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欧州統計改善と米中交渉進捗期待、ドル高で高安まちまち
  • MRA商品市場レポート for PRO

2019年11月26日 第1647号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「欧州統計改善と米中交渉進捗期待、ドル高で高安まちまち」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、非鉄金属や貴金属の一角など、金属セクターが軟調に推移したが、それ以外は総じて堅調だった。ドル高進行と相まって総じて高安まちまちとの印象。

欧州統計の改善や米中交渉の進捗期待などが景気にとってプラスと判断され、景気循環系商品価格の上昇要因となったが、総じてドルが堅調な推移になったことがドル建て資産価格を下押ししたため。

ただし昨日の流れを見るとまだ市場は中国の景気先行きについて、それほど自信を持っているわけではなく、むしろ懐疑的に見ている可能性が高いとの印象だった。

【本日の価格見通し総括】

本日も引き続き、米中協議を巡る発言が最大の材料となるが、中国側が、以前から検討している材料ではあるが知的財産の保護を持ち出してきているため、それでも市場はこれを前向きに評価し、景気循環銘柄価格の上昇要因になると考える。

ただし2022年度を目標をとすること、米国の知的財産の保護というよりは自国の知的財産の保護を目的としたものである可能性が高いことを考えると、これを以って通商問題が解決するとは考え難い。

予定されている統計では、米新築住宅販売(市場予想 前月比+0.6%の70.5万戸、前月▲0.7%の70.1万戸)と改善見込みであり、特に非鉄金属や鉄鉱石価格を押し上げよう。

また、米コンファレンスボード消費者信頼感指数(127.0、125.9)にも注目しているが、改善見込みであるため特にエネルギー価格の上昇要因となる。

結果、非景気循環銘柄価格には下押し圧力が掛かる展開になると予想する。

【昨日の世界経済・市場動向のトピックス】

昨日、香港の区議会議員選挙で、民主派が圧勝する見通しと報じられた、452議席のうち8割に相当する議席を確保する見込みであり、香港デモの影響が追い風となったことが明確となった。

この結果、2022年の行政長官を決定する選挙で、1,200票のうち117票を確保できる見込みである。しかし、その影響は大きくはなく、中国当局に押し切られてしまうとみられる。

実は、今回の香港デモは中国が一国二制度を終了させる切っ掛けになるのではないかと考えられる。実際、四中全会で採択された声明では香港に関して、「国家の安全を擁護する法律制度と執行メカニズムを打ち立てる」としている。これは、中国政府が武力行使を含めた強硬策を正当化する動きともいえる。

台湾の蔡英文総統は中国の台湾に対する介入に対して、「中国は民主主義の敵だ」と批判。1月11日の台湾選挙に向けて劣勢に立たされていた蔡英文総統であるが、香港問題が追い風となり支持率が上昇している。

香港の人権法案は現在トランプ大統領の預かりとなっている(署名待ち)が、トランプ大統領は恐らくこれにサインするだろう。あるいはサインをしないで可決、という形もあり得る。

また香港情勢が台湾情勢に影響を与えていることも間違いがなく、ある意味それは米国が期待していることともいえる。実際、トランプ大統領は就任前に香港の蔡英文総統に対して電話をしている。これは中国との国交樹立以降初めてのことだ。

さらには台湾に対しても武器売却を進めるなど、米国にとって台湾は中国と対峙するための「重要な軍事的な意味を持つ拠点」であることはほぼ明確である。これは規模は違うが、米国にとっての日本の位置づけと似る。

昨日、中国が知的財産の保護に前向きと伝えられたが、これはむしろ「自国の知的財産の保護」を目的にしたものと考えるほうが適切だろう。これをもって米国が譲歩することはないのではないだろうか。

【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】

(マクロ要因)

・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標の減速(価格下落要因)。

・世界景気の減速観測。IMFは2019年の経済見通しを引き下げ(+3.2%→+3.0%)ている。2020年も+3.4%(▲0.1%)に引き下げた。

ただし2020年の回復はイランやトルコ、アルゼンチンなどの政治的に不安定な国の回復を想定しているため、先行き見通しも極めて不透明。

・FRBの利下げに打ち止め感が広がっている。トランプ大統領はヒートアップしているようだが、あったとしても後1回程度(▲25bp程度)の利下げに留まる(金融面の価格下支え期待の後退)。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格の上昇要因(Q319の中国GDPは前年比+6.2%、前期+6.3%と1992年の統計発表以来の低水準となり、減速懸念が再び意識されている)。

※一方、鉱工業生産や固定資産投資などは政府の対策の影響が徐々に顕在化している形。

・2018年からインドが人口ボーナス期入りしており、構造的な需要の増加が見込めることは中長期的な価格の上昇要因。

(特殊要因)

・米中通商交渉は一進一退でどのような着地になるかよくわからないが、完全に解決(米国が、中国が軍事技術に転用し、安全保障上の脅威となる可能性があるため、最も重要と考えている技術の強制移転や知的財産権保護を中国が確約)するまでは景気循環銘柄価格の下落要因となりやすい。

通商面のみならず、資本フローの規制や、人権問題への制裁なども加わっており、通商面で妥協があったとしてもその他の分野での制裁発動の可能性は高い。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの強まり(下落要因)。

・中東情勢が再度緊迫していることで、域内景気への悪影響への懸念(下落要因)。可能性は低いが、サウジアラビアがイランに対して報復攻撃を行うなどのリスク(原油は上昇要因、その他の景気循環銘柄には下落要因。ただしアラムコIPOを控えてその可能性はほとんどない)。

・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク。EUは英国のEU離脱期限延長で合意したが、議会の構成が変わらなければ英議会で離脱案が否決される可能性がある。

