CONTENTSコンテンツ

中国統計減速を受け景気循環銘柄売られる
  • MRA商品市場レポート for PRO

2019年11月12日 第1639号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「中国統計減速を受け景気循環銘柄売られる」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、その他農産品などの非景気循環・非インフレ資産が物色され、その他が売られる流れとなった。ただし、米国の債券市場が休場だったこともあり、取引は手控えられた。

中国のファイナンス関連統計が大幅な減速となったこと、トランプ大統領が「中国と合意していない」と発言したことで景気への懸念が強まったことが背景。

ただし昨日に関しては、英ブレグジット党のファラージュ党首が「与党と対立しない」と選挙戦での譲歩を示したことで先行き不透明感が後退、安全資産需要が後退し貴金属セクターは総じて売られた。投機的に買いが進んでいたPGMには、ある意味健全な手仕舞い売りが入ったともいえる。

【本日の価格見通し総括】

今日も目立った手がかり材料がないが、独ZEW景況感指数に注目している。

独ZEW景況感指数は、ドイツの日銀短観に該当するIFO景況感指数の先行指標であるが、現状指数が▲22.3(前月▲25.3)、期待指数は▲13.0(▲22.8)とやや改善見込みであり、景気循環銘柄価格の上昇要因となる。

ただ、指数自体はマイナスである上、メルケル政権時代に経済的な強がりが強まった中国景気の低迷を受けて回復にはまだ時間がかかると予想される。

このほか、米連銀総裁の講演が複数予定されているが、基本、利下げは打ち止め、何かあったら追加利下げもあり得る、というスタンスであるためさらなる追加的な材料が出てくるとは考え難い。

【昨日の世界経済・市場動向のトピックス】

昨日発表された統計の中で注目したのは中国のファイナンス規模と新規融資である。李克強指数の一角であり、「当局がデータ操作をし難い指標」の1つであるが、出てきた数値は正直良いものではなかった。

中国の構造的な成長ペースの鈍化に、米国の制裁の影響が加わったことによるものであり、さらにはルイスの転換点を超えた中国からの企業、特に製造業脱出の動きが資金需要の伸び鈍化につながっている可能性が高い。

結果、中国の景気を下支えないしは回復させるには、財政出動による実弾投入が必要であることを示唆している。あるいは米中が何らかの合意に至り、マインドが改善することが必要条件になっているともいえる。

この結果、特に鉱物資源の需要が減少するとの見方が強まり、LME非鉄金属価格は大きく調整した。やはりQ419~Q220あたりがこの数年で見た時の景気の底になる可能性が高く、かじ取りのミスがなければ、米大統領選挙が意識される秋口に向けて、多くの景気循環系商品価格が上昇する、というシナリオがメインシナリオとなる。

【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】

(マクロ要因)

・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標の減速(価格下落要因)。

・世界景気の減速観測。IMFは2019年の経済見通しを引き下げ(+3.2%→+3.0%)ている。2020年も+3.4%(▲0.1%)に引き下げた。

ただし2020年の回復はイランやトルコ、アルゼンチンなどの政治的に不安定な国の回復を想定しているため、先行き見通しも極めて不透明。

・FRBの利下げに打ち止め感が広がっている。トランプ大統領はヒートアップしているようだが、恐らく年内あったとしてお後1回程度(▲25bp程度)の利下げに留まる(金融面の価格下支え期待の後退)。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格の上昇要因(Q219の中国GDPは前年比+6.2%、前期+6.4%と1992年の統計発表以来の低水準となり、減速懸念が再び意識されている)。

※一方、鉱工業生産や固定資産投資などは政府の対策の影響が徐々に顕在化している形。

・2018年からインドが人口ボーナス期入りしており、構造的な需要の増加が見込めることは中長期的な価格の上昇要因。

(特殊要因)

・米中通商交渉は一進一退でどのような着地になるかよくわからないが、完全に解決(米国が、中国が軍事技術に転用し、安全保障上の脅威となる可能性があるため、最も重要と考えている技術の強制移転や知的財産権保護を中国が確約)するまでは景気循環銘柄価格の下落要因となりやすい。

通商面のみならず、資本フローの規制や、人権問題への制裁なども加わっており、通商面で妥協があったとしてもその他の分野での制裁発動の可能性は高い。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの強まり(下落要因)。

・中東情勢が再度緊迫していることで、域内景気への悪影響への懸念(下落要因)。可能性は低いが、サウジアラビアがイランに対して報復攻撃を行うなどのリスク(原油は上昇要因、その他の景気循環銘柄には下落要因。ただしアラムコIPOを控えてその可能性はほとんどない)。

・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク。EUは英国のEU離脱期限延長で合意したが、議会の構成が変わらなければ英議会で離脱案が否決される可能性が高い。

これを解消するため、ジョンソン首相は解散総選挙を目指しているが野党の合意が得られていない状況。選挙が行われなければ、過去の経緯を見るに再びEUと離脱を巡って混乱が生じる可能性。ハードブレグジットの可能性は排除すべきではない(下落要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下落要因)。

・日韓対立によるハイテク分野の市場混乱や、極東地区の地政学的リスクの高まり(下落要因)。

(投機・投資要因)

・米利下げ観測の高まりで長短金利逆転状況が解消し、金融株を中心に株が上昇、リスクテイク再開で景気循環系商品価格にプラスの影響を与える場合。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油市場動向総括】

原油価格は下落した。アジア時間に発表された中国のファイナンス関連統計が大幅に失速したことで、世界2位の消費国である中国の景気先行き懸念が再び意識されたこと、オマーンが12月のOPECプラスでの減産幅拡大を否定したことが背景。

