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米中交渉進捗期待で景気循環銘柄買戻し
  • MRA商品市場レポート for PRO

2019年10月11日 第1620号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米中交渉進捗期待で景気循環銘柄買戻し」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、景気循環系商品が物色され、農畜産品や貴金属などの非景気循環系商品価格が下落した。

米中通商協議が進捗するのでは、との期待がたかまったことで景気循環銘柄が物色される流れとなった。

季節要因であるが、顕著な供給過剰で価格が上昇していなかった欧州の天然ガスが、季節的な需要の増加でジリ高となったことで、割安感が強い石炭+排出権が上昇する流れとなった。

しかし、米中協議がどのような結論となるかまだ不透明であり、この状況でも様子を見ながらポジション調整的な取引が主体だった、と考えられる。

【本日の価格見通し総括】

本日も引き続き米国と中国の閣僚級協議をにらんだ動きになると考える。

これまでの通商協議の状況を整理すると、順調に進んでいるようにも見える。トランプ大統領も、「通商協議は非常に順調に進んでいる」と発言、本日、劉鶴副首相と会談することもツイッターで表明している。

これらの情報を受けて何らかの合意に至るのでは、との期待が高まっているのは事実だ。

米政権は何も進捗がなければ10月15日から2,500億ドルにたいしては30%の関税適用を開始する。これを回避するために中国側は大豆や豚などの輸入拡大を持ち掛けている。

しかし、中国の豚肉購入や大豆購入は、「足りなくなっているから中国側が欲しい」のも事実であり、これを以って譲歩というのは難しいのではないだろうか。

そのため今回の協議に為替を持ち込み、人民元安誘導の停止などを材料に米国から譲歩を引き出そうとしていると考えられる。しかし、これにしても人民元安容認→資本流出を回避したいため、人民元安を食い止めたい、という意向もあると考えられ、これに関しても米国に対する譲歩とは言えない。

ただ、米中とも景気の先行きが不透明な中で、「一旦混乱を終息させたい」という意向が働いている可能性は高く、抜本的な合意にならないものの何らかの合意に至る可能性が高まってきたといえるだろう。

【昨日の世界経済・市場動向のトピックス】

吉野彰先生がノーベル賞を受賞した。リチウムイオン電池の開発で、電気を持ち歩くことができるようになり、新しい時代を築いたことが評価されたものだ。

この研究がなければ、現在世界経済をけん引しているIT関連ビジネスの重要な柱であるスマートフォンの普及もなかったし、環境面の改善に寄与すると期待される、EVの普及に各国が舵を切ることもなかったと考えられるため、吉野先生の言葉通り確かに100年に1度の技術といえるだろう。

現在日本では電力市場が自由化され、新電力や旧一電の競争が激しくなり、一般消費者の電気料金に対する感度が高くなっている。しかし、ほかの商品と異なり需給がひっ迫すると価格が急騰する傾向が強い商品であり、そのリスクマネジメントに、特に発電設備を有しない新電力が苦慮しているのは事実だ。

これは電気は備蓄ができないため、必要な時に必要なだけ供給(調達してくる)必要がある。そのため需給がひっ迫すると価格が大きくジャンプしやすい。

どの商品も同じであるが、在庫が減少すると、1.価格が上昇する、2.有事のバッファが減少するため価格の変動性が増す、ことになる。電気に関しては、この在庫がゼロということだ。

もし、今回の発明のように「大規模で急速に充電が可能な蓄電の仕組み」が開発されれば、この電力市場の振る舞いが変わる。先物の価格は「スポット価格+倉庫保管料+金利」で決定されることになるし、裁定取引なども頻繁に起きることになるだろう。

こうしたノーベル賞級の発明がつづけば、商品市場や企業の振る舞いにも大きな変化がもたらされると期待される。

【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】

(マクロ要因)

・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標の減速(価格下落要因)。

・世界景気の減速観測。IMFは2019年の経済見通しを引き下げ(+3.3%→+3.2%)ている。2020年は+3.5%(▲0.1%)に戻る楽観見通しであるが、米中交渉の決裂懸念など、引き続きリスクは下向きとしている。

・FRBの利下げに打ち止め感が広がっている。トランプ大統領はヒートアップしているようだが、恐らく年内あったとしてお後1回程度(▲25bp程度)の利下げに留まる(金融面の価格下支え期待の後退)。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格の上昇要因(Q219の中国GDPは前年比+6.2%、前期+6.4%と1992年の統計発表以来の低水準となり、減速懸念が再び意識されている)。

※一方、鉱工業生産や固定資産投資などは政府の対策の影響が徐々に顕在化している形。

・2018年からインドが人口ボーナス期入りしており、構造的な需要の増加が見込めることは中長期的な価格の上昇要因。

(特殊要因)

・米中通商交渉は一進一退でどのような着地になるかよくわからないが、完全に解決(米国が、中国が軍事技術に転用し、安全保障上の脅威となる可能性があるため、最も重要と考えている技術の強制移転や知的財産権保護を中国が確約)するまでは景気循環銘柄価格の下落要因となりやすい。

通商面のみならず、資本フローの規制や、人権問題への制裁なども加わっており、通商面で妥協があったとしてもその他の分野での制裁発動の可能性は高い。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの強まり(下落要因)。

・中東情勢が再度緊迫していることで、域内景気への悪影響への懸念(下落要因)。可能性は低いが、サウジアラビアがイランに対して報復攻撃を行うなどのリスク(原油は上昇要因、その他の景気循環銘柄には下落要因。ただしアラムコIPOを控えてその可能性は大きく低下)。

