CONTENTSコンテンツ

米国の対中制裁強化観測で景気循環系商品売られる
  • MRA商品市場レポート for PRO

2019年9月30日 第1612号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米国の対中制裁強化観測で景気循環系商品売られる」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、非景気循環系商品中心に物色され、景気循環銘柄は総じて軟調な推移となった。

発表された経済統計の内容が弱めのものが目立ったことに加え、米国が中国に対して新しい制裁を科す方針を示したことが株安を通じてリスク資産価格の下落要因となった。

ただし、同時に期末要因のドル高の反転でドルが調整売りに押されたため、ドル安が商品価格を下支えすることとなった。

金曜日に発表された統計は、中国の工業利益が前年比▲2.0%(前月+2.6%)と減速、米個人所得が前月比+0.4%(市場予想+0.4%、前月+0.1%)、支出が+0.1%(+0.3%、+0.5%)、コア資本財受注が前年比▲0.2%(±0.0%、±0.0%)と総じてあまりよくない内容だった。

【本日の価格見通し総括】

週明け月曜日は、米国の中国に対する新たな制裁発動を巡る思惑で、リスク回避的な動きが強まり、広く景気循環系商品に売り圧力が強まる展開が予想される。ただ、決定事項ではなく、どのような形でそれが発動するかは不透明。

また、米大統領のウクライナ疑惑も市場参加者のリスク回避姿勢を強めることになるだろう。

予定されている経済統計では、中国の製造業PMIと、非製造業PMIに注目している。今のところ製造業PMIは49.6(前月49.5)と前月から改善ながらも閾値の50を下回る見込みであり、非鉄金属価格には下押し要因となるだろう。

これは、製造業の海外シフトによって、政策効果が期待ほど出難い環境になっていることを表している。

今後はより消費関連、すなわち非製造業PMIの重要度が高まると考えられるが、こちらは53.9(前月53.8)と好調を維持する見込み。

【昨日の世界経済・市場動向のトピックス】

週末金曜日に発表された経済統計はさえないものが多かったが、それ以上にトランプ大統領がまた新たな材料を市場に投入してきた。

米中の貿易交渉が10月10日から再開されるが、ここでの合意を市場は勝手に期待していたわけだが、暗雲が垂れ込めることとなった。

米トランプ政権は中国企業の米証券取引所への上場廃止を検討し、年金資金に対しては中国企業の株をポートフォリオに組み込む比率を引き下げる規制導入を検討している、と報じられた。

貿易分野で撃つ弾がそろそろ弾切れになり、あとは時間と支持率を見ながら制裁を一時的に緩和することで支持率を上げる、という戦略だったと考えられるが、果たしてこれが吉と出るか凶と出るかはよくわからない。

しかし、この報道を受けた株価の下落を見るに、支持率の低下につながったと考えられ、この政策がトランプ政権にとってプラスかは分からない。ただ、中国企業の米市場への上場が禁止されれば、米投資銀行の収益が減少することは確実であり、金融業界にとってはマイナスだろう。

なお、本当にこの政策が行われれば、中国側も対抗策として米企業のポートフォリオへの組み入れを制限してくる可能性がある。これは米企業の株価にとってはマイナスであるが、「中国資本による企業支配が低減する」というある意味メリットもあるため、評価は難しい。

今回の政策がトランプ政権側から出たものか、議会側から出たものかははっきりしないが、米中の対立が金融市場に直接的な混乱とリスクをもたらすものに変質ないしは拡大したという事実は無視できないだろう。

1つ気になるのが、この政策が実際に行われた場合、それに刺激を受けて韓国が日本の戦犯企業(と韓国が指定している)への投資を制限する可能性があることだ。この場合、日本も何らかの報復を行う可能性があり、こちらの方面から市場が混乱、金融危機につながる可能性もないではないことだ。

その一方で、トランプ大統領のウクライナ疑惑は、就任以来最大の危機になったといえる。同問題は、軍事的な援助継続の見返りに、バイデン元副大統領ファミリーの不正調査を強要したことで、国家権力を使ったとされているしその証拠も挙がっている。

簡単に言えば、来年の選挙に向けて民主党の対抗馬を蹴落とすために国家権力を用いて他国の指導者に圧力を掛けた、ということであり確かに弾劾に値する行為だ。

しかし、下院で弾劾が決議されたとしても上院ではほぼ確実に否決されるため、この問題はトランプ大統領にとってもマイナスだが、「不正疑惑」を抱えるバイデン元副大統領にとっても大きなマイナスとなる。

穿った見方かもしれないが、この問題への関心をそらすため、今回の中国株の話を持ち出したのかもしれない。もうもはや、映画やドラマの世界と変わらない。世界中の為政者のレベルが低下しているといわざるを得ないだろう。

そのような環境下で、常に経済合理的な判断によって政策が運営される可能性は大きく低下したと考えておくべきであり、多くの為政者が感情的・衝動的に政策を遂行するようになっていることを忘れてはいけない。

【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】

(マクロ要因)

・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標の減速(価格下落要因)。

・世界景気の減速観測。IMFは2019年の経済見通しを引き下げ(+3.3%→+3.2%)ている。2020年は+3.5%(▲0.1%)に戻る楽観見通しであるが、米中交渉の決裂懸念など、引き続きリスクは下向きとしている。

・FRBの利下げに打ち止め感が広がっている。トランプ大統領はヒートアップしているようだが、恐らく年内あったとしてお後1回程度(▲25bp程度)の利下げに留まる(金融面の価格下支え期待の後退)。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格の上昇要因(Q219の中国GDPは前年比+6.2%、前期+6.4%と1992年の統計発表以来の低水準となり、減速懸念が再び意識されている)。

