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景気への懸念とドル高進行で軟調
  • MRA商品市場レポート for PRO

2019年9月19日 第1607号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「景気への懸念とドル高進行で軟調」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、引き続きその他農産品(ソフトコモディティ)や穀物などに買いが入り、エネルギーや非鉄金属などの景気循環銘柄は売られることとなった。

中国の経済統計の鈍化や中東の供給途絶懸念の後退を受けた原油価格の下落がインフレ系景気循環銘柄価格を下押しする展開が続いている。

また、商品によっては時間的に材料にできなかったものもあるが、FOMCで予想通り利下げが行われたものの、先々の利下げ見通しが中立だったため、ドル高が急速に進行したことも価格を下押しした。

【本日の価格見通し総括】

本日はFOMCの結果を受けた実質金利の上昇やドル高進行が、多くの商品価格を下押しすると考える。ただし市場はまだFRBの追加利下げを想定しており、その影響は限定されるだろう。

予定されている統計で注目しているのは米フィラデルフィア連銀指数。ISM製造業指数やGDPの先行指標であるが、市場予想は10.5(前月16.8)と大幅に減速する見込みであり、広く景気循環銘柄価格の下押し要因となる。

ただ、悪い統計であれば上述のように、市場参加者は勝手にFRBの利下げを期待するため、影響は限定されるとみる。

なお、フィラデルフィア連銀指数の先行指標であるニューヨーク連銀指数は2.0(市場予想4.0、前月4.8)と減速しているため、市場予想を下回る可能性は低くないとみている。

なお、サウジアラビア問題は生産回復が本当に10日で完了するのかはよくわからないが、徐々にポイントはサウジアラビア・米国の報復の有無に移っている。

ドローン攻撃の有効性が証明されたため、今まで以上に大規模な攻撃が安価に、簡単に行われる可能性が高まっていることは新しい種類のリスクといえるだろう。

【昨日の世界経済・市場動向のトピックス】昨日のFOMCでは予想通り▲25bpの利下げが行われた。しかしそれ以上に重要なのが、FOMCメンバーの2019年・2020年の金利見通しが中立(1.875%で据え置き)になっている点である。

別の言葉を使えば、追加利下げを想定していない、と言ことである。確かに個人消費も堅調であり、追加で利下げを行う必要が本当にあるとは思えず、妥当な判断だろう。

ただし、市場は年内後1回の追加利下げを望んでおり、この市場とFOMCとの意識の乖離が相場を混乱させることになると予想される。つまり市場が勝手に利下げを期待し、その後利下げが行われなかった場合に失望してリスク資産価格が下落する、という展開である。

次回、利下げの可能性があるとすれば恐らく12月だが、場合によるとこのタイミングで大きくインフレ系リスク資産価格が下落する可能性はあり得る。

【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】

(マクロ要因)

・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標の減速(価格下落要因)。

・世界景気の減速観測。IMFは2019年の経済見通しを引き下げ(+3.3%→+3.2%)ている。2020年は+3.5%(▲0.1%)に戻る楽観見通しであるが、米中交渉の決裂懸念など、引き続きリスクは下向きとしている。

・FRBの利下げの可能性が再び高まる。世界経済の悪化懸念を材料にFRBは利下げ方向に舵を切っている。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格の上昇要因(Q219の中国GDPは前年比+6.2%、前期+6.4%と1992年の統計発表以来の低水準となり、減速懸念が再び意識されている)。

※一方、鉱工業生産や固定資産投資などは政府の対策の影響が徐々に顕在化している形。

・2018年からインドが人口ボーナス期入りしており、構造的な需要の増加が見込めることは中長期的な価格の上昇要因。

(特殊要因)

・米中通商交渉は、相互が制裁強化を決定、さらに関係が悪化した。今後仮に進捗があったとしても、通商協議の根本解決には複数年単位の時間が必要で、その間世界経済がさらに減速する場合(下落要因)。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの強まり(下落要因)。

・中東情勢が再度緊迫していることで、域内景気への悪影響への懸念(下落要因)。可能性は低いが、サウジアラビアがイランに対して報復攻撃を行うなどのリスク(原油は上昇要因、その他の景気循環銘柄には下落要因)。

・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク。ジョンソン首相は英議会の休会を決定、ハードブレグジットはほぼメインシナリオに。また、EUにブレグジットの影響が波及するリスク(下落要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下落要因)。

・日韓対立によるハイテク分野の市場混乱や、極東地区の地政学的リスクの高まり(下落要因)。

(投機・投資要因)

