いているが、イランが米制裁に対 してどのように反応するかに今後の動向は依拠することになる。

欧州やロシアのとりなしでイランと米国が交渉のテーブルに着く、 というのが希望的観測を含めたメインシナリオだったが、選挙結果 を受けて、トランプ政権はイランに対してより強硬な姿勢を取ると 予想されるため、この可能性は低下している。

懸念されるのは、CIAがムハンマド皇太子がカショギ氏殺害を指示 したと結論付けた、と報じられていることだ。この通りであれば欧 米が制裁をせざるを得なくなり、サウジアラビアが報復措置を取る 可能性も排除できない。

6.は株式市場は投機の動きを示す指標であり、ここに調整圧力が 高まれば高値圏にあり記録的な水準まで積み上がっている投機の手 仕舞い売りが加速する可能性がある。

7.は同盟国に対しては事前の期待通り常識的な落としどころを探 る動きになりつつある。しかし選挙まで「戦う大統領」のポーズを 示しておかなければならないため、何かしらの果実を得るまで関税 問題は解決しないだろう。

8.はトルコ危機を発端に新興国通貨安となり、米利上げ継続観測 や中国に対する制裁による中国景気減速懸念を受け、新興国通貨安 が加速していることはこれらの国の財政状況を悪化させ、インフラ 投資などの減速を誘発するが、このリスクは顕在化しつつある状況。

9.は比較的現実のものとなるかもしれない。中国はベネズエラに 対して622億ドル程度の融資(The Inter-American Dialogue調べ) をしていると考えられ、これは1,300億ドル程度と言われるベネズ エラの外貨建て債務(+PDVSA債務)の5割近くに相当する。

仮にデフォルトしたり、政権が倒れた場合、ベネズエラの次期大統 領がこの契約は無効として、IMFや米国に泣きつく可能性はあり、 この場合の中国は債権放棄を余儀なくされる可能性がある。

この場合、中国国家開発銀行や中国輸出入銀行の負担となり、最終 的には中国政府の負担となる。崩壊の危機に直面しているベネズエ ラであるが、これ以外の国もデフォルトする可能性はあるため、氷 山の一角ともいえる。今のところベネズエラ問題のみで中国が崩壊 するとみる向きは少ないが、そのリスクは無視できない。

---≪鉄鋼原料≫---

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップ価格は小幅下落、原料炭スワップ 先物は横這い、鉄鋼製品価格はまちまち。

中国景気の先行き懸念が強い中、鉄鋼原料価格には下押し圧力が掛 かりやすい環境にあるが、週末のG20を控えて様子見気分が強い。

鉄鉱石価格は一旦調整するが、高値圏を維持するものと考える。そ もそも季節的に中国の生産が減少、輸入が増加する時期に当たるこ と、米国の制裁はあるものの国内需要の刺激や冬場の鉄鋼生産抑制 継続による鉄鋼製品価格の高止まりが、投機的な観点での鉄鉱石買 いを誘うと考えられることが背景(詳しくは2018年10月31日付の MRA's Eyeをご参照ください)。

ただし、インフラ投資バブルを誘発するほどの公共投資を中国が継 続することは国民の評価的にも、地方政府などの資金繰り的にも困 難と考えられること、米国は選挙の結果に関わらず中国に対する制 裁をさらに強化する方針であること、構造的な需要の減速の可能性 の高さから、中期的に鉄鋼製品・鉄鉱石価格に下押し圧力がかかる、 との見方に変更はない。

しかし、減産は冬の間続くため、政治的なイベントリスクの顕在化 (Brexitなど)がなければ、下落は春になってからになるのではな いか。

中国に対する制裁は、超党派で決定していると考えられるため、今 回の中間選挙で議会にねじれが発生しているが、恐らく継続するこ とになるだろう。そして、内政面で新たな政策を打ち出し難い状況 にあるためより中国に対する対応は苛烈になると予想され、工業金 属価格にマイナスに作用すると見る。

足元の株価の調整や経済統計の鈍化を受けて、米国がG20で中国に 対する制裁を一部緩和するのでは、との期待が高まっているが、何 かしらの緩和(あったとしても、来年からの追加関税引き上げをし ばらく延期程度か)はあるかもしれないが、制裁自体は継続するだ ろう。