※一方、鉱工業生産や固定資産投資などは政府の対策の影響が徐々に顕在化している形。

・2018年からインドが人口ボーナス期入りしており、構造的な需要の増加が見込めることは中長期的な価格の上昇要因。

(特殊要因)

・米中通商交渉は次官級協議が終了し、10月初旬に閣僚級協議が開催される方向となった。

しかし米国が中国企業の米証券取引所への上場を規制し、年金資金の中国企業の組み込みに関しても制限を加える方針を示したことで、交渉が難航する可能性が高まった。基本は当面の間景気循環系商品価格の下落要因。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの強まり(下落要因)。

・中東情勢が再度緊迫していることで、域内景気への悪影響への懸念(下落要因)。可能性は低いが、サウジアラビアがイランに対して報復攻撃を行うなどのリスク(原油は上昇要因、その他の景気循環銘柄には下落要因)。

・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク。ジョンソン首相は英議会の休会を決定、ハードブレグジットはほぼメインシナリオに。また、EUにブレグジットの影響が波及するリスク(下落要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下落要因)。

・日韓対立によるハイテク分野の市場混乱や、極東地区の地政学的リスクの高まり(下落要因)。

(投機・投資要因)

・米利下げ観測の高まりで長短金利逆転状況が解消し、金融株を中心に株が上昇、リスクテイク再開で景気循環系商品価格にプラスの影響を与える場合。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油市場動向総括】

原油相場は下落した。サウジアラビアの破壊された設備の修復が修了したとの報道や、この数年、サウジアラビアの財政上の不安でかつ安全保障上の脅威となっていたイエメンでの代理戦争に関して、一時停戦合意した、と伝えられたことが売り材料となった。

また、米国時間に米政権が中国企業の米証券取引所への上場を規制することを検討していると報じられたことで株が下落、同時に景気循環系リスク資産である原油の売り圧力となった。

イエメンでの戦闘停止は、今回のドローン攻撃によって「中東の盟主」「OPECの要」としての地位が揺らいでいること、イエメン戦での軍備負担の重さ、UAEが水面下でイランに接触していること(イエメン戦での負担が重く、サウジアラビアにはもうついていけない、という考え方)、イスラエル ネタニヤフ首相が事実上失脚した可能性が高く、対イランで同国が共闘できるかわからなくなったこと、といったムハンマド皇太子が主導で行ってきた政策が、上手くいっていないことが背景にある。

同時に、サウジアラビアへの女性観光客への服装の規制緩和や、サウジアラムコの上場に固執していること(ムハンマド皇太子の政策がうまくいっているとのアピールのため)はその証左ともいえる。

【原油価格見通し】

原油価格はサウジアラビアの生産設備の復旧が終了したと報じられたこと(真偽のほどは定かではない)、イエメン戦の一時停戦、米中通商戦争の再燃と、米国以外の国の景況感の悪化を受けて下落余地を探る動きになると考える。

価格を下支えすると期待された米金融政策だが、現時点ではほぼ中立に戻った。景気減速に伴う緩和に関しては否定していないため引き続き価格の下支え要因ではあるが、その下支え効果はやや後退すると予想される。

ただし、修復したとしてもその真偽は明らかではないこと、サウジアラビアに攻撃を行ったのが、イラン内部の強硬派(既得権益を有する対米強硬派)である可能性は高く、サウジアラビアがイランに対して報復するシナリオも、可能性は低いがリスクシナリオとして意識されるため、下値も堅いと考える。

この問題は供給懸念から、武力行使の有無への懸念、あるいは類似のドローン攻撃の有無とそれに対する防衛能力に変化したといえる。

そしてより重要なのは、サウジアラビアの重要施設を防御していた米パトリオットではドローン攻撃に対して十分な防衛能力を持たないことが証明された点だ。

高高度からの攻撃に対する防御が前提となっているパトリオットでは、低空を飛行してくるドローンには対応できない。

さらに、1発300万ドルするといわれるパトリオットで、1機2万ドルのドローン迎撃するのは割に合わず、早晩、防御能力を攻撃能力が上回ってしまうことを意味している。

通常、油田・石油施設攻撃による大規模破壊は「国と国の戦争」でしか想定されなかったが、今回の攻撃によって「少額予算のテロでも数百万バレルの供給途絶を引き起こすことができること」が証明された。

このことは、今後の地政学的リスクの顕在化の可能性が格段に上昇したことを意味する。今まで以上に、供給途絶顕在化のリスクを懸念するべきだろう。

【石炭市場動向総括】

石炭先物市場は小幅に上昇した。目立った新規手がかり材料に乏しい中、中国の経済統計の減速や天然ガス価格の下落継続で軟調地合いを維持している。

【石炭価格見通し】

石炭価格はピークシーズンの終了と欧州地域の景況感悪化に伴う天然ガス価格の下落、中国統計の減速を受けて低水準を維持する見込みだが、中国政府が下期の石炭輸入を控える方針とみられることから駆け込み需要が予想され、底堅い推移になると考える。

上昇していたバルチック海運指数は再び下落に転じている。これは中国の石炭輸入の制限前の駆け込み需要が顕在化していたが、ピークを迎えた可能性があることを示唆するもの。

8月の中国石炭生産が同じ時期の過去5年の最高となる3,160万トンと7月以降の高水準を維持、中国の国内供給も増加。中国政府は年間の石炭輸入量を2億8,000万トンに制限する目標を掲げている。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・景気が減速する中でのOPECプラスの減産継続は、その効果が限定されはするものの、足元の価格下落を受けてOPECプラスの協調減産は2020年3月まで継続される予定で、一定の下支え効果をもたらす見込み。