米中通商協議は合意と伝えられていたが、トランプ大統領が「合意していない」と発言したことで急速にいう発言をしたことで、楽観論が後退していることも価格低下に寄与した。

【原油価格見通し】

原油価格は、米主要統計の改善で米国の景気後退入り回避期待が高まっていることが価格の上昇要因となるが、中国の景気減速懸念が再度意識されたことや、欧米の景況感格差からドル高が進行しやすいことから、上値は重い展開になると予想する。

米中交渉の先行きや、英国の解散総選挙やブレグジットを巡る動向は最終合意に至るまでは買い材料にも、売り材料にもなる。週末は米中合意をトランプ大統領が否定したものの、米中の置かれている状況を勘案すると合意の方向に向かっていると市場は判断し始めている。

FOMCは、一旦利下げを打ち止めの方針のようだが、仮に景気に減速感が強まれば速やかに利下げをする方針であり、下支え効果をもたらしつつも価格を大きく押し上げる材料にはならないだろう。

仮に景気が後退した場合、金融政策の効果が限定される中で各国とも、より直接的に景気を刺激する財政出動を検討し始めているとみられ、エネルギーセクターにおいても今後の大きなテーマとなると見られる。財政出動は使途にもよるが、エネルギー価格の押し上げ要因になると考える。

なお、景気の減速に伴う価格下落(歳入確保のための増産)やサウジアラビアに対するドローン攻撃(テロの低コスト化・大規模化に伴う供給途絶)の影響で、供給側(特にOPECプラス)の動きが価格に与える影響は小さくなくなっている。

米中協議は一進一退が続いているため、短期的には売り材料にも、買い材料にもなるが、「どちらかが倒れるまで形を変えながら継続する」類のイベントであり、中国の覇権国への野望を挫くまで米国の制裁は続くと考えられるため、基本的には売り材料である。

協議が進捗したとしても、「景気にプラスではなく、制裁前の状態に戻るだけ」であり、世界景気が減速している中では合意があったとしても大きな価格上昇要因にはならないと考えている。

なお、ニュースでは材料にされているが、12月のOPEC総会で減産に積極的なのは、就任以降の実績が乏しく、IPOを控えているサウジアラビア程度であり、ロシアは減産継続で応分の協力はするだろうが、恐らく減産拡大は見送られ、売り材料になるとみている。

現在、エクアドルの脱退などを受けてブラジルをOPECに加盟させるよう、サウジアラビアは動いている。ブラジルの生産量は268万バレルであり、実際に加盟し、OPECの方針に従うならばその影響力は小さくない。

【石炭市場動向総括】

石炭先物市場は小幅上昇。目立った手がかり材料はないが、季節的な需要増加で天然ガス価格も上昇していることや、中国の年内の輸入減速観測を受けて価格はもみ合っている。

今後に関しては輸入規制が導入されると見られるため、11月以降の石炭輸入は減少すると予想される。

【石炭価格見通し】

石炭価格はピークシーズン入りしていることから、上昇すると見るが、欧州地域の景況感悪化に伴う天然ガス価格の低迷、中国統計の減速、中国政府の石炭輸入制限(年間2億8,000万トン)を受けた輸入需要の減速を受けて低水準を維持する見込み。

バルチック海運指数は、予想通り下落傾向が顕著になってきた。中国政府が特に石炭に関して輸入量を前年並みにする目標であることが影響している。

10月の中国の貿易統計では、石炭輸入は燃料炭・原料炭合計で2,569万トンと前月から減速。ただし、依然として過去5年の最高水準を上回っている。

同時に9月の中国石炭生産が同じ時期の過去5年の最高となる3,241万トンと高水準を維持、中国の国内供給は増加している状況。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・景気が減速する中でのOPECプラスの減産継続は、その効果が限定されはするものの一定の下支え効果をもたらす見込み。

しかし、現時点で減産に積極的なのは、IPOを控えてアラムコの評価額を上げたいと考えているサウジアラビア程度であり、最大のパートナーとなったロシアは減産継続では協力するだろうが、減産幅の拡大はないだろう。

むしろ価格が下落を始めた時に、歳入確保のために増産バイアスがかかることによる下落リスクを警戒したほうが良いかもしれない。

・産油国の財政悪化による上流投資部門投資の減速は、インドなどの新興国需要顕在化時の価格上昇要因。

・世界2位の消費国である中国の輸入増加。10月の貿易統計では、原油の輸入が4,551.1万トン(1,086万バレル/日)と過去最高を更新。

今後、特に中東・欧州原油価格動向に中国の景気動向が与えるリスクはさらに増すことが予想される。

・EV普及による需要の伸び鈍化を、軽量化目的の樹脂向け需要増加が相殺(世界の需要が減少を始めるのは2050年頃からか)。

・世界的な石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。価格上昇要因(石炭)。

・競合燃料である天然ガス・LNG価格が供給過剰で低迷していることは、石炭価格の下落要因に。

(特殊要因)

・サウジアラビアの石油施設の修復は完了したと報じられているが、実際は完了していないとの報道もあり、供給面は実態が把握される中で上昇リスクになる可能性。

なお、サウジアラビアがイランに対して報復を行う可能性は、アラムコのIPOを控えていることもあり、現時点ではほぼゼロに近いと見る。

また、今回のドローン攻撃でテロが低価格化・大規模化することが分かったことは、中東の供給途絶リスクを従来よりも高めるものであり、従来以上に中東情勢は重要に。

・ブラジルのOPEC加盟。ブラジルの生産量は2018年で268万バレルであり、世界供給の2.8%に達するため、実際に加盟し、サウジアラビアの意向に沿う生産を行うならば、OPECの価格支配能力は若干の改善が見込まれる。

