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中銀のイベント控えて様子見
  • MRA商品市場レポート for PRO

2019年7月9日 第1568号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「中銀のイベント控えて様子見」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、気温上昇の影響で欧州天然ガスや、ドル高の進行で自国通貨建て商品が物色される流れとなった。

米雇用統計を受けて今後の見通しが立ちにくくなっており、基本的にはリスク回避的なスタンスが強まっていると考えられる。

ビットコインの上昇が顕著だが、このような「積極的に物色する対象がないとき」に消去法的に物色される傾向が強いため、この上昇率がトップだったのは、現在の市場環境をよく反映しているともいえる。

【本日の価格見通し総括】

本日は商品価格に大きな影響を与えそうな経済統計の発表は予定されていないが、市場は中央銀行の政策動向により注目しており、FRBクオールズ副議長やアトランタ連銀総裁、セントルイス連銀総裁の講演内容に注目したい。

何かしらの手掛かりが得られるかどうかに注目が集まるが、恐らく7月の利下げは行われるだろうが下期以降の利下げペースが引き下げられることになるのではないだろうか。

【昨日の世界経済・市場動向のトピックス】

設備投資の先行指標である機械受注が発表されたが、変動が大きい船舶・電力を除く民需は前月比▲7.8%(前月+5.2%)と今年の1月以来、前月比マイナスに沈んだ。しかし前年比ベースでは先月プラス圏に回復したもののマイナス傾向が持続しており、全体としてやはり減速傾向にあることは否めない。

今後、引き続き省力化投資などで国内の投資需要は底堅い推移になると予想されるものの、はん用・生産用機械などが外需の落ち込みで減速する可能性が高いことを考えると、やはり全体ではこの減速傾向を持続すると考えられる。

また、国内の個人景況感を示す景気ウォッチャー調査は18ヵ月連続で50を下回り、2ヵ月連続の悪化となった。雇用関連は改善したものの、家計動向関連が減少しており消費マインドが徐々に悪化していることをうかがわせる内容。

内外景気は循環的に減速する可能性が高まっていることを確認する内容だった。恐らくこの状況でも7月の参院選は与党が勝利する可能性が高く、消費税上げも予定通り行われることになるだろう。

結果、今年の秋から年末にかけてが、目先の日本景気の底になると予想される(米中関係がさらに悪化するのはリスクシナリオの位置づけ)。

【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】

(マクロ要因)

・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標再びの減速(価格下落要因)。

・世界景気の減速観測。IMFは2019年の経済見通しを引き下げ(+3.5%→+3.3%)ており、米中対立の激化があった場合には▲0.5%程度の引き下げリスクも視野に入れている。リスク資産価格に対して下向きのリスク。

・FRBの利下げの可能性が再び高まる(トランプ大統領があからさまに要求を始めており、米中通商戦争の行方次第ではあり得る状況に)。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格の上昇要因(Q119の中国GDPは前年比+6.4%、前期+6.4%と市場予想の+6.3%を上回りやや減速懸念が後退)。

※中国は地方政府の資金調達規制を実質緩和。

・景気減速下での原油価格高止まりは、消費国から生産国への所得移転を通じて景気の下押し要因に。また、リスク回避のドル高進行も価格上昇を抑制。

・2018年からインドが人口ボーナス期入りしており、構造的な需要の増加が見込めることは中長期的な価格の上昇要因。

(特殊要因)

・米中通商協議が再開で決定したが、通商協議そのものが合意をしたわけではなく、制裁は継続しており世界経済がさらに減速する場合(下落要因)。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの強まり(下落要因)。

・中東情勢の悪化を受けた域内景気の混乱と、それを受けた欧州景気への悪影響拡大(下落要因)

・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク。とりあえず10月末を期限として問題先送りしたが、メイ首相の後任が強硬派のジョンソン前外相である可能性が高く、ハードブレグジットの可能性が高まっている(下落要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下落要因)。

