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引き続きポジション調整が主体で高安まちまち
  • MRA商品市場レポート for PRO

2019年8月22日 第1592号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「引き続きポジション調整が主体で高安まちまち」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市況はエネルギーセクターに買戻しがはいり、非景気循環系商品が物色され、非鉄金属などの中国が最大需要国である商品が売られる流れが続いた。

ただしどちらかといえば、ジャクソンホールを控えたポジション調整の色彩が強い。

【本日の価格見通し総括】

本日からジャクソンホールのタウンミーティングが始まる。FRBパウエル議長の講演は米国時間の23日(日本時間の24日)の予定。

トランプ大統領は▲1%の利下げを要求しているが、現時点でそこまでの利下げが必要なほど、米国経済は減速しているわけではない。ただし市場は完全な「催促相場」になっており、9月の▲0.5%の利下げとその後の追加利下げを示唆する発言がなければ売られることになるだろう。

米当局者は「過剰な要求」をすることが株価を押し上げるものの、そうならなかった時の株への影響は無視できないことをあまり理解しているようには見えない。

本日は景況感を探る上で重要な製造業PMIが発表される。独製造業PMIは43.0(前月43.2)、ユーロ圏製造業PMIは46.2(46.5)、米製造業PMIは50.5(50.4)と、米国以外は減速の見込みである。

恐らくこれによってドル高が進行するため多くの商品価格にはマイナスに作用するだろう。

【昨日の世界経済・市場動向のトピックス】

日韓外相会談が開催されたが、予想通り何ら進捗が見られなかった。GSOMIAの期限延長に関しても決定を先送り、ギリギリまで日本にプレッシャーをかける戦略のようだ。

こればかりか、日本からの輸入品に対する放射線の検査を厳格化する方針も示している。明らかに日本の輸出方針の見直しに対する報復である。

恐らく文在寅大統領が在任期間中は現在の日本に対する対応は、変化することはないだろう。現在の韓国政権の政策は韓国経済に-であることは間違いがないが、この状態においても「反日的な活動をすることで文在寅大統領から褒められる」と考える閣僚が、経済合理性を無視した行動を取るリスクが高まっていることを意識するべき段階に差し掛かっていると考えている。

さすがに政権側から指摘されたために撤回したが、韓国の公的年金のトップが「戦犯企業」である日本企業の株を売却するべきだ、と発言したのはこの良い例で、仮にそうなった場合、株式市場の波乱要因となる。

また、日本製品のボイコットや、それに伴う日本向けの航空路線削減も韓国経済の下押し要因となり、株価は下落しほかの国と同様、支持率低下につながる。

こうなると、国内の求心力を高めるためにさらに反日行動を強めることになり、事態がさらに悪化することになる。通常、政治と経済は切り離して考えるべきであるが、それができる状況にない。

そんなことにはならないだろう、と考えていたが韓国発の金融不安のリスクは無視できない状況に差し掛かりつつあるといえるだろう。

【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】

(マクロ要因)

・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標再びの減速(価格下落要因)。

・世界景気の減速観測。IMFは2019年の経済見通しを引き下げ(+3.3%→+3.2%)ている。2020年は+3.5%(▲0.1%)に戻る楽観見通しであるが、米中交渉の決裂懸念など、引き続きリスクは下向きとしている。

・FRBの利下げの可能性が再び高まる。世界経済の悪化懸念を材料にFRBは利下げ方向に舵を切っている。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格の上昇要因(Q219の中国GDPは前年比+6.2%、前期+6.4%と1992年の統計発表以来の低水準となり、減速懸念が再び意識されている)。

※一方、鉱工業生産や固定資産投資などは政府の対策の影響が徐々に顕在化している形。

・2018年からインドが人口ボーナス期入りしており、構造的な需要の増加が見込めることは中長期的な価格の上昇要因。

(特殊要因)

・米中通商協議が再開されたが逆に、相互の制裁強化となってしまった。今後、仮に進捗があったとしても、通商協議の根本解決には複数年単位の時間が必要で、その間世界経済がさらに減速する場合(下落要因)。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの強まり(下落要因)。