・産油国の財政悪化による上流投資部門投資の減速は、インドなどの新興国需要顕在化時の価格上昇要因。

・EV普及による需要の伸び鈍化を、軽量化目的の樹脂向け需要増加が相殺(世界の需要が減少を始めるのは2050年頃からか)。

・世界的な石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。価格上昇要因(石炭)。

・中国の石炭港湾在庫が増加に転じていることは、冬場の在庫減少を取り戻すための在庫積み増しの動きが強まっているためと考えられる(石炭)。

・競合燃料であるLNG価格が供給過剰で低迷していることは、石炭価格の下落要因に。

(特殊要因)

・サウジアラビアの石油施設の修復が完了したとOPECバルキンド事務局長が発言したため、目先の供給懸念は後退。

しかし、本当に完全に復帰したかは不明であり、実際には完全復旧まで数ヵ月かかるとするところもあり、また、不足分の原油輸入をイラクなどに打診するなど、報道以上に国内が混乱している可能性はある。

また、今のところ慎重な姿勢を維持しているサウジアラビアがイランに対して報復する可能性も残されており、イラン・サウジアラビアの戦争となった場合、原油価格の上昇要因に(発生の可能性は10%もないと考えられる)。

・イエメンでの内戦が一時停戦となったことは、地政学的なリスクを低減させ、原油価格の下落要因に。

・米朝交渉は9月再開が困難になり、10月以降に持ち越し。制裁は継続する見込みであり北朝鮮炭の供給制限も継続されることは、価格の上昇要因(石炭)。

(投機・投資要因)

・WTI・Brentともロングが減少、ショートが増加した。景気への懸念の強まりとサウジの生産回復観測でショートが積み上がった形。

・直近の投機筋のポジションは、WTIはロングが528,493枚(前週比 ▲1,864枚)、ショートが104,331枚(+1,079枚)、ネットロングは424,162枚(▲2,943枚)、Brentが347,253枚(前週比▲7,860枚)、ショートが77,350枚(+6,890枚)、ネットロングは269,903枚(▲14,750枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属市場動向総括】

LME非鉄金属価格は結果的に前日比マイナスで引けた金属が目立った。ドルが小幅に下落したことが相場自体を支えたものの、発表された経済統計が弱めなものが多かったことで軟調な推移となった。

また、米国時間に米政権が中国企業の中国市場への上場を制限する方針である、との報道を受けて株が調整したことも売り材料となった。

なお、昨日、中国の工業セクター利益が発表され、前年比▲2.0%の減速となった。この水準だとLME銅価格は単純な回帰分析を行うと、前年比で▲10%程度価格水準が低くなることになる。

その場合の価格は5,400ドル程度であり、現在の水準であっても高いことになる(1標準偏差程度の誤差を考慮すると、レンジは4,100ドル~6,650ドルとワイドであるが、現在の価格水準はこの想定レンジの上限の方によっている)。

価格がここまでの下落になっていないのは、LME指定倉庫在庫の水準の低さや、経済政策期待などが下支えしていると見られる。

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は、世界景気の減速感の強まりや、中国の構造的な成長減速、米中対立が再び激化するとの見方が強まっていることから、軟調地合いの中もみ合うものとみている。

ただしこの状況下、市場は景気悪化に伴う経済対策や金融緩和期待を強めており徐々に金融相場入りする可能性が高まっていることで価格は下支えないしは押し上げられることになると見る。

中長期的には非鉄金属価格は上昇するとみるが、結局、中国、欧州の景気がどこで底入れするのか、米国経済の後退がいつから始まるのか、に依拠する。

来年の大統領選挙をにらんで米国がどのような対応をしてくるかが不透明であるが、こうした政策期待効果を除けば、底入れ感が出てくるのは来年の春~夏にかけてになると見ている。しばらくは現状水準でのもみ合いが続こう。

ニッケルに関しては、インドネシアの輸出規制が2020年1月から開始される方針が示されたことで、急速に供給懸念が強まっているため、上昇圧力がかかることになるだろう。

2014年の規制開始後を参考にすれば20,000ドルを伺う動きになると考えられるが、世界的な景気の減速もあって、仮にここまでの上昇があっても一時的なものに止まると予想する。

インドネシア政府の対応次第ではあるが、恐らく来年の上期(6月頃)までは供給面が材料で高値を維持し、年後半にかけては景気への懸念が意識されて水準を切り下げる展開になるのではないか。

再び非鉄金属が持続的な上昇に転じるのは、インド需要が顕在化すると期待される2020年の春以降と見る。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・最大消費国である中国の製造業PMIは回復したものの閾値の50を下回り、大企業・中堅企業の景況感は悪化している(中小企業の景況感は金融緩和効果で若干改善)。新規受注/完成品在庫レシオにも低下圧力がかかっており、非鉄金属価格の下落要因に。

・1-8月期中国工業生産は前年比+5.6%(1-7月期+5.8%)、8月+4.4%(前月+4.8%)と減速(フロー需要の減速=価格下落要因)。

・1-8月期中国固定資産投資 前年比+5.5%の40兆628億元(1-7月期 前年比+5.7%の34兆8,892億元)。公的 +7.1%(+7.1%)、民間 +4.9%(+5.4%)とやはり減速。民間セクターの減速の影響は大きい(ストック需要の減速=価格下落要因)

・1-8月期中国不動産開発投資 前年比+10.5%の8兆4,589億元(1-7月期+10.6%の7兆2,843億元)と高い水準を維持してはいるが、やはり減速傾向にある。特に建材であるアルミや配電に用いられる銅の下落要因に。

