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対中追加関税発動で軒並み下落
  • MRA商品市場レポート for PRO

2019年8月2日 第1584号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「対中追加関税発動で軒並み下落」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は総じて軟調な推移となった。米ISM製造業指数が弱めの内容だったことでFRBの緩和観測が強まったが、その後にトランプ大統領が対中制裁強化を発表、多くの商品が水準を切下げる流れとなった。

最も上昇したのが欧州天然ガス。欧州の記録的な酷暑の影響で需要が増加しているため。

【本日の価格見通し総括】

本日の予定されている材料としては、米雇用統計に注目している。市場予想は前月比+16.5万人の雇用者数増加(+22.4万人)と比較的良好な内容となるほか、時給も前月比+0.2%(+0.2%)、前年比+3.1%(+3.1%)と上昇基調を維持する見込み。

通常であれば利上げ観測が意識されてむしろ売り材料となるが、FRBは金融緩和に舵を切っているため強い価格の上昇要因となるだろう。

しかしトランプ大統領の「強い要請」に忖度し、政治的に100点だった昨日のFOMCを、今回のトランプ大統領の追加関税発動がすべて台無しにしてしまった。

再びFRBは追加緩和を市場から要求されることになるだろう。FRBパウエル議長も正直、「やっていられない」と感じているのではないだろうか。

【昨日の世界経済・市場動向のトピックス】

昨日の最大の注目材料はISM製造業指数だったはずだが、トランプ大統領の発言がこれを吹き飛ばした。結局、中国からの輸入品すべてに制裁関税が適用されることになった。

市場では、米中二国のみの関係であれば、特に米国に対するマイナスの影響はGDPで1%にも満たない、と整理されておりあまり市場に影響はない(特に株式市場)、と見られていた。

しかし、そうは言っても関税引き上げが中国の景況感を悪化させ、米国の個人消費にマイナスに作用することは明白であり、リスク資産価格の下落要因となる。

大統領選挙が徐々に意識される中、9月の次回米中協議までに何らかの結果を出したいトランプ大統領の焦りが出ているものと考えられる。ただ、大統領選に関しては、有力な対抗馬が存在しない中、このままいくとトランプ大統領は二期目に突入する可能性が高い。

問題はすでに民主党に下院を取られているが、上院も民主党に押さえられ、レームダック化する可能性があることだ。こうなると、オバマ政権第二期の時と同じく、重要な政策は全く進まないことになる。

ただ、対中制裁は議会側も積極的に反対しておらず、中国に対する対応によって景気が悪くならなければ、対中制裁が選挙戦のカギを握ることにはならず、経済政策自体に焦点が当たると予想される。

【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】

(マクロ要因)

・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標再びの減速(価格下落要因)。

・世界景気の減速観測。IMFは2019年の経済見通しを引き下げ(+3.3%→+3.2%)ている。2020年は+3.5%(▲0.1%)に戻る楽観見通しであるが、米中交渉の決裂懸念など、引き続きリスクは下向きとしている。

・FRBの利下げの可能性が再び高まる。世界経済の悪化懸念を材料にFRBは利下げ方向に舵を切っている。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格の上昇要因(Q219の中国GDPは前年比+6.2%、前期+6.4%と1992年の統計発表以来の低水準となり、減速懸念が再び意識されている)。

※一方、鉱工業生産や固定資産投資などは政府の対策の影響が徐々に顕在化している形。

・景気減速下での原油価格高止まりは、消費国から生産国への所得移転を通じて景気の下押し要因に。また、リスク回避のドル高進行も価格上昇を抑制。

・2018年からインドが人口ボーナス期入りしており、構造的な需要の増加が見込めることは中長期的な価格の上昇要因。

(特殊要因)

・米中通商協議が再開されたが目立った進捗はない。仮に進捗があったとしても、通商協議の根本解決には複数年単位の時間が必要で、その間世界経済がさらに減速する場合(下落要因)。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの強まり(下落要因)。

・中東情勢の悪化を受けた域内景気の混乱と、それを受けた欧州景気への悪影響拡大(下落要因)

・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク。ジョンソン首相は「何が何でも10月末に離脱」としており、首相就任後の発言もハードブレグジットを前提としており、その可能性はさらに高まった(下落要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下落要因)。