(投機・投資要因)

・米利下げ観測の高まりで長短金利逆転状況が解消し、金融株を中心に株が上昇、リスクテイク再開で景気循環系商品価格にプラスの影響を与える場合。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油市場動向総括】

原油相場は下落した。イランと米国の緊張の高まりと、米国の利下げ観測の後退といった強弱材料が混在する中、株価が大きく調整したためそれにつれる形となった。

【原油価格見通し】

原油価格は現状水準でもみ合うものと考える。米国の雇用統計を受けて、最大消費国である米国経済の減速観測が後退したものの、同時に確実と見られていた7月の利下げの可能性も後退したため、金融面がマイナスに作用すると考えられることから。

イランと米国に関して、両国の国力を削る開戦はない、というのがメインシナリオではあるものの、イランのウラン濃縮は次のステージに移りつつあり、この状態で米イラン首脳会談が開催されるとは考え難く、その選択肢を排除できない状況。

トランプ大統領はイランに対して攻撃したくない、というのが本音と見られるが、ペンス・ボルトンを筆頭とする共和党保守強硬派はあまりそう考えていないようだ。引き続き両国動向は、ニュースに一喜一憂とならざるを得ない。

これ以上、中東を材料に価格が上昇するとすれば、さらに具体的に米国とイランが軍事的に衝突すること、ないしはクシュナーの提案などをきっかけにイスラエルとパレスチナの対立が深まり、軍事衝突が起きることであるが、現時点では希望的観測も含めて「ない」と信じたい。

【石炭市場動向総括】

石炭先物市場は小幅に下落。港湾在庫の減少が継続していることや夏場を目前に控えて上昇していたが、調整売りに押された。

【石炭価格見通し】石炭価格は欧州の気温上昇と、北半球の夏場を控えて上昇するとみているものの、欧州市場でのよりクリーンなエネルギーへのシフト、景気減速による電力需要の後退、中国の景況感の悪化を受け、上昇余地も限定されると考える。

中国の石炭の輸入量は回復しており、過去5年のレンジを上抜けした。しかし生産調整や夏場に向けた需要回復で、港湾在庫は減少傾向を強めており、需給はタイト感が強まっている。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・原油価格の上昇に伴う北米の増産継続は、需給緩和で価格の下落要因。

・景気が減速する中での減産継続は、その効果が限定されはするものの、足元の価格下落を受けてOPECプラスの協調減産は2020年3月まで継続される見込みであり、一定の下支え効果をもたらす見込み。

・産油国の財政悪化による上流投資部門投資の減速は、インドなどの新興国需要顕在化時の価格上昇要因。

・EV普及による需要の伸び鈍化を、軽量化目的の樹脂向け需要増加が相殺(需要が減少を始めるのは2050年頃からか)。

・世界的な石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。価格上昇要因(石炭)。

・中国の石炭港湾在庫が減少傾向を強めていることは国内需要が季節的に増加していることを示唆(石炭)。

(特殊要因)・米国がイランを攻撃する準備を整えていたことが発覚、両国の緊張はこれまでにないほど高まっていることは、開戦を通じた供給懸念を通じて価格の上昇要因に。

・米朝首脳会談が電撃的に開催されたが、制裁は継続する見込みであり北朝鮮炭の供給制限も継続されることは、価格の上昇要因(石炭)。

・米中情報戦争をめぐる華為技術排除の決定を受けて中国政府は豪州からの石炭輸入を規制、インドネシア炭にシフトしていることはNEWC価格の下落要因に(石炭CIF価格に対する影響は中立)。

(投機・投資要因)

・WTI・Brentともロングの減少が顕著だが、WTIのショートには買戻し、Brentはショートが増加した。中東情勢を巡り市場参加者のスタンスはまちまちだが、とにかく積み上がったロングから解消する動きが強まっているようだ。