・環境規制の強化で特殊需要が増加する(軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルトなど)

・中国の環境規制強化に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・亜鉛の精錬キャパシティ不足に伴う需給のタイト化。一方鉱山生産は再開しており、亜鉛精鉱需給は緩和、TCも高止まり。

・環境規制強化・米制裁の影響による石炭価格上昇が、中国の非鉄金属製造コストを高止まりさせる場合。

・インドをはじめとする新興国の構造的な需要増加(中長期的な要因)。

(特殊要因)

・中国政府が地方政府に債券発行枠の増枠を促し、シャドーバンキングを含むアンダーグラウンドな資金調達を認めてでも公共投資を進める方針を示したことは、需要面で価格の上昇要因に。

・銅の生産減少観測(環境問題によるインド、露天掘りから地下生産に変更するインドネシア)、ヴァーレの尾鉱ダム事故の影響による供給減少(アルミやニッケルなどに波及する可能性)。

ハイドロのアルノルテ アルミナ精錬所の問題に象徴されるように、広く非鉄金属を含む鉱物セクターは、環境問題への高まりから供給が政府命令で急に停止してしまう可能性は低くない。

インドネシアのニッケル未処理鉱石禁輸措置再開(銅とボーキサイトは2022年から実施の予定)。

・インドとパキスタンの対立が武力衝突に発展し、インドが人口ボーナス期の成長メリットを生かせない場合(下落要因)

・LME指定倉庫在庫の減少が、LMEの倉庫運営ルール変更に伴う保管場所変更の取引の影響である場合、ルールが見直された際に再度、LME指定倉庫在庫が急増する可能性(下落要因)。

(投機・投資要因)

・9月20日付のLMEポジションは一転、すべての金属でロング・ショートの積み増しの動きが見られた。総じてロングの新規積み増しが大きく、地合いは強含んでいる。

投機筋のLME+CME銅ネット売り越し金額は▲43.6億ドル(前週▲65.4億ドル)と売り越し幅を縮小。売り越し額の減少率は33.2%。

買い越し枚数はトン数換算ベースで▲1,148千トン(▲1,791千トン)と売り越し幅を縮小した。鉛、ニッケル、錫はネット買い越しに転じている。ネット売り越しの減少率は35.9%。

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料市場動向総括】

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは高安まちまち、原料炭スワップ先物は横ばい、中国鉄鋼製品市場は続落した。

国慶節前の前倒し需要が見込まれていたものの、10月1日の共産党の軍事パレードなどを控えて工場の稼働に制限がかけられたため、鉄鋼製品価格が下落した。

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は、最大消費国である中国の景気減速に伴う需要の伸び鈍化に加え、米中対立が継続していること、欧州景気の悪化並びにブレグジットを控えた欧州需要の減速観測を受け、需要面が価格を下押ししやすい環境になっている。

また、年初からの価格上昇のドライバーだったヴァーレの鉱山生産も年末にかけて回復の見込みであり、供給面でも価格は下押しされやすい。

ただしこの環境だと中国政府の公共投資が需要を下支えするとみられ、下値も堅いと予想。

原料炭も鉄鋼需要の伸びが欧州・中国を中心に減速していることから、同様に下値余地を探りやすくなっている。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・直近の中国鉄鋼業PMIは44.9(前月47.9)と減速。在庫の減少で生産は50.1(48.5)と回復。

しかし新規受注は37.5(48.5)、輸出新規受注 49.5(47.8)と国内向けが急減速しており、完成品在庫は積み上がっている(完成品在庫43.7→46.7)。原材料在庫は▲4.3(0.7)と減少しているため、在庫積み増しの動きが見られる可能性は高い。

ヴァーレの供給減少は継続しているが、需要面で鉄鋼製品・鉄鉱原料の需給が緩和する可能性が出てきた。

・中国の8月の鉄鉱石輸入実績は9,485万トンと同じ時期の過去5年の最高水準を上回った。生産調整や年初の鉄鋼製品価格の上昇を受けた増産で在庫水準が低下したことによる、在庫の再積み増しの動きであり、需要の回復に伴う輸入増加である可能性は高くない。

石炭も輸入は過去5年の最高水準を上回り、8月は3,300万トン。ただしこちらも冬場の生産調整や、今年も輸入制限が行われる可能性が高いことを背景とした、前倒し輸入と考えられる。

・1-8月期中国工業生産は前年比+5.6%(1-7月期+5.8%)、8月+4.4%(前月+4.8%)と減速(フロー需要の減速=価格下落要因)。

・1-8月期中国固定資産投資 前年比+5.5%の40兆628億元(1-7月期 前年比+5.7%の34兆8,892億元)。公的 +7.1%(+7.1%)、民間 +4.9%(+5.4%)とやはり減速。民間セクターの減速の影響は大きい(ストック需要の減速=価格下落要因)

・1-8月期中国不動産開発投資 前年比+10.5%の8兆4,589億元(1-7月期+10.6%の7兆2,843億元)と高い水準を維持してはいるが、やはり減速傾向にある。特に建材であるアルミや配電に用いられる銅の下落要因に。

・中国の鉄鋼製品在庫水準の高さは価格の下落要因。鉄鋼製品在庫は前週比▲40.5万トンの1,145.3万トン(過去5年平均1,027.9万トン)と例年を大きく上回っている。

中国の鉄鉱石港湾在庫は前週比+145万トンの1億2,555万トン(過去5年平均1億1,504万トン)、在庫日数は+0.3日の26.3日(過去5年平均 28.1日)と在庫日数ベースでは例年の水準を下回った状態が続いており、ファンダメンタルズ面で鉄鉱石価格を下支えするとみる。