・日韓対立によるハイテク分野の市場混乱や、極東地区の地政学的リスクの高まり(下落要因)。

(投機・投資要因)

・米利下げ観測の高まりで長短金利逆転状況が解消し、金融株を中心に株が上昇、リスクテイク再開で景気循環系商品価格にプラスの影響を与える場合。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油市場動向総括】

原油相場は高値圏でもみ合った後、急落した。注目の米ISM製造業指数は市場予想を下回る弱めの内容だったが、これが逆に金融緩和期待を高め価格を下支えした。しかしその後、トランプ大統領の対中関税第4弾発動宣言を受けて、引けにかけて暴落した。

【原油価格見通し】

原油価格は一旦買戻しが入るとみるが、総じて軟調に推移すると考える。米ISM製造業指数の鈍化が米国の景況感の減速を示唆しているほか、トランプ大統領の対中制裁強化が市場参加者のリスクテイク意欲を削ぐため。

ただしFRBが金融緩和モードに舵を切っていることから、下値余地も限定されると考える。

世界の景気が下りのエスカレーターに乗っていることに変わりはなく、今後は結果的に金融政策の価格への影響が大きくなり、価格への影響が無視できなくなると予想。

イラン問題の終息は、イラン・米国とも自身から歩み寄って解決するとは考えにくく、第三者の仲介が必要と考えられる。恐らく欧州の仲介によって来年の米大統領選挙開始前までに問題が終息する、というのが「希望的観測を含めた」メインシナリオである。

【石炭市場動向総括】

石炭先物市場は前日比変わらずだった。中国北東部の高温・少雨が続き、ピークシーズンではあるものの、中国製造業PMIの50割れが続いていることや、電力会社の在庫積み上がりで需要は弱い。

石炭輸入(+鉄鉱石)の増加で上昇していたバルチック海運指数は下落を始めている。

【石炭価格見通し】

石炭価格は下落基調を維持すると考える。ピークシーズンであり、需要がもう少し盛り上がってもおかしくないが、最大消費国である中国の6大電力会社の石炭在庫も高水準であり、国内生産も回復、石炭の港湾在庫も増加傾向を強めていることから。

また、エルニーニョの減少で欧州は記録的な猛暑となっているが、天然ガス(+LNG)在庫の水準は高く、天然ガス価格の下落とそれに伴う石炭需要の減少も価格を下押し。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・原油価格の上昇に伴う北米の増産継続は、需給緩和で価格の下落要因。

・景気が減速する中での減産継続は、その効果が限定されはするものの、足元の価格下落を受けてOPECプラスの協調減産は2020年3月まで継続される予定で、一定の下支え効果をもたらす見込み。

・産油国の財政悪化による上流投資部門投資の減速は、インドなどの新興国需要顕在化時の価格上昇要因。

・EV普及による需要の伸び鈍化を、軽量化目的の樹脂向け需要増加が相殺(需要が減少を始めるのは2050年頃からか)。

・世界的な石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。価格上昇要因(石炭)。

・中国の石炭港湾在庫が減少傾向を強めていることは国内需要が季節的に増加していることを示唆(石炭)。

(特殊要因)

・米国とイランの関係はこの20年で最悪の状態。両国の国力を減ずる戦争のリスクは依然低いとみるが、現状では開戦の可能性も完全に否定できない状態。

・米朝首脳会談が電撃的に開催されたが、制裁は継続する見込みであり北朝鮮炭の供給制限も継続されることは、価格の上昇要因(石炭)。

(投機・投資要因)

・WTI・Brentともロングが増加。欧米中央銀行の金融緩和姿勢の強化で景気への楽観的な見方が広がっていることが背景。WTIはショートが増加、Brentはイラン情勢の悪化で減少している。

・直近の投機筋のポジションは、WTIはロングが537,940枚(前週比 ▲7,544枚)、ショートが140,089枚(+18,367枚)、ネットロングは397,851枚(▲25,911枚)、Brentが322,775枚(前週比▲18,445枚)、ショートが66,456枚(+5,656枚)、ネットロングは256,319枚(▲24,101枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属市場動向総括】

LME非鉄金属価格は総じて軟調な推移となった。米ISM製造業指数はやや弱めな内容だったものの、これによってFRBの追加利下げ期待が高まり、価格を下支えした。

しかしその後、トランプ大統領が対中制裁第4弾発動を宣言したことで引けにかけて急落した。

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は下落余地を探る動きになると考える。米国の対中制裁第4弾発動を受けて、最大消費国である中国の景況感がさらに悪化するとの懸念が強まっていることから。