・テクニカルには、世界の市場参加者は原油取引において「一目均衡表」を活用するようになっており、「雲のねじれ」がある7月初に、例えば中東情勢不安が顕在化したり、金融緩和が意識されるようになったり、OPECが減産幅を拡大したり、ということがあれば、7月以降、ポジションの巻き戻しで急騰リスクはあり得る。

・直近の投機筋のポジションは、WTIはロングが513,180枚(前週比 +16,239枚)、ショートが120,370枚(+2,232枚)、ネットロングは392,810枚(+14,007枚)、Brentが320,816枚(前週比▲5,664枚)、ショートが72,810枚(+1,084枚)、ネットロングは248,006枚(▲6,748枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属市場動向総括】

LME非鉄金属価格は銅と亜鉛が下落したが、その他は上昇した。ドル高の進行や原油安、株安などのマイナス材料が多数あったが、LME指定倉庫在庫の減少が継続していることや、先週の調整からの買戻しが入った模様。

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は現状水準でもみ合うと考える。米統計の改善や、米中協議進展期待などを受けて、一時的に積み上がっていた投機筋のショート買戻しが先行すると考えられることが背景。

ただし、景気は減速局面にあるほか、米利下げ期待が若干後退していること、米中通商協議は長期化するとの見方が大勢を占めていることから、上値も限られると考える。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・最大消費国である中国の製造業PMIは低調で、新規受注/完成品在庫レシオ、新規受注/原材料在庫レシオとも低下、需給環境が緩和していることを示唆。

・環境規制の強化で特殊需要が増加する(軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルトなど)

・中国の環境規制強化に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・亜鉛の精錬キャパシティ不足に伴う需給のタイト化。一方鉱山生産は再開しており、亜鉛精鉱需給は緩和、TCも高止まり。

・環境規制強化・米制裁の影響による石炭価格上昇が、中国の非鉄金属製造コストを高止まりさせる場合。

・インドをはじめとする新興国の構造的な需要増加(中長期的な要因)。

(特殊要因)

・中国政府がシャドーバンキングを含む、違法な資金調達を認めてでも公共投資を進める方針を示したことは、需要面で価格の上昇要因に。

・銅の生産減少観測(環境問題によるインド、露天掘りから地下生産に変更するインドネシア)、ヴァーレの尾鉱ダム事故の影響による供給減少(アルミやニッケルなどに波及する可能性)。

オランダ ニルスター社の豪鉛精錬所(ポート・ピリー)停止による、供給不安(鉛)。

ハイドロのアルノルテ アルミナ精錬所の問題に象徴されるように、広く非鉄金属を含む鉱物セクターは、環境問題への高まりから供給が政府命令で急に停止してしまう可能性は低くない。

・LME指定倉庫在庫の減少が、LMEの倉庫運営ルール変更に伴う保管場所変更の取引の影響である場合、ルールが見直された際に再度、LME指定倉庫在庫が急増する可能性(下落要因)。

(投機・投資要因)

・6月28日付のLMEポジションは動きがまちまち。

亜鉛・錫を除くすべての金属で金融緩和期待を受けた、価格の上昇観測から積み上がっていたショートの解消が進んでいる。また、緩和期待に加え、中国の経済対策期待などによる需要増加観測もあり、ロングも増加している。

投機筋のLME+CME銅ネット売り越し金額は▲52.7奥ドル(前週▲57.0億ドル)と売り越し幅を縮小。売り越し額の減少幅は▲7.5%に。

買い越し枚数はトン数換算ベースで▲1,282千トン(前週▲1,411千トン)と売り越し幅を縮小。ただし、亜鉛と錫以外はトン数ベースでネット売り越しのまま。ネット売り越しの減少率は▲9.1%。

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料市場動向総括】

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップ市場は上昇、原料炭スワップ先物は横ばい、中国鉄鋼製品市場は下落した。