・長期的には人口ボーナス期入りしているインドが、すでにインフラ整備のための投資拡大方針(5年で約160兆円)を示しており、鉄鋼製品・鉄鉱石価格を押し上げ。

・ヴァーレ、リオ・ティントの生産目標引き下げによる供給減速。

(特殊要因)

・中国政府がシャドーバンキングを含む金融市場の緩和を進めているほか、地方政府にも債券発行枠の拡大を認めるなど、景気テコ入れのため公共投資を進める方針を示したことは価格の上昇要因。

・世界的に広がる環境規制強化の流れで、鉄鉱石や原料炭などの生産に一定の影響が起きる場合。

ヴァーレの尾鉱ダム事故の影響で、今後、低品位鉱石価格にも上昇圧力がかかる公算。

(投機・投資要因)

・特になし。

---≪貴金属≫---

【貴金属市場動向総括】

金価格は下落した。イエメン内戦が一時停戦で合意したことや、それに伴う期待インフレ率の低下で、実質金利が上昇したため。ただし米コア資本財受注悪化などを受けた米10年債利回り低下をきっかけに後場にかけては水準を切り上げた。銀価格も結果的に前日比マイナス。

PGMも金銀価格の下落で軟調だったが、米統計の悪化のタイミングで長期金利が低下する中で買戻しが優勢となったが、プラチナは結局前日比マイナス、パラジウムはプラスで引けた。

【貴金属価格見通し】

金価格は実質金利動向が小康状態を保つ中、米国の中国に対する新たな金融面での制裁や、英国のブレグジットの問題など、安全資産需要は残存していることから堅調な推移になると考える。

中東における最悪シナリオは、イランとサウジアラビアの武力衝突だが、これは現時点では発生可能性の低いリスクシナリオとの位置づけ(10%もないとみる)。

なお、米中貿易交渉が10月で妥結するとは思えず、今回検討されている中国企業の米証券市場での上場規制などが実際に行われれば、開催されることはないだろう。引き続き安直に売買材料になる状態が続くと考える。

銀価格は金銀在庫レシオ(銀在庫÷金在庫)が再び低下を始めており、金銀レシオの低下(銀は対金で割高に)を肯定する状況になっている。ただし一連の割安感修正は終了しているとみられ、今後は金価格と連動した推移となるだろう。

PGM価格は金銀価格が高値圏でもみ合うことが基準価格を高止まりさせるが、景気の先行き懸念とそれを受けた経済対策期待で株価が乱高下するとみられるため、神経質な推移になると予想する。

しかし、中国の自動車販売が14ヵ月連続のマイナスとなるなど、需給ファンダメンタルズ面は強くはない。結果的に中国政府は自動車購入にかかわる規制を緩和する方針を示しているが、影響は限定されるのではないか。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・FRB・ECBの金融緩和期待が高まっているが、FRBは9月のFOMCで▲25bpの利下げを実施。ただし追加利下げには否定的なスタンスであり、下支え効果は限定か。

・景気の先行きを懸念した株価下落とそれに伴う長期金利・実質金利の低下(金銀価格の上昇要因)。ただし、欧州の政情安定化や米中貿易戦争の合意、各国の金融緩和などを背景とする景況感の改善で株価が上昇した場合には金銀価格の下落要因。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

・排ガス規制強化に伴うパラジウムへのシフト観測(プラチナがパラジウムを代替するにはまだ時間を要する)。

・パラジウム需要増加に伴うPGMの増産により、結果的にプラチナが供給過剰となり価格の下落要因に(プラチナ)。

パラジウムはニッケルやプラチナ鉱山からの副産物としての生産が大半(80%)であり、プラチナ価格が低迷する中では増産されにくい、

(特殊要因)

・米中通商交渉が進捗する可能性が出てきていたが、新たな制裁が検討されていることから、引き続き安全資産需要を高める形となる。米国は中国の知的財産権侵害や技術の強制移転などの解決が最終目標であり、根本的な解決には相当な時間がかかる見込み(価格の下支え要因)。

・サウジアラビアに対するイランの攻撃(と米・サウジは発表)を受けて中東での武力衝突の可能性が排除できなくなっていることは、金銀価格の上昇要因。

その一方で、イエメンでの一時停戦は中東の緊張を緩和する方向に作用するとみるが、完全停戦ではないのでさほど強い売り材料にはならないか。

・イタリアの政局・財政不安。

・英国のEU離脱がハードになる可能性が高いこと、それに伴いスコットランドの独立話が再燃していること、それがスペインのカタルーニャ地方に波及する懸念があることは安全資産需要を高める。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加。

(投機・投資要因)

・銀価格は金銀在庫レシオが銀在庫の減少、ないしは金在庫の増加、あるいは両要因によって低下した場合、金銀レシオが上昇するリスク(銀価格の上昇要因)。

・金はロングが増加、ショートが減少している。中東の緊張の高まりと長期金利の低下による実質金利の低下が金の強気ポジションに寄与している。

銀は金銀在庫レシオが再び上昇したため、対金での割安感が強まる形となっており、ロングが減少、ショートが増加。

プラチナは金価格の上昇につれる形でロングが増加、ショートが減少。パラジウムはロング・ショートとも増加しているが、ネットロングは拡大。

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが370,393枚(前週比 +28,882枚)、ショートが57,949枚(▲963枚)、ネットロングは312,444枚(+29,845枚)、銀が94,002枚(▲623枚)、ショートが43,273枚(+4,626枚)、ネットロングは50,729枚(▲5,249枚)