・中東情勢の悪化を受けた域内景気の混乱と、それを受けた欧州景気への悪影響拡大(下落要因)

・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク。ジョンソン首相は「何が何でも10月末に離脱」としており、首相就任後の発言もハードブレグジットを前提としており、その可能性はさらに高まった(下落要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下落要因)。

・日韓対立によるハイテク分野の市場混乱や、極東地区の地政学的リスクの高まり(下落要因)。

(投機・投資要因)

・米利下げ観測の高まりで長短金利逆転状況が解消し、金融株を中心に株が上昇、リスクテイク再開で景気循環系商品価格にプラスの影響を与える場合。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油市場動向総括】

原油相場は上昇後下落した。株価が戻りを試す中で割安感からの買戻しがはいったが、米石油統計で石油製品在庫が増加したことを受けて需給緩和観測が広がったため。

ただし、どちらかといえばジャクソンホールを控えた調整、との整理が適切だろうか。

【原油価格見通し】

原油価格は、各国の経済対策や金融緩和観測を背景に一旦反発するものの、中期的な視点では軟調な推移は続くものと考える。直近の中国の経済統計は減速感が鮮明となっており、米国の経済統計は強弱まちまちであるが、景気の減速を反転させるほどの対策が打てる余力があるわけではない。チャート的にもまだ下値を試してもおかしくない状況。

市場の注目は世界的な金融緩和動向に移っており、相場は金融相場に差し掛かっていると考える。今後は結果的に金融政策の価格への影響が大きくなり、価格への影響が無視できなくなると予想。

イラン問題の終息は、イラン・米国とも自身から歩み寄って解決するとは考えにくく、第三者の仲介が必要と考えられる。恐らく欧州かオマーンなどの仲介によって来年の米大統領選挙開始前までに問題が終息する、というのが「希望的観測を含めた」メインシナリオである。

【石炭市場動向総括】

石炭先物市場は下落した。特段目立った材料がない中、米中通商協議の先行きを慎重に見極めたいとする動きが強く、株の調整や市場参加者のリスク回避姿勢が強まったため。

【石炭価格見通し】

石炭価格はピークシーズンということもあり、貿易統計の内容を受けて一旦買戻しがはいるものと考える。しかし、米中対立が深まっていること、LNG価格の大幅下落が需要面で価格を下押しするため、上昇余地も限定されると考える。

また、7月の中国石炭生産が過去5年の最高となる3億2,23万トンに達するなど、中国の国内供給が増加していること、中国政府は年間の石炭輸入量を2億8,000万トンに制限する目標を掲げていること、中国の6大電力会社の石炭在庫も高水準であることを勘案すると、中国の石炭輸入が今後も増加するという展開は考え難い。

ただ、バルチック海運指数が再び上昇しており、価格が下落していることもあって石炭輸入の制限前の駆け込み需要の顕在化が価格を支える可能性はある。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・景気が減速する中での減産継続は、その効果が限定されはするものの、足元の価格下落を受けてOPECプラスの協調減産は2020年3月まで継続される予定で、一定の下支え効果をもたらす見込み。

・産油国の財政悪化による上流投資部門投資の減速は、インドなどの新興国需要顕在化時の価格上昇要因。

・EV普及による需要の伸び鈍化を、軽量化目的の樹脂向け需要増加が相殺(需要が減少を始めるのは2050年頃からか)。

・世界的な石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。価格上昇要因(石炭)。

・中国の石炭港湾在庫が増加に転じていることは、冬場の在庫減少を取り戻すための在庫積み増しの動きが強まっているためと考えられる(石炭)。

(特殊要因)

・米国とイランの関係はこの20年で最悪の状態。両国の国力を減ずる戦争のリスクは依然低いとみるが、現状では開戦の可能性も完全に否定できない状態。

・米朝首脳会談が電撃的に開催されたが、制裁は継続する見込みであり北朝鮮炭の供給制限も継続されることは、価格の上昇要因(石炭)。

(投機・投資要因)