・米利下げ観測の高まりで長短金利逆転状況が解消し、金融株を中心に株が上昇、リスクテイク再開で景気循環系商品価格にプラスの影響を与える場合。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油市場動向総括】

原油相場は下落した。サウジアラビアの生産が9月中に完全回復する、という見通しをサウジアラビアが示したこと、米石油統計がやや弱気な内容だったこと、FOMCの結果がタカ派と捉えられたことが材料となった。

ただし、サウジアラビアの生産能力の修復が完了したわけではなく、計画通りに修復が進まない可能性もあり、イランに対する報復行動への懸念も強いことから下値も堅かった。

【原油価格見通し】

原油価格はサウジアラビアの供給途絶長期化への過剰な懸念が後退したこと、FOMCがややタカ派でありドル高が進行していることから、下落余地を探る動きになると考える。

ただし、修復を目指すとしているが予定通りに修理が完了するかどうかは不透明であること、サウジアラビアに攻撃を行ったのが、イランである可能性も排除できず、サウジアラビアがイランに対して報復するシナリオも、可能性は低いがリスクシナリオとして意識されるため、下値も堅いと考える。

この問題は供給懸念から、武力行使の有無への懸念、あるいは類似のドローン攻撃の有無とそれに対する防衛能力に変化したといえる。

価格を下支えすると期待された米金融政策だが、現時点ではほぼ中立に戻った。景気減速に伴う緩和に関しては否定していないため引き続き価格の下支え要因ではあるが、その下支え効果はやや後退すると予想される。

【石炭市場動向総括】

石炭先物市場は小幅に下落した。冷房のピークシーズンを終了したこと、週初に発表された中国の経済統計が悪化したことで、同国向けの需要が減少するとの見方が広がったことが材料。

【石炭価格見通し】

石炭価格はピークシーズンの終了と天然ガス価格の下落、中国統計の減速を受けて低水準を維持する見込みだが、中国政府が下期の石炭輸入を控える方針とみられることから駆け込み需要が予想され、底堅い推移になると考える。

上昇していたバルチック海運指数は再び下落に転じている。これは中国の石炭輸入の制限前の駆け込み需要が顕在化していたが、ピークを迎えた可能性があることを示唆するもの。石炭輸入は通常は冬場が最盛期であるが、年後半には下落に転じよう。

8月の中国石炭生産が同じ時期の過去5年の最高となる3,160万トンと7月以降の高水準を維持、中国の国内供給も増加。中国政府は年間の石炭輸入量を2億8,000万トンに制限する目標を掲げている。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・景気が減速する中でのOPECプラスの減産継続は、その効果が限定されはするものの、足元の価格下落を受けてOPECプラスの協調減産は2020年3月まで継続される予定で、一定の下支え効果をもたらす見込み。

・産油国の財政悪化による上流投資部門投資の減速は、インドなどの新興国需要顕在化時の価格上昇要因。

・EV普及による需要の伸び鈍化を、軽量化目的の樹脂向け需要増加が相殺(世界の需要が減少を始めるのは2050年頃からか)。

・世界的な石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。価格上昇要因(石炭)。

・中国の石炭港湾在庫が増加に転じていることは、冬場の在庫減少を取り戻すための在庫積み増しの動きが強まっているためと考えられる(石炭)。

・競合燃料であるLNG価格が供給過剰で低迷していることは、石炭価格の下落要因に。

(特殊要因)

・サウジアラビアの石油施設が攻撃され、570万バレルの供給が途絶した。ただし9月末までに修復する見込みであり、足元の供給懸念は後退。

しかし、今のところ慎重な姿勢を維持しているサウジアラビアがイランに対して報復する可能性も残されており、イラン・サウジアラビアの戦争となった場合、原油価格の上昇要因に(発生の可能性は10%もないと考えられる)。

・米朝交渉が9月下旬から再開見込みであるが、制裁は継続する見込みであり北朝鮮炭の供給制限も継続されることは、価格の上昇要因(石炭)。

(投機・投資要因)

・WTI・Brentともロングが増加、ショートが減少している。景気の先行きを楽観する動きと、原油の増産ペースが鈍化していることが材料か。

・直近の投機筋のポジションは、WTIはロングが527,579枚(前週比 +18,639枚)、ショートが99,374枚(▲25,409枚)、ネットロングは428,205枚(+44,048枚)、Brentが364,217枚(前週比+37,759枚)、ショートが70,339枚(▲13,880枚)、ネットロングは293,878枚(+51,639枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属市場動向総括】