中国政府による取引所の調査観測で下落していたが、供給懸念が根強く買戻しが入った。

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は、中国政府の公共投資促進策と豪州からの供給不安、ヴァーレの生産が完全に回復していないこと、リオの減産見通しといった供給面が意識されて高止まりすると考える。

ただし、米中通商協議継続観測を受けた買戻しの影響は一巡したとみられ、今後は協議の進展度合いに焦点が移る。ただし、相互制裁は継続したままであることから、現時点では売り材料と整理するべき。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・直近の中国鉄鋼業PMIは48.2(前月50.0)と減速。新規受注が国内外とも低迷しており(新規受注 47.9(46.7)、輸出新規受注 40.7(45.9))、生産も49.1(56.0)閾値の50を下回った。

ただし、在庫は完成品が39.3(38.3)、原材料在庫が43.5(45.1)と低水準であることは事実であり、需要顕在化時(中国の公共投資など)に鉄鋼製品価格が急騰する可能性も。

・中国の鉄鋼製品在庫水準の高さは価格の下落要因。鉄鋼製品在庫は前週比+29万トンの1,207万トン(過去5年平均1,068.1万トン)と例年を上回っている。

中国の鉄鉱石在庫水準の高さは徐々に低下し、価格の下支え要因となる可能性。鉄鉱石在庫は前週比+35万トンの1億1,560万トン(過去5年平均1億1,869.6万トン)、在庫日数は+0.8日の23.9日(過去5年平均 30.0日)と例年の水準を下回った状態が続いている。

・季節的に鉄鋼製品在庫の取り崩し時期であり、価格には下押し圧力がかかりやすい。

・長期的には人口ボーナス期入りしているインドが、すでにインフラ整備のための投資拡大方針を示しており、鉄鋼製品・鉄鉱石価格を押し上げ。

・ヴァーレ、リオ・ティントの生産目標引き下げによる供給減速。

(特殊要因)

・中国政府がシャドーバンキングを含む、違法な資金調達を認めてでも公共投資を進める方針を示したことは価格の上昇要因。

・ヴァーレの尾鉱ダム決壊の影響が拡大し、さらに供給減少が起きた場合(自社・他社ともにあり得る)、価格の上昇要因に。

ヴァーレの尾鉱ダム事故の影響で、今後、低品位鉱石価格にも上昇圧力がかかる公算。

(投機・投資要因)・供給懸念などを通じて大連取引所は建玉を積み増しながら、価格を切り上げており、先々の下落リスクは高まっている状況。

---≪貴金属≫---

【貴金属市場動向総括】

金・銀価格は高安まちまち。実質金利の低下を受けてドル安が進行していたが、今週多数予定されている中央銀行イベントを控えてドル高が進行したため、引けにかけて売られる流れとなった。

PGMも総じて上昇後に下落した。しかしこちらは株価の調整による下落圧力のほうが強かったようだ。

【貴金属価格見通し】

金価格は一旦下値余地を探る動きになると考える。米雇用統計が予想外に良い水準だったため、7月利下げ、ないしは年内の複数回の利下げ観測が後退、実質金利に上昇圧力がかかると考えられるため。

ただし、それでもFRBは緩和方向に舵を切っていること、中東情勢の悪化やイタリアなどの情勢不安を材料に底堅い推移となる見込み。

銀価格は金銀在庫レシオ(銀在庫÷金在庫)の上昇が金銀レシオを押し上げているため対金で割安に推移。

PGM価格は金銀価格が軟調に推移するため連れ安になると予想されるが、足元利下げ観測の後退で株が安くなっているため、より下落すると予想する。

しかし、供給面の影響で需給がタイトなパラジウムの下押し圧力は限定されると考える。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・FRB・ECBの金融緩和期待が高まっており、7月のFOMCでの25bpの利下げは織り込んだ(金ベースで25ドル程度の上昇要因)。