仮に期待通り来年の世界景気が夏頃にかけて底入れした場合、生産制限は顕著な価格上昇要因となり得るため、その点は注意。

・イエメンでの内戦が一時停戦となったことは、地政学的なリスクを低減させ、原油価格の下落要因に。

・トルコ軍のシリアへの侵攻は、ロシアの仲介でとりあえず終了。域内に「緩衝地帯」を設けることで合意した。ロシアの支援を受けているアサド政権側もこれを飲まざるを得なくなった模様。

トルコはこの地域にシリア難民数百万人を送り込み、さらにこの地域を管理する方針であり、民族間の対立が強まる可能性も。

・米朝交渉は目立った進捗がなく、制裁は継続する見込みであり北朝鮮炭の供給制限も継続されることは、価格の上昇要因(石炭)。

(投機・投資要因)

・WTI、Brentともロングが増加、ショートが減少している。ロングの増加は景気の先行きへの懸念が後退したこと、ショートの減少は、サウジアラビアなどの減産観測が意識されていることが影響したようだ。

・直近の投機筋のポジションは、WTIはロングが565,026枚(前週比 +12,784枚)、ショートが158,886枚(▲10,009枚)、ネットロングは406,140枚(+22,793枚)、Brentが360,231枚(前週比+24,500枚)、ショートが77,879枚(▲3,853枚)、ネットロングは282,352枚(+28,353枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属市場動向総括】

LME非鉄金属価格は軟調な推移となった。米中貿易交渉がやはり難航していることや、昨日発表された中国のファイナンス関連統計が大幅な減速となったことで、国内製造業の需要が減少していると見られたことが売り材料となった。

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は、米重要統計の改善が価格を押し上げるものの、欧米景況感格差からのドル高進行が相殺するため、結局レンジワークになると考える。

米中交渉の先行きや、英国の解散総選挙やブレグジットを巡る動向は最終合意に至るまでは買い材料にも、売り材料にもなる。週末は米中合意をトランプ大統領が否定したものの、米中の置かれている状況を勘案すると合意の方向に向かっていると市場は判断し始めている。

FOMCは、一旦利下げを打ち止めの方針のようだが、仮に景気に減速感が強まれば速やかに利下げをする方針であり、下支え効果をもたらしつつも価格を大きく押し上げる材料にはならないだろう。

仮に景気が後退した場合、金融政策の効果が限定される中で各国とも、より直接的に景気を刺激する財政出動を検討し始めていることが、非鉄金属においても今後の大きなテーマとなると見られる。財政出動は使途にもよるが、非鉄金属価格の押し上げ要因となる見込み。

米中協議は一進一退が続いているため、短期的には売り材料にも、買い材料にもなるが、「どちらかが倒れるまで形を変えながら継続する」類のイベントであり、中国の覇権国への野望を挫くまで米国の制裁は続くと考えられるため、基本的には売り材料である。

協議が進捗したとしても、「景気にプラスではなく、制裁前の状態に戻るだけ」であり、世界景気が減速している中では合意があったとしても大きな価格上昇要因にはならないと考えている。

中長期的には非鉄金属価格は上昇すると予想されるが、結局、中国、欧州の景気がどこで底入れするのか、米国経済の後退がいつから始まるのか、に依拠する。

来年の大統領選挙を睨んで米国がどのような対応をしてくるかが不透明であるが、こうした政策期待効果を除けば、底入れ感が出てくるのは来年の春~夏にかけてになると見ている。中期的には現状水準でのもみ合いが続こう。

再び非鉄金属が持続的な上昇に転じるのは、インド需要が顕在化すると期待される2020年の春以降と見る。

ニッケルに関しては、インドネシアの輸出規制は再び解除されることになった。これにより供給懸念が後退するため、景況感の悪化と相まって年内、ニッケル価格はさほど上昇しない可能性が高まった。

しかし、来年1月以降は供給が停止される。インドネシアの供給シェアはニッケル含有分ベースで25%であるため、原油に例えれば、サウジアラビアとロシアの供給が同時に停止するぐらいのインパクトがある話である。

2014年の規制開始後を参考にすると、来年7月頃(下期)からの下落が予想される。

なお、足元はチャート上のレジスタンスライン(50日移動平均線、17,000ドル)が上値として意識されている状況。ここを抜けた場合、再び20,000ドルが意識されることになる。一方、下値としては15,800ドル(100日移動平均線)が意識されていたが、これを下抜けしたため、節目の15,000ドルが意識されることになるだろう。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・最大消費国である中国の製造業PMIは再び悪化し、閾値の50を下回る状態が続いている。規模別でみた場合、大企業と中小企業の景況感が悪化した(価格を下押し)。

在庫水準はやや低下しているものの、新規受注の落ち込みの影響で、新規受注/完成品在庫レシオは若干低下している。

・1-9月期中国工業生産は、前年比+5.6%(1-8月期+5.6%)、9月+5.8%(前月+4.4%)と月次ベースでは回復(フロー需要の増加=価格上昇要因)。

・1-9月期中国固定資産投資は、前年比?5.4%の46兆1,204億元(1-8月期+5.5%の40兆628億元)、公的セクター+7.3%(+7.1%)、民間セクター+4.7%(+4.9%)と規模の大きな民間セクターが減速(ストック需要の減速=価格下落要因)。