また、中国製造業PMIの改善は大企業に限られており、中堅・中小企業の景況感はまだ回復していない。基本、世界の景気が(主に循環的に)下りのエスカレーターに乗る中で需要見通しが減速しているため、中期的には再び下値余地を探る動きになると考える。

また、英国のハードブレグジットへの懸念が強まっていることや、過剰な米利下げ観測が後退していることが、ドル高を促すことも価格を下押ししよう。

ただし中国製造業PMIは総合数値はさえないものの、新規受注/在庫レシオが小幅に上昇しており、中国国内の需給タイト化が意識されていること、中国政府による経済対策の効果や、米国の利下げ観測を受けて下値余地も限定されると考える。

再び持続的な上昇に転じるのは、中国の公共投資が顕在化する年後半か、インド需要が顕在化すると期待される2020年の春以降と見る。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・最大消費国である中国の製造業PMIは回復したものの閾値の50を下回り、中堅・中小企業の景況感は悪化している。ただし新規受注の増加と在庫の小幅な減少で、新規受注/完成品在庫レシオ、新規受注/原材料在庫レシオが小幅に上昇しており、非鉄金属価格の上昇要因に。

・環境規制の強化で特殊需要が増加する(軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルトなど)

・中国の環境規制強化に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・亜鉛の精錬キャパシティ不足に伴う需給のタイト化。一方鉱山生産は再開しており、亜鉛精鉱需給は緩和、TCも高止まり。

・環境規制強化・米制裁の影響による石炭価格上昇が、中国の非鉄金属製造コストを高止まりさせる場合。

・インドをはじめとする新興国の構造的な需要増加(中長期的な要因)。

(特殊要因)

・中国政府がシャドーバンキングを含む、違法な資金調達を認めてでも公共投資を進める方針を示したことは、需要面で価格の上昇要因に。

・銅の生産減少観測(環境問題によるインド、露天掘りから地下生産に変更するインドネシア)、ヴァーレの尾鉱ダム事故の影響による供給減少(アルミやニッケルなどに波及する可能性)。

ハイドロのアルノルテ アルミナ精錬所の問題に象徴されるように、広く非鉄金属を含む鉱物セクターは、環境問題への高まりから供給が政府命令で急に停止してしまう可能性は低くない。

インドネシアのニッケル未処理鉱石輸出再開の可能性(2022年に実際に行われれば上昇要因に)。

・LME指定倉庫在庫の減少が、LMEの倉庫運営ルール変更に伴う保管場所変更の取引の影響である場合、ルールが見直された際に再度、LME指定倉庫在庫が急増する可能性(下落要因)。

(投機・投資要因)

・7月26日付のLMEポジションは、まちまちとなった。ショートの買戻しは銅と鉛が続いているが、それ以外は一巡した感がありショートが再び積み上がっている。

投機筋のLME+CME銅ネット売り越し金額は▲43.1億ドル(前週▲51.5億ドル)と売り越し幅を縮小。売り越し額の減少率は16.2%に。

買い越し枚数はトン数換算ベースで▲1,089千トン(前週▲1,191千トン)と売り越し幅を縮小。亜鉛と鉛、錫以外はトン数ベースでネット売り越しのまま。ネット売り越しの減少率は8.6%。

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料市場動向総括】

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは大幅下落、原料炭スワップ先物は大幅続落、中国鉄鋼製品市場は小幅に下落した。

中国の景況感悪化や米国の中国に対する制裁強化を受けて先物主導で下落した。

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は、米国の中国に対する制裁強化報道を受けて下値余地を探る動きになると考える。懸念していた下振れリスクシナリオが顕在化している。

しかし、中国政府の経済対策の効果が顕在化しつつあることや、ヴァーレの生産が完全に回復していないこと、リオの減産見通しといった供給面が引き続き意識されているため、下落余地も限定されると考える。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・直近の中国鉄鋼業PMIは47.9(前月48.2)と悪化した。主に新規受注(国内向け)が減速したことによるもの。またバルチック海運指数の押し上げに寄与していた原材料在庫も水準が切り上がり、完成品在庫も増加基調にある。