・直近の投機筋のポジションは、プラチナはロングが59,353枚(前週比 +813枚)、ショートが24,374枚(▲518枚)、ネットロングは34,979枚(+1,331枚)、パラジウムが16,432枚(+615枚)、ショートが3,815枚(+152枚)、ネットロングは12,617枚(+463枚)

---≪農産品≫---

【穀物市場動向総括】

シカゴ穀物市場は高安まちまち。大豆は米国が中国に対して新しい制裁を科す方針を示したことで下落、トウモロコシも小幅下落。小麦はドル安の進行で前日比プラスで引けた。

米国から中国が穀物を購入との報道があったが、これが取り消される可能性が出てきた。

【穀物価格見通し】

シカゴ穀物価格は下落すると考える。米中交渉が会陰直するとの見方があったが、米国が中国に対して新しい制裁を科す方針を示したことで輸出が減少すとの見方が強まっていることが背景。

また、米国の作柄は全く良くないものの、当初見通しよりも生産見通しが上方修正されていることも価格を押し下げるとみる。

米国の不作の影響は期末在庫の水準低下を促し、来年以降に起きる可能性が指摘されているラニーニャ発生時にその水準の低さが意識されることになるとみている(長期的には上昇の入り口か)。

小麦は例年通りだが必ず収穫時期には「足りる」ことになりそうだ。欧州の供給増加で下押し圧力が強まっている。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・米国のトウモロコシ・大豆の生産見通し上方修正による需給緩和観測。

・豪州東部の大干ばつによる小麦生産の減少懸念。

・欧州・ロシアの気温上昇に伴う小麦生産の減少懸念。

・最終確定作付け面積動向(トウモロコシは増加、大豆は減少、小麦は横ばい)トウモロコシ 9,170万エーカー(市場予想8,703万エーカー、前年8,913万エーカー)大豆 8,004万エーカー(8,468万エーカー、8,920万エーカー)小麦 4,561万エーカー(4,561万エーカー、4,780万エーカー)

・9月の米需給報告の生産見通し

トウモロコシ137億9,900万Bu(前月139億100万Bu)大豆 36億3,300万Bu(36億8,000万Bu)小麦 19億8,000万Bu(19億8,000万Bu)

・8月の米需給報告の在庫見通しトウモロコシ21億9,000万Bu(21億8,100万Bu)大豆 6億4,000万Bu(7億5,500万Bu)小麦 10億1,400万Bu(10億1,400万Bu)

(特殊要因)

・米中通商交渉は再び難航しており相互制裁強化となっている。この問題は覇権争いが根幹にあり長期化の可能性は高い(価格の下落要因)。

・エルニーニョ現象は収束したとみられるが、より北米の穀物生産に影響を与えるラニーニャ現象の発生の懸念は排除できず、特に来年以降にかけて価格が上昇する可能性があり、価格の上昇要因に。

・中国の豚コレラ被害の拡大により、飼料需要が減少した場合は価格の下落要因(逆に終息すれば上昇要因)。

(投機・投資要因)

・トウモロコシはロングが減少、ショートも減少したがネット買い越し幅を縮小させた。

大豆は米中交渉進捗期待でロングが増加、ショートが減少しているが恐らく来週はこのポジションは反転しよう。

小麦は供給懸念の後退からショートが減少、輸出需要の減速観測でロングも減少している。

・直近の投機筋のポジションは、トウモロコシはロングが359,801枚(前週比 ▲13,417枚)、ショートが401,722枚(▲10,236枚)、ネットロングは▲41,921枚(▲3,181枚)、大豆はロングが148,271枚(+4,183枚)、ショートが147,036枚(▲6,848枚)、ネットロングは1,235枚(+11,031枚)、小麦はロングが111,965枚(▲7,094枚)、ショートが103,154枚(▲2,902枚)、ネットロングは8,811枚(▲4,192枚)

◆本日のMRA's Eye


「スポットLNG価格下落の影響-その2」

では我々消費者への影響はどうか。日本で消費されるLNGは発電需要が6割、都市ガス向けの需要が4割である。

しかし、電力会社、ガス会社とも購入しているLNGはその多くが長期の安定調達を前提とする原油価格リンク(JCC=Japan Crude Cocktail)での調達となっているため、恐らく今回のスポットLNG価格低下は価格に反映されないと考えられる。

では、安いからといって購入契約をJCCからJKMなどのLNGスポットベースの契約に移行した方が、今後も安く調達できるというとそうではない。

まずスポットLNG市場の規模はまだ大きくなく、日本が購入しているLNGをすべて満たせるほどの規模があるわけではない。また、現在の長期契約を解約して、スポットLNG価格体系の長期契約に変更することを生産者が簡単に認めるとも考え難い。

また、LNGは原油以上に季節性の影響が強いため、猛暑厳冬などの影響で需要が高まると、価格が急騰することもあり得る。実際、価格が低迷していた欧州でも、フランスの原子力発電所の部品が基準を満たさない可能性がある、との報道を受けて9月10日に天然ガス価格が高騰する、ということが起きている。

仮にスポットLNG価格をベースにする調達に変更したとしても、安い状態を維持するためには先物市場やデリバティブを活用して価格を一定にしておく必要があるが、そのためには事前にやらなければならないことも多い。

商品価格の変動リスクを制御するためには、まず購入(販売)しているLNGのリスク量の把握(コストがどれぐらいの範囲で、いくらぐらい振れるのかを把握すること)、価格リスクマネジメントの方針策定、社内体制の整備、といった作業も必要になってくる。

また、具体的にLNGのスポット価格を対象とする先物やデリバティブを使うことになったとしても、まだ市場での取引流動性がまだ十分ではなく、思ったような値段で値決めができない可能性もある。