・1-9月期中国不動産開発投資は、前年比+10.5%の9兆8,008億元(1-8月期+10.5%の8兆4,589億元)と高い水準を維持してはいる。

しかし、中国政府は景気刺激に住宅セクターを用いない、と発言しているためさらに伸びが加速するとは考え難い。特に建材であるアルミや配電に用いられる銅の下落要因に。

・10月の銅地金・製品の輸入量は43万1,000トンと、同じ時期の過去5年の最高水準。また、銅鉱石の輸入も191万4,000トンとやはり過去5年の最高水準を上回った。公共投資(電線網整備)などの公的需要が需要を下支えしている模様。

・環境規制の強化で特殊需要が増加する(軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルトなど)

・中国の環境規制強化に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・亜鉛の精錬キャパシティ不足に伴う需給のタイト化。一方鉱山生産は再開しており、亜鉛精鉱需給は緩和、TCも高止まり。

・環境規制強化・米制裁の影響による石炭価格上昇が、中国の非鉄金属製造コストを高止まりさせる場合。

・インドをはじめとする新興国の構造的な需要増加(中長期的な要因)。

(特殊要因)

・中国政府が地方政府に債券発行枠の増枠を促し、シャドーバンキングを含むアンダーグラウンドな資金調達を認めてでも公共投資を進める方針を示したことは、需要面で価格の上昇要因に。

・銅の生産減少観測(環境問題によるインド、露天掘りから地下生産に変更するインドネシア)、Valeの尾鉱ダム事故の影響による供給減少(アルミやニッケルなどに波及する可能性)。

HydroのAlunorteアルミナ精錬所の問題に象徴されるように、広く非鉄金属を含む鉱物セクターは、環境問題への高まりから供給が政府命令で急に停止してしまう可能性は低くない。

インドネシアのニッケル未処理鉱石禁輸措置再開(銅とボーキサイトは2022年から実施の予定)。

・インドとパキスタンの対立が武力衝突に発展し、インドが人口ボーナス期の成長メリットを生かせない場合(下落要因)

・LME指定倉庫在庫の減少が、LMEの倉庫運営ルール変更に伴う保管場所変更の取引の影響である場合、ルールが見直された際に再度、LME指定倉庫在庫が急増する可能性(下落要因)。

(投機・投資要因)

・11月1日付のLMEポジションは銅と錫がロング減少、ショートが増加、それ以外はロングが大幅に増加し、ショートも買戻しが進んだ。

投機筋のLME+CME銅ネット売り越し金額は▲17.5億ドル(前週▲34.2億ドル)と売り越し幅を縮小。売り越し額の減少率は▲48.8%。

買い越し枚数はトン数換算ベースで▲579千トン(▲1,072千トン)と売り越し幅を縮小した。鉛、亜鉛、ニッケル、錫はネット買い越し。ネット売り越しの減少率は▲46.0%。

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料市場動向総括】

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは下落、原料炭スワップ先物は横ばい、中国鉄鋼製品先物価格は中心限月が横ばい、直近限月が下落した。

昨日発表された中国のファイナンス関連統計が大幅な減速となったことで、同国の景気がまだ減速していると見られたことが先物売りを誘う形となった。

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は、最大消費国である中国の公共投資に伴う需要増加が価格を押し上げるものの、冬場の鉄鋼製品生産規制が緩和される見通しであることから鉄鋼製品価格が横ばい推移すると予想される中(需要面)、Valeの鉱山生産が回復すると見られていること(供給面)が価格を下押しするため、結局レンジワークになると考える。

ただし、来年以降は生産者の生産回復が見込まれるものの、早ければ春~夏にかけて景気が底入れする可能性があるため、鉄鉱石価格は下落したのちに底堅い推移になると予想する。

米中協議に関しては合意に至るまで強弱材料両方になり得るが、米中の対立は覇権争いであり簡単に終了するわけではなく、やはり長期的な視点からは中国景気にマイナスとなり、売り材料と考えるべきだろう。

原料炭も鉄鋼需要の伸びが欧州・中国を中心に減速していることから、同様に下値余地を探りやすくなっている。回復があるとすれば、その他の景気循環系商品と同様、春~夏にかけてになるのではないか。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・直近の中国鉄鋼業PMIは41.3(前月44.2)と減速。新規受注の低迷(37.9→31.6)が続いていること、生産が減速したこと(43.2→42.3)が影響した。

生産減少の影響で、完成品在庫は45.6→36.8と大きく減少、原材料在庫も49.0→37.9と低下した。この結果、新規受注在庫レシオは完成品・原材料とも上昇しており、需要の減速がありながらも需給がタイト化していることを伺わせる内容。

しかし、Valeの生産は年末から年明けにかけて回復の見込みであり、供給面は需給緩和に寄与しやすく、鉄鋼製品・鉄鉱原料の需給は緩和方向に。

10月の中国の貿易統計では、鉄鋼製品の輸出は478万2,000トンと過去5年の最低水準を下回り、輸出需要が停滞していることを示唆。

また、燃料炭・原料炭の内訳が出ていないが、石炭輸入もほぼ季節性通り減少し、2,569万トンとなった。ただし、以前として過去5年の最高水準を上回っている。

今後に関しては輸入規制が導入されると見られるため、11月以降の石炭輸入は減少すると予想される。

・中国の10月の鉄鉱石の輸入量は前月からは減速したが9,290万トンと高い水準を維持した。

冬場の鉄鋼製品生産規制が予想ほど厳しくないと見られていることや、過去5年平均を下回っていた鉄鉱石在庫水準を考えると、生産減少期となる冬場に向けた調達意欲が旺盛であることを確認させるもの。