LME非鉄金属価格はまちまち。中国の経済統計の悪化を受けて同国の景気への懸念が強まっていることが価格を下押しする一方、米国時間に発表された住宅着工・許可件数が市場予想を上回る内容だったため、建材需要の増加観測が強まったことが価格を下支えした。

なお、ニッケルなどは供給への懸念が引き続き材料視されて上昇した。

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は、最大消費国である中国の経済統計の悪化を受けて、需要の減速観測が強まることから、一旦下値余地を探る動きになると予想する。

この状況下、市場は景気悪化に伴う経済対策や金融緩和期待を強めており徐々に金融相場入りする可能性が高まっていることは価格を下支えないしは押し上げることになると見る。

しかし、ニッケルに関しては、インドネシアの輸出規制が2020年1月から開始される方針が示されたことで、急速に供給懸念が強まっているため、上昇圧力がかかることになるだろう。

2014年の規制開始後を参考にすれば20,000ドルを伺う動きになると見るが、世界的な景気の減速もあって、仮にここまでの上昇があっても一時的なものにとどまると考える。

インドネシア政府の対応次第ではあるが、恐らく来年の上期(6月頃)までは供給面が材料で高値を維持し、年後半にかけては景気への懸念が意識されて水準を切り下げる展開になるとみる。

再び非鉄金属が持続的な上昇に転じるのは、インド需要が顕在化すると期待される2020年の春以降と見る。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・最大消費国である中国の製造業PMIは回復したものの閾値の50を下回り、大企業・中堅企業の景況感は悪化している(中小企業の景況感は金融緩和効果で若干改善)。新規受注/完成品在庫レシオにも低下圧力がかかっており、非鉄金属価格の下落要因に。

・1-8月期中国工業生産は前年比+5.6%(1-7月期+5.8%)、8月+4.4%(前月+4.8%)と減速(フロー需要の減速=価格下落要因)。

・1-8月期中国固定資産投資 前年比+5.5%の40兆628億元(1-7月期 前年比+5.7%の34兆8,892億元)。公的 +7.1%(+7.1%)、民間 +4.9%(+5.4%)とやはり減速。民間セクターの減速の影響は大きい(ストック需要の減速=価格下落要因)

・1-8月期中国不動産開発投資 前年比+10.5%の8兆4,589億元(1-7月期+10.6%の7兆2,843億元)と高い水準を維持してはいるが、やはり減速傾向にある。特に建材であるアルミや配電に用いられる銅の下落要因に。

・環境規制の強化で特殊需要が増加する(軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルトなど)

・中国の環境規制強化に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・亜鉛の精錬キャパシティ不足に伴う需給のタイト化。一方鉱山生産は再開しており、亜鉛精鉱需給は緩和、TCも高止まり。

・環境規制強化・米制裁の影響による石炭価格上昇が、中国の非鉄金属製造コストを高止まりさせる場合。

・インドをはじめとする新興国の構造的な需要増加(中長期的な要因)。

(特殊要因)

・中国政府が地方政府に債券発行枠の増枠を促し、シャドーバンキングを含むアンダーグラウンドな資金調達を認めてでも公共投資を進める方針を示したことは、需要面で価格の上昇要因に。

・銅の生産減少観測(環境問題によるインド、露天掘りから地下生産に変更するインドネシア)、ヴァーレの尾鉱ダム事故の影響による供給減少(アルミやニッケルなどに波及する可能性)。

ハイドロのアルノルテ アルミナ精錬所の問題に象徴されるように、広く非鉄金属を含む鉱物セクターは、環境問題への高まりから供給が政府命令で急に停止してしまう可能性は低くない。

インドネシアのニッケル未処理鉱石禁輸措置再開(銅とボーキサイトは2022年から実施の予定)。

・インドとパキスタンの対立が武力衝突に発展し、インドが人口ボーナス期の成長メリットを生かせない場合(下落要因)

・LME指定倉庫在庫の減少が、LMEの倉庫運営ルール変更に伴う保管場所変更の取引の影響である場合、ルールが見直された際に再度、LME指定倉庫在庫が急増する可能性(下落要因)。

(投機・投資要因)

・9月13日付のLMEポジションは、全ての金属でポジション解消の動きが強まった。ただし、銅とアルミに関してはショートの買い戻しがロングの解消を上回ったため、ネットロングを増加させている。