しかし、逆に利下げ期待が高まりすぎているため、期待と金融当局の判断の乖離から、7月FOMCで下落に転じる可能性も。

・景気の先行きを懸念した株価下落とそれに伴う長期金利・実質金利の低下(金銀価格の上昇要因)。ただし、欧州の政情安定化や米中貿易戦争の合意、各国の金融緩和などを背景とする景況感の改善で株価が上昇した場合には金銀価格の下落要因。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

・排ガス規制強化に伴うパラジウムへのシフト期待(パラジウムの上昇要因・プラチナの下落要因)。ただし実際にシフトが起きるには相当の時間がかかる見込み。

・パラジウム需要増加に伴うPGMの増産により、結果的にプラチナが供給過剰となり価格の下落要因に(プラチナ)。

(特殊要因)

・米中通商交渉は一旦追加関税引き上げなどが先送りになったが、基本的に難航している。知的財産権や技術の強制移転などの重要なポイントで妥結できておらず、長期化の見込み(価格の下支え要因)。

・米国とイランの開戦リスクが高まっている。共和党議会側はイランに対する戦闘の準備を終えており、それをトランプ大統領が止めた、という状況。

・米国の債務上限問題の顕在化(8月~9月にデフォルトするリスク)。

・欧州議会選でのポピュリズム政党の躍進。それに伴うEU懐疑論の高まりによる域内の政情不安定化。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加。

(投機・投資要因)

・銀価格は金銀在庫レシオが銀在庫の減少、ないしは金在庫の増加、あるいは両要因によって低下した場合、金銀レシオが上昇するリスク(銀価格の上昇要因)。

・金銀はロングが増加、ショートが減少しているが、利下げ期待の後退でこれらのポジションの巻き戻しが起きる可能性があり、下落リスクは高まっている。

・プラチナのポジションは大きく変わらず、パラジウムはロング・ショートとも増加しているが、ロングの増加のほうが大きい。

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが312,702枚(前週比 +14,594枚)、ショートが53,756枚(▲7,798枚)、ネットロングは258,946枚(+22,392枚)、銀が99,739枚(+2,166枚)、ショートが69,284枚(+2,276枚)、ネットロングは30,455枚(▲110枚)

・直近の投機筋のポジションは、プラチナはロングが47,841枚(前週比 ▲790枚)、ショートが38,544枚(▲8,101枚)、ネットロングは9,297枚(+7,311枚)、パラジウムが16,855枚(+1,674枚)、ショートが4,838枚(+506枚)、ネットロングは12,017枚(+1,168枚)

---≪農産品≫---

【穀物市場動向総括】

シカゴ穀物市場は高安まちまち。作況が良くないトウモロコシ・大豆は上昇、小麦は下落している。

市場は今週発表される米需給報告に注目しており方向感が出にくい。

【穀物価格見通し】

穀物価格は当面、天候状況が価格を左右する展開となり、神経質な推移が続くと考える。

しかし、基本的には北米の作付け状況が不良であること(トウモロコシ、大豆とも、作況は過去5年の最低水準を下回っている)や、欧州の気温上昇による不作への懸念もあって、ショートの買戻しが入り上昇すると考える。

また、需要面では米中首脳会談で、米中交渉再開が確認されたことや(明らかにはなっていないが)中国が農産品の購入量を増加させることで合意した、と伝えられたことも価格にプラスに。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・米国のトウモロコシ・大豆の生産減少観測による需給タイト化観測。

・豪州東部の大干ばつによる小麦生産の減少懸念。

・欧州・ロシアの気温上昇に伴う小麦生産の減少懸念。

・最終確定作付け面積動向(トウモロコシは増加、大豆は減少、小麦は横ばい)トウモロコシ 9,170万エーカー(市場予想8,703万エーカー、前年8,913万エーカー)大豆 8,004万エーカー(8,468万エーカー、8,920万エーカー)小麦 4,561万エーカー(4,561万エーカー、4,780万エーカー)