先日のペンス副大統領の講演でのスピーチは、明確に経済面で中国 に宣戦布告しているのと同じである。これはトランプ政権というよ りも、議会共和党の意向と考えたほうが良い。

ではいつまで制裁が続くかといえば、具体的には、中国の景気拡大 が失速して米国と覇権を争えるような状態になくなる、中国が世界 シェアを取りに行こうとしているハイテク分野の内製化をあきらめ る、人民元高を許容する(バブル崩壊時の日本と同じ)、といった 明確な成果があるまで継続するのではないか。

そしてこうした制裁の影響は顕在化しつつある。中国工業部門利益 は、年初来ベースで前年比+13.6%の5兆5,212億元(1-9月期+14.7% の4兆9,713億元)、10月は+3.6%の5,480億元(前月+4.1%の5,455億 元)と大幅に伸びが減速している。構造的・循環的な景気減速に加 え、米国の制裁の影響が徐々に顕在化していることの証左であろう。

結局、工業金属の最大消費国である中国への制裁は緩和はすれども 継続する見込みであるため、工業金属需要にとってマイナスに作用 することは避けえない。

今年の鉄鉱石価格の上昇は、鉄鋼製品価格の上昇によるものであり、 さらに製鉄所の稼働率の上昇が実需を押し上げたことも影響してい る。

中国最大の鉄鋼生産地区である河北省の高炉稼働率は、現在73.9% と過去5年平均の84.1%を下回っている。しかし、強制的に生産削減 となった昨年の61.3%よりかなり高い水準を維持している。

今後、昨年と同様、生産抑制される見込みであるため、鉄鋼製品価 格は冬場、高い水準を維持することになるのではないか。

ただ、鉄鋼製品在庫が前週比▲30.6万トンの866.3万トン(過去5年 平均1,003.3万トン)であり鉄鋼製品価格は例年よりも高い水準を 維持しそうだ。

鉄鋼製品が高止まりするため、鉄鉱石に関しても、冬場に向けた国 内生産の減速時期に突入していることから、季節的に鉄鉱石価格は 高止まりするだろう。

直近の統計では、鉄鉱石在庫が前週比+35万トンの1億4,095万トン、 (過去5年平均1億582万トン)、在庫日数は前週比+0.1日の 30.5日(過去5年平均27.2日)と、例年よりも高い水準を維持して いる。

鉄鋼製品価格につられて水準を切り上げていた鉄鉱石であるが、や はり徐々に下押し圧力が掛かるのではないか。

長期的な見通しは人口動態が重要になるが、中国の人口ボーナス期 は2030年頃まで続く事、2021年からインドが人口ボーナス期に入る ことから構造的な需要増加はまだ継続すると見ており、強気である。

なお、アジア開発銀行は2016年~2030年のアジアのインフラ投資規 模は26兆ドル(3,000兆円、年間1兆7,000億円)に達すると試算し ている。

一帯一路構想は「中国の周辺国の実効支配」を目的とするものであ ることは明確であり、このまま世界中がすんなりこれを受け入れる かは微妙だ。実際パキスタン、ネパール、ミャンマーの水力発電プ ロジェクトが相次いでキャンセルになっている。マレーシアの鉄道 案件も先送りとなった。

現実は、貧困国に資金を貸し出し、返済がなければ担保としてその 土地や港湾を召し上げる、というバブルのころに日本で問題になっ たことを国家として行っている。老練なマハティールは中国の戦略 の意味を理解しているということだ。

また、2018年の軍事費も前年比+8.1%の1兆1,069億元と大幅に積み 増しされており、中国が軍事的に周辺国を支配しようとしているの は明らかだ。

しかし、10月の米中首脳会議で安倍首相は透明性を高めることなど を前提に、一帯一路構想への協力を約束した。中国の資金繰りが悪 化している可能性は高く、中国は日本の支援を欲しがっている、と も考えられる。

