FRBパウエル議長のハト派的スタンスと中国対策期待で上昇
- MRA商品市場レポート for MANAGEMENT(メタル)
2019年7月11日 第1570号
◆昨日のベースメタル市場総括
「FRBパウエル議長のハト派的スタンスと中国対策期待で上昇」
FRBパウエル議長は明確にハト派的なスタンス表明。
FRBパウエル議長は議会証言に臨み、FRBの利下げスタンスが月初発表の雇用統計の改善があったとしても変わらない、と発言したことは緩和期待を高め、インフレ系景気循環銘柄価格の常勝要因に。
LME指定倉庫在庫の減少は継続。
景気減速懸念が強まっているが、LME指定倉庫在庫の減少傾向は持続しており、非鉄金属価格の下支え要因に。
中国生産者物価減速を受けた対策期待。
中国の景気先行指標の1つである生産者物価が発表されたが、特に工業セクターの価格下落が顕著であり、中国政府が金融緩和はもちろん、景気刺激のために財政出動を行うのではとの見方を強めたことは、非鉄金属価格の上昇要因となった。
◆今日のベースメタル市場見通し
「緩和期待と米中交渉進捗期待で堅調」
FRBパウエル議長のハト派発言。
FRBパウエル議長は議会証言に臨み、FRBの利下げスタンスが月初発表の雇用統計の改善があったとしても変わらない、と発言したことは緩和期待を高め、インフレ系景気循環銘柄価格の常勝要因に。なお、本日も議会証言が予定されているが、新味はなかろう。
世界景気の減速懸念の強まり。
米雇用統計は予想を上回る雇用者数の増加となったが、ISM製造業・非製造業指数や各国の製造業PMIは減速感を強めており、景気が下りのエスカレーターに乗った状態にあることは、景気循環系商品価格の下落要因に。
米中通商交渉再開を受けた進捗期待。
G20での米中首脳会談での合意を受けて米中の閣僚が電話で協議、両国の交渉が再開されたことは景気循環系商品価格の上昇要因に(ただし、この交渉が進捗して制裁が一部解除されるとしても、それは選挙を睨んだ来年以降となる見込み)。
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