これを解消するため、ジョンソン首相は解散総選挙を目指しているが野党の合意が得られていない状況。選挙が行われなければ、過去の経緯を見るに再びEUと離脱を巡って混乱が生じる可能性。ハードブレグジットの可能性は排除すべきではない(下落要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下落要因)。

・日韓対立によるハイテク分野の市場混乱や、極東地区の地政学的リスクの高まり(下落要因)。

(投機・投資要因)

・米利下げ観測の高まりで長短金利逆転状況が解消し、金融株を中心に株が上昇、リスクテイク再開で景気循環系商品価格にプラスの影響を与える場合。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油市場動向総括】

原油価格はもみ合った結果前日比小幅高となった。米中通商協議が進捗するとの見方が強まったことが価格を押し上げたが、同時にドル高が進行したことが金融面で価格を押し下げたため。

OPEC会合で減産期間が延長されるとの見方も、市場では材料にされているようだが足元の期待も含めた需給緩和解消にはやや力不足。

【原油価格見通し】

原油価格は、米主要統計の改善で米国の景気後退入り回避期待が高まっていることが価格の上昇要因となるが、欧米の景況感格差からドル高が進行しやすいことから、上値は重い展開になると予想する。

米中交渉の先行きや、英国の解散総選挙やブレグジットを巡る動向は最終合意に至るまでは買い材料にも、売り材料にもなる。

トランプ大統領は米中合意は間近だが、合意しなければ関税を大幅に引き上げるとプレッシャーをかけている。このことは最終的には部分合意で妥結するとの見方を強める一方、交渉がそれほど簡単なものではないことを示唆している。

FOMCは、一旦利下げを打ち止めの方針のようだが、仮に景気に減速感が強まれば速やかに利下げをする方針であり、下支え効果をもたらしつつも価格を大きく押し上げる材料にはならないだろう。

仮に景気が後退した場合、金融政策の効果が限定される中で各国とも、より直接的に景気を刺激する財政出動を検討し始めているとみられ、エネルギーセクターにおいても今後の大きなテーマとなると予想される。

財政出動は使途にもよるが、エネルギー価格の押し上げ要因になるだろう。

実際、11月12日には米クドロー国家経済会議委員長が、「トランプ大統領から第2弾の減税の指示があった」と発言しており、2020年度予算に減税が盛り込まれる可能性が高まった。

米国は財政にゆとりはないため減税も形式的なものになろうが、「選挙戦モード入り」で景気に必要以上のアクセルが踏まれる可能性が高まっている。

なお、景気の減速に伴う価格下落(歳入確保のための増産)やサウジアラビアに対するドローン攻撃(テロの低コスト化・大規模化に伴う供給途絶)の影響で、供給側(特にOPECプラス)の動きが価格に与える影響は小さくなくなっている。

米中協議は一進一退が続いているため、短期的には売り材料にも、買い材料にもなるが、「どちらかが倒れるまで形を変えながら継続する」類のイベントであり、中国の覇権国への野望を挫くまで米国の制裁は続くと考えられるため、基本的には売り材料である。実際、今回の香港人権法案で制裁対象は拡大している。

通商協議が進捗したとしても、「景気にプラスではなく、制裁前の状態に戻るだけ」であり、世界景気が減速している中では合意があったとしても大きな価格上昇要因にはならないと考えている。

なお、ニュースでは材料にされているが、12月のOPEC総会で減産に積極的なのは、就任以降の実績が乏しく、IPOを控えているサウジアラビア程度であり、ロシアは減産継続で応分の協力はするだろうが、恐らく減産拡大は見送られ、売り材料になるとみている。

現在、エクアドルの脱退などを受けてブラジルをOPECに加盟させるよう、サウジアラビアは動いている。ブラジルの生産量は268万バレルであり、実際に加盟し、OPECの方針に従うならばその影響力は小さくはない。

【石炭市場動向総括】

石炭先物市場は小幅安。特段材料がない中、ピークシーズン入りした需要の増加と天然ガス価格の上昇はあるも、中国の国内生産増加に伴う輸入の減少観測から価格はもみ合っている。

【石炭価格見通し】

石炭価格はピークシーズン入りしていることから、上昇すると見るが、欧州地域の景況感悪化に伴う天然ガス価格の低迷、中国統計の減速、中国政府の石炭輸入制限(年間2億8,000万トン)を受けた輸入需要の減速を受けて低水準を維持する見込み。

バルチック海運指数は、予想通り下落傾向が顕著になってきた。中国政府が特に石炭に関して輸入量を前年並みにする目標であることが影響している。

10月の中国の貿易統計では、石炭輸入は燃料炭・原料炭合計で2,569万トンと前月から減速。ただし、依然として過去5年の最高水準を上回っている。

同時に10月の中国石炭生産が、同じ時期の過去5年の最高を上回る3,249万トンとなった。中国の国内供給は増加している状況であり、貿易市場は緩和する見込み。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・景気が減速する中でのOPECプラスの減産継続は、その効果が限定されはするものの一定の下支え効果をもたらす見込み。

しかし、現時点で減産に積極的なのは、IPOを控えてアラムコの評価額を上げたいと考えているサウジアラビア程度であり、最大のパートナーとなったロシアは減産継続では協力するだろうが、減産幅の拡大はないだろう。

むしろ価格が下落を始めた時に、歳入確保のために増産バイアスがかかることによる下落リスクを警戒したほうが良いかもしれない。

・産油国の財政悪化による上流投資部門投資の減速は、インドなどの新興国需要顕在化時の価格上昇要因。

・世界2位の消費国である中国の輸入増加。10月の貿易統計では、原油の輸入が4,551.1万トン(1,086万バレル/日)と過去最高を更新。

今後、特に中東・欧州原油価格動向に中国の景気動向が与えるリスクはさらに増すことが予想される。

・EV普及による需要の伸び鈍化を、軽量化目的の樹脂向け需要増加が相殺(世界の需要が減少を始めるのは2050年頃からか)。

・世界的な石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。価格上昇要因(石炭)。

・競合燃料である天然ガス・LNG価格が供給過剰で低迷していることは、石炭価格の下落要因に。

(特殊要因)