ヴァーレの供給減少は継続しているが、需要面で鉄鋼製品・鉄鉱原料の需給が緩和する可能性が出てきた。

・中国の鉄鋼製品在庫水準の高さは価格の下落要因。鉄鋼製品在庫は前週比+40.8万トンの1,299.7万トン(過去5年平均1,031.6万トン)と例年を大きく上回っている。

中国の鉄鉱石在庫水準の高さは徐々に低下し、価格の下支え要因となる可能性。鉄鉱石在庫は前週比+90万トンの1億1,925万トン(過去5年平均1億1,917.6万トン)、在庫日数は+0.2日の24.7日(過去5年平均 30.1日)と例年の水準を下回った状態が続いている。

・季節的に鉄鋼製品在庫の取り崩し時期であり、価格には下押し圧力がかかりやすい。

・長期的には人口ボーナス期入りしているインドが、すでにインフラ整備のための投資拡大方針を示しており、鉄鋼製品・鉄鉱石価格を押し上げ。

・ヴァーレ、リオ・ティントの生産目標引き下げによる供給減速。

(特殊要因)

・中国政府がシャドーバンキングを含む、違法な資金調達を認めてでも公共投資を進める方針を示したことは価格の上昇要因。

・ヴァーレの尾鉱ダム決壊の影響が拡大し、さらに供給減少が起きた場合(自社・他社ともにあり得る)、価格の上昇要因に。

ヴァーレの尾鉱ダム事故の影響で、今後、低品位鉱石価格にも上昇圧力がかかる公算。

(投機・投資要因)

・供給懸念などを通じて大連取引所は建玉を積み増しながら、価格を切り上げており、先々の下落リスクは高まっている状況。

---≪貴金属≫---

【貴金属市場動向総括】

金銀価格は上昇。トランプ大統領が対中追加制裁を発動したことで、安全資産需要が高まったため。

PGMは株価の急落を受けてプラチナが下落、パラジウムも下落したが50日移動平均線を割り込んだあたりから下げが加速、テクニカルな売りによるものと考えられる。結果、一目均衡表の雲の下限でサポートされて引けた。

【貴金属価格見通し】

金価格は再び上昇余地を探る動きになると考える。ISM製造業指数の鈍化で再びFRBの緩和期待が高まっているほか、米中対立の激化を受けて安全資産需要が高まると考えられることから。

イランと米国の対立が継続していることはもちろんのこと、イタリアの財政問題、ジョンソン首相誕生でハードブレグジットがほぼ規定路線となりつつあること、それを受けて再びスコットランドの独立話が持ち上がっていることなど、欧州不安が払しょくされていないことなどがあげられる。

銀価格は金銀在庫レシオ(銀在庫÷金在庫)の高止まりが金銀レシオを押し上げているため対金で割安に推移。

銀が通貨としての側面を持っていた頃の金銀レシオに戻る可能性は低下している。ただし、足元金銀在庫レシオが低下しているため、銀は修正的に上昇する可能性が出てきた。

PGM価格は金銀価格が高値圏でもみ合うものの、足元は米中対立の激化や、世界的な自動車販売の減速を受けて水準を切下げる動きになると考える。ただし、パラジウムの供給懸念は根強く、下値余地も限られると考える。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・FRB・ECBの金融緩和期待が高まっているが、FRBは7月のFOMCで▲25bpの利下げを実施。今後は9月の会合での利下げ有無。

・景気の先行きを懸念した株価下落とそれに伴う長期金利・実質金利の低下(金銀価格の上昇要因)。ただし、欧州の政情安定化や米中貿易戦争の合意、各国の金融緩和などを背景とする景況感の改善で株価が上昇した場合には金銀価格の下落要因。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

・排ガス規制強化に伴うパラジウムへのシフト期待(パラジウムの上昇要因・プラチナの下落要因)。ただし実際にシフトが起きるには相当の時間がかかる見込み。

・パラジウム需要増加に伴うPGMの増産により、結果的にプラチナが供給過剰となり価格の下落要因に(プラチナ)。

(特殊要因)

・米中通商交渉は難航しており、米国は中国に対して追加制裁を発動、目先の買い材料となっている。また、この交渉は中国の知的財産権侵害や技術の強制移転などの解決が最終目標であり、長期化の見込み(価格の下支え要因)。