・WTIはロングが増加、ショートが減少。米経済が思ったほど減速しておらず、今後金融緩和が政府の圧力で行われるとの見方が強まっていることが背景。

Brentはロングが減少、ショートが増加した。景気の先行き懸念とOPECの足並みの乱れを懸念したポジション取りとなっている。

・直近の投機筋のポジションは、WTIはロングが547,040枚(前週比 +6,116枚)、ショートが164,896枚(▲387枚)、ネットロングは382,144枚(+6,503枚)、Brentが309,056枚(前週比▲26,873枚)、ショートが82,289枚(+9,860枚)、ネットロングは226,767枚(▲36,733枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属市場動向総括】

LME非鉄金属価格は軟調な推移となった。米中通商協議の進捗期待はあるものの、ドル高が進行したことや中国の景気減速への懸念が強いことが材料となっている。

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は、最大消費国である中国の統計減速を受けて軟調な推移になると考える。しかし、投機の売り越しが拡大しているためテクニカルには買戻し圧力が強まりやすいこと、金融緩和や財政出動などの経済対策への期待が高まると予想されることから。

中国製造業PMIの改善は大企業に限られており、中堅・中小企業の景況感はまだ回復しておらず、世界の景気が(主に循環的に)下りのエスカレーターに乗る中で需要見通しが減速、経済対策期待はあるものの、対策の効果が永続的ではないと予想されることから、中期的にも価格は下値余地を探りやすい。

10月末の英国のEU離脱もハードなものになる可能性が高いことも、一時的に価格を押し下げよう。

再び持続的な上昇に転じるのは、中国の公共投資が顕在化する年後半か、インド需要が顕在化すると期待される2020年の春以降と見る。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・最大消費国である中国の製造業PMIは回復したものの閾値の50を下回り、中堅・中小企業の景況感は悪化している。ただし新規受注の増加と在庫の小幅な減少で、新規受注/完成品在庫レシオ、新規受注/原材料在庫レシオが小幅に上昇しており、非鉄金属価格の上昇要因に。

・1-7月期の中国工業生産は前年比+5.8%(1-6月期+6.0%)、7月+4.8%(前月+6.3%)と減速(フロー需要の減速=価格下落要因)。

・1-7月期の中国固定資産投資は前年比+5.7%の34兆8,892億元(1-6月期+5.8%の29兆9,100億元)、公的 +7.1%(+6.9%)、民間 +5.4%(+5.7%)とやはり減速。民間セクターの減速の影響は大きい(ストック需要の減速=価格下落要因)

・1-7月期中国不動産開発投資は前年比+10.6%の7兆2,843億元(1-6月期+10.9%の6兆1,609億元)と高い水準を維持してはいるが、やはり減速傾向が強く、特に建材であるアルミや配電に用いられる銅の下落要因に。

・環境規制の強化で特殊需要が増加する(軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルトなど)

・中国の環境規制強化に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・亜鉛の精錬キャパシティ不足に伴う需給のタイト化。一方鉱山生産は再開しており、亜鉛精鉱需給は緩和、TCも高止まり。

・環境規制強化・米制裁の影響による石炭価格上昇が、中国の非鉄金属製造コストを高止まりさせる場合。

・インドをはじめとする新興国の構造的な需要増加(中長期的な要因)。

(特殊要因)

・中国政府がシャドーバンキングを含む、違法な資金調達を認めてでも公共投資を進める方針を示したことは、需要面で価格の上昇要因に。

・銅の生産減少観測(環境問題によるインド、露天掘りから地下生産に変更するインドネシア)、ヴァーレの尾鉱ダム事故の影響による供給減少(アルミやニッケルなどに波及する可能性)。

ハイドロのアルノルテ アルミナ精錬所の問題に象徴されるように、広く非鉄金属を含む鉱物セクターは、環境問題への高まりから供給が政府命令で急に停止してしまう可能性は低くない。

インドネシアのニッケル未処理鉱石輸出再開の可能性(2022年に実際に行われれば上昇要因に)。

・LME指定倉庫在庫の減少が、LMEの倉庫運営ルール変更に伴う保管場所変更の取引の影響である場合、ルールが見直された際に再度、LME指定倉庫在庫が急増する可能性(下落要因)。