トルコのシリア侵攻により、域内経済並びに欧州経済(難民流入による混乱)が下押しされるリスク。

・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク。ジョンソン首相は英議会の休会を決定、ハードブレグジットはほぼメインシナリオに。また、EUにブレグジットの影響が波及するリスク(下落要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下落要因)。

・日韓対立によるハイテク分野の市場混乱や、極東地区の地政学的リスクの高まり(下落要因)。

(投機・投資要因)

・米利下げ観測の高まりで長短金利逆転状況が解消し、金融株を中心に株が上昇、リスクテイク再開で景気循環系商品価格にプラスの影響を与える場合。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油市場動向総括】

原油相場は上昇。米中貿易協議の進展期待と、膠着間が強まる英・EUの離脱交渉が前進するのではとの期待感からユーロ高・ドル安が進行したことが材料となった。

また、OPECバルキンド事務局長が12月の総会で、減産に向けた協議が行われる可能性があるといった趣旨の発言をしたことも、価格を下支えした。

【原油価格見通し】

原油価格は最大消費国である米国の景気減速を示唆する統計が目立ち始めていること、OPECプラスの結束の揺らぎが意識されること、米国の利下げ期待が強まることから、金融政策面が一定の価格下支え効果をもたらすため、結局現状水準でもみ合うものと考える。

ただ、実際にFRBが利下げするかどうかは月初の雇用統計をもってしても、不透明といわざるを得ない。雇用者数の増加は堅調である一方、賃金上昇率がやや鈍化しており、どちらともいえる内容。

なお、景気の減速に伴う価格下落(歳入確保のための増産)やサウジアラビアに対するドローン攻撃(テロの低コスト化・大規模化に伴う供給途絶)の影響で、供給側(特にOPECプラス)の動きが価格に与える影響は小さくなくなっている。

【石炭市場動向総括】

石炭先物市場は小幅に下落した。しかし正直なところ現状水準でもみ合った結果たまたま前日比小幅マイナス、という程度である。

ただ、そろそろ冬場のピークシーズンに差し掛かっているため、徐々に買い圧力が強まっているものと考えられる。欧州天然ガス価格にも、季節的な上昇圧力が掛かっており、そのことも石炭価格の押し上げ要因となっている。

【石炭価格見通し】

石炭価格はピークシーズン入り目前であることから上昇すると見るが、欧州地域の景況感悪化に伴う天然ガス価格の低迷、中国統計の減速を受けて低水準を維持する見込み。

バルチック海運指数は小幅に上昇している。冬場のピークシーズンに向けて輸入が増加しているとみられる。ただ、中国は輸入制限を設ける見込みであり昨年と同様、冬場にかけてバルチック海運指数も低下すると予想される。

8月の中国石炭生産が同じ時期の過去5年の最高となる3,160万トンと7月以降の高水準を維持、中国の国内供給も増加。中国政府は年間の石炭輸入量を2億8,000万トンに制限する目標を掲げている。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・景気が減速する中でのOPECプラスの減産継続は、その効果が限定されはするものの一定の下支え効果をもたらす見込み。

ただし、景気の減速と価格の下落が継続した場合、「歳入確保のための増産」に舵を切る可能性は低くなく、エクアドルも自国の財政再建を目的として生産が制限されるOPECに残留するメリットを感じなくなったため、脱退を決定するなどの動きもみられる。

今のところ12月の総会で減産に向けた議論がなされる、との見方が多いが、現実はむしろ増産リスクが意識されるのではないだろうか。

・産油国の財政悪化による上流投資部門投資の減速は、インドなどの新興国需要顕在化時の価格上昇要因。

・EV普及による需要の伸び鈍化を、軽量化目的の樹脂向け需要増加が相殺(世界の需要が減少を始めるのは2050年頃からか)。

・世界的な石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。価格上昇要因(石炭)。

・競合燃料であるLNG価格が供給過剰で低迷していることは、石炭価格の下落要因に。

(特殊要因)

・サウジアラビアの石油施設の修復は完了したと報じられているが、実際は完了していないとの報道もあり、供給面は依然リスク。

なお、サウジアラビアがイランに対して報復を行う可能性は、アラムコのIPOを控えていることもあり、現時点ではほぼゼロに近いと見る。

また、今回のドローン攻撃でテロが低価格化・大規模化することが分かったことは、中東の供給途絶リスクを従来よりも高めるものであり、従来以上に中東情勢は重要に。

・イエメンでの内戦が一時停戦となったことは、地政学的なリスクを低減させ、原油価格の下落要因に。

・トルコ軍のシリアへの侵攻は、域内でのイスラム国の台頭や周辺国の治安悪化につながり、供給途絶懸念を高めるため原油の上昇要因に。

ただし、難民が多数発生して欧州に流入、経済的な混乱が発生する可能性があることから需要面では価格の下落要因に。

・米朝交渉は10月以降に持ち越し。制裁は継続する見込みであり北朝鮮炭の供給制限も継続されることは、価格の上昇要因(石炭)。

(投機・投資要因)

・WTIはロングが減少、ショートが増加、景気への懸念の強まりが意識された。Brentはロング・ショートとも減少。

・直近の投機筋のポジションは、WTIはロングが514,829枚(前週比 ▲13,664枚)、ショートが125,510枚(+21,179枚)、ネットロングは389,319枚(▲34,843枚)、Brentが330,251枚(前週比▲17,002枚)、ショートが76,887枚(▲463枚)、ネットロングは253,364枚(▲16,539枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属市場動向総括】