・サウジアラビアの石油施設の修復は完了したと報じられているが、実際は完了していないとの報道もあり、供給面は実態が把握される中で上昇リスクになる可能性。

なお、サウジアラビアがイランに対して報復を行う可能性は、アラムコのIPOを控えていることもあり、現時点ではほぼゼロに近いと見る。

また、今回のドローン攻撃でテロが低価格化・大規模化することが分かったことは、中東の供給途絶リスクを従来よりも高めるものであり、従来以上に中東情勢は重要に。

・ブラジルのOPEC加盟。ブラジルの生産量は2018年で268万バレルであり、世界供給の2.8%に達するため、実際に加盟し、サウジアラビアの意向に沿う生産を行うならば、OPECの価格支配能力は若干の改善が見込まれる。

仮に期待通り来年の世界景気が夏頃にかけて底入れした場合、生産制限は顕著な価格上昇要因となり得るため、その点は注意。

・イエメンでの内戦が一時停戦となったことは、地政学的なリスクを低減させ、原油価格の下落要因に。

・トルコ軍のシリアへの侵攻は、ロシアの仲介でとりあえず終了。域内に「緩衝地帯」を設けることで合意した。ロシアの支援を受けているアサド政権側もこれを飲まざるを得なくなった模様。

トルコはこの地域にシリア難民数百万人を送り込み、さらにこの地域を管理する方針であり、民族間の対立が強まる可能性も。

・米朝交渉は目立った進捗がなく、制裁は継続する見込みであり北朝鮮炭の供給制限も継続されることは、価格の上昇要因(石炭)。

(投機・投資要因)

・WTIはロングが増加、ショートが減少した。景気の先行きへの懸念が後退し始めたことや、クッシング在庫の減少傾向持続が材料視された。

Brentはロング・ショートとも増加している。ロングの増加は景況感の改善、ショートの増加はOPECが減産拡大に踏み切れないのでは、との見方が強まったことが背景。

・直近の投機筋のポジションは、WTIはロングが541,420枚(前週比 +2,338枚)、ショートが111,445枚(▲3,040枚)、ネットロングは429,975枚(+5,378枚)、Brentが381,895枚(前週比+1,435枚)、ショートが70,591枚(+892枚)、ネットロングは311,304枚(+543枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属市場動向総括】

LME非鉄金属価格は総じて軟調な推移となった。独IFO景況感指数の改善や、米中交渉の進捗期待はあったものの、ドル高が進捗したことで堅調な推移となった。

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は、最大消費国である中国の景況感を示す統計の減速が示されているものの、欧州と米国の製造業統計にやや明るさが見えていることから、一旦売られすぎのところに買い戻しが入ると予想する。

ただし、景気が本格的に回復している訳ではないこと、景況感格差からドル高が進行しやすいことで上値も重いと考える。

トランプ大統領は米中合意は間近だが、合意しなければ関税を大幅に引き上げるとプレッシャーをかけている。

このことは最終的には部分合意で妥結するとの見方を強める一方、交渉がそれほど簡単なものではないことを示唆している。

FOMCは、一旦利下げを打ち止めの方針のようだが、仮に景気に減速感が強まれば速やかに利下げをする方針であり、下支え効果をもたらしつつも価格を大きく押し上げる材料にはならないだろう。

仮に景気が後退した場合、金融政策の効果が限定される中で各国とも、より直接的に景気を刺激する財政出動を検討し始めていることが、非鉄金属においても今後の大きなテーマとなると見られる。

財政出動は使途にもよるが、非鉄金属価格の押し上げ要因となる見込み。

実際、11月12日には米クドロー国家経済会議委員長が、「トランプ大統領から第2弾の減税の指示があった」と発言しており、2020年度予算に減税が盛り込まれる可能性が高まった。財政にゆとりはないため減税も形式的なものになろうが、「選挙戦モード入り」で景気に必要以上のアクセルが踏まれる可能性が高まっている。

米中協議は一進一退が続いているため、短期的には売り材料にも、買い材料にもなるが、「どちらかが倒れるまで形を変えながら継続する」類のイベントであり、中国の覇権国への野望を挫くまで米国の制裁は続くと考えられるため、基本的には売り材料である。実際、今回の香港人権法案で制裁対象は拡大している。

通商協議が進捗したとしても、「景気にプラスではなく、制裁前の状態に戻るだけ」であり、世界景気が減速している中では合意があったとしても大きな価格上昇要因にはならないと考えている。

中長期的には非鉄金属価格は上昇すると予想されるが、結局、中国、欧州の景気がどこで底入れするのか、米国経済の後退がいつから始まるのかに依拠する。

来年の大統領選挙を睨んで米国がどのような対応をしてくるかが不透明であるが、こうした政策期待効果を除けば、底入れ感が出てくるのは来年の春~夏にかけてになると見ている。中期的には現状水準でのもみ合いが続こう。

再び非鉄金属が持続的な上昇に転じるのは、インド需要が顕在化すると期待される2020年の春以降と見る。

ニッケルに関しては、インドネシアの輸出規制は再び解除され、9社の輸出が認可された。これにより供給懸念が後退するため、景況感の悪化と相まって年内、ニッケル価格はむしろ下落余地を探る流れとなっている。

来年1月以降は供給が停止されるが、前倒し輸出が加速したため、品薄感が意識されて価格が上昇するのは4月以降の可能性が高まった。というのも、今年9月までで2018年と同じ数量をすでに中国が輸入したためだ。