(投機・投資要因)

・8月9日付のLMEポジションは、まちまち。銅・ニッケルはロング・ショートとも増加したが、ショートの増加が大きくネット売り越し。

亜鉛とアルミは中国の景気減速懸念が意識されたか、ロングの減少とショートの増加が確認されている。鉛はロング・ショートとも減少しているが気温上昇が意識されたか、ショートの買戻しが顕著。

投機筋のLME+CME銅ネット売り越し金額は▲79.3億ドル(前週▲55.6億ドル)と売り越し幅を再び拡大。売り越し額の増加率は42.7%。

買い越し枚数はトン数換算ベースで▲2,085千トン(前週▲1,507千トン)と売り越し幅を拡大。鉛、錫以外はトン数ベースでネット売り越しのまま。亜鉛は再びネット売り越しに転じた。ネット売り越しの増加率は38.8%。

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料市場動向総括】

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは下落、原料炭スワップ先物は横ばい、中国鉄鋼製品市場は下落した。

鉄鋼製品在庫の積み上がり傾向を受けて製品需給緩和観測が台頭、ヴァーレの供給減少は続いているものの、需要面が強く意識されている。

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は需要減速観測が強まる中で下押し圧力がかかりやすい状況が続くが、バルチック海運指数を見るに、再び鉄鋼原料の在庫積み増しの動きが見られるため一時的に強含む展開を予想する。

ただし中国の景気は減速しており、経済対策への期待はあるものの中期的には価格は下押しされると予想する。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・直近の中国鉄鋼業PMIは47.9(前月48.2)と悪化した。主に新規受注(国内向け)が減速したことによるもの。またバルチック海運指数の押し上げに寄与していた原材料在庫も水準が切り上がり、完成品在庫も増加基調にある。

ヴァーレの供給減少は継続しているが、需要面で鉄鋼製品・鉄鉱原料の需給が緩和する可能性が出てきた。

・1-7月期の中国工業生産は前年比+5.8%(1-6月期+6.0%)、7月+4.8%(前月+6.3%)と減速(フロー需要の減速=価格下落要因)。

・1-7月期の中国固定資産投資は前年比+5.7%の34兆8,892億元(1-6月期+5.8%の29兆9,100億元)、公的 +7.1%(+6.9%)、民間 +5.4%(+5.7%)とやはり減速。民間セクターの減速の影響は大きい(ストック需要の減速=価格下落要因)

・1-7月期中国不動産開発投資は前年比+10.6%の7兆2,843億元(1-6月期+10.9%の6兆1,609億元)と高い水準を維持してはいるが、やはり減速傾向が強く、特に建材であるアルミや配電に用いられる銅の下落要因に。

・中国の鉄鋼製品在庫水準の高さは価格の下落要因。鉄鋼製品在庫は前週比▲23.4万トンの1,342.8万トン(過去5年平均1,018.8万トン)と例年を大きく上回っている。

中国の鉄鉱石港湾在庫は前週比+65万トンの1億2,315万トン(過去5年平均1億1,688万トン)、在庫日数は+0.1日の26.0日(過去5年平均 29.9日)と例年の水準を下回った状態が続いている。

絶対水準の増加は続いているが、まだ在庫日数ベースでは例年を大きく下回っている。ファンダメンタルズ面で鉄鉱石価格を下支えしよう。

・長期的には人口ボーナス期入りしているインドが、すでにインフラ整備のための投資拡大方針を示しており、鉄鋼製品・鉄鉱石価格を押し上げ。

・ヴァーレ、リオ・ティントの生産目標引き下げによる供給減速。

(特殊要因)

・中国政府がシャドーバンキングを含む、違法な資金調達を認めてでも公共投資を進める方針を示したことは価格の上昇要因。

・ヴァーレの尾鉱ダム決壊の影響が拡大し、さらに供給減少が起きた場合(自社・他社ともにあり得る)、価格の上昇要因に。

ヴァーレの尾鉱ダム事故の影響で、今後、低品位鉱石価格にも上昇圧力がかかる公算。

(投機・投資要因)