LME非鉄金属価格は上昇。米中協議が進捗するとの期待がたかまっていることで、買戻しが入った。また、膠着している英国のEU離脱が進捗するとの期待からドル安が進行したことも、価格を押し上げた。

個別の材料としては、VedantaのScorpion Zinc(9万トン/年)が来年2月まで稼働を停止する、と発表したことが亜鉛価格の上昇要因となったようだ。

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は、世界景気の減速感の強まりや、中国の構造的な成長減速から、下値余地を探る動きになるとみている。

ただしこの状況下、市場は景気悪化に伴う経済対策や金融緩和期待を強めており徐々に金融相場入りする可能性が高まっているため、価格は下支えされることになると見る。

米中協議は一進一退が続いているが、基本的に「どちらかが倒れるまで形を変えながら継続する」類のイベントであり、中国の覇権国への野望を挫くまで米国の制裁は続くと考えられるため、基本的には売り材料である。

協議が進捗したとしても、「景気にプラスではなく、制裁前の状態に戻るだけ」であり、世界景気が減速している中では合意があったとしても大きな価格上昇要因にはならないと考えている。

中長期的には非鉄金属価格は上昇すると予想されるが、結局、中国、欧州の景気がどこで底入れするのか、米国経済の後退がいつから始まるのか、に依拠する。

来年の大統領選挙を睨んで米国がどのような対応をしてくるかが不透明であるが、こうした政策期待効果を除けば、底入れ感が出てくるのは来年の春~夏にかけてになると見ている。しばらくは現状水準でのもみ合いが続こう。

ニッケルに関しては、インドネシアの輸出規制が2020年1月から開始される方針が示されたことで、急速に供給懸念が強まっているため、上昇圧力がかかることになるだろう。

2014年の規制開始後を参考にすれば20,000ドルを伺う動きになると考えられるが、世界的な景気の減速もあって、仮にここまでの上昇があっても一時的なものに止まると予想する。

インドネシア政府の対応次第ではあるが、恐らく来年の上期(6月頃)までは供給面が材料で高値を維持し、年後半にかけては景気への懸念が意識されて水準を切り下げる展開になるのではないか。

再び非鉄金属が持続的な上昇に転じるのは、インド需要が顕在化すると期待される2020年の春以降と見る。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・最大消費国である中国の製造業PMIは回復したものの閾値の50を下回る状態が続いており、規模別でみた場合中堅企業・中小企業の景況感は50を下回る状態が続いている(価格を下押し)。

しかし、公共投資や金融緩和の影響で資金繰りが若干改善しているとみられること、新規受注/完成品在庫レシオにも若干の上昇圧力が掛かっていることから、一時的に非鉄金属価格の上昇要因に。

・1-8月期中国工業生産は前年比+5.6%(1-7月期+5.8%)、8月+4.4%(前月+4.8%)と減速(フロー需要の減速=価格下落要因)。

・1-8月期中国固定資産投資 前年比+5.5%の40兆628億元(1-7月期 前年比+5.7%の34兆8,892億元)。公的 +7.1%(+7.1%)、民間 +4.9%(+5.4%)とやはり減速。民間セクターの減速の影響は大きい(ストック需要の減速=価格下落要因)

・1-8月期中国不動産開発投資 前年比+10.5%の8兆4,589億元(1-7月期+10.6%の7兆2,843億元)と高い水準を維持してはいるが、やはり減速傾向にある。特に建材であるアルミや配電に用いられる銅の下落要因に。

・環境規制の強化で特殊需要が増加する(軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルトなど)

・中国の環境規制強化に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・亜鉛の精錬キャパシティ不足に伴う需給のタイト化。一方鉱山生産は再開しており、亜鉛精鉱需給は緩和、TCも高止まり。

・環境規制強化・米制裁の影響による石炭価格上昇が、中国の非鉄金属製造コストを高止まりさせる場合。

・インドをはじめとする新興国の構造的な需要増加(中長期的な要因)。

(特殊要因)

・中国政府が地方政府に債券発行枠の増枠を促し、シャドーバンキングを含むアンダーグラウンドな資金調達を認めてでも公共投資を進める方針を示したことは、需要面で価格の上昇要因に。

・銅の生産減少観測(環境問題によるインド、露天掘りから地下生産に変更するインドネシア)、ヴァーレの尾鉱ダム事故の影響による供給減少(アルミやニッケルなどに波及する可能性)。

ハイドロのアルノルテ アルミナ精錬所の問題に象徴されるように、広く非鉄金属を含む鉱物セクターは、環境問題への高まりから供給が政府命令で急に停止してしまう可能性は低くない。

インドネシアのニッケル未処理鉱石禁輸措置再開(銅とボーキサイトは2022年から実施の予定)。

・インドとパキスタンの対立が武力衝突に発展し、インドが人口ボーナス期の成長メリットを生かせない場合(下落要因)

・LME指定倉庫在庫の減少が、LMEの倉庫運営ルール変更に伴う保管場所変更の取引の影響である場合、ルールが見直された際に再度、LME指定倉庫在庫が急増する可能性(下落要因)。

(投機・投資要因)