9月末の四半期末を控えたポジション解消の動きとみられる、

投機筋のLME+CME銅ネット売り越し金額は▲65.4億ドル(前週▲72.4億ドル)と売り越し幅を縮小。売り越し額の減少率は9.7%。

買い越し枚数はトン数換算ベースで▲1,791千トン(▲2,004千トン)と売り越し幅を縮小した。鉛、錫はネット買い越しを維持。ネット売り越しの減少率は10.6%。

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料市場動向総括】

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは下落、原料炭スワップ先物は下落、中国鉄鋼製品市場は高安まちまちとなった。

中国経済統計の鈍化や、豪州の週間ベースの鉄鉱石輸出が1,610万トン(前週1,830万トン)に減速したことなどが材料となった。

ブラジル9月の月初10日間の鉄鉱石輸出は145万トン/日だったが、昨年の水準(178万トン)を下回っており、依然、生産停止が影響していることが伺える。

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は、最大消費国である中国の景気減速に伴う需要の伸び鈍化に加え、欧州景気の悪化並びにブレグジットを控えた欧州需要の減速観測受け、需要面が価格を下押ししやすい環境になっている。

また、年初からの価格上昇のドライバーだったヴァーレの鉱山生産も年末にかけて回復の見込みであり、供給面でも価格は下押しされやすい。

ただしこの環境だと中国政府の公共投資が需要を下支えするとみられ、下値も堅いと予想。

原料炭も鉄鋼需要の伸びが欧州・中国を中心に減速していることから、同様に価格の上値は重くなっていている。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・直近の中国鉄鋼業PMIは44.9(前月47.9)と減速。在庫の減少で生産は50.1(48.5)と回復。

しかし新規受注は37.5(48.5)、輸出新規受注 49.5(47.8)と国内向けが急減速しており、完成品在庫は積み上がっている(完成品在庫43.7→46.7)。原材料在庫は▲4.3(0.7)と減少しているため、在庫積み増しの動きが見られる可能性は高い。

ヴァーレの供給減少は継続しているが、需要面で鉄鋼製品・鉄鉱原料の需給が緩和する可能性が出てきた。

・中国の8月の鉄鉱石輸入実績は9,485万トンと同じ時期の過去5年の最高水準を上回った。生産調整や年初の鉄鋼製品価格の上昇を受けた増産で在庫水準が低下したことによる、在庫の再積み増しの動きであり、需要の回復に伴う輸入増加である可能性は高くない。

石炭も輸入は過去5年の最高水準を上回り、8月は3,300万トン。ただしこちらも冬場の生産調整や、今年も輸入制限が行われる可能性が高いことを背景とした、前倒し輸入と考えられる。

・1-8月期中国工業生産は前年比+5.6%(1-7月期+5.8%)、8月+4.4%(前月+4.8%)と減速(フロー需要の減速=価格下落要因)。

・1-8月期中国固定資産投資 前年比+5.5%の40兆628億元(1-7月期 前年比+5.7%の34兆8,892億元)。公的 +7.1%(+7.1%)、民間 +4.9%(+5.4%)とやはり減速。民間セクターの減速の影響は大きい(ストック需要の減速=価格下落要因)

・1-8月期中国不動産開発投資 前年比+10.5%の8兆4,589億元(1-7月期+10.6%の7兆2,843億元)と高い水準を維持してはいるが、やはり減速傾向にある。特に建材であるアルミや配電に用いられる銅の下落要因に。

・中国の鉄鋼製品在庫水準の高さは価格の下落要因。鉄鋼製品在庫は前週比▲56.8万トンの1,203.4万トン(過去5年平均1,046.8万トン)と例年を大きく上回っている。

中国の鉄鉱石港湾在庫は前週比▲180万トンの1億2,490万トン(過去5年平均1億1,531万トン)、在庫日数は▲0.4日の26.2日(過去5年平均 28.1日)と在庫日数ベースでは例年の水準を下回った状態が続いており、ファンダメンタルズ面で鉄鉱石価格を下支えするとみる。

・長期的には人口ボーナス期入りしているインドが、すでにインフラ整備のための投資拡大方針(5年で約160兆円)を示しており、鉄鋼製品・鉄鉱石価格を押し上げ。

・ヴァーレ、リオ・ティントの生産目標引き下げによる供給減速。

(特殊要因)

・中国政府がシャドーバンキングを含む金融市場の緩和を進めているほか、地方政府にも債券発行枠の拡大を認めるなど、景気テコ入れのため公共投資を進める方針を示したことは価格の上昇要因。