一帯一路構想が、中国の軍事的支配権拡大に用いられないよう、日 本が監視できるかどうか。非常に重要な決断だったといえる。

上昇リスクについては、以下のようなものが考えられる。

1.中国の財政出動並びに住宅価格上昇容認

2.一帯一路構想が市場予想を上回るペースで実施される場合

3.米国のインフラ投資計画が実際に実施される場合

1.は米国の経済制裁を受けて、構造的な景気の軟着陸を目指すに は内需刺激しかなくなっており、預金準備率の引き下げや、住宅セ クターの再度の過熱を容認する可能性は排除できなくなっている。

2.はそのプロジェクトの質の悪さから導入を見送る国が増えてお り、中国自体の資金繰りの問題もあって以前ほど高いリスクではな くなってきた。

3.は民主党が選挙で下院の過半数を占めたことから実施の可能性 が後退した。しかしそもそも民主党は大きい政府を標榜しているた め、部分的に実施される可能性はある。

下落リスクは信用リスク系のものが多いが以下が主なところだ。

1.中国の住宅バブル崩壊

2.中国のインフラ投資が財政悪化で規模が期待ほどにはならない 場合

3.米利上げぺースの加速によるドル高で新興国からの資金流出が 加速した場合

4.何らかの理由で北朝鮮に対する制裁が解除され、原料炭価格が 下落する場合

5.北朝鮮、中東情勢不安が世界的にリスク回避姿勢を強め、金融 市場の混乱が実態経済に悪影響を及ぼす場合

6.世界的な株価の調整によるリスク回避の動きの強まり

7.米国の進める保護主義政策の拡大

8.トルコの政情不安が新興国通貨安(資本流出)を通じて、新興 国需要の減速につながる場合

9.ベネズエラをはじめとする新興国のデフォルト

10.ジャーナリスト殺害に対する批判に反発して、ムハンマド皇太 子が原油の輸出を停止して原油調達ができなくなる、原油価格が高 騰する場合

4.の可能性は出てきたが、核放棄を行わない限り制裁は継続の方 針である。しかし、米国が体制保証を認めた以上、今後は北朝鮮が 国際社会に復帰する方向性に進む可能性が高い。

選挙結果を受けて対外的な政策成功をアピールしたいトランプ大統 領が、電撃的に制裁を解除する可能性は以前よりも高まった。

ただし、首脳会談のスケジュールを見るに、年明け以降の解除の可 能性が高いと考える(逆に言えば年内は解除はなしか)。

5.はリスクシナリオであるが、米朝首脳会談の結果を受け開戦リ スクは後退した。しかし、交渉は今後も継続する見込みであり、ど のように転ぶかはわからない。1つ確実なのは、同問題の 解決に向けて日本の負担は相当重くなるということだ。

中東については今のところ落ち着いているが、イランが米制裁に対 してどのように反応するかに今後の動向は依拠することになる。

欧州やロシアのとりなしでイランと米国が交渉のテーブルに着く、 というのが希望的観測を含めたメインシナリオだが、この通りにな るかどうかは正直五分五分だろう。

懸念されるのはCIAがサウジアラビア ムハンマド皇太子がカショ ギ氏殺害を指示したと断定したと報じられたことだ。もし欧米がサ ウジアラビアに対して制裁、サウジが報復した場合、原油価格高騰 が景気にマイナスに作用することになる。

7.は常識的な落としどころを探る動きになる、とみていたが結局、 米中の貿易戦争は開戦となった(その他の地域に対する関税引き上 げはこれとは別に存在)。

関税引き上げは消費税引き上げのような緊縮財政と同様の経済効果 をもたらすため、景気には明らかにマイナスだ。今のところ、中間 選挙を睨んだ対策であるため、目に見える効果が上がらない限りは 解除はしないだろう。

結果、中国国内の鉄鋼製品価格を押し下げ鉄鉱石価格の押し下げ要 因となるだろう。

9.は比較的現実のものとなるかもしれない。中国はベネズエラに 対して622億ドル程度の融資(The Inter-American Dialogue調べ) をしていると考えられ、これは1,300億ドル程度と言われるベネズ エラの外貨建て債務(+PDVSA債務)の5割近くに相当する。

仮にデフォルトしたり、政権が倒れた場合、ベネズエラの次期大統 領がこの契約は無効として、IMFや米国に泣きつく可能性はあり、 この場合の中国は債権放棄を余儀なくされる可能性がある。