・供給懸念などを通じて大連取引所は建玉を積み増しながら、価格を切り上げており、先々の下落リスクは高まっている状況。

---≪貴金属≫---

【貴金属市場動向総括】

金銀価格は乱高下した結果、前日比マイナスで引けた。株価の上昇とそれに伴う長期金利の上昇が実質金利を押し上げたため。

PGMはプラチナにテクニカルな買戻しが入り上昇、パラジウムは景気への懸念から金銀価格の下落もあって水準を切り下げる動きとなった。

【貴金属価格見通し】

金価格は高値圏での推移になると考える。世界景気の先行き懸念の強まりから長期金利が低い水準で推移し、期待インフレ率を上回る低下となっているため、実質金利が低下していることが背景。

また、北朝鮮のミサイル発射頻発や日韓の対立激化、イタリアの政情不安や、英国のハードブレグジット懸念といった欧州のリスク、米中対立の継続、香港デモの拡大を受けたリスク回避の動きは継続するとみられるため。

銀価格は金銀在庫レシオ(銀在庫÷金在庫)の高止まりが金銀レシオを押し上げているため対金で割安に推移。

銀が通貨としての価値を有していたころの、過去の水準に金銀レシオが戻ることは難しいと考える。

PGM価格は金銀価格が高値圏でもみ合う一方、景気への懸念とそれを受けた経済対策期待で株価が乱高下するとみられるため、神経質な推移になると予想する。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・FRB・ECBの金融緩和期待が高まっているが、FRBは7月のFOMCで▲25bpの利下げを実施。今後は9月の会合での利下げ有無とその規模(▲50bpも?)。

・景気の先行きを懸念した株価下落とそれに伴う長期金利・実質金利の低下(金銀価格の上昇要因)。ただし、欧州の政情安定化や米中貿易戦争の合意、各国の金融緩和などを背景とする景況感の改善で株価が上昇した場合には金銀価格の下落要因。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

・排ガス規制強化に伴うパラジウムへのシフト期待(パラジウムの上昇要因・プラチナの下落要因)。ただし実際にシフトが起きるには相当の時間がかかる見込み。

・パラジウム需要増加に伴うPGMの増産により、結果的にプラチナが供給過剰となり価格の下落要因に(プラチナ)。

(特殊要因)

・米中通商交渉は難航しており、米国は中国に対して追加制裁を発動、目先の買い材料となっている。また、この交渉は中国の知的財産権侵害や技術の強制移転などの解決が最終目標であり、長期化の見込み(価格の下支え要因)。

・米国とイランの緊張はイランによるスパイ処刑やミサイル発射実験など、再び高まっている。開戦の可能性がなくなったわけではなく、対立が継続する以上は安全資産需要を高める。

・欧州議会選でのポピュリズム政党の躍進。それに伴うEU懐疑論の高まりによる域内の政情不安定化。

・英国のEU離脱がハードになる可能性があること、それに伴いスコットランドの独立話が再燃していること、それがスペインのカタルーニャ地方に波及する懸念があることは安全資産需要を高める。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加。

(投機・投資要因)

・銀価格は金銀在庫レシオが銀在庫の減少、ないしは金在庫の増加、あるいは両要因によって低下した場合、金銀レシオが上昇するリスク(銀価格の上昇要因)。

・金はロング・ショートとも減少したが利益確定の動きとみられ、ロングの減少幅が大きかった。

銀はロングが減少、ショートが増加した。COMEX在庫が再び増加に転じていることがショートを増加させた。

・プラチナはロング・ショートとも増加、パラジウムはロング・ショートとも減少している。

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが346,223枚(前週比 ▲4,335枚)、ショートが56,133枚(▲1,880枚)、ネットロングは290,090枚(▲2,455枚)、銀が97,520枚(▲8,514枚)、ショートが58,251枚(+2,049枚)、ネットロングは39,269枚(▲10,563枚)