・世界的に広がる環境規制強化の流れで、鉄鉱石や原料炭などの生産に一定の影響が起きる場合。

ヴァーレの尾鉱ダム事故の影響で、今後、低品位鉱石価格にも上昇圧力がかかる公算。

(投機・投資要因)

・特になし。

---≪貴金属≫---

【貴金属市場動向総括】

金銀価格は下落した。FOMCは予想通り利下げが行われたが、先行き見通しに関しては意見が分かれ、年内利下げ見通しがほぼ中立となったことで実質金利が上昇したことが価格を押し下げた。

また、中東情勢不安が一旦鎮静化した、と見られたことも価格を押し下げた。

PGMもお金銀価格の下落に押される形で水準を切り下げている。

【貴金属価格見通し】

金価格はFOMCの結果を受けて実質金利に上昇圧力がかかるため、軟調な推移になると考える。ただし、FRBの金利見通しが年内の利下げが行われないことを示唆するものであったが、引き続き市場は▲25bp程度の追加利下げを期待しており、利下げ「期待」が価格を下支えすると考える。

中東における最悪シナリオは、イランとサウジアラビアの武力衝突だが、これは現時点では発生可能性の低いリスクシナリオとの位置づけ(10%もないとみる)。

なお、米中貿易交渉が10月で妥結するとは思えず、もっと言えば開催されることに関しても、「?」が付く中、引き続き安直に売買材料になる状態が続くと考える。

銀価格は金銀在庫レシオ(銀在庫÷金在庫)が再び低下を始めており、金銀レシオの低下(銀は対金で割高に)を肯定する状況になっている。ただし一連の割安感修正は終了しているとみられ、今後は金価格と連動した推移となるだろう。

PGM価格は金銀価格が高値圏でもみ合うことが基準価格を高止まりさせるが、景気の先行き懸念とそれを受けた経済対策期待で株価が乱高下するとみられるため、神経質な推移になると予想する。

しかし、中国の自動車販売が14ヵ月連続のマイナスとなるなど、需給ファンダメンタルズ面は強くはない。結果的に中国政府は自動車購入にかかわる規制を緩和する方針を示しているが、影響は限定されるのではないか。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・FRB・ECBの金融緩和期待が高まっているが、FRBは9月のFOMCで▲25bpの利下げを実施。ただし追加利下げには否定的なスタンスであり、下支え効果は限定か。

・景気の先行きを懸念した株価下落とそれに伴う長期金利・実質金利の低下(金銀価格の上昇要因)。ただし、欧州の政情安定化や米中貿易戦争の合意、各国の金融緩和などを背景とする景況感の改善で株価が上昇した場合には金銀価格の下落要因。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

・排ガス規制強化に伴うパラジウムへのシフト観測(プラチナがパラジウムを代替するにはまだ時間を要する)。

・パラジウム需要増加に伴うPGMの増産により、結果的にプラチナが供給過剰となり価格の下落要因に(プラチナ)。

パラジウムはニッケルやプラチナ鉱山からの副産物としての生産が大半(80%)であり、プラチナ価格が低迷する中では増産されにくい、

(特殊要因)

・米中通商交渉が進捗する可能性が出てきていることは、目先の売り材料となっている。しかし、この交渉自体は中国の知的財産権侵害や技術の強制移転などの解決が最終目標であり、長期化の見込み(価格の下支え要因)。

・サウジアラビアに対するイランの攻撃(と米・サウジは発表)を受けて中東での武力衝突の可能性が排除できなくなっていることは、金銀価格の上昇要因。

・イタリアの政局・財政不安。

・英国のEU離脱がハードになる可能性が高いこと、それに伴いスコットランドの独立話が再燃していること、それがスペインのカタルーニャ地方に波及する懸念があることは安全資産需要を高める。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加。

(投機・投資要因)

・銀価格は金銀在庫レシオが銀在庫の減少、ないしは金在庫の増加、あるいは両要因によって低下した場合、金銀レシオが上昇するリスク(銀価格の上昇要因)。

・金はロング・ショートとも減少。地政学的リスクの後退でリスク回避ポジションの解消が進んだ。

・プラチナ・パラジウムは総じてネットロングを増加させており、リスク回避ポジションの巻き戻しの逆の影響を受けた。

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが334,114枚(前週比 ▲31,271枚)、ショートが64,389枚(▲449枚)、ネットロングは269,725枚(▲30,822枚)、銀が100,413枚(▲4,564枚)、ショートが40,182枚(▲2,670枚)、ネットロングは60,231枚(▲1,894枚)