・6月の米需給報告の生産見通し

トウモロコシ136億8,000万ブッシェル(前月150億3,000万Bu)大豆 41億5,000万Bu(41億5,000万Bu)小麦 19億300万Bu(18億9,700万Bu)

・6月の米需給報告の在庫見通しトウモロコシ16億7,500万ブッシェル(前月24億8,500万Bu)大豆 10億4,500万Bu(9億7,000万Bu)小麦 10億7,200万Bu(11億4,100万Bu)

・米緩和観測に伴う実質金利の低下に伴うドル安の進行は、シカゴ穀物の輸出競争力を改善し、需給面で価格の上昇要因に。

(特殊要因)

・米中通商交渉は交渉再開で合意したが、覇権争いであり長期化の可能性は高い(価格の下落要因)。

・米政府はブッシェル当たり大豆2ドル、トウモロコシ0.04ドル、小麦0.63ドルの補助金を供給することを検討。生産減少を食い止めるため価格の下落要因に。

・エルニーニョ現象発生による北米の増産は基本的には価格の下落要因だが、今年は洪水が発生しており、夏場の気温上昇や乾燥といった育成環境の悪化の可能性はあり、価格の上昇要因に。

・中国の豚コレラ被害の拡大により、飼料需要が減少した場合は価格の下落要因(逆に終息すれば上昇要因)。

(投機・投資要因)

・すべての穀物で、ロング・ショートとも減少。ただしショートの買戻し圧力が強く、総じてネットロングが増加している。

・直近の投機筋のポジションは、トウモロコシはロングが465,709枚(前週比 +3,594枚)、ショートが164,910枚(+9,996枚)、ネットロングは300,799枚(▲6,402枚)、大豆はロングが132,609枚(+4,966枚)、ショートが129,457枚(▲54枚)、ネットロングは3,152枚(+5,020枚)、小麦はロングが132,144枚(+2,482枚)、ショートが90,085枚(▲9,373枚)、ネットロングは42,059枚(+11,855枚)

◆本日のMRA's Eye


「エネルギー価格見通し」

2019年の原油価格はOPEC減産と米国の金融緩和、中国の景気刺激策の期待で上昇を続けていたが、米中通商交渉の激化に伴う景気への悪影響が顕在化し始めたこと、そもそも循環的に景気が減速する局面に差し掛かっていたことから下値余地を探る動きとなった。

しかし、イランと米国の対立が急速に悪化し、供給懸念の顕著な高まりが価格を押し上げている状況。

英国のEU離脱がリスクシナリオと位置付けていた「ハードブレグジット」となる可能性が高まっていることや、循環的な景気減速の継続から、この戦争のリスクの顕在化がなければ、恐らく原油価格は年末にかけて一旦下値を探り、景気循環的に需要の増加が見込め、構造的にインドの需要増加が顕在化を始める来年の春頃から再び上昇に転じると見る。

以上から2019年の原油平均価格はBrentで64.33ドル(前回見通し修正時比▲1.13ドル)、WTIで57.45ドル(▲0.52ドル)、ドバイで63.37ドル(▲0.95ドル)と下方修正した。

2020年についてはBrentは66.25ドル(▲2.00ドル)、WTIは60.25ドル(▲2.00ドル)、ドバイが64.25ドル(▲2.00ドル)とした。

なお、OPECプラスが減産期間を延長することで合意しているが、過去にOPECが減産を実施した際、1993年以降では14回減産を決定しているが景気が後退した場合、価格防衛に成功していない(詳しくは2019年7月4日付MRA's Eye「OPECプラス減産の評価」をご参照ください)。

米天然ガス価格はQ119は気温低下の影響で価格が上昇したものの、原油の増産に歩調を合わせて価格が下落しており、同国のLNG・ガス輸出が加速するまでは当面低迷を予想。

