CONTENTSコンテンツ

米中交渉の楽観から総じて堅調
  • MRA商品市場レポート for PRO

2019年10月28日 第1629号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米中交渉の楽観から総じて堅調」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、景気循環系商品が物色され、非循環系商品が売られる流れが継続した。米国と中国の通商交渉に一定の進捗が見られるとの期待がたかまっていることが、リスク資産価格の上昇要因となった。

ただし英国のEU離脱期限延長に関する協議を、EUが来週に持ち越したため引けにかけてはリスク回避姿勢が強まる形となり、水準を切り下げる商品が多かった。

足元、市場参加者は景気の先行きに対して、企業決算が悪くないことなどもあり楽観を始めているように見え、ネガティブな統計に対する反応がやや鈍くなっている。

【本日の価格見通し総括】

月曜日は本格化する企業決算動向を受けた株式市場動向に注目したい。世界経済が混迷を深める中、各企業の年度決算見通し並びに2020年の景況感についてどのように考えているかを判断する重要な材料となる。

持ち越しとなった英国のEU離脱期限の延長審議の行方にも注目したい。報道では期限延長については概ね合意しているようだが、その期間をどうするかで意思統一がなされていない模様。

ごく短期間の延長も選択だが、恐らく予定通り1月末までの延長になると予想される。

また、月曜日から中国の四中全会が4日間の日程で行われる。四中全会は共産党の主要政策を決定する重要会議で、通常は毎年秋に開催される。

しかし、米中対立の激化で昨年はこれを開催することができなかった。四中全会が開催される、ということは中国国内が落ち着きを取り戻しが可能性がある、ないしは米中対立の長期化にいかに対応するべきか、香港や新疆ウイグル自治区の問題、台湾への対応などの重要な案件が増えてきているため、是が非でも開催しなければならない状況に追い込まれた、のいずれかだろう。

新華社通信は、「統治の改善や中国の社会主義システムを、完全なものにすることについて討議する」と伝えており、その結果は会議が終了後に新華社通信を通じて報道される予定。

このほか、今週は米雇用統計、米ISM製造業指数、米GDP、中国製造業PMIなど、今後の景気先行きを占う上で重要な統計の発表が相次ぐ。今が景気の底なのか、底入れするのはまだ先なのかを判断するうえで重要な週になる。

また、FOMCも予定されている。トランプ大統領は「当然利下げ」と主張しているが、足元の統計がさほど悪くないことを考えると今回のFOMCでは利下げは見送られるのではないか。その場合、市場が利下げを織り込んでいるため、景気循環銘柄価格の下押し要因となる。

【昨日の世界経済・市場動向のトピックス】

25日はEUが英国の10月末離脱期限の延長について決議を行う予定だったが、結局来週に持ち越された、ギリギリまでもめるのはユーロ圏の「十八番」である。

報道ベースでは、この状態で離脱すると欧州景気への影響も無視できなくなることから、離脱期限の延長で概ね合意しているとみられる。ただ、短期間の延長であるとまた年末にかけて再交渉をしなければならなくなる可能性があるため、今回は当初報道で言われていたように1月末まで延長するのではないだろうか。

今後のシナリオはEUが離脱期限を延期し、その延期した期限までにジョンソン首相とEUが合意した案に関する関連方案を含め、英議会が承認することが必須となる。それができなければ、再びEUとの交渉が始まることになり、市場のリスク回避姿勢が強まることになる。

この案を可決するには、下院で320の賛成票が必要になる。メイ首相が自身の離脱法案を議会採決にかけた時には保守党議員279名が賛成票を投じている。

しかし、ジョンソン首相は9月、合意なき離脱案を阻止する法案に賛成した議員19名を追放、保守党議員の議席がこのほか1席減ったため、ジョンソン案に賛成票を投じるとみられるベースラインは259に低下している。

これに、追放された19名、北アイルランドの民主統一党10席が賛成に回って288票、これに「離脱できないよりはマシ」として保守党のEU離脱強硬派28名が賛成に回ったとして316票で、離脱合意に必要な320票を確保できない見込み。

【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】

(マクロ要因)

・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標の減速(価格下落要因)。

・世界景気の減速観測。IMFは2019年の経済見通しを引き下げ(+3.2%→+3.0%)ている。2020年も+3.4%(▲0.1%)に引き下げた。

ただし2020年の回復はイランやトルコ、アルゼンチンなどの政治的に不安定な国の回復を想定しているため、先行き見通しも極めて不透明。

・FRBの利下げに打ち止め感が広がっている。トランプ大統領はヒートアップしているようだが、恐らく年内あったとしてお後1回程度(▲25bp程度)の利下げに留まる(金融面の価格下支え期待の後退)。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格の上昇要因(Q219の中国GDPは前年比+6.2%、前期+6.4%と1992年の統計発表以来の低水準となり、減速懸念が再び意識されている)。

※一方、鉱工業生産や固定資産投資などは政府の対策の影響が徐々に顕在化している形。

・2018年からインドが人口ボーナス期入りしており、構造的な需要の増加が見込めることは中長期的な価格の上昇要因。

(特殊要因)

・米中通商交渉は一進一退でどのような着地になるかよくわからないが、完全に解決(米国が、中国が軍事技術に転用し、安全保障上の脅威となる可能性があるため、最も重要と考えている技術の強制移転や知的財産権保護を中国が確約)するまでは景気循環銘柄価格の下落要因となりやすい。