つまり、目先が安いからといった安直に契約変更や先物取引を行ったとしても、期待した効果が得られないどころかむしろコストが増えてしまうということもあり得る。

それなりに手順を踏む必要があるため、直ちに期待した効果が得られるわけではない。これは地道なコスト削減作業に時間を要することと同様だ。

しかし、LNGのスポット価格の下落は別のルートを通じて電力価格の下押しに寄与している。競合燃料である石炭価格が急落しているのだ。石炭は日本や中国をはじめとするアジアでは引き続き重要な発電用の熱源として用いられている。

欧州では、環境規制強化で石炭火力からガス火力へのシフトが進んでいるが、ガス価格が下落しているためにこの動きが加速し、構造的に石炭が不要になってきているのである。そのため、余剰石炭がジア太平洋地域に流入しており、価格が急落しているのだ。

石炭はLNGほど環境に優しくないため、欧州諸国は脱石炭を進めている。2017年11月、ボンで開催されたCOP23では、英国政府とカナダ政府がイニシアチブを取り、脱石炭火力の国際連盟(Powering Past Coal Alliance:PPCA)が発足、金融機関や保険会社などもこれに従い、石炭鉱山の開発資金供与や保険の付与などが制限され始めている。

そのため、中期的には供給不足で石炭価格には上昇圧力がかかりやすい。しかし、天然ガス価格の下落を受けて脱石炭の流れは加速し、石炭価格を低い水準に押し下げる可能性が高いと考える。

石炭価格の下落は、エネルギー以外の商品価格にも影響する。この影響が顕著に出ると考えられるのがアルミニウムだろう。アルミニウムは製造コストの4割が電力コストといわれており、電力の価格が生産コストに与える影響が大きいからだ。

また、アルミニウムの最大生産国は、発電燃料の大半を石炭に頼る、中国である。もちろん、アルミニウムの価格は、基本的には景気にけん引される需要動向と生産動向から導き出される需給バランスによって決定されることは間違いがない。

しかし、景気が減速して需要の伸びが鈍化している局面では、より生産コストが意識されるようになる。これは原油などの他の商品にも当てはまることだ。

アルミニウムの最大用途は建設需要と自動車向けの需要であるが、最大消費国である中国は住宅セクターが落ち込んでおり、自動車に関しても構造的な需要の減速に米中貿易戦争の影響が加わり、急減速している。もちろん、中国政府もこの状況を看過しているわけではなく、景気テコ入れのための政策を打ち出しているが、それが顕在化するのはまだ先になるだろう。

米中対立が簡単に解消するとは考え難く、10月末には英国がEUから無秩序離脱する可能性が排除できないことを考えると、期待需給(実際の現物需給に、市場参加者の「期待」を含めた先々の予想需要バランス)は緩和する方向にあると考えられる。

結果、当面の間、アルミニウム価格の決定要因として、石炭の価格動向が重要になってくる。グラフは2007年以降のLMEアルミキャッシュ価格と、中国の石炭価格の推移であるが、両社の間に高い相関性があることが分かる。

まとめると、中国の公共投資の動向が価格に与える影響が大きい、ということは当然としても、当面、アルミニウム価格を決定するのは石炭価格動向であり、スポットLNG価格動向であり、さらに言えば欧州の景況感であるということだ。

このように、一見関係がなさそうな商品同志の関係性は小さくはない。商品価格動向を考える際にどうしてもその商品の需給バランスがどうであるか?といった単眼的な見方になりがちだが、俯瞰して複眼的に価格動向を分析することが重要だろう。

これは、リスクを想定、分析するときにも必要な考え方であるため、事業リスクのマネジメントを行う際にも有効な考え方の1つである。

「風が吹けば桶屋が儲かる」的な思考が、市場や事業リスクを考える上では非常に重要であるといえるのではないか

◆主要ニュース


・9月東京消費者物価指数 前年比+0.4%(前月+0.6%)
 除く生鮮+0.5%(+0.7%)
 除く生鮮エネルギー+0.6%(+0.7%)

・8月独輸入物価指数 前月比▲0.6%(前月▲0.2%)、前年比▲2.1%(▲2.0%)

・1-8月期中国工業セクター利益 ▲1.7%の4兆164億元(1-7月期 ▲1.7%の3兆4,977億元)
 8月▲2.0%の5,178億元(前月+2.6%の5,127億元)

・9月ユーロ圏鉱工業景況感・消費者信頼感指数 101.7(103.1)
 鉱工業景況感:構成比率40% ▲8.8(▲5.8)
 サービス景況感 9.5(9.2)

・8月米個人所得 前月比 +0.4%(前月+0.1%)
 個人支出+0.1%(+0.5%)
 実質支出+0.1%(+0.3%)
 PCEデフレータ 前月比±0.0%(+0.2%)、前年比+1.4%(+1.4%)
 コアデフレータ 前月比+0.1%(+0.2%)、前年比+1.8%(+1.7%)
 貯蓄率 8.1%(7.8%)

・8月米製造業耐久財受注速報 前月比+0.2%(前月改定+2.0%)
 除く輸送機器+0.5%(▲0.5%)
 製造業新規受注資本財非国防除く航空▲0.2%(±0.0%)

・9月米ミシガン大学消費者マインド指数改定 93.2(速報比+1.2、前月89.8)
 現況指数 108.5(+1.6、105.3)
 先行指数 83.4(+1.0、79.9)
 1年期待インフレ率 2.8%(±0.0%、2.7%)
 5年期待インフレ率 2.4%(+0.1%、2.6%)