・直近の投機筋のポジションは、プラチナはロングが58,545枚(前週比 +668枚)、ショートが23,626枚(▲1,092枚)、ネットロングは34,919枚(+1,760枚)、パラジウムが15,118枚(+735枚)、ショートが3,497枚(+185枚)、ネットロングは11,621枚(+550枚)

---≪農産品≫---

【穀物市場動向総括】

シカゴ穀物市場はまちまち。トウモロコシは中東の緊張がまだ続き、原油価格が高止まりしていることが材料となった(詳しくは2019年9月18日付のMRA's Eyeをご参照ください)。小麦はトウモロコシにつれ高。

大豆はFOMCの結果を受けた、急速なドル高進行を受けて水準を切り下げた。

【穀物価格見通し】

シカゴ穀物価格は下落すると考える。FOMCは予想通り利下げが行われたものの、年内の利下げ見通しが後退したことでドル高が進行すると考えられるため(ただし市場はまだ追加利下げを期待しており、影響は限定か)。

また、米国の作柄は全く良くないものの、当初見通しよりも生産見通しが上方修正されていることや、中国の米国に対する農産品への課税強化方針に変化がないこともシカゴ需給を緩和させると見る。

米国の不作の影響は期末在庫の水準低下を促し、来年以降に起きる可能性が指摘されているラニーニャ発生時にその水準の低さが意識されることになるとみている(長期的には上昇の入り口か)。

小麦は例年通りだが必ず収穫時期には「足りる」ことになりそうだ。欧州の供給増加で下押し圧力が強まっている。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・米国のトウモロコシ・大豆の生産見通し上方修正による需給緩和観測。

・豪州東部の大干ばつによる小麦生産の減少懸念。

・欧州・ロシアの気温上昇に伴う小麦生産の減少懸念。

・最終確定作付け面積動向(トウモロコシは増加、大豆は減少、小麦は横ばい)トウモロコシ 9,170万エーカー(市場予想8,703万エーカー、前年8,913万エーカー)大豆 8,004万エーカー(8,468万エーカー、8,920万エーカー)小麦 4,561万エーカー(4,561万エーカー、4,780万エーカー)

・9月の米需給報告の生産見通し

トウモロコシ137億9,900万Bu(前月139億100万Bu)大豆 36億3,300万Bu(36億8,000万Bu)小麦 19億8,000万Bu(19億8,000万Bu)

・8月の米需給報告の在庫見通しトウモロコシ21億9,000万Bu(21億8,100万Bu)大豆 6億4,000万Bu(7億5,500万Bu)小麦 10億1,400万Bu(10億1,400万Bu)

(特殊要因)

・米中通商交渉は再び難航しており相互制裁強化となっている。この問題は覇権争いが根幹にあり長期化の可能性は高い(価格の下落要因)。

・エルニーニョ現象は収束したとみられるが、より北米の穀物生産に影響を与えるラニーニャ現象の発生の懸念は排除できず、特に来年以降にかけて価格が上昇する可能性があり、価格の上昇要因に。

・中国の豚コレラ被害の拡大により、飼料需要が減少した場合は価格の下落要因(逆に終息すれば上昇要因)。

(投機・投資要因)

・トウモロコシはロング・ショートとも増加してネットロングは減少した。大豆はロングが減少、ショートが増加し、弱気なポジションに転じた。米中交渉の進捗期待がやや後退したため。小麦はロングが増加、ショートが減少。

・直近の投機筋のポジションは、トウモロコシはロングが378,327枚(前週比 +14,294枚)、ショートが385,805枚(+42,784枚)、ネットロングは▲7,478枚(▲28,490枚)、大豆はロングが135,730枚(▲11,248枚)、ショートが182,357枚(+10,395枚)、ネットロングは▲46,627枚(▲21,643枚)、小麦はロングが121,056枚(+6,487枚)、ショートが111,727枚(▲2,906枚)、ネットロングは9,329枚(+9,393枚)

◆主要ニュース


・8月日本貿易収支季節調整前 ▲1,363億円の赤字(前月▲2,507億円の赤字)

 輸出 前年比▲8.2%の6兆1,410億円(▲1.5%の6兆6,434億円)
 輸入▲12.0%の6兆2,773億円(▲1.2%の6兆8,941億円)

 米国向け
  輸出 ▲4.4%の1兆1,904億円(+8.4%の1兆3,555億円)
  輸入▲9.2%の7,184億円(+3.6%の7,765億円)