通商面のみならず、資本フローの規制や、人権問題への制裁なども加わっており、通商面で妥協があったとしてもその他の分野での制裁発動の可能性は高い。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの強まり(下落要因)。

・中東情勢が再度緊迫していることで、域内景気への悪影響への懸念(下落要因)。可能性は低いが、サウジアラビアがイランに対して報復攻撃を行うなどのリスク(原油は上昇要因、その他の景気循環銘柄には下落要因。ただしアラムコIPOを控えてその可能性は大きく低下)。

トルコのシリア侵攻により、域内経済並びに欧州経済(難民流入による混乱)が下押しされるリスク。

・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク。ジョンソン首相は英議会の休会を決定、ハードブレグジットはほぼメインシナリオに。また、EUにブレグジットの影響が波及するリスク(下落要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下落要因)。

・日韓対立によるハイテク分野の市場混乱や、極東地区の地政学的リスクの高まり(下落要因)。

(投機・投資要因)

・米利下げ観測の高まりで長短金利逆転状況が解消し、金融株を中心に株が上昇、リスクテイク再開で景気循環系商品価格にプラスの影響を与える場合。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油市場動向総括】

原油価格は上昇。独IFO景況感指数のうち、期待指数が改善したこと、米USTRが米中協議の一部に進展が見られた、といった趣旨の声明を出したことで上昇圧力が強まったため。

英国のEU離脱期限延期が25日に纏まるらなかったことは、ほとんど原油市場では材料視されなかった。

【原油価格見通し】

原油価格は、米中通商問題への懸念が後退したことや、英国のEU離脱が一旦延期される方向で調整が進んでいる、との見方からリスク回避姿勢が弱まっていること、OPECが12月の総会で減産拡大を検討していると伝えられたことから、上昇余地を探りやすい地合いにあるが、世界景気の減速は継続しており、各国統計に明確な改善が見られていないことから上昇余地も限定され、結局レンジワークになると考える。

米国は景気減速懸念が顕在化した場合には速やかに利下げを行うと考えられること、金融政策の効果が限定される中で各国とも、より直接的に景気を刺激する財政出動を検討し始めていることが、エネルギーセクターにおいても今後の大きなテーマとなると見られる。財政出動は使途にもよるが、エネルギー価格の押し上げ要因に。

なお、景気の減速に伴う価格下落(歳入確保のための増産)やサウジアラビアに対するドローン攻撃(テロの低コスト化・大規模化に伴う供給途絶)の影響で、供給側(特にOPECプラス)の動きが価格に与える影響は小さくなくなっている。

米中協議は、このコラムで繰り返し主張しているように覇権争いであるため根本的な解決には数年を要すると考えられる。そのため、その間に若干の交渉進捗があったとしても、再び決裂ないしは再交渉になる可能性が高く、基本的には景気循環銘柄価格の下落要因と整理すべきだろう。

【石炭市場動向総括】

石炭先物市場は小幅に下落。目立った新規手がかり材料に乏しい中、天然ガス価格の低迷を受けて低水準での推移となっている。

【石炭価格見通し】

石炭価格はピークシーズン入りしていることから、上昇すると見るが、欧州地域の景況感悪化に伴う天然ガス価格の低迷、中国統計の減速、中国政府の石炭輸入制限を受けた輸入需要の減速を受けて低水準を維持する見込み。

バルチック海運指数は小幅に上昇していたが、予想通り再び水準を切下げ始めた。冬場のピークシーズンに向けて輸入が増加していたが、中国政府が特に石炭に関して輸入量を前年並みにする目標であるため、昨年と同様、冬場にかけてはバルチック海運指数の低下とともに、石炭価格が季節性を無視して低迷すると予想される。

9月の中国石炭生産が同じ時期の過去5年の最高となる3,241万トンと高水準を維持、中国の国内供給は増加。中国政府は年間の石炭輸入量を2億8,000万トンに制限する目標を掲げている。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・景気が減速する中でのOPECプラスの減産継続は、その効果が限定されはするものの一定の下支え効果をもたらす見込み。

ただし、景気の減速と価格の下落が継続した場合、「歳入確保のための増産」に舵を切る可能性は低くなく、エクアドルも自国の財政再建を目的として生産が制限されるOPECに残留するメリットを感じなくなったため、脱退を決定するなどの動きもみられる。

・産油国の財政悪化による上流投資部門投資の減速は、インドなどの新興国需要顕在化時の価格上昇要因。

・EV普及による需要の伸び鈍化を、軽量化目的の樹脂向け需要増加が相殺(世界の需要が減少を始めるのは2050年頃からか)。

・世界的な石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。価格上昇要因(石炭)。

・競合燃料である天然ガス・LNG価格が供給過剰で低迷していることは、石炭価格の下落要因に。

(特殊要因)

・サウジアラビアの石油施設の修復は完了したと報じられているが、実際は完了していないとの報道もあり、供給面は実態が把握される中で上昇リスクになる可能性。

なお、サウジアラビアがイランに対して報復を行う可能性は、アラムコのIPOを控えていることもあり、現時点ではほぼゼロに近いと見る。

また、今回のドローン攻撃でテロが低価格化・大規模化することが分かったことは、中東の供給途絶リスクを従来よりも高めるものであり、従来以上に中東情勢は重要に。

・イエメンでの内戦が一時停戦となったことは、地政学的なリスクを低減させ、原油価格の下落要因に。

・トルコ軍のシリアへの侵攻は、ロシアの仲介でとりあえず終了。域内に「緩衝地帯」を設けることで合意した。ロシアの支援を受けているアサド政権側もこれを飲まざるを得なくなった模様。