・米国とイランの緊張はイランによるスパイ処刑やミサイル発射実験など、再び高まっている。開戦の可能性がなくなったわけではなく、対立が継続する以上は安全資産需要を高める。

・欧州議会選でのポピュリズム政党の躍進。それに伴うEU懐疑論の高まりによる域内の政情不安定化。

・英国のEU離脱がハードになる可能性があること、それに伴いスコットランドの独立話が再燃していること、それがスペインのカタルーニャ地方に波及する懸念があることは安全資産需要を高める。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加。

(投機・投資要因)

・銀価格は金銀在庫レシオが銀在庫の減少、ないしは金在庫の増加、あるいは両要因によって低下した場合、金銀レシオが上昇するリスク(銀価格の上昇要因)。

・金銀はロングが増加、ショートが減少した。利下げ観測の強まりが背景。ただし過剰な利下げ期待が後退したことからこれらのポジションの巻き戻しが予想される。

・プラチナのポジションはロングが増加、ショートが減少。パラジウムはロング・ショートとも減少。

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが311,881枚(前週比 +2,346枚)、ショートが60,631枚(▲3,403枚)、ネットロングは251,250枚(+5,749枚)、銀が110,129枚(+9,680枚)、ショートが55,368枚(▲7,656枚)、ネットロングは54,761枚(+17,336枚)

・直近の投機筋のポジションは、プラチナはロングが47,679枚(前週比 +2,306枚)、ショートが26,789枚(▲2,992枚)、ネットロングは20,890枚(+5,298枚)、パラジウムが17,489枚(▲173枚)、ショートが5,018枚(▲209枚)、ネットロングは12,471枚(+36枚)

---≪農産品≫---

【穀物市場動向総括】

シカゴ穀物市場は下落した。カナダのクロップツアーで収穫見通しが上方修正されたことで小麦価格が急落、それを受けてトウモロコシ価格も下落。

大豆は米中協議が難航しているほか、トランプ大統領の制裁発動を受けて交渉がとん挫するとの見方が強まったことが米国の大豆輸出の減少観測を強め、売り材料となった。

【穀物価格見通し】

穀物価格は米国と中国の対立が再び意識され、米国の輸出減少観測の強まりから軟調な推移になると考える。

しかし、基本的には北米の作況が不良であること(トウモロコシ、大豆とも、生育状況に遅れ、作況も過去5年の最低水準をはるかに下回る)や、欧州の気温上昇による不作への懸念から、下値も堅いと考える。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・米国のトウモロコシ・大豆の生産減少観測による需給タイト化観測。

・豪州東部の大干ばつによる小麦生産の減少懸念。

・欧州・ロシアの気温上昇に伴う小麦生産の減少懸念。

・最終確定作付け面積動向(トウモロコシは増加、大豆は減少、小麦は横ばい)トウモロコシ 9,170万エーカー(市場予想8,703万エーカー、前年8,913万エーカー)大豆 8,004万エーカー(8,468万エーカー、8,920万エーカー)小麦 4,561万エーカー(4,561万エーカー、4,780万エーカー)

・7月の米需給報告の生産見通し

トウモロコシ138億7,500万Bu(前月136億8,000万Bu)大豆 38億4,500万Bu(41億5,000万Bu)小麦 19億2,100万Bu(19億300万Bu)

・7月の米需給報告の在庫見通しトウモロコシ20億100万Bu(前月16億7,500万Bu)大豆 7億9,500万Bu(10億4,500万Bu)小麦 10億Bu(10億7,200万Bu)

・米緩和観測に伴う実質金利の低下に伴うドル安の進行は、シカゴ穀物の輸出競争力を改善し、需給面で価格の上昇要因に。

(特殊要因)

・米中通商交渉は交渉再開で合意したが、覇権争いであり長期化の可能性は高い(価格の下落要因)。

・エルニーニョ現象発生による北米の増産は基本的には価格の下落要因だが、今年は洪水が発生しており、夏場の気温上昇や乾燥といった育成環境の悪化の可能性はあり、価格の上昇要因に。

・中国の豚コレラ被害の拡大により、飼料需要が減少した場合は価格の下落要因(逆に終息すれば上昇要因)。

(投機・投資要因)