処理量に大きな変化がなければすでに3ヵ月分、余分に調達が済んでいることになる。ただし、実際にインドネシアの供給が止まれば、シェアはニッケル含有分ベースで25%であるため、原油に例えれば、サウジアラビアとロシアの供給が同時に停止するぐらいのインパクトがある話であり、やはり価格には上昇圧力が掛かりやすい。

2014年の規制開始後を参考にすると、景気底入れ期待がたかまる4月頃から再び価格が上昇し、来年7月頃(下期)からの下落が予想される。

なお、足元はチャートの節目である、14,200ドルの200日移動平均線でサポートされて反発した。上述の通り年明け以降に供給が停止するため今後は反発するとみておいた方が良いだろう。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・最大消費国である中国の製造業PMIは再び悪化し、閾値の50を下回る状態が続いている。規模別でみた場合、大企業と中小企業の景況感が悪化した(価格を下押し)。

在庫水準はやや低下しているものの、新規受注の落ち込みの影響で、新規受注/完成品在庫レシオは若干低下している。

・1-10月期中国工業生産は、前年比+5.6%(1-9月期+5.6%)、10月+4.7%(前月+5.8%)と月次ベースで急速に減速した(フロー需要の減少=価格下落要因)。

・1-10月期中国固定資産投資は、前年比+5.2%の51兆880億元(1-9月期+5.4%の46兆1,204億元)、公的セクター+7.4%(+7.3%)、民間セクター+4.4%(+4.7%)と規模の大きな民間セクターの減速が鮮明になっている(ストック需要の減速=価格下落要因)。

・1-10月期中国不動産開発投資は、前年比+10.3%の10兆9,603億元(1-9月期+10.5%の9兆8,008億元))と高い水準を維持してはいるが伸びは減速している。

中国政府は景気刺激に住宅セクターを用いない、と発言しているためさらに伸びが加速するとは考え難い。特に建材であるアルミや配電に用いられる銅の下落要因に。

・10月の銅地金・製品の輸入量は43万1,000トンと、同じ時期の過去5年の最高水準。また、銅鉱石の輸入も191万4,000トンとやはり過去5年の最高水準を上回った。公共投資(電線網整備)などの公的需要が需要を下支えしている模様。

・環境規制の強化で特殊需要が増加する(軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルトなど)

・中国の環境規制強化に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・亜鉛の精錬キャパシティ不足に伴う需給のタイト化。一方鉱山生産は増加しており、亜鉛精鉱需給は緩和、TCも高止まり。

・環境規制強化・米制裁の影響による石炭価格上昇が、中国の非鉄金属製造コストを高止まりさせる場合。

・インドをはじめとする新興国の構造的な需要増加(中長期的な要因)。

(特殊要因)

・中国政府が地方政府に債券発行枠の増枠を促し、シャドーバンキングを含むアンダーグラウンドな資金調達を認めてでも公共投資を進める方針を示したことは、需要面で価格の上昇要因に。

・銅の生産減少観測(環境問題によるインド、露天掘りから地下生産に変更するインドネシア)、Valeの尾鉱ダム事故の影響による供給減少(アルミやニッケルなどに波及する可能性)。

HydroのAlunorteアルミナ精錬所の問題に象徴されるように、広く非鉄金属を含む鉱物セクターは、環境問題への高まりから供給が政府命令で急に停止してしまう可能性は低くない。

インドネシアのニッケル未処理鉱石禁輸措置再開(銅とボーキサイトは2022年から実施の予定)。

・インドとパキスタンの対立が武力衝突に発展し、インドが人口ボーナス期の成長メリットを生かせない場合(下落要因)

・LME指定倉庫在庫の減少が、LMEの倉庫運営ルール変更に伴う保管場所変更の取引の影響である場合、ルールが見直された際に再度、LME指定倉庫在庫が急増する可能性(下落要因)。

(投機・投資要因)

・11月15日付のLMEポジションは全ての金属でロングポジションが減少し、ショートポジションが増加し、明確に弱気なポジション取りとなっている。景気の先行きへの懸念と供給増加が意識された形。

投機筋のLME+CME銅ネット売り越し金額は▲20.5億ドル(前週▲1.4億ドル)と売り越し幅を再び拡大した。売り越し額の増加率は+1,387.7%。

買い越し枚数はトン数換算ベースで▲472千トン(+36千トン)と再び売り越しに転じた。ネット売り越しの増加率は▲1,427.5%。

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料市場動向総括】

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは上昇、原料炭スワップ先物は横ばい、中国鉄鋼製品先物価格は上昇した。

中国政府が知的財産権の保護に関して前向きな姿勢を示したことで、米中通商協議が進捗するとの期待から鉄鋼製品価格が上昇、鉄鉱石価格も押し上げた。

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は、最大消費国である中国の公共投資に伴う需要増加や、冬場の鉄鋼製品生産規制から鉄鋼製品価格も上昇が予想されること、Valeの販売調整で価格は底堅い推移になると考える。

冬場の鉄鉱石価格は季節的には強含みやすいものの、冬場の鉄鋼製品生産規制により鉄鋼向け需要が減速するため(短期的には鉄鋼製品価格の上昇で、鉄鉱石価格の上昇要因となる)、今年はやや軟調な推移になると予想される。

米中協議に関しては合意に至るまで強弱材料両方になり得るが、米中の対立は覇権争いであり簡単に終了するわけではなく、やはり長期的な視点からは中国景気にマイナスとなり、売り材料と考えるべきである。

原料炭も鉄鋼需要の伸びが欧州・中国を中心に減速していることから、同様に下値余地を探りやすくなっている。回復があるとすれば、その他の景気循環系商品と同様、春~夏にかけてになるのではないか。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・直近の中国鉄鋼業PMIは41.3(前月44.2)と減速。新規受注の低迷(37.9→31.6)が続いていること、生産が減速したこと(43.2→42.3)が影響した。