この場合、中国国家開発銀行や中国輸出入銀行の負担となり、最終 的には中国政府の負担となる。崩壊の危機に直面しているベネズエ ラであるが、これ以外の国もデフォルトする可能性はあるため、氷 山の一角ともいえる。今のところベネズエラ問題のみで中国が崩壊 するとみる向きは少ないが、そのリスクは無視できない。

10.は鉄鉱石・鉄鋼原料に限った話ではない。原油供給が途絶すれ ば世界経済に与える影響は当然小さくない。そして、サウジアラビ アはそのようなことをする国ではなかったはずだが、実務のトップ が代われば方針も変わってしまうということなのだろう。そのリス クは意識しなければならない。

---≪貴金属≫---

金銀価格は下落した。クラリダFRB副議長発言を受けて実質金利が 上昇したことが価格を下押しした。

PGMは投機商品的な色彩が強まっているプラチナが下落、現物供給 がタイトなパラジウムは米国時間の株の上昇に歩調を合わせて上昇 した。

金価格は再び上昇余地を探る動きになると考える。サウジアラビア のジャーナリスト殺害問題やイタリアの財政問題などのリスク、英 Brexitに再び焦点が当たっていること、リスク回避で株に調整圧力 が掛かり続けているため、「株安→債券高・金高」の流れになりや すいことも、価格を押し上げると考える。

また、米中間選挙の結果議会がねじれたため、国内でポイントを稼 ぐことができないトランプ大統領が海外政策をより強硬なものにす る可能性があることも、安全資産需要を高めると考える。

英国とEUが離脱条件で合意したと伝えられたが、EU離脱担当相が辞 任するなど、英政権内が混乱してきた。EU議会では承認が得られた が12月11日に予定されている離脱条件を問う英国議会の投票に注目 が集まる。

なお、金価格は、地政学がフルに影響すれば1,400ドル程度までの 上昇はあると考えていたが、現在の実質金利水準や、過去の実質金 利からの乖離(いわゆるリスクプレミアム)を考えると、あと50ド ル程度しかリスクプレミアム分の上昇余地はなさそうだ(詳しくは 2018年10月18日付のMRA's Eyeをご参照ください)。

ただし、米国の利上げが来年の春に終了し、原油価格も高止まりを 続けるようであれば実質金利が低下し、ベース価格が上昇すること になるため米金融政策、原油価格動向に価格が左右される環境にあ ることは変わりない。

なお、地政学的リスクの影響がないとすれば、実質金利で説明可能 な水準である1,050ドル程度までの下落はあると考える。

銀は、Silver Instituteなどの分析では供給の減少と電気製品向け の需要増加で供給不足になっていると指摘されているが、それより は金価格動向や貿易戦争の影響が強く意識され、対金で軟調な推移 となっている。

今後についても金価格が軟調に推移することから水準を切り下げる 動きになると考える。現在の金銀レシオは80に大きなチャートポイ ントが重なり、底堅い推移となりつつ過去最高水準を維持している。

足元、COMEXの金銀在庫レシオの金銀レシオに対する説明力が高い が、足元でも金銀在庫レシオは高い水準を維持している。記録的な 水準まで積み上がった銀の取引所在庫の影響で、しばらくはこの80 越えの水準を維持するだろう(詳しくは2018年10月19日付のMRA's Eyeをご参照ください)。

金銀レシオが80である前提であれば、地政学的リスクがフルに影響 して1,300ドルになった場合、リスクプレミアムがはげ落ちて1,150 ドルまで下落した場合に対応する銀価格は、16.25ドル、14.4ドル となる。

金銀レシオが鉱工業生産などから説明可能な、長期の平均的な水準 である74程度であれば、17.6ドル、15.5ドルとなる。

短期的な価格動向を占う上で参考になる投機筋の売買動向は、 11月20日時点で金のロングが▲2,910枚の165,506枚、ショートが ▲21,053枚の156,610枚、銀のロングが▲2,972枚の71,646枚、 ショートが▲9,389枚の82,374枚となっている。

PGM価格は景気の先行きへの懸念が強まる中、下値余地を探る動き になると考える。ただし、金銀価格が上昇余地を試す可能性が出て きてるため、そのことが下落余地を限定させるだろう。