・10月4日付のLMEポジションは商品ごと、まちまちだったが鉛以外は全てロングポジションが減少した。景気の先行きへの懸念が強まっているためと考えられる。銅、アルミ、錫はショートも増加しており、明確に弱気のポジション取りとなっている。

ニッケルはインドネシアからの供給懸念でショートの減少が継続している。

投機筋のLME+CME銅ネット売り越し金額は▲56.3億ドル(前週▲46.3億ドル)と売り越し幅を再び拡大。売り越し額の増加率は+21.6%。

買い越し枚数はトン数換算ベースで▲1,802千トン(▲1,384千トン)と売り越し幅を再び拡大した。鉛、ニッケル、錫はネット買い越しに転じている。ネット売り越しの増加率は+30.2%。

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料市場動向総括】

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは上昇、原料炭スワップ先物は上昇、中国鉄鋼製品市場はまちまちだった。

米中協議の進捗期待や、休み明けの中国勢の買いが価格を押し上げた。ただし港湾在庫は増加しており、一時的な上昇と考えられる。

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は、最大消費国である中国の景気減速に伴う需要の伸び鈍化(特に住宅セクター)に加え、欧州景気の悪化並びにブレグジットを控えた欧州需要の減速観測を受け、需要面が価格を下押ししやすい環境になっている。

また、年初からの価格上昇のドライバーだったヴァーレの鉱山生産も年末にかけて回復の見込みであり、供給面でも価格は下押しされやすい。ただしこの環境だと中国政府の公共投資が需要を下支えするとみられ、下値も堅いと予想。

米中協議は一進一退が続いているが、基本的に「どちらかが倒れるまで形を変えながら継続する」類のイベントであり、中国の覇権国への野望を挫くまで米国の制裁は続くと考えられるため、基本的には売り材料である。

協議が進捗したとしても、「景気にプラスではなく、制裁前の状態に戻るだけ」であり、世界景気が減速している中では合意があったとしても大きな価格上昇要因にはならないと考えている。

原料炭も鉄鋼需要の伸びが欧州・中国を中心に減速していることから、同様に下値余地を探りやすくなっている。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・直近の中国鉄鋼業PMIは44.2(前月44.9)と減速。新規受注の低迷(37.5→37.9)が続いていること、生産が大幅に減速したこと(50.1→43.2)が影響した。

これだけ生産が減少しているにも関わらず、完成品在庫は46.7→45.6とさほど大きな減少となっていない。このことは需要が想定以上に緩慢であることを示唆している。

また、原材料(鉄鉱石・原料炭)指数も39.9から49.0に上昇。バルチック海運指数の急上昇があらわすように、低水準だった在庫の再積み増しがほぼ一巡したことを示唆している。

ヴァーレの生産は年末から年明けにかけて回復の見込みであり、需給両面で鉄鋼製品・鉄鉱原料の需給が緩和する可能性が出てきた。

・中国の8月の鉄鉱石輸入実績は9,485万トンと同じ時期の過去5年の最高水準を上回った。生産調整や年初の鉄鋼製品価格の上昇を受けた増産で在庫水準が低下したことによる、在庫の再積み増しの動きであり、需要の回復に伴う輸入増加である可能性は高くない。

石炭も輸入は過去5年の最高水準を上回り、8月は3,300万トン。ただしこちらも冬場の生産調整や、今年も輸入制限が行われる可能性が高いことを背景とした、前倒し輸入と考えられる。

・1-8月期中国工業生産は前年比+5.6%(1-7月期+5.8%)、8月+4.4%(前月+4.8%)と減速(フロー需要の減速=価格下落要因)。

・1-8月期中国固定資産投資 前年比+5.5%の40兆628億元(1-7月期 前年比+5.7%の34兆8,892億元)。公的 +7.1%(+7.1%)、民間 +4.9%(+5.4%)とやはり減速。民間セクターの減速の影響は大きい(ストック需要の減速=価格下落要因)

・1-8月期中国不動産開発投資 前年比+10.5%の8兆4,589億元(1-7月期+10.6%の7兆2,843億元)と高い水準を維持してはいるが、やはり減速傾向にある。特に建材であるアルミや配電に用いられる銅の下落要因に。

・中国の鉄鋼製品在庫水準の高さは価格の下落要因。鉄鋼製品在庫は前週比53.9万トンの1,199.2万トン(過去5年平均1,036.7万トン)と例年を大きく上回っている。

中国の鉄鉱石港湾在庫は前週比+440万トンの1億2,995万トン(過去5年平均1億1,354万トン)、在庫日数は+1.8日の27.5日(過去5年平均 29.1日)と在庫日数ベースでは例年の水準を下回った状態が続いており、ファンダメンタルズ面で鉄鉱石価格を下支えするとみる。

・長期的には人口ボーナス期入りしているインドが、すでにインフラ整備のための投資拡大方針(5年で約160兆円)を示しており、鉄鋼製品・鉄鉱石価格を押し上げ。

・ヴァーレ、リオ・ティントの生産目標引き下げによる供給減速。

(特殊要因)

・中国政府がシャドーバンキングを含む金融市場の緩和を進めているほか、地方政府にも債券発行枠の拡大を認めるなど、景気テコ入れのため公共投資を進める方針を示したことは価格の上昇要因。

・世界的に広がる環境規制強化の流れで、鉄鉱石や原料炭などの生産に一定の影響が起きる場合。

(投機・投資要因)