2019年の北米天然ガス予想価格は2.60ドル/MMBTu(▲0.37ドル/MMBTu)と従来見通しを引き下げた。

石炭価格は最大消費国である中国の景気減速に加え、欧州のクリーンエネルギーシフトの影響で欧州炭価格が急落していることなどから、予想よりも弱気な推移となっている。

しかし、中国の環境規制強化に伴う生産調整継続と北朝鮮制裁の継続、世界的な石炭の上流投資の規制の動きから下値も堅いと予想。

しかし、2019年のニューキャッスル炭の予想価格は前回から大幅に引き下げ、81.24ドル/トン(▲11.68ドル/トン)とした。

上記見通しの上昇リスクは、米中通商交渉が妥結(全面妥結)する場合、景気減速を懸念して米国の利下げが加速する場合、供給面はイランと米国の対立が激化し、実際にホルムズ海峡の封鎖が懸念されるような事態になる場合、内戦状態にあるリビアやアルジェリアの生産が大きく減少する場合。

下落リスクは米国のイラン制裁解除(全面解除)、米中通商交渉がさらに悪化する場合、OPECの結束が揺らぎ、価格下落の中でさらに増産バイアスがかかる場合などが考えられる。

◆主要ニュース


・6月日本 銀行貸出動向 銀行計 前年比+2.4%(前月+2.8%)、含信金 +2.3%(+2.6%)

・5月日本経常収支(季節調整済) 1兆3,057億円(前月1兆6,001億円の黒字)
 (季節調整前)1兆5,948億円の黒字(1兆7,074億円の黒字)
 貿易収支 ▲6,509億円の赤字(▲982億円の赤字)
 輸出 5兆9,180億円(6兆3,880億円)
 輸入 6兆5,690億円(6兆4,862億円)
 サービス収支 1,372億円の黒字(▲3,127億円の赤字)
 第一次所得収支 2兆2,574億円の黒字(2兆1,303億円の黒字)

・5月日本機械受注総額 前月比 ▲6.0%の2兆2,119億円
(前月+4.3%の2兆3,520億円)、前年比▲11.2%(▲5.5%)
 船舶電力を除く民需 前月比▲7.8%の8,429億円(+5.2%の9,137億円)、前年比▲3.7%(+2.5%)

・6月日本企業倒産 前年比+6.37%(前月▲9.38%)

・6月日本景気ウォッチャー調査 現状判断DI 44.0(前月44.1)、先行き判断DI 45.8(45.6)

・5月独経常収支 165億ユーロの黒字(前月229億ユーロの黒字)。貿易収支206億ユーロの黒字(179億ユーロの黒字)
 輸出 前月比+1.1%(▲3.4%)、輸入▲0.5%(▲0.9%)

・7月ユーロ圏センティックス投資家信頼感 ▲5.8(前月▲3.3)

・5月OECD景気先行指数 OECD 99.0(前月 99.1)
 ユーロ圏 99.1(99.2)
 アジア 99.4(99.3)
 G7 98.9(99.0)
 日本 99.3(99.4)
 ドイツ 98.9(99.0)
 米国 98.8(99.0)
 中国 98.9(98.7)
 インド 100.5(100.5)
 ロシア 99.5(99.5)

・英ダロック駐米大使のメールが流出、「米政権が今後、かなり正常なものになり、機能不全が軽減され、今ほど予測不能ではなくなり、派閥分裂が改善され、今ほど外交的にぶざまで無能ではなくなるとは、あまり考えられない」

・AU(アフリカ連合)は、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)の発足を正式表明。AUに加盟する55ヵ国のうち、エリトリア以外が自由貿易協定に参加。

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・イラン、ウラン濃縮度を4.5%に引き上げ。

・米ポンペオ国務長官、「イランが核濃縮を続けると、さらなる孤立と制裁につながる。」

・サウジアラムコ、アラビアンライトの調整金を▲0.25ドル引き下げ、割増金を2.45ドルに。スーパーライトを▲0.4ドル引き下げ4.45ドル、ヘビーを+0.1ドルの0.85ドルに。