石炭輸入は燃料炭・原料炭合計で季節性通り減少し、2,569万トンとなった。ただし、以前として過去5年の最高水準を上回っている。

今後に関しては輸入規制が導入されると見られるため、11月以降の石炭輸入は減少すると予想される。

・1-9月期中国工業生産は、前年比+5.6%(1-8月期+5.6%)、9月+5.8%(前月+4.4%)と月次ベースでは回復(フロー需要の増加=価格上昇要因)。

・1-9月期中国固定資産投資は、前年比?5.4%の46兆1,204億元(1-8月期+5.5%の40兆628億元)、公的セクター+7.3%(+7.1%)、民間セクター+4.7%(+4.9%)と規模の大きな民間セクターが減速(ストック需要の減速=価格下落要因)。

・1-9月期中国不動産開発投資は、前年比+10.5%の9兆8,008億元(1-8月期+10.5%の8兆4,589億元)と高い水準を維持してはいる。

しかし、中国政府は景気刺激に住宅セクターを用いない、と発言しているためさらに伸びが加速するとは考え難い。

・中国の鉄鋼製品在庫水準の高さは価格の下落要因。鉄鋼製品在庫は前週比▲56.9万トンの957.9万トン(過去5年平均939.1万トン)と例年を上回っている。しかしその上振れ幅は週を追うごとに縮小している。

しかし、冬場の生産規制がやや緩和される見通しであり、季節性を無視して鉄鋼製品在庫が増加する可能性はあるとみている。

なお、10月の鉄鋼製品の輸出は478万2,000トンと過去5年の最低水準を下回り、輸出需要が停滞していることを示唆。

中国の鉄鉱石港湾在庫は前週比+10万トンの1億3,175万トン(過去5年平均1億1,609万トン)、在庫日数は±0.0日の28.4日(過去5年平均 28.6日)と再び在庫日数ベースは過去5年平均を下回り、鉄鉱石の需給ファンダメンタルズはタイト化している。

・長期的には人口ボーナス期入りしているインドが、すでにインフラ整備のための投資拡大方針(5年で約160兆円)を示しており、鉄鋼製品・鉄鉱石価格を押し上げ。

・Vale、Rio Tintoの生産目標引き下げによる供給減速。

(特殊要因)

・中国政府がシャドーバンキングを含む金融市場の緩和を進めているほか、地方政府にも債券発行枠の拡大を認めるなど、景気テコ入れのため公共投資を進める方針を示したことは価格の上昇要因。

・世界的に広がる環境規制強化の流れで、鉄鉱石や原料炭などの生産に一定の影響が起きる場合。

(投機・投資要因)

・特になし。

---≪貴金属≫---

【貴金属市場動向総括】

金・銀価格は下落した。英ブレグジット党のファラージュ党首が、与党に対抗しない姿勢を示したことで安全資産需要が後退したことが売り材料となった。

PGMは金銀が下落したことを受けて水準を切り下げた。また、株も軟調に推移したため金銀を上回る下落となった。目先はここまで買い上がった投機の手仕舞い売りに押されやすい。

【貴金属価格見通し】

金価格は、米国の経済統計の安定を受け、目先の米利下げ観測が後退したことから軟調な推移になると考える。

ただし、低金利低策は持続する見込みであること、米中交渉は解決したわけではないことや、英国のEU離脱の先行きが不透明なことから、下値余地も限定され、結果的に高値圏での推移になると予想する。

なお、米中の対立や英国のEU離脱がソフトであっても、ハードであっても景気を下押しすること、香港情勢、シリアを含む中東情勢の不安定さも価格押し上げに寄与すると予想する。

米中協議は一進一退が続いているが、「どちらかが倒れるまで形を変えながら継続する」類のイベントであり、中国の覇権国への野望を挫くまで米国の制裁は続くと考えられるため、基本的には金銀の買い材料となる。

協議が進捗したとしても、「景気にプラスではなく、制裁前の状態に戻るだけ」であり、世界景気が減速している中では合意があったとしても大きな価格下落要因にはならないと考えている。

仮に地政学的リスクが解消した場合、実質金利を基にすれば、200ドル程度(地政学リスクプレミアム)金価格は下落することになる。

銀価格は金銀在庫レシオ(銀在庫÷金在庫)が低下しており、金銀レシオの低下(銀は対金で割高に)を肯定する状況になっている。

PGM価格は金銀価格が下値余地を探る見通しであるが、足元の地政学的リスクの低下や、世界の自動車販売の前年比減速が底入れした感じが出てきていることから対金銀で割高に推移すると考える。

中国の自動車販売が15ヵ月連続のマイナスとなるなど、需給ファンダメンタルズ面は需要面の減速が懸念される状況。世界自動車販売も13ヵ月連続の前年比マイナス。

しかしいずれも前年比マイナス幅が徐々に縮小し始めており、需要面でも価格が押し上げられる可能性は高まっている。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・FRB・ECBの金融緩和期待が高まっているが、FRBは10月のFOMCで▲25bpの利下げを実施。当面利下げは行われない見込み。さらなる追加利下げはあっても後1回程度とみられるため、下支え効果は限定か。

・景気の先行きを懸念した株価下落とそれに伴う長期金利・実質金利の低下(金銀価格の上昇要因)。ただし、欧州の政情安定化や米中貿易戦争の合意、各国の金融緩和などを背景とする景況感の改善で株価が上昇した場合には金銀価格の下落要因。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

・排ガス規制強化に伴うパラジウムへのシフト観測(プラチナがパラジウムを代替するにはまだ時間を要する)。

・パラジウム需要増加に伴うPGMの増産により、結果的にプラチナが供給過剰となり価格の下落要因に(プラチナ)。

パラジウムはニッケルやプラチナ鉱山からの副産物としての生産が大半(80%)であり、プラチナ価格が低迷する中では増産されにくい、

(特殊要因)