トルコはこの地域にシリア難民数百万人を送り込み、さらにこの地域を管理する方針であり、民族間の対立が強まる可能性も。

・米朝交渉は目立った進捗がなく、制裁は継続する見込みであり北朝鮮炭の供給制限も継続されることは、価格の上昇要因(石炭)。

(投機・投資要因)

・WTIはロング・ショートとも増加したが、ネット買い越し幅は拡大。より景気の先行きに対して楽観的な見方が強まっている模様。

Brentはロングが増加、ショートが減少している。域内景気の底入れ期待がロングを増加させ、OPECの減産拡大観測がショートを減少させている。

・直近の投機筋のポジションは、WTIはロングが548,951枚(前週比 +12,545枚)、ショートが182,779枚(+3,257枚)、ネットロングは366,172枚(+9,288枚)、Brentが299,221枚(前週比+4,173枚)、ショートが90,870枚(▲1,285枚)、ネットロングは208,351枚(+5,458枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属市場動向総括】

LME非鉄金属価格は高安まちまちとなった。米国と中国の交渉に進展があったとして景気への楽観が強まっていることが買い材料となる一方、英国のEU離脱をめぐる協議が終了しなかったことでリスク回避のドル高が進行したことが価格を下押しした。

足元、チリの大規模ストライキが銅の供給への懸念を強めており、銅価格の上昇要因となっている。

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は、米中通商問題への懸念後退、英国のEU離脱も一時延期が既定路線となりつつある中、中国政府の公共投資の効果が徐々に顕在化すると期待されることが上昇要因となるが、世界景気の減速傾向は持続しているため、上昇余地も限定され、結果的にレンジワークになると予想する。

米国は景気減速懸念が顕在化した場合には速やかに利下げを行うと考えられること、金融政策の効果が限定される中で各国とも、より直接的に景気を刺激する財政出動を検討し始めていることが、非鉄金属においても今後の大きなテーマとなると見られる。財政出動は使途にもよるが、非鉄金属価格の押し上げ要因となる見込み。

米中協議は一進一退が続いているが、「どちらかが倒れるまで形を変えながら継続する」類のイベントであり、中国の覇権国への野望を挫くまで米国の制裁は続くと考えられるため、基本的には売り材料である。

協議が進捗したとしても、「景気にプラスではなく、制裁前の状態に戻るだけ」であり、世界景気が減速している中では合意があったとしても大きな価格上昇要因にはならないと考えている。

中長期的には非鉄金属価格は上昇すると予想されるが、結局、中国、欧州の景気がどこで底入れするのか、米国経済の後退がいつから始まるのか、に依拠する。

来年の大統領選挙を睨んで米国がどのような対応をしてくるかが不透明であるが、こうした政策期待効果を除けば、底入れ感が出てくるのは来年の春~夏にかけてになると見ている。中期的には現状水準でのもみ合いが続こう。

再び非鉄金属が持続的な上昇に転じるのは、インド需要が顕在化すると期待される2020年の春以降と見る。

ニッケルに関しては、インドネシアの輸出規制が2020年1月から開始される方針が示されたことで、急速に供給懸念が強まっているため、高値圏での推移に、アルミに関してもボーキサイトの輸出規制の前倒しがあり得る状況。

2014年の規制開始後を参考にすれば20,000ドルを伺う動きになると考えられるが、世界的な景気の減速もあって、仮にここまでの上昇があっても一時的なものに止まると予想する。

インドネシア政府の対応次第ではあるが、恐らく来年の上期(6月頃)までは供給面が材料で高値を維持し、年後半にかけては景気への懸念が意識されて水準を切り下げる展開になるのではないか。

なお、足元はチャート上のサポートライン(50日移動平均線、17,000ドル)を下回ったことから、売り圧力が強まりやすい状況。

テクニカルには16,000ドル程度までの下落があり得る状況になっているが、それでも来年からはインドネシアからの輸出が停止されるため、価格見通しは強気。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・最大消費国である中国の製造業PMIは回復したものの閾値の50を下回る状態が続いており、規模別でみた場合中堅企業・中小企業の景況感は50を下回る状態が続いている(価格を下押し)。

しかし、公共投資や金融緩和の影響で資金繰りが若干改善しているとみられること、新規受注/完成品在庫レシオにも若干の上昇圧力が掛かっていることから、一時的に非鉄金属価格の上昇要因に。

・1-9月期中国工業生産は、前年比+5.6%(1-8月期+5.6%)、9月+5.8%(前月+4.4%)と月次ベースでは回復(フロー需要の増加=価格上昇要因)。

・1-9月期中国固定資産投資は、前年比?5.4%の46兆1,204億元(1-8月期+5.5%の40兆628億元)、公的セクター+7.3%(+7.1%)、民間セクター+4.7%(+4.9%)と規模の大きな民間セクターが減速(ストック需要の減速=価格下落要因)。

・1-9月期中国不動産開発投資は、前年比+10.5%の9兆8,008億元(1-8月期+10.5%の8兆4,589億元)と高い水準を維持してはいる。

しかし、中国政府は景気刺激に住宅セクターを用いない、と発言しているためさらに伸びが加速するとは考え難い。特に建材であるアルミや配電に用いられる銅の下落要因に。

・環境規制の強化で特殊需要が増加する(軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルトなど)