また、ディーゼル自動車比率の高い欧州景気の減速(プラチナ需要 減速)、ガソリン自動車比率の高い米国景気の拡大継続(パラジウ ム需要加速)で、プラチナ・パラジウムレシオはしばらく低下を続 けると予想される。

米国の10月の自動車販売は1,750万台(市場予想 1,705万台、前月 1,740万台)と急回復しているが、これは米国が自動車関税を引き 上げる可能性があるため駆け込み需要が顕在化しているためと考え られる。

11月の米消費者信頼感は135.7と引き続き高い水準を維持、6ヵ月以 内に自動車を購入すると答えた人の比率も13.8と前月の14.0から小 幅に低下している。自動車関税引き上げ前の駆け込み需要の剥落の 影響だろう。

FRBの利上げも継続する見込みであり、自動車メーカーのディー ラー向けのインセンティブ負担も重くなることが予想され、自動車 関税引き上げが宣言通り実施されるのであれば、自動車販売は減速 する可能性が高く、PGM価格を下押しすると予想される。

中国の10月の自動車販売(工場出荷台数)は前年比▲11.7%の238万 台(前月▲11.55%の239万4,100台、前々月▲3.75%の210万3,400台、 前々々月▲4.02%の188万9,100台)と4ヵ月連続でマイナス成長とな り、同国の耐久財需要が減少していることが伺える。

弊社は需給面の見通しに関しWPICの見通しを参考にしているが、直 近の見通しでは2018年のプラチナの需給は29万5,000オンスの供給 過剰と、2017年の29万5,000オンスの供給過剰水準から横ばいの見 通しとなっている。

自動車向けの触媒需要が前年比▲21万オンスとなるものの、南アフ リカ(▲5万オンス)、ジンバブエ(▲2万オンス)、ロシア (▲4万オンス)などの影響で鉱山生産が▲15万5,000オンスとなる ことが相殺した。

この結果、地上在庫は249万5,000オンスに増加する見込みで、在庫 日数は118.0日(+16.0日)と増加見込みであり、在庫の顕著な増加 が価格上昇を抑制することになろう。

なお、南アフリカのPGM生産指数は9月時点で108.00(季節調整前) と過去5年平均を回復した。今の需要動向をみるとよりプラチナ需 給が緩和し、パラジウムの供給は不十分で両者のスプレッドは、需 給面からまた拡大する可能性が出ている。

11月20日現在、CFTCのプラチナポジションはロングが▲238枚の 42,994枚、ショートが▲32枚の21,209枚、パラジウムはロングが +428枚の17,923枚、ショート▲456枚3,659枚となっている。

---≪農産品≫---

シカゴ穀物市場は高安まちまち。G20での米中貿易交渉進捗期待で 大豆が上昇、トウモロコシ、小麦はドル高進行が価格を下押しした。

穀物価格は引き続き政治動向に振らされる形となるが、トランプ政 権がG20で中国に対する制裁を緩和するのではとの観測や、エタ ノールの規制緩和によるトウモロコシのエタノール向け需要の増加 観測、トウモロコシと大豆がテクニカルに買いが入りやすいこと景 気循環銘柄から非循環銘柄へのシフト圧力から、上昇余地を探る動 きになると考える。

トウモロコシの収穫率は94%(前週90%)と遅れがあったが概ね終了 している。大豆の収穫率も94%(91%)とこちらもほぼ終了している。

冬小麦の作況は55%(56%)と過去5年平均を下回っている。収穫量 は春小麦よりも冬小麦のほうが圧倒的に大きく、2018-2019穀物年 度への影響が意識される。

ただ、「小麦は雑草」の格言通り世界のどこかで生産がされるため、 最終的に供給は足りることになると考えるが、供給が足りて価格が 下落するまでに価格が高騰するリスクは存在する。

11月の米需給報告では、トウモロコシの生産見通しが146億2,600万 ブッシェル(市場予想147億2,907万ブッシェル、前月147億7,800万 ブッシェル)、大豆が46億ブッシェル(46億7,643万ブッシェル、 46億9,000万ブッシェル)、小麦が18億8,400万ブッシェル(前月18 億8,400万ブッシェル)と、総じて「期待ほどの生産」にはならな い見通しが示された。