・米中通商交渉が一部進捗しているが、基本的に覇権争いであるためこの問題が簡単に片付くことはなく、安全資産需要を下支えする見込み。

米国は中国の知的財産権侵害や技術の強制移転などの解決と、それによって民間技術が軍事転用されないようにすることが最終目標であり、根本的な解決には相当な時間がかかる見込み(価格の下支え要因)。

・サウジアラビアがイランに対して報復を行う可能性は、アラムコのIPOを控えていることもあり、現時点ではほぼゼロに近いと見る(金銀価格の下落要因)。

イエメンでの内戦が一時停戦となったことも、地政学的なリスクを低下させ、金銀価格の下落要因に。

・トルコ軍のシリアへの侵攻は、ロシアの仲介でとりあえず終了。域内に「緩衝地帯」を設けることで合意した。ロシアの支援を受けているアサド政権側もこれを飲まざるを得なくなった模様。

トルコはこの地域にシリア難民数百万人を送り込み、さらにこの地域を管理する方針であり、民族間の対立が強まる可能性も(金銀価格の上昇要因)。

・英国のEU離脱はEUが離脱期限延長で合意したが、英議会で否決される可能性はあり、金価格の上昇要因に(無秩序離脱の可能性はまだなくなっていない)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加。

(投機・投資要因)

・銀価格は金銀在庫レシオが銀在庫の減少、ないしは金在庫の増加、あるいは両要因によって低下した場合、金銀レシオが上昇するリスク(銀価格の上昇要因)。

・金銀とも、ロング・ショートとも増加しているが、金はロング増加が顕著だったためネット買い越し幅を拡大、銀はショートの増加が大きかったため買い越し幅を縮小している。

地政学的リスクの高まりと、利下げ打ち止め観測の綱引きが続いている状況。

プラチナはロング・ショートとも増加し、ネットロングが増加、パラジウムはロングが減少、ショートが増加し、弱気に転じている。

ただし自動車販売の前年比減少に底打ち感が広がっていることから、特に供給が制限されるパラジウムは、徐々に持ち直すと予想される。

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが344,591枚(前週比 +9,168枚)、ショートが64,763枚(+5,855枚)、ネットロングは279,828枚(+3,313枚)、銀が97,174枚(+1,806枚)、ショートが49,177枚(+7,487枚)、ネットロングは47,997枚(▲5,681枚)

・直近の投機筋のポジションは、プラチナはロングが60,204枚(前週比 +3,479枚)、ショートが14,509枚(+81枚)、ネットロングは45,695枚(+3,398枚)、パラジウムが17,931枚(▲719枚)、ショートが5,641枚(+249枚)、ネットロングは12,290枚(▲968枚)

---≪農産品≫---

【穀物市場動向総括】

シカゴ穀物市場は高安まちまち。トウモロコシは米需給報告で単収や生産見通しが下方修正されたことが引き続き材料視された。

大豆は在庫見通しの上方修正と米中協議が進捗しないのではとの懸念で売られ、小麦はテクニカルな売りに押された。

【穀物価格見通し】シカゴ穀物価格は高値圏でもみ合うものと考える。かねてから米国の生産は下振れリスクが意識されてきたが、生産地の天候条件が不安定で収穫に遅れが出ていること、米中交渉の進捗期待が再び高まっていることが価格を押し上げるが、ハーベスト・プレッシャーが価格

を下押しするため。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・米国のトウモロコシ・大豆の生産見通し上方修正による需給緩和観測。

・豪州東部の大干ばつによる小麦生産の減少懸念。

・欧州・ロシアの気温上昇に伴う小麦生産の減少懸念。

・最終確定作付け面積動向(トウモロコシは増加、大豆は減少、小麦は横ばい)トウモロコシ 9,170万エーカー(市場予想8,703万エーカー、前年8,913万エーカー)大豆 8,004万エーカー(8,468万エーカー、8,920万エーカー)小麦 4,561万エーカー(4,561万エーカー、4,780万エーカー)

・11月の米需給報告の生産見通しトウモロコシ136億6,100万Bu(市場予想136億399万Bu、前月137億7,790万Bu)大豆 35億5,000万Bu(35億1,276万Bu、35億5,000万Bu)小麦 19億2,000万Bu(19億6,200万Bu)

・10月の米需給報告の在庫見通しトウモロコシ 19億1,000万Bu(市場予想17億9,989万Bu、前月19億2,900万Bu)大豆 4億7,500万Bu(4億3,189万Bu、4億6,000万Bu)小麦在庫 10億1,400万Bu(10億3,007万Bu、10億4,300万Bu)

・9月末の四半期在庫トウモロコシ 21億1,400万Bu(市場予想24億1,804万Bu)大豆 9億1,300万Bu(9億8,126万Bu)小麦 23億8,500万Bu(23億1,858万Bu)

(特殊要因)

・米中通商交渉は一部合意が近い、と伝えられており足元シカゴ穀物の買い材料となる。しかし、問題の本質は両国の軍事を巡る覇権争いであり、長期化の可能性は高くシカゴ定期の下落要因に。

・エルニーニョ現象は収束したとみられるが、より北米の穀物生産に影響を与えるラニーニャ現象の発生の懸念は排除できず、特に来年以降にかけて価格が上昇する可能性があり、価格の上昇要因に。

・中国の豚コレラ被害の拡大により、飼料需要が減少した場合は価格の下落要因(逆に終息すれば上昇要因)。

・トランプ政権が製油業者に対する再生可能燃料基準(バイオ燃料の混合を義務付け)の適用を31の製油業者に対して免除していたが、これを撤廃するよう指示したと伝えられたことは、国内向けのエタノール・バイオディーゼル向け需要増加観測を強め、価格の上昇要因に。