・トウモロコシはロングが減少、ショートは増加で供給懸念は後退。大豆は米中貿易交渉の進捗期待でロングが増加、ショートも増加。

小麦はトウモロコシが軟調な中、ロングを切下げ、ショートも他穀物と同様増加した。総じて供給懸念は以前よりも後退している。

・直近の投機筋のポジションは、トウモロコシはロングが456,035枚(前週比 ▲12,990枚)、ショートが168,999枚(+18,195枚)、ネットロングは287,036枚(▲31,185枚)、大豆はロングが144,732枚(+3,824枚)、ショートが140,612枚(+4,888枚)、ネットロングは4,120枚(▲1,064枚)、小麦はロングが118,042枚(▲2,641枚)、ショートが98,758枚(+6,044枚)、ネットロングは19,284枚(▲8,685枚)

◆主要ニュース


・7月日本製造業PMI改定 49.4(速報比▲0.2、前月改定 49.3)

・7月日本国内自動車販売 前年比+6.7%(前月▲0.9%)

・7月中国財新製造業PMI 49.9(前月49.4)

・7月独製造業PMI改定 43.2(速報比+0.1、前月改定 45.0)、ユーロ圏 46.5(+0.1、47.6)

・7月米チャレンジャー社解雇者数 前年比 +43.2%(前月+12.8%)

・米週間新規失業保険申請件数 215件(前週206千件)、失業保険継続受給者数 1,699千人(1,677千人)

・7月米製造業PMI改定 50.4(速報比+0.4、前月改定 50.6)

・7月米ISM製造業景況指数 51.2(前月51.7)
 仕入れ価格 45.1(47.9)
 生産 50.8(54.1)
 新規受注 50.8(50.0)
 受注残 43.1(47.4) 
 在庫 49.5(49.1)
 顧客在庫 45.7(44.6)
 輸出 48.1(50.5)
 輸入 47.0(50.0)

・6月米建設支出 前月比 ▲1.3%(前月改定▲0.5%)

・7月米自動車販売年率 1,682万台(前月 1,730万台)

・米トランプ大統領、「中国の習主席の貿易戦争解決に向けた動きは迅速ではない。中国製品3,000億ドル相当に9月1日から10%の関税を課す。25%以上に引き上げる可能性もある。」

・中国華春瑩報道局長、「逃亡犯条例改正案の撤回を求めるデモは、誰もが知っているように、米国の作品」

・コンゴのエボラ出血熱、大都市で2人目の死者発生。死者累計は1,800人を超える。

・米クシュナー大統領上級顧問、イスラエル ネタニヤフ首相と会談。

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・DOE天然ガス稼働在庫 2,634BCF(前週比+66BCF)
 東部 597BCF(+22BCF)
 中西部 677BCF(+27BCF)
 山間部 156BCF(+5BCF)
 太平洋地区270BCF(▲1BCF)
 南中央 934BCF(+13BCF)

・リビア国営NOC、シャララ油田(29万バレル)のフォースマジュールを発表。何者かがザウィヤ石油ターミナルと油田を結ぶパイプラインを封鎖したため。

・ビンラディンの息子、ハムザ・ビンラディン死亡との報道。

【メタル】
・米連邦裁判所、Rosemont Mine鉱山プロジェクトの開発差し止めを決定。Hudbay Mineralsはこれを不服として上告の予定。

・WGC、「H119の世界の中央銀行の金購入は374トンと過去最高を記録した昨年を上回るペース。ポーランドが100トン購入するなど新興国中銀の買いが目立つ。」

・Q219 Nornickel
 ニッケル生産 前年比+6%の53,767トン、(前期 55,915トン)、2019年生産目標22万トン~22万5,000トン(前回22万トン~22万5,000トン)

 銅 +9%の124,539トン(126,765トン)、43万トン~45万トン(43万トン~45万トン)

 パラジウム +10%の76万4,000オンス(77万オンス)、277万オンス~280万オンス(277万オンス~280万オンス)

 プラチナ +16%の18万5,000オンス(20万4,000オンス)、64万6,000オンス~67万オンス(64万6,000オンス~67万オンス)

・Q219Century Aluminum アルミ出荷 203,380トン(前期 206,451トン、前年180,220トン)