一方で輸出見通しは、トウモロコシが24億5,000万ブッシェル(前 月24億7,500万ブッシェル)、大豆が19億ブッシェル(20億6,000万 ブッシェル)と減速が見込まれている。

11月20日付のCFTC投機筋ポジションは、トウモロコシのロングが ▲16,038枚の388,272枚、ショートが+1,859枚の289,177枚、大豆の ロングが+382枚の135,529枚、ショートが+771枚の177,876枚、小麦 のロングが▲1,418枚の156,880枚、ショートが+10,124枚の147,041 枚となっている。

◆主要ニュース


・10月日本企業向けサービス価格指数 前年比+1.3%(前月+1.1%)

・1-10月期中国工業セクター利益 前年比+13.6%の5兆5,212億元(1-9月期+14.7%の4兆9,713億元)
 10月 +3.6%の5,480億元(+4.1%の5,455億元)

・1-10月期中国石炭採鉱セクター利益 前年比+10.7%(1-9月期 +14.5%)
 鉄鋼採鉱 ▲15.7%(▲17.0%)
 非鉄金属採鉱 +10.1%(+12.6%)
 鉄鋼精錬 +63.7%(+71.1%)
 非鉄金属精錬 ▲20.1%(▲16.5%)
 化学 +22.1%(+24.5%)
 繊維 +3.7%(+2.7%)
 電力 +6.2%(+8.8%)
 通信 +2.8%(+2.3%)
 一般機器製造 +8.8%(+8.5%)
 自動車 ▲5.4%(▲3.8%)
 電気機械器具 +2.5%(+2.7%)

・9月米FHFA住宅価格指数 前月比+0.2%(前月+0.4%)

・Q318米住宅価格指数 前期比+1.3%(前期改定+1.3%)

・9月米S&Pコアロジック住宅主要20都市価格指数 前月比+0.33%
(前月改定+0.09%)。前年比+5.15%(+5.53%)

・11月米コンファレンスボード消費者信頼感指数 135.7
(前月改定 137.9)
 現況指数 172.7(171.9)
 期待指数 111.0(115.1)
 6ヵ月以内自動車購入 13.8(13.8)、住宅6.4(6.4)

・クラリダFRB副議長(投票権あり・中間派)、「インフレが目標上回れば政策見直しへ。リスクは3年前ほどダウンサイドに傾斜していない。」

・ECBドラギ総裁、「6月以降のデータ、予想よりも弱いが一時的である可能性。」

・北朝鮮、金委員長、核施設への査察受け入れに前向き。

・英議会、12月11日にEUとの離脱合意案の是非を問う投票を実施。

・ISがシリア東部で激しい抵抗、200名超が死亡。

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・DOE米在庫統計市場予想
 原油+221KB(前週+4,851KB)
 ガソリン+160KB(▲1,295KB)
 ディスティレート▲349KB(▲77KB)
 稼働率+1.01%(+2.60%)

・API石油統計
 原油在庫+3.45MB
 クッシング+1.3MB
 ガソリン▲2.62MB
 ディスティレート+1.19MB

・クウェート、ラシディ石油相、「OPECプラスの減産について議論するのは時期尚早だ。」

・ナイジェリア、12月の原油輸出は177万バレル/日、1月は187万バレル/日に。

・リビア、Nafura鉱区の原油生産再開。1,500バレル/日で3,000バレル/日まで増産の計画。

【メタル】
・Q119、対日アルミプレミアム、前期比▲12%の91ドルが提示されている模様。

・MS、「2019年の原料炭価格は155ドル(今年196ドル)に下落。BHPは豪州の生産を400万トン増加させる見込み。インドの需要は500万トン増加の公算。中国の2019年の需要見通しも堅調。」