・直近の投機筋のポジションは、プラチナはロングが46,105枚(前週比 +1,894枚)、ショートが24,429枚(+2,162枚)、ネットロングは21,676枚(▲268枚)、パラジウムが13,795枚(▲1,102枚)、ショートが4,624枚(▲700枚)、ネットロングは9,171枚(▲402枚)

---≪農産品≫---

【穀物市場動向総括】

シカゴ穀物市場は上昇。クロップツアーでは、暴風雨の影響が後期作付けのトウモロコシや大豆の生産見通しにプラスに作用したものの、春先の降雨に伴う作付けの遅れの影響で、生産が減少するとみられていることが価格を押し上げた。

【穀物価格見通し】

シカゴ穀物価格は現状水準でもみ合い推移すると考える。米国の作柄は全く良くないものの、当初見通しよりも生産見通しが上方修正されていることや、中国の米国に対する農産品禁輸措置によって需給緩和観測が強まるため。

米国の不作の影響は期末在庫の水準低下を促し、来年以降に起きる可能性が指摘されているラニーニャ発生時にその水準の低さが意識されることになるとみている(長期的には上昇の入り口か)。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・米国のトウモロコシ・大豆の生産見通し上方修正による需給緩和観測。

・豪州東部の大干ばつによる小麦生産の減少懸念。

・欧州・ロシアの気温上昇に伴う小麦生産の減少懸念。

・最終確定作付け面積動向(トウモロコシは増加、大豆は減少、小麦は横ばい)トウモロコシ 9,170万エーカー(市場予想8,703万エーカー、前年8,913万エーカー)大豆 8,004万エーカー(8,468万エーカー、8,920万エーカー)小麦 4,561万エーカー(4,561万エーカー、4,780万エーカー)

・8月の米需給報告の生産見通し

トウモロコシ139億100万Bu(前月138億7,500万Bu)大豆 36億8,000万Bu(38億4,500万Bu)小麦 19億8,000万Bu(19億2,100万Bu)

・8月の米需給報告の在庫見通しトウモロコシ21億8,100万Bu(20億100万Bu)大豆 7億5,500万Bu(7億9,500万Bu)小麦 10億1,400万Bu(10億Bu)

・米緩和観測に伴う実質金利の低下に伴うドル安の進行は、シカゴ穀物の輸出競争力を改善し、需給面で価格の上昇要因に。

(特殊要因)

・米中通商交渉は再び難航しており相互制裁強化となっている。この問題は覇権争いが根幹にあり長期化の可能性は高い(価格の下落要因)。

・エルニーニョ現象は終息に向かっているが、より、北米の穀物生産に影響を与えるラニーニャ現象の発生の懸念は排除できず、特に来年以降にかけて価格が上昇する可能性があり、価格の上昇要因に。

・中国の豚コレラ被害の拡大により、飼料需要が減少した場合は価格の下落要因(逆に終息すれば上昇要因)。

(投機・投資要因)

・トウモロコシはロングが減少、ショートは増加で供給懸念は後退。大豆はロングが増加、ショートが減少。

小麦はトウモロコシが軟調な中、ロングが減少し、ショートもトウモロコシと同様増加した。総じて供給懸念は以前よりも後退している。

・直近の投機筋のポジションは、トウモロコシはロングが415,025枚(前週比 ▲9,322枚)、ショートが253,386枚(+50,659枚)、ネットロングは161,639枚(▲59,981枚)、大豆はロングが151,720枚(+5,765枚)、ショートが169,367枚(▲2,065枚)、ネットロングは▲17,647枚(+7,830枚)、小麦はロングが118,406枚(▲2,482枚)、ショートが102,091枚(+2,663枚)、ネットロングは16,315枚(▲5,145枚)

◆主要ニュース


・7月日本全国スーパー売上高 前年比▲7.1%の1兆74億円(前月 ▲0.5%の1兆26億円)

・7月日本全国百貨店売上高 前年比▲2.9%の4,971億円(前月▲0.9%の4,790億円)
 東京都区部百貨店売上高▲2.7%の1,366億円(▲1.3%の1,388億円)