(投機・投資要因)

・全ての穀物が、ロングが減少し、ショートが増加している。米中交渉への不安にハーベスト・プレッシャーがかかった形。

・直近の投機筋のポジションは、トウモロコシはロングが300,831枚(前週比 ▲2,619枚)、ショートが326,818枚(+15,315枚)、ネットロングは▲25,987枚(▲17,934枚)、大豆はロングが178,316枚(▲4,432枚)、ショートが86,383枚(+6,318枚)、ネットロングは91,933枚(▲10,750枚)、小麦はロングが98,745枚(▲2,326枚)、ショートが87,627枚(+3,413枚)、ネットロングは11,118枚(▲5,739枚)

◆本日のMRA's Eye


「2020年原油価格見通し」

2019年の原油価格は欧州をはじめとする世界的な循環的な景気減速と、GW以降に強まった米国の中国に対する制裁強化の影響でジリジリと水準を切り下げる展開に。

9月にはサウジアラビアの主要石油施設がドローンによる攻撃を受けて稼働が停止、原油価格が一時的に70ドルを回復したが、景況感の悪化懸念が根強く、かつ、施設修理も早期に終了するとの見通しから水準を切り下げ、Brentで60ドル挟みの展開となっている。

世界の景気は英国のEU離脱による景況感の悪化や、米中の対立継続といったマイナス材料が目立つことからQ419~Q120にかけてさらに減速する可能性が高いと考えている。

しかし、来年の米大統領選では景気に配慮せざるを得ないため、中国との対立一時停止や利下げ、場合によっては財政出動なども予想されること、循環的に景気の底入れが期待されることから、年末年始に下値を探った後、春先から緩やかに上昇する展開になると予想。

以上を前提とすると、2020年の原油平均価格はBrentで62.00ドル(前回見通し比▲4.25ドル)、WTIで57.75ドル(▲2.50ドル)、ドバイで61.00ドル(▲3.25ドル)と下方修正した。

2021年についてはBrentは63.50ドル(▲5.50ドル)、WTIは59.50ドル(▲4.50ドル)、ドバイが62.50ドル(▲4.50ドル)とした。

斯様な見通しの下、主要産油国の財政均衡・経常収支均衡原油価格はまちまちだが、中核国であるサウジアラビアは現在の原油価格水準では財政均衡コストを満たさない。

サウジアラビアの予算実績並びに見通しと原油価格の相関性は高いが、現在のサウジアラビアが計画している支出を満たすためには80ドルを超える原油価格が必要であり、これはIMFの試算とほぼ一致する。

しかし、アルジェリアやイランなどを除くと60ドル台の半ば(中東原油ベース)で予算を満たすため、減産による価格下支え効果が見込み難いこの局面において長期にわたる減産ないしは追加減産を肯定するような決断はし難い状況。

エクアドルはIMFの支援を受けているが、財政再建のために原油増産を計画したが、OPECの協調減産が足かせとなっていたため、今般のOPEC脱退を決定した。

また、ロシア ノバク エネルギー相が、「未来永劫、減産が続くわけではない」と発言しているのは財政面で今の原油価格に満足しているためと考えられる。

サウジアラビアはOPECの求心力維持のため、ムハンマド皇太子の異母兄に当たるアブドルアジズ皇子を任命したが、これによる求心力の回復は未知数。また、MBSの声掛けでブラジルがOPEC加入に興味を示している。

ブラジルの供給シェアは世界生産の3%弱であるため、加入した時の影響力は小さくはない。しかしこれまで見てきたように景気減速時はどれほど減産したとしてもその効果は限定されるうえ、抜け駆け増産が起きやすい。

ただ、景気が来年の春から夏にかけて本当に底入れするならば、景気回復局面での減産であるため、価格上昇が顕著になる可能性は排除できない。

◆主要ニュース


・9月日本機械受注総額 前月比 ▲18.7%の2兆1,410億円(前月+11.8%の2兆6,319億円)、前年比▲4.9%(▲0.2%)。船舶電力を除く民需 前月比▲2.9%の8,502億円(▲2.4%の8,753億円)、前年比+5.1%(▲14.5%)
・9月日本経常収支(季節調整済) 1兆4,852億円(前月1兆7,203億円の黒字)、(季節調整前)1兆6,129億円の黒字(2兆1,577億円の黒字)。貿易収支 11億円の黒字(509億円の赤字)、輸出 6兆2,259億円(6兆808億円)、輸入 6兆2,248億円(6兆299億円)。サービス収支 401億円の黒字(233億円の黒字)。第一次所得収支 1兆8,054億円の黒字(2兆2,681億円の黒字)
・10月日本 銀行貸出動向 銀行計 前年比+2.2%(前月+2.2%)、含信金 +2.0%(+2.0%)
・10月日本景気ウォッチャー調査 現状判断DI 36.7(前月46.7)、先行き判断DI 43.7(36.9)
・10月中国マネーサプライ M2 前年比+8.4%の194兆5,600億元(前月+8.4%の195兆2,300億元)、M1 +3.3%の55兆8,100億元(+3.4%の55兆7,100億元)。ファイナンス規模 6,189億元(2兆2,725億元)
・10月中国人民元建て新規融資 前年比▲5.1%の6,613億元(前月 +22.2%の16,910億元)
・9月インド鉱工業生産 前年比▲4.3%(前月改定▲1.4%)
・ボストン連銀ローゼングレン総裁(投票権あり・タカ派)、「次のリセッション対策でマイナス金利を支持せず。」
・香港政府、再び市民に発砲。