・特になし。

---≪貴金属≫---

【貴金属市場動向総括】

金・銀価格は下落した。米中協議の進展期待を受けて株価が上昇、債券利回りも上昇し、実質金利が上昇したことが価格の下落要因となった。

PGMは金銀価格の下落はあったが、株価の上昇を受けたリスク資産への楽観から対金銀で割高に推移し、前日比プラスで引けている。

【貴金属価格見通し】

金価格は再び米国の景気先行きが懸念され、利下げ観測の強まりが実質金利を押し下げることから、高値圏での推移になると考える。

また、英国のEU離脱や中東情勢不安、香港情勢の悪化などの安全資産需要が多いことは価格を押し上げよう。

米雇用統計は雇用者数自体はやや弱めの内容だったが、前月雇用者数が大幅に上方修正されており、それほど悪い内容ではなかったが賃金上昇率の鈍化を受けて利下げ期待を維持させ、金銀価格の下支え要因となる。

中東における最悪シナリオは、イランとサウジアラビアの武力衝突だが、これは現時点では発生可能性の低いリスクシナリオとの位置づけ(10%もないとみる)。

米中協議は一進一退が続いているが、基本的に「どちらかが倒れるまで形を変えながら継続する」類のイベントであり、中国の覇権国への野望を挫くまで米国の制裁は続くと考えられるため、基本的には金銀の買い材料となる。

協議が進捗したとしても、「景気にプラスではなく、制裁前の状態に戻るだけ」であり、世界景気が減速している中では合意があったとしても大きな価格下落要因にはならないと考えている。

銀価格は金銀在庫レシオ(銀在庫÷金在庫)が再び低下を始めており、金銀レシオの低下(銀は対金で割高に)を肯定する状況になっている。ただし一連の割安感修正は終了しているとみられ、今後は金価格と連動した推移となるだろう。

PGM価格は金銀価格が高値圏でもみ合うことが基準価格を高止まりさせるが、足元、米国の景気先行きが懸念されているため株価に下押し圧力が掛かりやすく、相対的に金銀に対して割安に推移すると考える。

また、中国の自動車販売が14ヵ月連続のマイナスとなるなど、需給ファンダメンタルズ面は強くはない。結果的に中国政府は自動車購入にかかわる規制を緩和する方針を示しているが、影響は限定されるのではないか。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・FRB・ECBの金融緩和期待が高まっているが、FRBは9月のFOMCで▲25bpの利下げを実施。ただし追加利下げには否定的なスタンスであり、下支え効果は限定か。

・景気の先行きを懸念した株価下落とそれに伴う長期金利・実質金利の低下(金銀価格の上昇要因)。ただし、欧州の政情安定化や米中貿易戦争の合意、各国の金融緩和などを背景とする景況感の改善で株価が上昇した場合には金銀価格の下落要因。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

・排ガス規制強化に伴うパラジウムへのシフト観測(プラチナがパラジウムを代替するにはまだ時間を要する)。

・パラジウム需要増加に伴うPGMの増産により、結果的にプラチナが供給過剰となり価格の下落要因に(プラチナ)。

パラジウムはニッケルやプラチナ鉱山からの副産物としての生産が大半(80%)であり、プラチナ価格が低迷する中では増産されにくい、

(特殊要因)

・米中通商交渉が進捗する可能性が出てきていたが、新たな制裁が検討されていることから、引き続き安全資産需要を高める形となる。米国は中国の知的財産権侵害や技術の強制移転などの解決が最終目標であり、根本的な解決には相当な時間がかかる見込み(価格の下支え要因)。

・サウジアラビアがイランに対して報復を行う可能性は、アラムコのIPOを控えていることもあり、現時点ではほぼゼロに近いと見る(金銀価格の下落要因)。

イエメンでの内戦が一時停戦となったことも、地政学的なリスクを低下させ、金銀価格の下落要因に。

・トルコ軍のシリアへの侵攻は、域内でのイスラム国の台頭や周辺国の治安悪化につながり、難民が多数発生して欧州に流入、経済的な混乱が発生する可能性があることも考慮すると、金銀価格の上昇要因に。

・英国のEU離脱がハードになる可能性が高いこと、それに伴いスコットランドの独立話が再燃していること、それがスペインのカタルーニャ地方に波及する懸念があることは安全資産需要を高める。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加。

(投機・投資要因)

・銀価格は金銀在庫レシオが銀在庫の減少、ないしは金在庫の増加、あるいは両要因によって低下した場合、金銀レシオが上昇するリスク(銀価格の上昇要因)。

・金・銀は利下げ期待の打ち止め感からロングの減少が顕著。投機商品としての色彩を強めるプラチナはロングの減少のみならず、ショートも増加した。

パラジウムはロングが増加、ショートが減少し、引き続き強気のポジション取り。

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが322,800枚(前週比 ▲47,593枚)、ショートが53,807枚(▲4,142枚)、ネットロングは268,993枚(▲43,451枚)、銀が89,967枚(▲4,035枚)、ショートが40,152枚(▲3,121枚)、ネットロングは49,815枚(▲914枚)

・直近の投機筋のポジションは、プラチナはロングが53,367枚(前週比 ▲5,986枚)、ショートが26,769枚(+2,395枚)、ネットロングは26,598枚(▲8,381枚)、パラジウムが16,558枚(+126枚)、ショートが3,752枚(▲63枚)、ネットロングは12,806枚(+189枚)