・米MBA住宅ローン申請指数 前週比 ▲0.9%(前週+21.7%)
 購入指数▲3.5%(+1.9%)
 借換指数+0.4%(+36.9%)
 固定金利30年 3.90%(3.93%)、15年 3.30%(3.28%)

・7月米中古住宅販売 前月比+2.5%の542万戸(前月▲1.3%の529万戸)

・FOMC議事録、低すぎるインフレ率、貿易戦争をめぐる不透明感を要因とした企業投資のさらなる低下リスクに対する保険と捉える市場参加者が多かった。

・ロス米商務長官、「中国の通信機器メーカー、華為技術に対する
制裁措置の一部猶予の期間をさらに90日間延長」

・米トランプ大統領、「FRBに1%の利下げを望む。」

・独メルケル首相、「英国のEU離脱は秩序だったものが望ましいが、
無秩序な離脱に備えている。」

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・DOE米石油統計
 原油▲2.7MB(クッシング▲2.5MB)
 ガソリン+0.3MB
 ディスティレート+2.6MB
 稼働率+1.1%

 原油・石油製品輸出 7,786KBD(前週比+23KBD)
 原油輸出 2,481KBD(▲123KBD)
 ガソリン輸出 679KBD(+30KBD)
 ディスティレート輸出 1,496KBD(+111KBD)
 レジデュアル輸出 280KBD(+71KBD)
 プロパン・プロピレン輸出 1,001KBD(▲111KBD)
 その他石油製品輸出 1,620KBD(+17KBD)

・ロウハニ大統領、「石油に対する制裁措置が徹底的に取られ、イランの石油輸出がゼロになった場合、シーレーンがこれまでと同じ安全性を確保できないことを世界の大国は理解している。そのためイランに対する一方的な圧力は大国側の利益になり得ず、世界およ
び湾岸地域の安全性は保証されないだろう」

【メタル】
・ILZSG、1-6月期
 鉛鉱山生産2,296千トン(前年2,275千トン)
 精錬鉛総生産量5,740千トン(5,637千トン)
 精錬鉛需要5,805万トン(5,674千トン)
 ▲65千トンの供給不足。

鉱山生産の増加は主に欧州、ペルー、インドの増産によるもの。。精錬品生産は中国、インド、韓国の増産によるもの。需要は主に中国とインド、欧州、韓国の増加によるもの。

・ILZSG、1-6月期
 亜鉛鉱山生産6,355千トン(前年6,239千トン)
 精錬亜鉛総供給量6,513千トン(6,542千トン)
 精錬亜鉛需要6,513千トン(6,542千トン)
 精錬亜鉛は▲134千トンの供給不足。

鉱山生産は豪州、ナミビア、南アフリカ、スウェーデンの増産が中国、インド、ペルー、トルコ、米国の減産を相殺。精錬品は中国、メキシコ、ペルーの増加をカナダ、中国、インド、ロシアの減産が相殺。需要は韓国、南アフリカ、米国の増産を欧州、日本、トルコの減産が相殺。

・7月中国精錬銅生産 前年比+69千トンの801千トン(前月 804千トン)

・7月中国精錬亜鉛生産 前年比+73千トンの512千トン(前月 513千トン)

・7月中国精錬鉛生産 前年比+62千トンの472千トン(前月 475千トン)

・7月中国プライマリアルミ生産 前年比+59千トンの2,984千トン(前月 2,973千トン)

・7月中国銅製品生産 前年比+199千トンの1,685千トン(前月 1,751千トン)

・7月中国アルミ製品生産 前年比+0.11百万トンの4.25百万トン(前月 4.33百万トン)