・中国の環境規制強化に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・亜鉛の精錬キャパシティ不足に伴う需給のタイト化。一方鉱山生産は再開しており、亜鉛精鉱需給は緩和、TCも高止まり。

・環境規制強化・米制裁の影響による石炭価格上昇が、中国の非鉄金属製造コストを高止まりさせる場合。

・インドをはじめとする新興国の構造的な需要増加(中長期的な要因)。

(特殊要因)

・中国政府が地方政府に債券発行枠の増枠を促し、シャドーバンキングを含むアンダーグラウンドな資金調達を認めてでも公共投資を進める方針を示したことは、需要面で価格の上昇要因に。

・銅の生産減少観測(環境問題によるインド、露天掘りから地下生産に変更するインドネシア)、Valeの尾鉱ダム事故の影響による供給減少(アルミやニッケルなどに波及する可能性)。

HydroのAlunorteアルミナ精錬所の問題に象徴されるように、広く非鉄金属を含む鉱物セクターは、環境問題への高まりから供給が政府命令で急に停止してしまう可能性は低くない。

インドネシアのニッケル未処理鉱石禁輸措置再開(銅とボーキサイトは2022年から実施の予定)。

・インドとパキスタンの対立が武力衝突に発展し、インドが人口ボーナス期の成長メリットを生かせない場合(下落要因)

・LME指定倉庫在庫の減少が、LMEの倉庫運営ルール変更に伴う保管場所変更の取引の影響である場合、ルールが見直された際に再度、LME指定倉庫在庫が急増する可能性(下落要因)。

(投機・投資要因)

・10月18日付のLMEポジションは商品ごとまちまち。ただし、ロングが減少したのはニッケルのみで、その他は増加した。

投機筋のLME+CME銅ネット売り越し金額は▲49.9億ドル(前週▲55.4億ドル)と売り越し幅を縮小。売り越し額の減少率は▲10.0%。

買い越し枚数はトン数換算ベースで▲1,478枚(▲1,746千トン)と売り越し幅を縮小した。鉛、ニッケル、錫はネット買い越し。ネット売り越しの減少率は▲15.3%。

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料市場動向総括】

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップはまちまち、原料炭スワップ先物は横ばい、中国鉄鋼製品市場は小幅に上昇した。

目立った新規手がかり材料に乏しく、中国の経済対策に伴う鉄鋼需要増加観測が鉄鋼製品価格の押し上げ要因となっているが、力強い回復にはなっていない。

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は、最大消費国である中国の景気減速に伴う需要の伸び鈍化(特に住宅セクター)に加え、欧州景気の悪化並びにブレグジットがハードであってもソフトであっても、欧州景気にマイナスに作用するとみられることで、需要面が価格を下押ししやすい環境になっている。

また、年初からの価格上昇のドライバーだったValeの鉱山生産も年末にかけて回復の見込みであり、供給面でも価格は下押しされやすい。

ただしこの環境だと中国政府の公共投資が需要を下支えするとみられ、中国以外の国、特に金融政策の余地が限定される欧州、米国に関しても来年は財政出動がテーマになるとみられることが、同様に下値を支えると考える。

米中協議は一進一退が続いているが、「どちらかが倒れるまで形を変えながら継続する」類のイベントであり、中国の覇権国への野望を挫くまで米国の制裁は続くと考えられるため、基本的には売り材料である。

協議が進捗したとしても、「景気にプラスではなく、制裁前の状態に戻るだけ」であり、世界景気が減速している中では合意があったとしても大きな価格上昇要因にはならないと考えている。

原料炭も鉄鋼需要の伸びが欧州・中国を中心に減速していることから、同様に下値余地を探りやすくなっている。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・直近の中国鉄鋼業PMIは44.2(前月44.9)と減速。新規受注の低迷(37.5→37.9)が続いていること、生産が大幅に減速したこと(50.1→43.2)が影響した。

これだけ生産が減少しているにも関わらず、完成品在庫は46.7→45.6とさほど大きな減少となっていない。このことは需要が想定以上に緩慢であることを示唆している。

また、原材料(鉄鉱石・原料炭)指数も39.9から49.0に上昇。バルチック海運指数の急上昇があらわすように、低水準だった在庫の再積み増しがほぼ一巡したことを示唆している。

Valeの生産は年末から年明けにかけて回復の見込みであり、需給両面で鉄鋼製品・鉄鉱原料の需給が緩和する可能性が出てきた。

・中国の9月の鉄鉱石輸入実績は9,936万トンと同じ時期の過去5年の最高水準に迫った。生産調整や年初の鉄鋼製品価格の上昇を受けた増産で在庫水準が低下したことによる、在庫の再積み増しの動きであり、需要の回復に伴う輸入増加である可能性は高くない。

石炭も輸入は過去5年の最高水準を上回り、9月は3,029万トン。ただしこちらも冬場の生産調整や、今年も輸入制限が行われる可能性が高いことを背景とした、前倒し輸入と考えられる。

・1-9月期中国工業生産は、前年比+5.6%(1-8月期+5.6%)、9月+5.8%(前月+4.4%)と月次ベースでは回復(フロー需要の増加=価格上昇要因)。

・1-9月期中国固定資産投資は、前年比?5.4%の46兆1,204億元(1-8月期+5.5%の40兆628億元)、公的セクター+7.3%(+7.1%)、民間セクター+4.7%(+4.9%)と規模の大きな民間セクターが減速(ストック需要の減速=価格下落要因)。