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.ICE欧州天然ガス ( エネルギー )/ +12.43%/ ▲45.21%
2.CME木材 ( その他農産品 )/ +5.52%/ +9.14%
3.欧州排出権 ( 排出権 )/ +5.26%/ +18.96%
4.ビットコイン ( その他 )/ +3.84%/ +183.38%
5.金 ( 貴金属 )/ +2.22%/ +12.69%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
70.原料炭スポット ( 鉄鋼原料 )/ ▲13.86%/ ▲31.37%
69.DME Oman ( エネルギー )/ ▲8.24%/ +11.94%
68.NYM RBOB ( エネルギー )/ ▲7.42%/ +33.03%
67.NYM WTI ( エネルギー )/ ▲6.98%/ +20.00%
66.ICE Brent ( エネルギー )/ ▲6.26%/ +13.55%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :26,583.42(▲280.85)
S&P500 :2,953.56(▲26.82)
日経平均株価 :21,540.99(+19.46)
ドル円 :107.34(▲1.44)
ユーロ円 :118.99(▲1.50)
米10年債利回り :1.89(▲0.12)
独10年債利回り :▲0.45(▲0.01)
日10年債利回り :▲0.13(+0.02)
中国10年債利回り :3.15(▲0.01)
ビットコイン :10,411.97(+385.36)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :25.26(+0.78)
エネルギー :33.12(+5.6)
ベースメタル :18.92(▲0.63)
貴金属 :21.36(+2.77)
穀物 :20.05(▲0.97)
その他農畜産品 :27.96(▲0.51)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :37.10(+9.96)
Brent :34.50(+9)
米天然ガス :45.31(+3.23)
米ガソリン :36.80(+10.42)
ICEガスオイル :29.41(+7.24)
LME銅 :14.63(+0.25)
LMEアルミニウム :10.72(+0.21)
金 :17.93(+0.77)
プラチナ :20.80(+0.46)
トウモロコシ :24.11(▲5.41)
大豆 :17.93(+0.77)

【エネルギー】
WTI :54.49(▲4.09)
Brent :61.09(▲4.08)
Oman :59.90(▲5.38)
米ガソリン :176.09(▲14.11)
米灯油 :187.03(▲8.47)
ICEガスオイル :571.50(▲30.25)
米天然ガス :2.17(▲0.06)
英天然ガス :33.46(+3.70)

【石油製品(直近限月のスワップ)】
Brent :61.09(▲4.08)
SPO380cst :347.05(▲75.37)
SPOケロシン :75.42(▲4.28)
SPOガスオイル :75.30(▲4.08)
ICE ガスオイル :76.71(▲4.06)
NYMEX灯油 :185.95(▲4.94)

【貴金属】
金 :1445.18(+31.40)
銀 :16.34(+0.07)
プラチナ :854.02(▲10.73)
パラジウム :1430.66(▲89.25)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :5,903(▲47:27C)
亜鉛 :2,396(▲28:0.5B)
鉛 :1,986(▲5:12C)
アルミニウム :1,785(▲22:28C)
ニッケル :14,315(▲65:25C)
錫 :17,300(+40:25C)
コバルト :25,662(▲4)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :5865.00(▲75.00)
亜鉛 :2396.50(▲42.00)
鉛 :1981.50(▲34.00)
アルミニウム :1777.00(▲22.00)
ニッケル :14450.00(▲105.00)
錫 :17345.00(+15.00)
バルチック海運指数 :1,868.00(▲31.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR青島) :休場( - )
SGX鉄鉱石 :112.97(▲7.05)
NYMEX鉄鉱石 :112.02(▲8.00)
NYMEX原料炭スワップ先物 :156(▲25.11)
上海鉄筋直近限月 :4,064(±0.0)
上海鉄筋中心限月 :3,878(▲29)
米鉄スクラップ :293(±0.0)

【農産物】
大豆 :847.00(▲17.00)
シカゴ大豆ミール :293.20(▲5.00)
シカゴ大豆油 :27.68(▲0.07)
マレーシア パーム油 :2015.00(▲4.00)
シカゴ とうもろこし :392.75(▲7.50)
シカゴ小麦 :475.75(▲11.50)
シンガポールゴム :151.40(▲8.60)
上海ゴム :10560.00(▲5.00)
砂糖 :12.12(▲0.09)
アラビカ :97.25(▲2.40)
ロブスタ :1307.00(▲31.00)
綿花 :61.84(▲1.38)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :76.80(▲2.53)
シカゴ生牛 :107.88(+0.98)
シカゴ飼育牛 :141.23(▲0.30)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。