 欧州向け
  輸出▲1.3%の7,093億円(+2.2%の7,840億円)
  輸入▲2.3%の7,881億円(▲4.3%の8,519億円)

 アジア向け
  輸出▲10.9%の3兆3,388億円(▲8.3%の3兆4,618億円)
  輸入▲10.0%の2兆8,954億円(+1.0%の3兆2,738億円)

 中国向け
  輸出▲12.1%の1兆2,001億円(▲9.3%の1兆2,291億円)
  輸入▲8.5%の1兆4,168億円(+2.8%の1兆6,128億円)

・8月欧州新車登録台数 欧州合計 前年比▲8.6%の1,074,1698台(前月+1.2%の1,330,226台)
 年初来 ▲3.2%の10,830,899台(▲2.5%の10,010,195台)

・7月ユーロ圏建設業生産高 前月比▲0.7%(前月+0.6%)、前年比+0.9%(+0.9%)

・8月米住宅着工件数 前月比+12.3%の136.4万戸(前月改定▲1.5%の121.5万戸)

・8月米住宅建設許可件数 前月比+7.7%の141.9万戸(前月改定+6.9%の131.7万戸)

・FOMC、政策金利であるFFレートの誘導目標を▲25bp引き下げ、1.75%~2.00%に。超過準備預金金利への付利も▲30bp引き下げ1.80%に。

・FRBパウエル議長、「▲25bpの利下げは米景気のリスクへの保険。景気が悪化すれば利下げもあり得る。現時点では連続利下げは考えていない。短期金利の急上昇は、FRBの資産圧縮で銀行の余裕資金が減少したことが背景。これに対応するため、昨日と今日、翌日物レポ取引を実施した。マイナス金利採用を検討することは考えていない、」

・イスラエル総選挙、与野党とも過半数維持が困難との見方。

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・DOE米石油統計
 原油+1.1MB(クッシング▲0.6MB)
 ガソリン+0.8MB
 ディスティレート+0.4MB
 稼働率▲3.9%

 原油・石油製品輸出 8,341KBD(前週比+160KBD)
 原油輸出 3,138KBD(+93KBD)
 ガソリン輸出 712KBD(+4KBD)
 ディスティレート輸出 1,400KBD(▲22KBD)
 レジデュアル輸出 228KBD(+10KBD)
 プロパン・プロピレン輸出 977KBD(+86KBD)
 その他石油製品輸出 1,659KBD(▲13KBD)

・サウジアラビア、「イラン支援の攻撃だったことに疑問の余地はない。」

・米ポンペオ国務長官、「サウジの施設はイランが攻撃した。イラン抑止へ同盟国と連携に取り組んでいる。」

・イラン、アラムコ設備への攻撃の関与を否定。

・米トランプ大統領、「現時点ではイランのロウハニ大統領との会談を望まない。」制裁の強化を指示。

・ムハンマド皇太子、「原油生産は10日で完全復旧を見込む。」

【メタル】
・8月中国精錬銅生産 前年比+51千トンの800千トン(前月 801千トン

・8月中国精錬亜鉛生産 前年比+97千トンの528千トン(前月 512千トン)

・8月中国精錬鉛生産 前年比+71千トンの484千トン(前月 472千トン)

・8月中国プライマリアルミ生産 前年比+133千トンの2,970千トン(前月 2,984千トン)

・8月中国銅製品生産 前年比+215千トンの1,698千トン(前月 1,685千トン)

・8月中国アルミ製品生産 前年比▲0.12百万トンの4.26百万トン(前月 4.25百万トン)

・8月中国銅スクラップ生産 前年比+15千トンの170千トン(前月 170千トン)

・8月中国鉛スクラップ生産 前年比±0.0千トンの129.4千トン(前月 129.4千トン)

・ILZSG、1-7月期 精錬鉛総生産量6.626千トン(6,594千トン)。精錬鉛需要6,673万トン(6,629千トン)。▲47千トンの供給不足。

・ILZSG、1-7月期 精錬亜鉛総供給量7,752千トン(7,598千トン)。精錬亜鉛需要7,858千トン(7,768千トン)。精錬亜鉛は▲106ト
ンの供給不足。