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.CBTエタノール ( エネルギー )/ +3.69%/ +6.80%
2.CBTオレンジジュース ( その他農産品 )/ +2.30%/ ▲21.77%
3.LME亜鉛 3M ( ベースメタル )/ +2.28%/ ▲6.89%
4.ブラジル・ボベスパ ( 株式 )/ +2.00%/ +15.15%
5.ICEココア ( その他農産品 )/ +1.95%/ ▲9.31%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
70.ビットコイン ( その他 )/ ▲5.15%/ +176.39%
69.CME豚赤身肉 ( 畜産品 )/ ▲2.58%/ +3.81%
68.TCM天然ゴム ( その他農産品 )/ ▲2.27%/ ▲2.38%
67.NYM米天然ガス ( エネルギー )/ ▲2.25%/ ▲26.26%
66.SGX鉄鉱石 ( 鉄鋼原料 )/ ▲2.20%/ +27.15%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :26,202.73(+240.29)
S&P500 :2,924.43(+23.92)
日経平均株価 :20,618.57(▲58.65)
ドル円 :106.62(+0.39)
ユーロ円 :118.19(+0.27)
米10年債利回り :1.59(+0.03)
独10年債利回り :▲0.67(+0.02)
日10年債利回り :▲0.24(▲0.00)
中国10年債利回り :3.06(+0.03)
ビットコイン :10,155.19(▲551.52)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :25.83(+0.03)
エネルギー :35.73(▲0.02)
ベースメタル :19.02(▲0.1)
貴金属 :20.03(▲0.72)
穀物 :23.02(▲0.16)
その他農畜産品 :27.36(+0.4)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :47.72(▲0.24)
Brent :43.96(+0.05)
米天然ガス :36.68(▲0.09)
米ガソリン :44.86(+0.23)
ICEガスオイル :30.61(▲0.1)
LME銅 :13.05(▲0.07)
LMEアルミニウム :8.52(+0.01)
金 :16.99(▲0.02)
プラチナ :14.38(▲2.64)
トウモロコシ :35.22(+0.47)
大豆 :16.99(▲0.02)

【エネルギー】
WTI :55.85(▲0.49)
Brent :60.44(+0.41)
Oman :60.76(+0.76)
米ガソリン :169.44(+1.33)
米灯油 :185.65(+0.22)
ICEガスオイル :569.75(+6.25)
米天然ガス :2.17(▲0.05)
英天然ガス :32.01(+0.51)

【石油製品(直近限月のスワップ)】
Brent :60.44(+0.41)
SPO380cst :310.93(+9.84)
SPOケロシン :75.11(+0.28)
SPOガスオイル :74.47(+0.13)
ICE ガスオイル :76.48(+0.84)
NYMEX灯油 :186.33(+0.11)

【貴金属】
金 :1502.65(▲4.55)
銀 :17.12(▲0.04)
プラチナ :852.80(+3.24)
パラジウム :1471.81(▲18.25)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :5,725(▲6:28C)
亜鉛 :2,256(+16:1B)
鉛 :2,090(+41:5C)
アルミニウム :1,781(▲5:30C)
ニッケル :15,740(▲90:15B)
錫 :16,160(▲265:15B)
コバルト :32,278(▲5)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :5729.00(+12.00)
亜鉛 :2285.00(+51.00)
鉛 :2075.50(+14.00)
アルミニウム :1778.50(▲4.50)
ニッケル :15770.00(▲35.00)
錫 :16205.00(▲265.00)
バルチック海運指数 :2,059.00(▲8.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR青島) :休場( - )
SGX鉄鉱石 :90.43(▲2.03)
NYMEX鉄鉱石 :92.01(▲2.01)
NYMEX原料炭スワップ先物 :154(±0.0)
上海鉄筋直近限月 :3,726(▲60)
上海鉄筋中心限月 :3,667(▲59)
米鉄スクラップ :286(▲4.00)

【農産物】
大豆 :860.50(+4.75)
シカゴ大豆ミール :294.70(+0.70)
シカゴ大豆油 :28.74(+0.31)
マレーシア パーム油 :2163.00(+34.00)
シカゴ とうもろこし :362.50(+3.00)
シカゴ小麦 :462.50(+2.50)
シンガポールゴム :150.10(▲0.90)
上海ゴム :10390.00(▲125.00)
砂糖 :11.39(▲0.05)
アラビカ :92.85(+1.40)
ロブスタ :1297.00(+4.00)
綿花 :59.87(+0.70)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :63.30(▲1.68)
シカゴ生牛 :102.68(+0.88)
シカゴ飼育牛 :137.38(+1.08)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。