生産減少の影響で、完成品在庫は45.6→36.8と大きく減少、原材料在庫も49.0→37.9と低下した。この結果、新規受注在庫レシオは完成品・原材料とも上昇しており、需要の減速がありながらも需給がタイト化していることを伺わせる内容。

しかし、Valeの生産は年末から年明けにかけて回復の見込みであり、供給面は需給緩和に寄与しやすく、鉄鋼製品・鉄鉱原料の需給は緩和方向に。

・1-10月期中国工業生産は、前年比+5.6%(1-9月期+5.6%)、10月+4.7%(前月+5.8%)と月次ベースで急速に減速した(フロー需要の減少=価格下落要因)。

・1-10月期中国固定資産投資は、前年比+5.2%の51兆880億元(1-9月期+5.4%の46兆1,204億元)、公的セクター+7.4%(+7.3%)、民間セクター+4.4%(+4.7%)と規模の大きな民間セクターの減速が鮮明になっている(ストック需要の減速=価格下落要因)。

・1-10月期中国不動産開発投資は、前年比+10.3%の10兆9,603億元(1-9月期+10.5%の9兆8,008億元))と高い水準を維持してはいるが伸びは減速している。

中国政府は景気刺激に住宅セクターを用いない、と発言しているためさらに伸びが加速するとは考え難い。

10月の中国の貿易統計では、鉄鋼製品の輸出は478万2,000トンと過去5年の最低水準を下回り、輸出需要が停滞していることを示唆。

また、燃料炭・原料炭の内訳が出ていないが、石炭輸入もほぼ季節性通り減少し、2,569万トンとなった。ただし、以前として過去5年の最高水準を上回っている。

今後に関しては輸入規制が導入されると見られるため、11月以降の石炭輸入は減少すると予想される。

・中国の10月の鉄鉱石の輸入量は前月からは減速したが9,290万トンと高い水準を維持した。一方で、今年の鉄鉱石生産は3月以降漸増しており、7,804.8万トンに達しているため、冬場の鉄鋼製品生産規制がやはり実施される見込みであることを考えると、輸出市場における鉄鉱石需給は緩和する可能性が高い。

石炭輸入は燃料炭・原料炭合計で季節性通り減少し、2,569万トンとなった。ただし、以前として過去5年の最高水準を上回っている。

今後に関しては輸入規制が導入されると見られる、国内生産も10月時点で3億2,487万トンと過去5年の最高水準を大きく上回っている。このことから、11月以降の石炭輸入は減少すると予想される。

・中国の鉄鋼製品在庫水準の高さは価格の下落要因。鉄鋼製品在庫は前週比▲67.6万トンの832万トン(過去5年平均895.7万トン)と例年を下回っている。

なお、10月の鉄鋼製品の輸出は478万2,000トンと過去5年の最低水準を下回り、輸出需要が停滞していることを示唆。

中国の鉄鉱石港湾在庫は前週比▲85万トンの1億2,950万トン(過去5年平均1億1,749万トン)、在庫日数は▲0.2日の27.9日(過去5年平均 29.0日)と再び在庫日数ベースは過去5年平均を下回り、鉄鉱石の需給ファンダメンタルズはタイト化している。

・長期的には人口ボーナス期入りしているインドが、すでにインフラ整備のための投資拡大方針(5年で約160兆円)を示しており、鉄鋼製品・鉄鉱石価格を押し上げ。

・Vale、Rio Tintoの生産目標引き下げによる供給減速。

(特殊要因)

・中国政府がシャドーバンキングを含む金融市場の緩和を進めているほか、地方政府にも債券発行枠の拡大を認めるなど、景気テコ入れのため公共投資を進める方針を示したことは価格の上昇要因。

・世界的に広がる環境規制強化の流れで、鉄鉱石や原料炭などの生産に一定の影響が起きる場合。

(投機・投資要因)

・特になし。

---≪貴金属≫---

【貴金属市場動向総括】

金・銀価格は軟調な推移となった。中国が知的財産の保護に動くとの報道を受けて株価が上昇したことなどが材料となった。一方で通商協議の進捗期待からPGMは逆に物色される流れとなった。

【貴金属価格見通し】

金価格は足元、米中通商協議への期待が一方的に市場で高まっていることや、米国の利下げ打ち止め観測から、下押し圧力が強まる展開になると予想される。

ただし、米中協議は解決したわけではないこと、香港問題や、欧州問題、中東情勢も不安定であることから安全資産需要は底堅く下値も限定されると考える。

結局、米中交渉への期待が浮き沈みする中で、金銀価格もレンジワークになっているという印象。同時に低金利政策の継続も間違いがなく、下値余地も限定され、結果的に高値圏での推移になると考える。

米中の対立や英国のEU離脱がソフトであっても、ハードであっても景気を下押しすること、香港情勢、シリアを含む中東情勢の不安定さも価格押し上げに寄与すると予想する。

米中協議は一進一退が続いているため、短期的には売り材料にも、買い材料にもなるが、「どちらかが倒れるまで形を変えながら継続する」類のイベントであり、中国の覇権国への野望を挫くまで米国の制裁は続くと考えられるため、基本的には売り材料である。実際、今回の香港人権法案で制裁対象は拡大している。

通商協議が進捗したとしても、「景気にプラスではなく、制裁前の状態に戻るだけ」であり、世界景気が減速している中では合意があったとしても大きな価格下落要因にはならないと考えている。

仮に地政学的リスクが解消した場合、実質金利を基にすれば、200ドル程度(地政学リスクプレミアム)金価格は下落することになる。

銀価格は金銀在庫レシオ(銀在庫÷金在庫)が再び低下し始めており、徐々に銀価格の上昇を肯定しやすい状況になっている。

それでも現在の金銀レシオは在庫レシオで見た場合やや高すぎで、金銀在庫レシオから類推される金銀レシオは、80倍程度が適切と考えられる。

PGM価格は金銀価格が高値圏で推移するとみられることから、同様に高値圏での推移になると予想する。ただし、世界の自動車販売の前年比減速が底入れした感じが出てきていることから対金銀で割高に推移すると考える。