・1-9月期中国不動産開発投資は、前年比+10.5%の9兆8,008億元(1-8月期+10.5%の8兆4,589億元)と高い水準を維持してはいる。

しかし、中国政府は景気刺激に住宅セクターを用いない、と発言しているためさらに伸びが加速するとは考え難い。

・中国の鉄鋼製品在庫水準の高さは価格の下落要因。鉄鋼製品在庫は前週比▲63.9万トンの1,057.3万トン(過去5年平均1,003.5万トン)と例年を上回っている。

中国の鉄鉱石港湾在庫は前週比+300万トンの1億3,410万トン(過去5年平均1億1,528万トン)、在庫日数は+0.7日の29.9日(過去5年平均 29.5日)と在庫日数ベースでついに平年を下回った。ファンダメンタルズ面でも価格に下押し圧力が強まっている。

・長期的には人口ボーナス期入りしているインドが、すでにインフラ整備のための投資拡大方針(5年で約160兆円)を示しており、鉄鋼製品・鉄鉱石価格を押し上げ。

・Vale、Rio Tintoの生産目標引き下げによる供給減速。

(特殊要因)

・中国政府がシャドーバンキングを含む金融市場の緩和を進めているほか、地方政府にも債券発行枠の拡大を認めるなど、景気テコ入れのため公共投資を進める方針を示したことは価格の上昇要因。

・世界的に広がる環境規制強化の流れで、鉄鉱石や原料炭などの生産に一定の影響が起きる場合。

(投機・投資要因)

・特になし。

---≪貴金属≫---

【貴金属市場動向総括】

金・銀価格は上昇後水準を切り下げた。英国のEU離脱協議が合意に至らず、翌週に決議が持ち越されたことが買い材料となったが、米中が部分合意に向けて進捗しているとのUSTRの声明や、ドル高進行が価格を下押しした。

PGMはプラチナが金銀とほぼ同じ値動きとなったが、ドル高進行が重石となった。パラジウムは史上最高値近辺での推移となっていることから、ドル高が進行する中でさらに買い上がる材料に乏しく、週末ということもあって水準を切り下げた。

【貴金属価格見通し】

金価格は米国の利下げが織り込まれているが、あったとしても利下げが後1回程度であること、足元、地政学的なリスクが後退していることから、下値余地を探る動きになると考える。

ただし、米中の対立や英国のEU離脱がソフトであっても、ハードであっても景気を下押しすること、香港情勢、シリアを含む中東情勢の不安定さから安全資産需要は継続するとみられること、引き続き追加利下げへの期待があることが価格を下支えするとみられ下落余地も限定されると考える。

米中協議は一進一退が続いているが、「どちらかが倒れるまで形を変えながら継続する」類のイベントであり、中国の覇権国への野望を挫くまで米国の制裁は続くと考えられるため、基本的には金銀の買い材料となる。

協議が進捗したとしても、「景気にプラスではなく、制裁前の状態に戻るだけ」であり、世界景気が減速している中では合意があったとしても大きな価格下落要因にはならないと考えている。

銀価格は金銀在庫レシオ(銀在庫÷金在庫)が低下しており、金銀レシオの低下(銀は対金で割高に)を肯定する状況になっている。

PGM価格は金銀価格が下値余地を探る見通しであるが、足元の地政学的リスクの低下や、悪くない企業決算を受けて対金銀で割高に推移すると考える。

しかし、中国の自動車販売が15ヵ月連続のマイナスとなるなど、需給ファンダメンタルズ面は需要面の減速が懸念される状況。結果的に中国政府は自動車購入にかかわる規制を緩和する方針を示しているが、影響は限定されるのではないか。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・FRB・ECBの金融緩和期待が高まっているが、FRBは9月のFOMCで▲25bpの利下げを実施。ただし追加利下げには否定的なスタンスであり、下支え効果は限定か。

・景気の先行きを懸念した株価下落とそれに伴う長期金利・実質金利の低下(金銀価格の上昇要因)。ただし、欧州の政情安定化や米中貿易戦争の合意、各国の金融緩和などを背景とする景況感の改善で株価が上昇した場合には金銀価格の下落要因。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

・排ガス規制強化に伴うパラジウムへのシフト観測(プラチナがパラジウムを代替するにはまだ時間を要する)。

・パラジウム需要増加に伴うPGMの増産により、結果的にプラチナが供給過剰となり価格の下落要因に(プラチナ)。

パラジウムはニッケルやプラチナ鉱山からの副産物としての生産が大半(80%)であり、プラチナ価格が低迷する中では増産されにくい、

(特殊要因)

・米中通商交渉が一部進捗しているが、基本的に覇権争いであるためこの問題が簡単に片付くことはなく、安全資産需要を下支えする見込み。

米国は中国の知的財産権侵害や技術の強制移転などの解決と、それによって民間技術が軍事転用されないようにすることが最終目標であり、根本的な解決には相当な時間がかかる見込み(価格の下支え要因)。

・サウジアラビアがイランに対して報復を行う可能性は、アラムコのIPOを控えていることもあり、現時点ではほぼゼロに近いと見る(金銀価格の下落要因)。

イエメンでの内戦が一時停戦となったことも、地政学的なリスクを低下させ、金銀価格の下落要因に。

・トルコ軍のシリアへの侵攻は、ロシアの仲介でとりあえず終了。域内に「緩衝地帯」を設けることで合意した。ロシアの支援を受けているアサド政権側もこれを飲まざるを得なくなった模様。