---≪農産品≫---

【穀物市場動向総括】

シカゴ穀物市場は下落した。ドル安が進行したものの、USDAの需給報告が弱気な内容だったことが売り材料となった。

トウモロコシの期末在庫は19億2,900万Bu(市場予想16億8,210万Bu、前月21億9,000万Bu)、大豆は46億Bu(49億5,520万Bu、64億Bu)、小麦在庫は10億4,300万Bu(10億1,117万Bu、10億1,400万Bu)と、大豆を除き予想比弱気な内容。

大豆は予想比で強気な内容で発表直後に上昇したが、トウモロコシ価格の下落につれる形で引けにかけて水準を切り下げた。

【穀物価格見通し】

シカゴ穀物価格は現状の水準でもみ合うものと考える。米中協議はとりあえず中国が米国産農産品を購入する方向で協議が進んでいるが、最終的な着地は交渉次第であり不透明であることが背景。

なお、世界的に穀物需給は緩和しており、現時点で価格が高騰するような材料はあまりない。むしろ価格上昇を意識するべきは、ラニーニャ現象の発生が懸念される来年以降だろう。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・米国のトウモロコシ・大豆の生産見通し上方修正による需給緩和観測。

・豪州東部の大干ばつによる小麦生産の減少懸念。

・欧州・ロシアの気温上昇に伴う小麦生産の減少懸念。

・最終確定作付け面積動向(トウモロコシは増加、大豆は減少、小麦は横ばい)トウモロコシ 9,170万エーカー(市場予想8,703万エーカー、前年8,913万エーカー)大豆 8,004万エーカー(8,468万エーカー、8,920万エーカー)小麦 4,561万エーカー(4,561万エーカー、4,780万エーカー)

・10月の米需給報告の生産見通しトウモロコシ137億7,790万Bu(市場予想 135億8,839、前月139億100万Bu)大豆 35億5,000万Bu(35億6,260万Bu、36億3,300万Bu)小麦 19億6,200万Bu(19億8,000万Bu)

・10月の米需給報告の在庫見通しトウモロコシ 19億2,900万Bu(市場予想16億8,210万Bu、前月21億9,000万Bu)大豆 46億Bu(49億5,520万Bu、64億Bu)小麦在庫 10億4,300万Bu(10億1,117万Bu、10億1,400万Bu)

・9月末の四半期在庫トウモロコシ 21億1,400万Bu(市場予想24億1,804万Bu)大豆 9億1,300万Bu(9億8,126万Bu)小麦 23億8,500万Bu(23億1,858万Bu)

(特殊要因)

・米中通商交渉は再び難航しており相互制裁強化となっている。この問題は覇権争いが根幹にあり長期化の可能性は高い(価格の下落要因)。

・エルニーニョ現象は収束したとみられるが、より北米の穀物生産に影響を与えるラニーニャ現象の発生の懸念は排除できず、特に来年以降にかけて価格が上昇する可能性があり、価格の上昇要因に。

・中国の豚コレラ被害の拡大により、飼料需要が減少した場合は価格の下落要因(逆に終息すれば上昇要因)。

・トランプ政権が製油業者に対する再生可能燃料基準(バイオ燃料の混合を義務付け)の適用を31の製油業者に対して免除していたが、これを撤廃するよう指示したと伝えられたことは、国内向けのエタノール・バイオディーゼル向け需要増加観測を強め、価格の上昇要因に。

(投機・投資要因)

・トウモロコシはロングが増加、ショートが減少した。中国の輸入増加やエタノールの混合規制変更に伴う需要増加観測が影響。

大豆は中国の購入増加と生産地の収穫環境悪化で、ロングが増加、ショートが減少。

小麦は供給に懸念なく、ロングが減少、ショートが増加して弱気のポジション取りに。

・直近の投機筋のポジションは、トウモロコシはロングが362,049枚(前週比 +2,248枚)、ショートが376,055枚(▲25,667枚)、ネットロングは▲14,006枚(+27,915枚)、大豆はロングが165,058枚(+16,787枚)、ショートが126,293枚(▲20,743枚)、ネットロングは38,765枚(+37,530枚)、小麦はロングが109,045枚(▲2,920枚)、ショートが105,321枚(+2,167枚)、ネットロングは3,724枚(▲5,087枚)

◆本日のMRA's Eye


「トルコ軍シリア侵攻のリスク」

トルコ軍がシリアに侵攻、一旦落ち着きを取り戻していたシリア情勢が再び悪化する可能性が出てきた。

今回のエルドアン大統領のトルコ進行は、米国が選挙のための実績作りを目的として、北部シリアから軍を撤退させる方針を示したこと、トランプ大統領がトルコに対する方針を変更、「トルコは非常に重要な貿易相手国。また、トルコが計画しているシリア北部での作戦に米国は関与しない。」と発言、11月にはエルドアン大統領が訪米する運びとなっていた。

これを受けて、「シリア進行にGOサインが出た」と判断したトルコ軍がシリアに侵攻している訳である。

では、今回のトルコのシリア侵攻の目的は何か。1.自国内で政治的に対立するPKKから分派したPYD(クルド民主統一党)の軍事部門であるYPGの掃討、2.シリア難民を居住する「緩衝地帯」を設定することだ。

YPGはIS掃討に尽力したSFD(シリア民主軍)主要部隊であり、ここがトルコ軍の侵攻によって弱体化すると、1.アサド政権が反政府勢力に取られた地域の奪取、2.地下に潜っていたイスラム国の台頭、を招く可能性があり、さらに、3.難民が欧州に流入してユーロ圏も混乱する、という大変な事態が想定される。