・WBMS、1-7月期プライマリアルミ 需給▲65.1万トンの供給不足、生産3,584.9万トン、需要 3,650万トン。

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.CME木材 ( その他農産品 )/ +1.51%/ +14.89%
2.CME豚赤身肉 ( 畜産品 )/ +1.33%/ +3.20%
3.LME鉛 3M ( ベースメタル )/ +1.12%/ +3.53%
4.CBT小麦 ( 穀物 )/ +1.08%/ ▲2.73%
5.CME生牛 ( 畜産品 )/ +1.03%/ ▲19.57%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
70.ICE欧州天然ガス ( エネルギー )/ ▲7.52%/ ▲46.83%
69.TCMガソリン ( エネルギー )/ ▲3.97%/ +21.12%
68.TCM灯油 ( エネルギー )/ ▲3.77%/ +9.46%
67.TGE小豆 ( 穀物 )/ ▲3.64%/ ▲6.62%
66.欧州排出権 ( 排出権 )/ ▲2.90%/ +2.87%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :27,147.08(+36.28)
S&P500 :3,006.73(+1.03)
日経平均株価 :21,960.71(▲40.61)
ドル円 :108.45(+0.32)
ユーロ円 :119.62(▲0.11)
米10年債利回り :1.80(▲0.01)
独10年債利回り :▲0.51(▲0.04)
日10年債利回り :▲0.18(▲0.03)
中国10年債利回り :3.12(+0.02)
ビットコイン :10,196.93(▲53.37)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :28.15(+0.07)
エネルギー :47.39(+0.38)
ベースメタル :25.86(▲0.05)
貴金属 :24.13(+0.13)
穀物 :19.79(▲0.24)
その他農畜産品 :25.61(+0.11)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :62.05(+0.57)
Brent :60.73(+0.35)
米天然ガス :31.51(+0.64)
米ガソリン :64.37(+0)
ICEガスオイル :47.32(+0.5)
LME銅 :16.79(▲0.37)
LMEアルミニウム :11.32(▲0.01)
金 :18.68(+0.21)
プラチナ :26.73(+0.56)
トウモロコシ :25.90(▲0.51)
大豆 :18.68(+0.21)

【エネルギー】
WTI :58.11(▲1.23)
Brent :63.60(▲0.95)
Oman :62.88(▲1.22)
米ガソリン :165.77(▲1.74)
米灯油 :197.33(▲1.63)
ICEガスオイル :609.00(▲11.00)
米天然ガス :2.64(▲0.03)
英天然ガス :32.47(▲2.64)

【石油製品(直近限月のスワップ)】
Brent :63.60(▲0.95)
SPO380cst :371.92(▲44.98)
SPOケロシン :79.73(▲0.09)
SPOガスオイル :78.65(+0.03)
ICE ガスオイル :81.74(▲1.48)
NYMEX灯油 :197.06(▲0.77)

【貴金属】
金 :1494.00(▲7.38)
銀 :17.76(▲0.26)
プラチナ :931.69(▲9.53)
パラジウム :1591.45(▲7.98)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :5,780(▲17:35C)
亜鉛 :2,320(▲24:1B)
鉛 :2,067(▲2:13C)
アルミニウム :1,782(+3:31C)
ニッケル :17,120(+170:110B)
錫 :16,850(+110:0B)
コバルト :36,117(▲6)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :5805.00(▲10.50)
亜鉛 :2321.00(▲23.50)
鉛 :2081.50(+23.00)
アルミニウム :1792.00(▲1.00)
ニッケル :17200.00(+155.00)
錫 :16885.00(+80.00)
バルチック海運指数 :2,283.00(▲28.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR青島) :休場( - )
SGX鉄鉱石 :93.95(▲0.62)
NYMEX鉄鉱石 :93.97(▲0.06)
NYMEX原料炭スワップ先物 :144(±0.0)
上海鉄筋直近限月 :3,817(▲10)
上海鉄筋中心限月 :3,513(▲27)
米鉄スクラップ :240(▲4.00)

【農産物】
大豆 :888.75(▲5.00)
シカゴ大豆ミール :291.60(▲2.50)
シカゴ大豆油 :29.87(+0.02)
マレーシア パーム油 :2199.00(▲14.00)
シカゴ とうもろこし :371.25(+3.25)
シカゴ小麦 :489.50(+5.25)
シンガポールゴム :149.50(▲1.60)
上海ゴム :11105.00(▲100.00)
砂糖 :11.00(+0.06)
アラビカ :96.85(±0.0)
ロブスタ :1302.00(+6.00)
綿花 :59.36(▲0.76)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :62.93(+0.83)
シカゴ生牛 :100.38(+1.03)
シカゴ飼育牛 :139.88(+0.70)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容
赦ください。