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.LIFFEロブスタ ( その他農産品 )/ +4.51%/ ▲4.03%
2.ICE欧州天然ガス ( エネルギー )/ +3.13%/ +20.75%
3.ブラジル・ボベスパ ( 株式 )/ +2.74%/ +15.04%
4.LIFFEココア ( その他農産品 )/ +2.35%/ +13.64%
5.ICEアラビカ ( その他農産品 )/ +2.34%/ ▲13.23%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
68.LME錫 3M ( ベースメタル )/ ▲3.06%/ ▲8.85%
67.CBTエタノール ( エネルギー )/ ▲2.55%/ ▲7.42%
66.LME亜鉛 3M ( ベースメタル )/ ▲2.49%/ ▲26.93%
65.LME鉛 3M ( ベースメタル )/ ▲2.34%/ ▲23.84%
64.CME木材 ( その他農産品 )/ ▲2.19%/ ▲22.34%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :24,695.61(+55.37)
S&P500 :2,676.47(+3.02)
日経平均株価 :21,952.40(+140.40)
ドル円 :113.79(+0.21)
ユーロ円 :128.49(▲0.17)
米10年債利回り :3.06(+0.01)
独10年債利回り :0.35(▲0.01)
日10年債利回り :0.09(+0.00)
中国10年債利回り :3.40(▲0.00)
ビットコイン :3,708.55(+44.71)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :25.93(+0)
エネルギー :48.22(+0.02)
ベースメタル :20.31(▲0.6)
貴金属 :17.70(+0.09)
穀物 :16.18(▲0.12)
その他農畜産品 :25.32(+0.28)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :44.57(+0.29)
Brent :42.57(+0.12)
米天然ガス :114.20(+0.02)
米ガソリン :44.47(▲0.45)
ICEガスオイル :27.98(▲0.03)
LME銅 :15.84(▲1.01)
LMEアルミニウム :10.73(▲0.97)
金 :20.30(+0.37)
プラチナ :16.12(+0.67)
トウモロコシ :10.65(+0.04)
大豆 :20.30(+0.37)

【エネルギー】
WTI :51.72(+0.09)
Brent :60.48(±0.0)
Oman :59.52(▲0.65)
米ガソリン :142.58(▲1.68)
米灯油 :189.21(▲0.09)
ICEガスオイル :581.25(▲4.50)
米天然ガス :4.20(▲0.05)
英天然ガス :68.14(+2.07)

【石油製品(直近限月のスワップ)】
Brent :60.48(±0.0)
SPO380cst :398.42(▲2.45)
SPOケロシン :77.00(▲0.12)
SPOガスオイル :74.00(▲0.13)
ICE ガスオイル :78.02(▲0.60)
NYMEX灯油 :189.53(+0.34)

【貴金属】
金 :1213.10(▲9.30)
銀 :14.13(▲0.10)
プラチナ :832.52(▲11.22)
パラジウム :1150.55(+4.80)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :6,137(▲83:33B)
亜鉛 :2,442(▲43:64B)
鉛 :1,933(▲10:27C)
アルミニウム :1,936(+6:10.5C)
ニッケル :10,780(▲90:70C)
錫 :18,750(▲25:0B)
コバルト :55,000(±0.0)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :6111.00(▲61.50)
亜鉛 :2423.00(▲62.00)
鉛 :1902.50(▲45.50)
アルミニウム :1924.50(▲24.50)
ニッケル :10740.00(▲140.00)
錫 :18225.00(▲575.00)
バルチック海運指数 :1,217.00(+124.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR青島) :休場( - )
SGX鉄鉱石 :72.16(▲0.09)
NYMEX鉄鉱石 :73.14(▲0.44)
NYMEX原料炭スワップ先物 :221(±0.0)
上海鉄筋直近限月 :3,686(▲37)
上海鉄筋中心限月 :3,589(+3)
米鉄スクラップ :休場( - )

【農産物】
大豆 :875.50(+13.25)
シカゴ大豆ミール :304.90(+1.90)
シカゴ大豆油 :27.16(+0.20)
マレーシア パーム油 :1805.00(+20.00)
シカゴ とうもろこし :356.50(+0.50)
シカゴ小麦 :498.00(▲9.50)
シンガポールゴム :130.70(+0.70)
上海ゴム :10845.00(▲5.00)
砂糖 :12.34(▲0.14)
アラビカ :109.50(+2.50)
ロブスタ :1645.00(+71.00)
綿花 :76.77(▲0.63)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :57.88(+0.48)
シカゴ生牛 :116.70(▲0.23)
シカゴ飼育牛 :148.43(▲0.73)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。