エルドアン大統領は、シリアとトルコの間に緩衝地帯を設けそこにシリア難民を移住させようと考えている。しかし、イスラム教スンニ派のシリア難民を、クルド人の居住区に移住させれば、民族間の対立が強まる可能性は極めて高い。

米軍はIS掃討のためにYPGを主体とするSDF(シリア民主軍)と共闘してきた。米軍が完全に撤退すればアサド政権側が巻き返しを図り、ロシアやイランの後ろ盾を得て奪取された地域を奪還するべく軍事行動を起こすだろう。

現在、クルド人勢力が維持しているのはユーフラテス川の東側地域のトルコとの国境と接する地域。仮にトルコ軍がここに侵攻すれば、YPG側に多くの死者が出るのは必定だろう。

ロシアはトルコと連携しているが、トルコの自衛権を認めているが、シリアからは撤退するべきだと主張してきた。そのため、まずアサド政権はトルコ軍がいない地域の奪取を優先するものと考えられる。

今回のトルコの攻撃はアサド政権が掌握していない部分で、その支配権はアサド政権と敵対関係にないSFD(アサド政権打倒を最優先目標に掲げている反政府勢力と異なり、2013年以降急速に勢力を拡大したIS討伐を主目標としているため、アサド政権とは敵対関係にない)からトルコ軍や反政府勢力に移ることになる。

当然、この混乱に乗じてイスラム国が息を吹き返す可能性がある。また難民も大量に発生することが予想され、欧州に流入しこれも問題になると考えられる。

さらに、トランプ大統領はシリアに対してトルコが「度を越した対応をした場合、トルコ経済は壊滅する」と発言。基本的にトルコに関与しない方針だったが、場合によるとトルコに対して制裁が行われることになる。

この場合、再び新興国危機が意識されることになるため、新興国通貨が売られ、景気が不安定化する可能性も排除できなくなってくる。

サウジアラビアの求心力が低下する中、更なる混乱が中東にもたらされるリスクが高まっていると考えるべきだろう。

◆主要ニュース


・9月日本工作機械受注改定 前年比▲35.5%の989.56億円(前月▲37.0%の884.87億円)
 外需 ▲40.6%の529.07億円(▲34.7%の509.46億円)

・9月日本国内企業物価指数 前月比▲1.1%(前月▲0.9%)、前年比▲2.4%(▲6.6%)

・8月日本機械受注総額 前月比 +11.8%の2兆6,319億円(前月+0.1%の2兆3,550億円)、前年比▲0.2%(▲10.3%)
 船舶電力を除く民需 前月比▲2.4%の8,753億円(▲6.6%の8,969億円)、前年比▲14.5%(+0.3%)

・9月日本 銀行貸出動向 銀行計 前年比+2.2%(前月+2.2%)、含信金 +2.0%(+2.1%)

・9月東京都心オフィス空室率 1.64%(前月 1.71%)

・8月独経常収支 169億ユーロの黒字(前月213億ユーロの黒字)
 貿易収支162億ユーロの黒字(216億ユーロの黒字)
 輸出 前月比▲1.8%(+0.8%)、輸入+0.5%(▲2.4%)

・8月米JOLT求人異動調査 7,051千人(前月改定 7,174千人)

・9月米消費者物価指数 前月比±0.0%(前月+0.1%)、前年比 +1.7%(+1.7%)
 コア 前月比+0.1%(+0.3%)、前年比+2.4%(+2.4%)

・9月米実質平均賃金 前年比+0.9%(前月+1.1%)、実質平均時給 +1.2%(+1.4%)

・米週間新規失業保険申請件数 210件(前週219千件)、失業保険継続受給者数 1,684千人(1,655千人)

・米トランプ大統領、「中国との交渉は順調。11日に劉鶴副首相と会談。」

・アイルランドバラッカー首相、「英・EU離脱交渉の再開に十分な進展と期待。」

・米ポンペオ国務長官、「シリアへの軍事行動を承認していない。」

・米トランプ大統領、「シリア北部の軍事行動開始は、悪い考えだ。」

・クリーブランド連銀メスター総裁(投票権なし・タカ派)、「米経済がより深刻な後退を回避すると予想。」

・ミネアポリス連銀カシュカリ総裁(投票権なし・ハト派)、「必要な利下げ回数は追必要な追加利下げの回数ははっきりしない。」

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・DOE米石油統計
 原油+2.9MB(クッシング+0.9MB)
 ガソリン▲1.2MB
 ディスティレート▲3.9MB
 稼働率▲0.7%

 原油・石油製品輸出 8,307KBD(前週比+175KBD)
 原油輸出 3,107KBD(+27KBD)
 ガソリン輸出 803KBD(+39KBD)
 ディスティレート輸出 1,414KBD(+65KBD)
 レジデュアル輸出 220KBD(+30KBD)
 プロパン・プロピレン輸出 1,084KBD(+67KBD)
 その他石油製品輸出 1,462KBD(▲41KBD)

・DOE天然ガス稼働在庫 3,416BCF(前週比+98BCF)
 東部 854BCF(+28BCF)
 中西部 1,009BCF(+36BCF)
 山間部 203BCF(+4BCF)
 太平洋地区296BCF(+5BCF)
 南中央 1,054BCF(+25BCF)