・フィラデルフィア連銀ハーカー総裁(投票権なし・中間派)、「先週の利下げを支持していない。」

・中国人民銀行、「中国経済は下方圧力に直面している。穏健な金融政策を維持。」

・米政権、中国株の米証券取引所への上場廃止を検討。

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・ベイカー・ヒューズ週間米国石油リグ稼働数713(前週比▲6)、 ガスリグ 146(前週比▲2)。

・サウジアラビア、イエメンの部分停戦に合意。

・エジプトで異例の2週連続デモ。シシ大統領の退任を求めて。

・イラン ロウハニ大統領、「欧州首脳から、米政府がイランとの対話のために制裁を解除する意向であると伝えられた。」トランプ大統領は、これを即座にツイッターで否定。

【メタル】
・8月日本伸銅品生産 前年比▲10.8%の5万3,457トン(前月▲3.8%の6万6,937トン)

・投資ファンド日本産業パートナーズ、神戸製鋼、三菱マテリアル、古河電気工業の銅管事業を傘下のSPCが取得。売上合計は600億円程度。

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.CBTオレンジジュース ( その他農産品 )/ +2.41%/ ▲20.22%
2.CBTエタノール ( エネルギー )/ +2.29%/ +16.85%
3.CME生牛 ( 畜産品 )/ +2.02%/ ▲15.85%
4.CME肥育牛 ( 畜産品 )/ +2.00%/ ▲3.04%
5.CME豚赤身肉 ( 畜産品 )/ +1.64%/ +7.05%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
70.SHF天然ゴム ( その他農産品 )/ ▲4.19%/ ▲4.37%
69.TCM天然ゴム ( その他農産品 )/ ▲3.78%/ ▲8.37%
68.SHF 銀 ( 貴金属 )/ ▲2.98%/ +18.90%
67.TGEトウモロコシ ( 穀物 )/ ▲2.90%/ ▲16.98%
66.銀 ( 貴金属 )/ ▲1.59%/ +13.20%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :26,820.25(▲70.87)
S&P500 :2,961.79(▲15.83)
日経平均株価 :21,878.90(▲169.34)
ドル円 :107.92(+0.09)
ユーロ円 :118.06(+0.30)
米10年債利回り :1.68(▲0.01)
独10年債利回り :▲0.57(+0.01)
日10年債利回り :▲0.24(+0.01)
中国10年債利回り :3.14(+0.01)
ビットコイン :8,060.97(▲33.15)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :27.69(▲0.35)
エネルギー :47.97(+0.3)
ベースメタル :24.85(▲1.89)
貴金属 :23.33(▲1.09)
穀物 :19.59(▲0.16)
その他農畜産品 :24.92(+0.16)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :61.13(▲0.21)
Brent :61.20(+0.08)
米天然ガス :35.29(+1.77)
米ガソリン :64.77(+0.02)
ICEガスオイル :45.76(▲0.46)
LME銅 :17.83(▲0.01)
LMEアルミニウム :11.37(+0.25)
金 :17.90(+0.22)
プラチナ :24.42(▲0.83)
トウモロコシ :24.90(▲0.21)
大豆 :17.90(+0.22)

【エネルギー】
WTI :55.91(▲0.50)
Brent :61.91(▲0.83)
Oman :62.10(▲0.44)
米ガソリン :165.14(▲0.98)
米灯油 :194.16(▲1.35)
ICEガスオイル :602.25(+9.00)
米天然ガス :2.40(▲0.02)
英天然ガス :30.65(±0.0)

【石油製品(直近限月のスワップ)】
Brent :61.91(▲0.83)
SPO380cst :315.55(▲53.32)
SPOケロシン :78.14(▲0.07)
SPOガスオイル :77.60(+0.04)
ICE ガスオイル :80.84(+1.21)
NYMEX灯油 :194.08(▲0.41)

【貴金属】
金 :1497.01(▲7.77)
銀 :17.54(▲0.28)
プラチナ :931.03(▲0.37)
パラジウム :1684.41(+15.37)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :5,743(▲49:29C)
亜鉛 :2,298(▲15:38B)
鉛 :2,077(▲40:9C)
アルミニウム :1,734(▲11:20.5C)
ニッケル :17,330(+30:80B)
錫 :16,325(▲350:0B)
コバルト :36,568(▲500)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :5762.00(+41.00)
亜鉛 :2309.50(+17.50)
鉛 :2076.00(▲17.00)
アルミニウム :1741.00(+2.00)
ニッケル :17210.00(▲35.00)
錫 :16160.00(▲240.00)
バルチック海運指数 :1,857.00(▲106.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR青島) :休場( - )
SGX鉄鉱石 :92.83(+0.11)
NYMEX鉄鉱石 :92.89(▲0.06)
NYMEX原料炭スワップ先物 :140(±0.0)
上海鉄筋直近限月 :3,692(▲53)
上海鉄筋中心限月 :3,434(▲40)
米鉄スクラップ :235(+10.00)

【農産物】
大豆 :883.00(▲5.50)
シカゴ大豆ミール :289.90(▲0.90)
シカゴ大豆油 :28.62(▲0.39)
マレーシア パーム油 :2090.00(▲17.00)
シカゴ とうもろこし :371.50(▲1.00)
シカゴ小麦 :487.25(+3.00)
シンガポールゴム :145.90(▲1.60)
上海ゴム :10515.00(▲460.00)
砂糖 :11.53(▲0.10)
アラビカ :100.90(+0.05)
ロブスタ :1321.00(+7.00)
綿花 :59.82(+0.62)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :65.28(+1.05)
シカゴ生牛 :105.03(+2.08)
シカゴ飼育牛 :144.33(+2.83)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。