トルコはこの地域にシリア難民数百万人を送り込み、さらにこの地域を管理する方針であり、民族間の対立が強まる可能性も(金銀価格の上昇要因)。

・英国のEU離脱は英離脱案にEUも合意したが、英議会で否決される可能性はあり、金価格の上昇要因に。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加。

(投機・投資要因)

・銀価格は金銀在庫レシオが銀在庫の減少、ないしは金在庫の増加、あるいは両要因によって低下した場合、金銀レシオが上昇するリスク(銀価格の上昇要因)。

・金はロングが増加、ショートが減少してネットロング増加、銀もロングが増加したが、ショートも増加、ネットロングは増加している。

プラチナはロングが増加、ショートが減少し、パラジウムはロング・ショートとも増加したが、高値圏にあることもあってショートが積み上がり、ネットロングは減少。

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが322,917枚(前週比 +3,547枚)、ショートが63,785枚(▲2,558枚)、ネットロングは259,132枚(+6,105枚)、銀が89,747枚(+4,659枚)、ショートが43,004枚(+1,905枚)、ネットロングは46,743枚(+2,754枚)

・直近の投機筋のポジションは、プラチナはロングが55,342枚(前週比 +1,399枚)、ショートが19,626枚(▲716枚)、ネットロングは35,716枚(+2,115枚)、パラジウムが18,400枚(+182枚)、ショートが5,315枚(+389枚)、ネットロングは13,085枚(▲207枚)

---≪農産品≫---

【穀物市場動向総括】

シカゴ穀物市場は大豆が大きく下落したが、トウモロコシと小麦は水準を切り下げた。

大豆は米中の一部合意が近い、との見方から堅調に推移してきたが週末ということもあり、ドル高進行をきっかけに一旦利食い売りに押された形。

トウモロコシ・小麦もチャート的にローソク足の上ヒゲが長くなっており上値が重いことを示している。

【穀物価格見通し】

シカゴ穀物価格は高値圏でもみ合うものと考える。かねてから米国の生産は下振れリスクが意識されてきたが、ここにきて生産地の悪天候を受けて生産がさらに下振れするのでは、との懸念が急速に高まっているため。

また、中国政府が米国産大豆に対して無関税枠を設定したことも、シカゴ穀物需給のタイト化観測を強め、価格の上昇要因に。

ただし、収穫が遅れているものの収穫期であり、ハーベスト・プレッシャーが価格の上値を抑えよう。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・米国のトウモロコシ・大豆の生産見通し上方修正による需給緩和観測。

・豪州東部の大干ばつによる小麦生産の減少懸念。

・欧州・ロシアの気温上昇に伴う小麦生産の減少懸念。

・最終確定作付け面積動向(トウモロコシは増加、大豆は減少、小麦は横ばい)トウモロコシ 9,170万エーカー(市場予想8,703万エーカー、前年8,913万エーカー)大豆 8,004万エーカー(8,468万エーカー、8,920万エーカー)小麦 4,561万エーカー(4,561万エーカー、4,780万エーカー)

・10月の米需給報告の生産見通しトウモロコシ137億7,790万Bu(市場予想 135億8,839、前月139億100万Bu)大豆 35億5,000万Bu(35億6,260万Bu、36億3,300万Bu)小麦 19億6,200万Bu(19億8,000万Bu)

・10月の米需給報告の在庫見通しトウモロコシ 19億2,900万Bu(市場予想16億8,210万Bu、前月21億9,000万Bu)大豆 46億Bu(49億5,520万Bu、64億Bu)小麦在庫 10億4,300万Bu(10億1,117万Bu、10億1,400万Bu)

・9月末の四半期在庫トウモロコシ 21億1,400万Bu(市場予想24億1,804万Bu)大豆 9億1,300万Bu(9億8,126万Bu)小麦 23億8,500万Bu(23億1,858万Bu)

(特殊要因)

・米中通商交渉は一部合意が近い、と伝えられており足元シカゴ穀物の買い材料となる。しかし、問題の本質は両国の軍事を巡る覇権争いであり、長期化の可能性は高くシカゴ定期の下落要因に。

・エルニーニョ現象は収束したとみられるが、より北米の穀物生産に影響を与えるラニーニャ現象の発生の懸念は排除できず、特に来年以降にかけて価格が上昇する可能性があり、価格の上昇要因に。

・中国の豚コレラ被害の拡大により、飼料需要が減少した場合は価格の下落要因(逆に終息すれば上昇要因)。

・トランプ政権が製油業者に対する再生可能燃料基準(バイオ燃料の混合を義務付け)の適用を31の製油業者に対して免除していたが、これを撤廃するよう指示したと伝えられたことは、国内向けのエタノール・バイオディーゼル向け需要増加観測を強め、価格の上昇要因に。

(投機・投資要因)

・トウモロコシはロングが減少、ショートが増加。大豆と小麦はロングが増加、ショートが減少している。

・直近の投機筋のポジションは、トウモロコシはロングが312,403枚(前週比 ▲153枚)、ショートが323,782枚(+6,979枚)、ネットロングは▲11,379枚(▲7,132枚)、大豆はロングが180,508枚(+4,744枚)、ショートが89,052枚(▲9,364枚)、ネットロングは91,456枚(+14,108枚)、小麦はロングが111,793枚(+12,279枚)、ショートが89,962枚(▲10,057枚)、ネットロングは21,831枚(+22,336枚)