中国の自動車販売が15ヵ月連続のマイナスとなるなど、需給ファンダメンタルズ面は需要面の減速が懸念される状況。世界自動車販売も13ヵ月連続の前年比マイナス。

しかしいずれも前年比マイナス幅が徐々に縮小し始めており、需要面でも価格が押し上げられる可能性は高まっている。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・FRB・ECBの金融緩和期待が高まっているが、FRBは10月のFOMCで▲25bpの利下げを実施。当面利下げは行われない見込み。さらなる追加利下げはあっても後1回程度とみられるため、下支え効果は限定か。

・景気の先行きを懸念した株価下落とそれに伴う長期金利・実質金利の低下(金銀価格の上昇要因)。ただし、欧州の政情安定化や米中貿易戦争の合意、各国の金融緩和などを背景とする景況感の改善で株価が上昇した場合には金銀価格の下落要因。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

・排ガス規制強化に伴うパラジウムへのシフト観測(プラチナがパラジウムを代替するにはまだ時間を要する)。

・パラジウム需要増加に伴うPGMの増産により、結果的にプラチナが供給過剰となり価格の下落要因に(プラチナ)。

パラジウムはニッケルやプラチナ鉱山からの副産物としての生産が大半(80%)であり、プラチナ価格が低迷する中では増産されにくい、

(特殊要因)

・米中通商交渉が一部進捗しているが、基本的に覇権争いであるためこの問題が簡単に片付くことはなく、安全資産需要を下支えする見込み。

米国は中国の知的財産権侵害や技術の強制移転などの解決と、それによって民間技術が軍事転用されないようにすることが最終目標であり、根本的な解決には相当な時間がかかる見込み(価格の下支え要因)。

・サウジアラビアがイランに対して報復を行う可能性は、アラムコのIPOを控えていることもあり、現時点ではほぼゼロに近いと見る(金銀価格の下落要因)。

・トルコ軍のシリアへの侵攻は、ロシアの仲介でとりあえず終了。域内に「緩衝地帯」を設けることで合意した。ロシアの支援を受けているアサド政権側もこれを飲まざるを得なくなった模様。

トルコはこの地域にシリア難民数百万人を送り込み、さらにこの地域を管理する方針であり、民族間の対立が強まる可能性も(金銀価格の上昇要因)。

・英国のEU離脱はEUが離脱期限延長で合意したが、選挙の結果によっては英議会で否決される可能性はあり、金価格の上昇要因に(無秩序離脱の可能性はまだなくなっていない)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加。

(投機・投資要因)

・銀価格は金銀在庫レシオが銀在庫の減少、ないしは金在庫の増加、あるいは両要因によって低下した場合、金銀レシオが上昇するリスク(銀価格の上昇要因)。

・金はロングが増加、ショートが減少しており強気相場入りしていた。しかし、米統計改善で、米追加利下げの可能性が低下していることから、来週以降はこれらのポジションの巻き戻しが入ると予想される。銀も同様。

プラチナはロングショートとも減少しているが、ショートの減少幅が大きい。パラジウムはロングに手仕舞い売りが入り、ショートも積み上がっている情況。

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが337,296枚(前週比 +14,107枚)、ショートが51,437枚(▲4,686枚)、ネットロングは285,859枚(+18,793枚)、銀が89,898枚(+571枚)、ショートが45,182枚(▲6,781枚)、ネットロングは44,716枚(+7,352枚)

・直近の投機筋のポジションは、プラチナはロングが55,333枚(前週比 ▲1,044枚)、ショートが13,248枚(▲4,670枚)、ネットロングは42,085枚(+3,626枚)、パラジウムが16,458枚(▲137枚)、ショートが5,591枚(+102枚)、ネットロングは10,867枚(▲239枚)

---≪農産品≫---

【穀物市場動向総括】

シカゴ穀物はトウモロコシ・小麦が上昇したが、大豆は下落した。

小麦はかねてから在庫水準が低下していることが、価格を押し上げている。トウモロコシは競合資料である小麦価格の上昇に連れ高となった。大豆は南米の天候改善が材料にされた。

【穀物価格見通し】

シカゴ穀物価格は高安まちまちになると考える。

米トウモロコシ・大豆の受け渡し可能在庫は過去5年の最高水準を上回っており、供給に懸念は少なく、価格には下押し圧力が掛かりやすい地合い。

小麦は冬小麦の作況が悪化していることが買い材料視されており、シカゴの小麦在庫は過去5年の最低水準を下回っていることから、こちらには上昇圧力が掛かりやすい。

しかし、米中交渉の行方が穀物価格に大きな影響を与えることは間違いがなく、今後の進捗を見極める必要がある。ただ今のところは来年の選挙を控えて、一旦合意に至ると考えられ、2020年は価格の押し上げ材料になると予想される。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・米国のトウモロコシ・大豆の生産見通し上方修正による需給緩和観測。

・豪州東部の大干ばつによる小麦生産の減少懸念。

・欧州・ロシアの気温上昇に伴う小麦生産の減少懸念。

・最終確定作付け面積動向(トウモロコシは増加、大豆は減少、小麦は横ばい)トウモロコシ 9,170万エーカー(市場予想8,703万エーカー、前年8,913万エーカー)大豆 8,004万エーカー(8,468万エーカー、8,920万エーカー)小麦 4,561万エーカー(4,561万エーカー、4,780万エーカー)

・11月の米需給報告の生産見通しトウモロコシ136億6,100万Bu(市場予想136億399万Bu、前月137億7,790万Bu)大豆 35億5,000万Bu(35億1,276万Bu、35億5,000万Bu)小麦 19億2,000万Bu(19億6,200万Bu)