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・BP、Shell、Total、JXTG、国際石油帝石、Inpex、アブダビの新たな原油取引所に出資。マーバン先物を上場。ICEが運営予定。
・イラン、南部フゼスタン州で推定埋蔵量530億バレルの大規模油田発見。
・イラン、ウラン濃縮再開。IAEAが確認、濃縮度は4.5%。IAEAはイランが申告していない場所からのウラン粒子を検知。
・イスラエルに認められていたヨルダン領使用権、イスラエルのパレスチナに対する対応を受けて延長されず。
・オマーン、「12月のOPECプラスでは追加減産はない見通し。」
・NTT、来年度から電力発電や配送電網の整備に乗り出す計画。全国に7,300ヵ所ある電話局に設置した蓄電池や、グループのグリーン電力発電などの供給減を束ね、電力需給に応じて供給できる体制を作る。総額6,000億円。

【メタル】
・Nyrstar社、豪州Port Pirie鉛精錬所、近く再開の見込み。
・ニッケルは一部の生産者が鉱石の輸出を再開。

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.TCM天然ゴム ( その他農産品 )/ +2.58%/ ▲5.23%
2.MDEパーム油 ( その他農産品 )/ +2.14%/ +28.74%
3.CBTエタノール ( エネルギー )/ +1.41%/ +13.77%
4.ICEガスオイル ( エネルギー )/ +1.21%/ +14.24%
5.ICEココア ( その他農産品 )/ +1.20%/ +4.84%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
70.NYM米天然ガス ( エネルギー )/ ▲5.45%/ ▲10.31%
69.SHF 銀 ( 貴金属 )/ ▲4.48%/ +11.60%
68.LMEニッケル 3M ( ベースメタル )/ ▲3.77%/ +46.27%
67.パラジウム ( 貴金属 )/ ▲3.31%/ +33.83%
66.ICEアラビカ ( その他農産品 )/ ▲3.15%/ +4.07%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :27,691.49(+10.25)
S&P500 :3,085.32(▲7.76)
日経平均株価 :23,331.84(▲60.03)
ドル円 :109.06(▲0.20)
ユーロ円 :120.31(▲0.07)
米10年債利回り :1.94(±0.0)
独10年債利回り :▲0.25(+0.02)
日10年債利回り :▲0.06(▲0.01)
中国10年債利回り :3.21(▲0.05)
ビットコイン :8,723.29(▲143.26)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :20.39(+0.01)
エネルギー :25.17(▲0.44)
ベースメタル :16.97(▲0.01)
貴金属 :18.59(+0.89)
穀物 :13.62(+0.42)
その他農畜産品 :23.24(▲0.21)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :23.97(▲1.26)
Brent :19.31(▲1.38)
米天然ガス :42.78(+2.3)
米ガソリン :19.66(▲0.2)
ICEガスオイル :21.16(▲2.09)
LME銅 :12.53(+1.22)
LMEアルミニウム :12.59(+0.41)
金 :10.29(+1.17)
プラチナ :19.71(+0.49)
トウモロコシ :11.33(+0.31)
大豆 :10.29(+1.17)

【エネルギー】
WTI :56.86(▲0.38)
Brent :62.18(▲0.33)
Oman :62.74(▲0.02)
米ガソリン :160.99(▲2.38)
米灯油 :191.42(▲0.39)
ICEガスオイル :583.50(+7.00)
米天然ガス :2.64(▲0.15)
英天然ガス :41.56(▲0.38)

【石油製品(直近限月のスワップ)】
Brent :62.18(▲0.33)
SPO380cst :230.50(▲8.05)
SPOケロシン :75.66(▲4.12)
SPOガスオイル :74.13(▲5.18)
ICE ガスオイル :78.32(+0.94)
NYMEX灯油 :191.11(▲0.32)

【貴金属】
金 :1455.15(▲3.85)
銀 :16.86(+0.04)
プラチナ :876.01(▲11.20)
パラジウム :1688.70(▲57.86)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :5,877(▲89:20C)
亜鉛 :2,485(+19:53B)
鉛 :2,111(+21:4B)
アルミニウム :1,805(▲15:0B)
ニッケル :15,770(▲350:40C)
錫 :16,575(▲100:50C)
コバルト :35,550(▲17)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :5880.00(▲43.00)
亜鉛 :2499.00(+5.00)
鉛 :2089.50(▲21.50)
アルミニウム :1778.00(▲29.50)
ニッケル :15570.00(▲610.00)
錫 :16525.00(▲250.00)
バルチック海運指数 :1,378.00(▲50.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR青島) :休場( - )
SGX鉄鉱石 :79.38(▲0.70)
NYMEX鉄鉱石 :80.3(▲0.06)
NYMEX原料炭スワップ先物 :137.5(+0.50)
上海鉄筋直近限月 :3,690(▲10)
上海鉄筋中心限月 :3,368(▲44)
米鉄スクラップ :休場( - )

【農産物】
大豆 :905.00(▲14.50)
シカゴ大豆ミール :300.60(▲4.30)
シカゴ大豆油 :31.42(▲0.08)
マレーシア パーム油 :2580.00(+54.00)
シカゴ とうもろこし :373.25(▲4.00)
シカゴ小麦 :505.75(▲4.50)
シンガポールゴム :150.00(▲0.90)
上海ゴム :11020.00(▲110.00)
砂糖 :12.57(±0.0)
アラビカ :106.00(▲3.45)
ロブスタ :1338.00(▲16.00)
綿花 :64.29(▲0.43)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :63.30(▲0.83)
シカゴ生牛 :119.88(+0.63)
シカゴ飼育牛 :147.58(+0.58)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。