◆本日のMRA's Eye


「米中対立は長期化 日本の軍事費負担増加のリスク」

注目されていたペンス副大統領の講演が昨日行われた。内容は昨年とほぼ同じ内容だったため、市場の反応は比較的限定された。

ポイントをまとめると、中国の借金外交や軍事拡張主義、信仰への弾圧、監視国家の構築、自由かつ公正な貿易と反する中国にとって有利な政策、などである。

そして、この具体的な内容として、中国による保護関税、割当量、為替市場操作、技術移転の強制、産業界への助成金が上げられている。

今回の演説で印象的だったのは、「米指導者は、経済的関わりだけで中国共産党による独裁主義国家を、私有財産、法の支配、国際貿易ルールを順守する自由で開かれた社会に変革できるという希望をもはや抱いていない」という件と、「過去の米指導者は、こうしたことを黙認することで利益を得てきた。そして中国の経済・人権侵略を放置したばかりか、中国がそれを容易にできるように配慮してきた」という件。

これは米国が明確に今までの方針を変更し、中国を仮想敵国として「たたくべき相手」たことを再度確認するものだ。

また、米議会は超党派で対中制裁を強化する方向で一致しているともコメントしており、大統領選挙でトランプ大統領が別の大統領に代わったとしても、対中戦略が変更されることはないだろう。

これまでの制裁の経緯を見てみると、今回の制裁は、5G分野、ハイテク分野での覇権争い、ではなく「安全保障」を目的としたものであることが明らかになってきた。

中国政府は着々と太平洋や西アジア、中東、アフリカに戦略拠点を拡大している。ロイターなどの報道によれば、ソロモン諸島中央政府が、中国企業に対していくつかの島を75年間賃貸することで合意した、と報じられている。

現在、ソロモン諸島の司法当局のトップがこの契約を「違法」として批判しているためどのようになるか分からないが、恐らく契約は履行され、中国軍による実効支配が進むことになるだろう。この契約に含まれるとされるツラギ島は、旧日本海軍が太平洋戦略の拠点とした島だ。

これに対して米国は、台湾に対する支援を強化、武器売却も進めている。当然中国政府はこれに強く反発しているが、場合によると台湾海峡近辺で、米国・中国の対立があるかもしれない。

また、混迷を続ける韓国情勢も、文在寅大統領が中国に側に着いた場合、一気に朝鮮半島情勢が変化することになる。この場合、日本は米国にとって重要な「対中戦略の最前線」となる。今後、日本の軍事費負担が増加する可能性は低くない。

軍事的な衝突を我々日本人は基本的に想定していないが、こうしたリスクも視野に入れるべき時期に来ていると考える

◆主要ニュース


・9月日本工作機械受注改定 前年比▲35.5%の989.73億円(前月▲37.0%の884.87億円)
 外需 ▲40.6%の529.08億円(▲34.7%の509.46億円)

・11月独GfK消費者信頼感調査 9.6(前月 9.8)

・10月独IFO企業景況感指数 94.6(前月94.6)
 期待指数 91.5(90.9)
 現状指数 97.8(98.6)

・10月米ミシガン大学消費者マインド指数改定 95.5(速報比▲0.5、前月93.2)
 現況指数 113.2(▲0.2、108.5)。先行指数 84.2(▲0.6、83.4)
 1年期待インフレ率 2.5%(±0.0%、2.8%)
 5年期待インフレ率 2.3%(+0.1%、2.4%)

・9月米財政収支 828億ドルの黒字(前月1,191億ドルの黒字)

・米トランプ大統領、「FRBは利下げをしないなら職務怠慢だ。」

・ECBラガルド次期総裁、「政策委員間の対立の修復を目指す。」

・EU、離脱期限の延期で合意も期間に関しては翌週の会合に持ち越し。

・中国、ソロモン諸島中央政府と、ソロモン諸島の島を中国企業に対して75年賃借。ホテルやカジノの建設許可を与えるほか、資源開発や、「開発に必要なすべての産業」を行う許可を与えた。

・USTR声明、「米国と中国は第一段階の一部事項で仕上げ作業に近づいている。」

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・ベイカー・ヒューズ週間米国石油リグ稼働数696(前週比▲17)、ガスリグ 133(前週比▲4)。

・カザフスタンの原油生産、メンテナンス終了後に過去最高を更新。OPEC+の生産目標を上回る見込み。

・米トランプ大統領、「シリアに数百人規模の兵士を残すことを決めた。」

・イラクで反政府デモ再燃、42人死亡、400人超が負傷。

【メタル】
・チリの港湾ストライキは継続し、銅の供給に影響。

・2019年年初来 Glencore
 自社保有鉱山銅生産 前年比▲4%の1,015.8千トン(前年1,063.1千トン)
 コバルト +21%の34.4千トン(28.5千トン)
 亜鉛 +3%の809.2千トン(786.0千トン)
 鉛 +12%の219.8千トン(196.5千トン)
 ニッケル ▲2%の89.4千トン(90.9千トン)
 金 ▲20%の622千オンス(774千オンス)
 銀 ▲10%の23,733千オンス(26,339千オンス)
 フェロクロム ▲10%の1,030千トン(1,145千トン)

・Glencore,2019年のアフリカ以外の国での銅生産見通しを101万トン(従来目標125万トン)と下方修正、亜鉛も▲7%の111万トン。

・Q319Rusal
 アルミ生産 前期比+0.4%の942千トン(前期+1.0%の928千トン)
 販売 +0.8%の1,091千トン(+20.8%の1,082千トン)
 アルミナ生産 +2.1%の1,957千トン(▲0.7%の1,918千トン)
 ボーキサイト生産 ▲6.9%の3,948千トン(+10.7%の4,242千トン)