・10月の米需給報告の在庫見通しトウモロコシ 19億1,000万Bu(市場予想17億9,989万Bu、前月19億2,900万Bu)大豆 4億7,500万Bu(4億3,189万Bu、4億6,000万Bu)小麦在庫 10億1,400万Bu(10億3,007万Bu、10億4,300万Bu)

・9月末の四半期在庫トウモロコシ 21億1,400万Bu(市場予想24億1,804万Bu)大豆 9億1,300万Bu(9億8,126万Bu)小麦 23億8,500万Bu(23億1,858万Bu)

(特殊要因)

・米中通商交渉は一部合意が近い、と伝えられており足元シカゴ穀物の買い材料となる。しかし、問題の本質は両国の軍事を巡る覇権争いであり、長期化の可能性は高くシカゴ定期の下落要因に。

・エルニーニョ現象は収束したとみられるが、より北米の穀物生産に影響を与えるラニーニャ現象の発生の懸念は排除できず、特に来年以降にかけて価格が上昇する可能性があり、価格の上昇要因に。

・中国の豚コレラ被害の拡大により、飼料需要が減少した場合は価格の下落要因(逆に終息すれば上昇要因)。

・トランプ政権が製油業者に対する再生可能燃料基準(バイオ燃料の混合を義務付け)の適用を31の製油業者に対して免除していたが、これを撤廃するよう指示したと伝えられたことは、国内向けのエタノール・バイオディーゼル向け需要増加観測を強め、価格の上昇要因に。

(投機・投資要因)

・トウモロコシはロング、ショートとも増加したがロングの増加が大きく、ネットロングは積み上がり。小麦も同様。

大豆は米中協議への懸念から需給バランスが緩和する可能性が意識されている。

・直近の投機筋のポジションは、トウモロコシはロングが319,265枚(前週比 +14,982枚)、ショートが345,759枚(+9,490枚)、ネットロングは▲26,494枚(+5,492枚)、大豆はロングが162,418枚(▲4,530枚)、ショートが102,504枚(+3,890枚)、ネットロングは59,914枚(▲8,420枚)、小麦はロングが106,729枚(+3,425枚)、ショートが93,350枚(+1,425枚)、ネットロングは13,379枚(+2,000枚)

◆本日のMRA's Eye


「2020年銅価格見通し」

2020年の銅需給は、最大消費国である中国の需要見通しが構造的な需要の減速と米中対立の影響で、前年比▲3.2%の1,295万4,000トンとなることなどから、全体でも前年比▲2.6%の2,541万2,000トンに減少する見込み。

その一方、精錬銅の供給も、中国の減産による供給減(▲4.2%の1,020万2,000トン)の影響で、全体でも▲2.8%の2,518万トンとなり、需給バランスは全体で▲23万2,000トンと、供給不足幅を拡大させると見込まれる。

多くの商品でそうなのだが、世界の銅需給バランスの前年比変化は、価格に対する説明力が高い。MBの調査を元にすると、精錬銅の需給バランスの前年比変化は2020年にかけて若干マイナス(供給不足幅が拡大)すると見られており、前年比ベースで銅価格に上昇圧力がかかる可能性が高い。

最大消費国である中国は、景気減速を回避するべく、預金準備率を引き下げて企業の借り入れを促す政策を採用しているが、金融政策の効果は薄れつつある。

これは、1.そもそも中国経済がルイスの転換点を迎え、構造的に減速しやすい状態になっていること、2.1.に加えて米国の制裁強化によって工場の海外流出が加速、金融緩和が起きたとしても国内で投資を行おうという企業が減少していると予想されること、が影響していると考えられる。

そのため、電線投資や鉄道線路の整備など、直接的なインフラ投資に舵が切られており今後実施が予想される。

その後、春~夏にかけては循環的な景気の底入れ期待に加え、米大統領選を睨んだ候補者の「リップサービス」が市場参加者のマインドを改善すると予想されること、中国・欧州の財政出動を伴う経済対策実施期待といった需要面の環境改善から、緩やかながらも価格は上昇に転じると予想される。

ただし、世界景気の回復力は脆弱であり、価格の上昇ペースは緩やかなものに留まる公算。

以上から、2020年の銅平均価格は5,975ドル/トンと前回予想から▲250ドルドル/トンと米中通商戦争の顕在化による需要減速懸念から、見通しを引き下げた。

2021年は通商問題の影響緩和とインドの需要増加などで、6,250ドル/トン(▲200ドル/トン)と2020前年比では上昇の見込み。中長期的にはインドが人口ボーナス期入りしていること、電化(EVなど)向け需要の拡大から需要は堅調であり引き続き、強気見通しを維持。

上記見通しのリスクは、上昇リスクが米中通商協議が予想外に合意(根本解決)する場合、環境問題などを背景とする減産が増加する場合、米景気のが予想以上に減少し米大統領選挙をにらんだ政権からの圧力で、米利下げが予想以上のペースで行われること、その余地はほとんどないが米国が財政出動に舵を切ること、中国・欧州の財政出動を伴う景気対策の規模拡大があった場合など。

下落リスクは米中通商協議がさらに悪化すること、欧州経済の混乱で中国の需要の減速が加速すること、中東で戦争が開戦となり、経済不安が拡大した場合など。

◆主要ニュース


・11月独IFO企業景況感指数 95.0(前月94.7)
 期待指数 92.1(91.6)
 現状指数 97.9(97.8)

・10月シカゴ連銀製造業活動 ▲0.71(前月 ▲0.45)

・11月ダラス連銀製造業活動 ▲1.3(前月▲5.1)
 生産 ▲2.4(4.5)
 新規受注 ▲3.0(▲4.2)
 受注残 ▲7.7(▲9.4)
 完成品在庫 ▲10.6(▲4.5)
 雇用 0.9(11.0)