・トルコ軍、シリアに対して越境攻撃を開始。

・OPEC月報
 世界石油需要 Q119:98.7、Q219:98.9、Q319:100.7、Q419:100.9、2019:99.8

 非OPEC供給(含むNGLs) Q119:63.8、Q219:63.8、Q319:64.1、Q419:65.4、2019:64.3

 Call on OPEC Q119:34.9、Q219:35.1、Q319:36.6、Q419:35.5、2019:35.5

※非OPEC供給減少観測で、Call on OPECは増加。

・インドネシア エネルギー鉱物資源相、「(国際石油開発帝石と交渉しているLNG開発計画アバディ(年間生産量950万トン)に関して)2022年に投資を決定し、2027年に生産開始してほしい。」

・OPECバルキンド事務局長、「12月上旬の総会では、価格を維持するために適切で前向きな決定をするだろう。」

【メタル】
・Vedanta、ナミビア Scorpionの稼働を2020年2月まで停止すると発表。生産量は9万トン/年。

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.欧州排出権 ( 排出権 )/ +2.69%/ ▲5.94%
2.LME亜鉛 3M ( ベースメタル )/ +2.38%/ ▲3.46%
3.SGX鉄鉱石 ( 鉄鋼原料 )/ +2.34%/ +30.34%
4.NYM RBOB ( エネルギー )/ +2.28%/ +22.63%
5.ICEココア ( その他農産品 )/ +2.20%/ +1.82%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
70.CBTトウモロコシ ( 穀物 )/ ▲3.55%/ +1.40%
69.ICEアラビカ ( その他農産品 )/ ▲2.04%/ ▲8.20%
68.CBT小麦 ( 穀物 )/ ▲1.45%/ ▲2.04%
67.銀 ( 貴金属 )/ ▲1.28%/ +12.98%
66.CBTエタノール ( エネルギー )/ ▲1.20%/ +16.93%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :26,496.67(+150.66)
S&P500 :2,938.03(+18.63)
日経平均株価 :21,551.98(+95.60)
ドル円 :107.86(+0.38)
ユーロ円 :118.72(+0.81)
米10年債利回り :1.66(+0.08)
独10年債利回り :▲0.47(+0.08)
日10年債利回り :▲0.20(▲0.00)
中国10年債利回り :3.13(+0.01)
ビットコイン :8,595.54(+5.38)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :24.75(▲0.33)
エネルギー :43.44(+0.2)
ベースメタル :19.48(+0.44)
貴金属 :21.66(▲0.36)
穀物 :19.57(▲0.3)
その他農畜産品 :22.11(▲0.88)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :58.13(+0.45)
Brent :59.49(+0.31)
米天然ガス :31.52(+0.4)
米ガソリン :52.42(+0.16)
ICEガスオイル :44.45(±0)
LME銅 :13.96(▲0.68)
LMEアルミニウム :9.64(▲0.25)
金 :14.66(▲3.65)
プラチナ :24.57(▲0.04)
トウモロコシ :30.36(+3.51)
大豆 :14.66(▲3.65)

【エネルギー】
WTI :53.55(+0.96)
Brent :59.10(+0.78)
Oman :59.42(+0.57)
米ガソリン :162.33(+3.62)
米灯油 :192.08(+0.15)
ICEガスオイル :591.25(±0.0)
米天然ガス :2.22(▲0.02)
英天然ガス :42.55(+0.68)

【石油製品(直近限月のスワップ)】
Brent :59.10(+0.78)
SPO380cst :257.88(+11.35)
SPOケロシン :75.06(+0.64)
SPOガスオイル :74.68(+0.76)
ICE ガスオイル :79.36(±0.0)
NYMEX灯油 :190.81(+0.41)

【貴金属】
金 :1493.89(▲11.68)
銀 :17.51(▲0.23)
プラチナ :898.11(+5.78)
パラジウム :1700.76(+18.11)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :5,732(+40:33.5C)
亜鉛 :2,359(+66:41B)
鉛 :2,167(+34:5C)
アルミニウム :1,743(+5:5C)
ニッケル :17,610(+10:140B)
錫 :16,450(+100:50C)
コバルト :35,505(+745)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :5780.50(+92.50)
亜鉛 :2369.00(+55.00)
鉛 :2154.00(+12.50)
アルミニウム :1750.00(+6.50)
ニッケル :17595.00(+255.00)
錫 :16445.00(+45.00)
バルチック海運指数 :1,873.00(+72.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR青島) :休場( - )
SGX鉄鉱石 :92.7(+2.12)
NYMEX鉄鉱石 :93.01(+1.42)
NYMEX原料炭スワップ先物 :151(+1.00)
上海鉄筋直近限月 :3,607(▲35)
上海鉄筋中心限月 :3,412(+1)
米鉄スクラップ :休場( - )

【農産物】
大豆 :923.50(▲0.25)
シカゴ大豆ミール :304.10(▲1.30)
シカゴ大豆油 :29.70(+0.07)
マレーシア パーム油 :2135.00(▲5.00)
シカゴ とうもろこし :380.25(▲14.00)
シカゴ小麦 :493.00(▲7.25)
シンガポールゴム :140.60(+1.00)
上海ゴム :10550.00(▲20.00)
砂糖 :12.41(±0.0)
アラビカ :93.50(▲1.95)
ロブスタ :1257.00(▲1.00)
綿花 :61.42(+0.41)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :62.40(▲0.40)
シカゴ生牛 :108.73(+0.25)
シカゴ飼育牛 :144.30(▲0.20)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。