・Q319 Norsk Hydro
 ボーキサイト生産 前年比+67%の2,152千トン(前期+20%の1,624千トン、前年1,286千トン)
 アルミナ生産 +61%の1,320千トン(+12%の932千トン、821千トン)
 プライマリアルミ生産 +5%の522千トン(▲1%の486千トン、497千トン)

※Alunorteは9月26日から再稼働。

・Hydro、2019年の需要見通しを引き下げ。中国以外の国の需要が▲1%~▲2%減少(従来予想±0%~1%)、中国の需要が+1%~2%の増加(+1%~3%)と予想。2020年は中国が+1%~+3%、中国以外が▲1%~+1%。

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.ビットコイン ( その他 )/ +14.99%/ +133.37%
2.ICEアラビカ ( その他農産品 )/ +3.11%/ ▲2.36%
3.SHF 銀 ( 貴金属 )/ +1.72%/ +19.83%
4.CBTエタノール ( エネルギー )/ +1.59%/ +16.53%
5.SHFニッケル ( ベースメタル )/ +1.53%/ +54.80%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
70.ICE欧州天然ガス ( エネルギー )/ ▲2.87%/ ▲34.58%
69.欧州排出権 ( 排出権 )/ ▲1.85%/ +0.97%
68.CBT大豆 ( 穀物 )/ ▲1.39%/ +4.28%
67.DME Oman ( エネルギー )/ ▲1.34%/ +16.61%
66.TCM天然ゴム ( その他農産品 )/ ▲1.28%/ ▲14.48%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :26,958.06(+152.53)
S&P500 :3,022.55(+12.26)
日経平均株価 :22,799.81(+49.21)
ドル円 :108.67(+0.06)
ユーロ円 :120.41(▲0.19)
米10年債利回り :1.79(+0.03)
独10年債利回り :▲0.36(+0.04)
日10年債利回り :▲0.14(+0.00)
中国10年債利回り :3.24(+0.02)
ビットコイン :8,574.4(+1117.81)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :20.78(▲0.19)
エネルギー :23.30(▲0.19)
ベースメタル :18.34(▲0.69)
貴金属 :17.39(▲0.11)
穀物 :18.64(+0.16)
その他農畜産品 :22.63(▲0.15)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :25.01(▲0.08)
Brent :23.83(▲0.36)
米天然ガス :32.56(+0.09)
米ガソリン :21.63(▲0.03)
ICEガスオイル :24.84(▲0.58)
LME銅 :13.50(▲0.35)
LMEアルミニウム :11.07(▲0.19)
金 :13.74(+0.97)
プラチナ :23.79(+0.03)
トウモロコシ :29.32(▲0.04)
大豆 :13.74(+0.97)

【エネルギー】
WTI :56.66(+0.43)
Brent :62.02(+0.35)
Oman :62.40(▲0.85)
米ガソリン :167.30(+0.98)
米灯油 :197.96(▲0.67)
ICEガスオイル :597.75(▲1.25)
米天然ガス :2.30(▲0.02)
英天然ガス :39.95(▲1.18)

【石油製品(直近限月のスワップ)】
Brent :62.02(+0.35)
SPO380cst :273.76(▲1.73)
SPOケロシン :76.49(+0.16)
SPOガスオイル :77.30(+0.40)
ICE ガスオイル :80.23(▲0.17)
NYMEX灯油 :196.96(▲0.22)

【貴金属】
金 :1504.63(+0.65)
銀 :18.04(+0.23)
プラチナ :925.80(+2.80)
パラジウム :1765.86(▲10.60)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :5,887(±0.0:19.5C)
亜鉛 :2,497(+11:47B)
鉛 :2,228(+5:16.5B)
アルミニウム :1,720(▲4:9.5C)
ニッケル :16,885(▲85:5B)
錫 :16,625(▲125:25C)
コバルト :35,630(▲16)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :5907.50(+23.50)
亜鉛 :2514.50(+17.50)
鉛 :2217.00(▲6.50)
アルミニウム :1734.00(+17.00)
ニッケル :16850.00(▲10.00)
錫 :16675.00(▲120.00)
バルチック海運指数 :1,801.00(+16.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR青島) :休場( - )
SGX鉄鉱石 :89.66(▲0.05)
NYMEX鉄鉱石 :90.22(+0.11)
NYMEX原料炭スワップ先物 :148.5(±0.0)
上海鉄筋直近限月 :3,485(+19)
上海鉄筋中心限月 :3,320(+16)
米鉄スクラップ :226(±0.0)

【農産物】
大豆 :920.25(▲13.00)
シカゴ大豆ミール :303.30(▲2.30)
シカゴ大豆油 :30.96(▲0.38)
マレーシア パーム油 :2309.00(+22.00)
シカゴ とうもろこし :386.75(±0.0)
シカゴ小麦 :517.75(+1.75)
シンガポールゴム :148.50(+0.80)
上海ゴム :10970.00(+5.00)
砂糖 :12.35(+0.05)
アラビカ :99.45(+3.00)
ロブスタ :1220.00(+13.00)
綿花 :64.90(+0.25)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :64.93(+0.38)
シカゴ生牛 :111.98(+1.55)
シカゴ飼育牛 :145.70(+0.48)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。