・中国国務院・共産党中央弁公庁、「権利侵害に対する損害賠償の上限引き上げなどの措置を通じて、知的財産保護を強化する意向。」

・ブルームバーグ前ニューヨーク市長、民主党候補に立候補。

・IMF、日本に対して低金利の長期化による金融システムへの副作用(金融・保険機関の資金運用への悪影響)について言及。

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・米ペンス副大統領、イラク訪問。クルド人への支援継続を表明。

【メタル】
・中国アルミ在庫、前週比▲35千トンの799千トン。

・9月日本アルミ港湾在庫 前月比+600トンの326,700トン。

・中国非鉄金属産業年次総会、「インドネシアは2020年に中国を抜き、世界最大のNPI生産国となる見込み。インドネシアのニッケル輸出規制の影響で中国のNPI生産者は原材料不足に。2020年の中国のNPI生産は前年比▲13%の51万トン、インドネシアは+51%の53万トンに。世界全体のNPI生産は10%に減速し、プライマリニッケルの生産は5%の262万トン。2019年一次ニッケルの生産は+11%の250万トン、ウチNPIは38%、プライマリニッケルは37%。需要は225万トンでそのうちの67%がステンレス鋼向け。」

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.CBTエタノール ( エネルギー )/ +7.04%/ +21.52%
2.CBT小麦 ( 穀物 )/ +3.06%/ +5.51%
3.ICEアラビカ ( その他農産品 )/ +2.79%/ +15.66%
4.CME木材 ( その他農産品 )/ +2.73%/ +26.80%
5.NYB綿花 ( その他農産品 )/ +2.00%/ ▲10.40%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
70.NYM米天然ガス ( エネルギー )/ ▲5.03%/ ▲13.91%
69.ビットコイン ( その他 )/ ▲2.57%/ +94.74%
68.LME鉛 3M ( ベースメタル )/ ▲1.81%/ ▲4.00%
67.ニューキャッスル炭 ( エネルギー )/ ▲1.69%/ ▲34.59%
66.CBT大豆油 ( 穀物 )/ ▲1.42%/ +10.49%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :28,066.47(+190.85)
S&P500 :3,131.42(+21.13)
日経平均株価 :23,292.81(+179.93)
ドル円 :108.94(+0.28)
ユーロ円 :119.94(+0.19)
米10年債利回り :1.76(▲0.01)
独10年債利回り :▲0.35(+0.01)
日10年債利回り :▲0.08(▲0.00)
中国10年債利回り :3.19(+0.02)
ビットコイン :7,155.25(▲188.60)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :21.51(▲0.52)
エネルギー :26.30(▲2.09)
ベースメタル :15.36(▲0.18)
貴金属 :18.24(▲0.29)
穀物 :14.96(+0.19)
その他農畜産品 :25.84(▲0.36)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :27.86(▲0.63)
Brent :22.87(▲0.19)
米天然ガス :45.98(+1.54)
米ガソリン :25.47(+0.01)
ICEガスオイル :22.78(▲0.03)
LME銅 :10.47(+0.2)
LMEアルミニウム :14.11(▲0.35)
金 :12.19(+0.05)
プラチナ :21.01(+0.07)
トウモロコシ :12.84(+0.11)
大豆 :12.19(+0.05)

【エネルギー】
WTI :58.01(+0.24)
Brent :63.65(+0.26)
Oman :63.34(▲0.80)
米ガソリン :167.48(+0.05)
米灯油 :194.43(+1.49)
ICEガスオイル :582.75(+1.00)
米天然ガス :2.53(▲0.13)
英天然ガス :42.51(+0.31)

【石油製品(直近限月のスワップ)】
Brent :63.65(+0.26)
SPO380cst :234.93(▲2.07)
SPOケロシン :76.02(+0.42)
SPOガスオイル :75.35(+0.46)
ICE ガスオイル :78.22(+0.13)
NYMEX灯油 :194.34(+0.41)

【貴金属】
金 :1455.05(▲6.88)
銀 :16.90(▲0.12)
プラチナ :896.97(+5.32)
パラジウム :1796.83(+19.82)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :5,887(+36:14C)
亜鉛 :2,304(+13:31B)
鉛 :1,959(▲7:14C)
アルミニウム :1,737(▲2:16.5B)
ニッケル :14,570(+120:0B)
錫 :16,350(▲50:0B)
コバルト :35,649(▲21)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :5871.00(+18.50)
亜鉛 :2282.50(▲24.50)
鉛 :1930.00(▲35.50)
アルミニウム :1742.00(+2.00)
ニッケル :14475.00(▲165.00)
錫 :16425.00(+75.00)
バルチック海運指数 :1,284.00(+29.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR青島) :休場( - )
SGX鉄鉱石 :85.24(+0.72)
NYMEX鉄鉱石 :84.29(+0.50)
NYMEX原料炭スワップ先物 :133(±0.0)
上海鉄筋直近限月 :3,886(+76)
上海鉄筋中心限月 :3,683(+41)
米鉄スクラップ :休場( - )

【農産物】
大豆 :892.50(▲4.50)
シカゴ大豆ミール :298.30(▲0.70)
シカゴ大豆油 :30.44(▲0.44)
マレーシア パーム油 :2650.00(+8.00)
シカゴ とうもろこし :370.50(+1.75)
シカゴ小麦 :531.00(+15.75)
シンガポールゴム :159.80(+1.30)
上海ゴム :12805.00(+110.00)
砂糖 :12.82(▲0.01)
アラビカ :117.80(+3.20)
ロブスタ :1365.00(±0.0)
綿花 :64.69(+1.27)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :61.03(▲0.20)
シカゴ生牛 :119.70(+1.03)
シカゴ飼育牛 :141.98(+2.70)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。