・ペンス副大統領、「イランは米国の自制を決断力の欠如と誤解すべきではない。中東地域での国益や米国人を保護するため、米軍は準備を整えている。」

【メタル】
・ペルー政府、南部のティアマリア鉱山の採掘を承認。

・CRU、「ニッケル銑鉄が近年、ニッケル市場を供給面で支えており、2019年のNPI生産は92万7,000トンと予測されている。しかしClass1ニッケルはステンレス・非ステンレスの両方で使用されており、NPIの増加によってステンレスでのClass1使用は減少した

しかし、自動車市場での電化促進からClass1の供給は中長期的にさらなる投資が必要。2030年迄に電池向けのニッケル需要は110万トンを超えると予想。Nornickel(旧Norilskニッケル)は2021年~2022年までにSouth Cluster鉱山プロジェクトを稼働の見込みで、2027年までに最終的に900万トン/年の功績を生産する予想。同時にPGMの供給増につながる見込み。」

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.ビットコイン ( その他 )/ +10.63%/ +232.24%
2.ICE欧州天然ガス ( エネルギー )/ +6.15%/ ▲48.57%
3.CBTオレンジジュース ( その他農産品 )/ +5.58%/ ▲17.58%
4.ICEココア ( その他農産品 )/ +4.58%/ +7.70%
5.LIFFEココア ( その他農産品 )/ +4.31%/ +5.44%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
70.ICEアラビカ ( その他農産品 )/ ▲4.29%/ +2.85%
69.CME豚赤身肉 ( 畜産品 )/ ▲2.84%/ +14.92%
68.中国CSI300 ( 株式 )/ ▲2.32%/ +26.31%
67.インド・センセックス ( 株式 )/ ▲2.01%/ +7.35%
66.SHF 金 ( 貴金属 )/ ▲1.95%/ +11.94%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :26,806.14(▲115.98)
S&P500 :2,975.95(▲14.46)
日経平均株価 :21,534.35(▲212.03)
ドル円 :108.72(+0.25)
ユーロ円 :121.92(+0.16)
米10年債利回り :2.05(+0.01)
独10年債利回り :▲0.37(▲0.00)
日10年債利回り :▲0.15(+0.01)
中国10年債利回り :3.18(+0.01)
ビットコイン :12,207.1(+1173.10)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :25.48(+0.44)
エネルギー :32.81(+1.41)
ベースメタル :20.68(▲0.35)
貴金属 :16.46(▲0.52)
穀物 :22.61(+0.06)
その他農畜産品 :28.21(+0.8)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :37.41(▲0.86)
Brent :32.95(▲0.5)
米天然ガス :41.02(+9.08)
米ガソリン :36.18(+0.58)
ICEガスオイル :19.93(+0.1)
LME銅 :15.44(+0.29)
LMEアルミニウム :17.50(▲0.29)
金 :18.63(▲0.77)
プラチナ :18.39(+0.24)
トウモロコシ :33.16(▲0.23)
大豆 :18.63(▲0.77)

【エネルギー】
WTI :57.66(+0.15)
Brent :64.11(▲0.12)
Oman :63.06(▲0.09)
米ガソリン :190.13(▲2.82)
米灯油 :189.53(▲0.97)
ICEガスオイル :579.25(+2.50)
米天然ガス :2.40(▲0.02)
英天然ガス :31.41(+1.82)

【石油製品(直近限月のスワップ)】
Brent :64.11(▲0.12)
SPO380cst :394.81(▲2.30)
SPOケロシン :76.38(▲0.57)
SPOガスオイル :76.37(▲0.46)
ICE ガスオイル :77.75(+0.34)
NYMEX灯油 :190.23(▲0.58)

【貴金属】
金 :1395.53(▲3.92)
銀 :15.03(+0.03)
プラチナ :817.27(+6.95)
パラジウム :1561.79(▲9.36)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :5,930(+60:18C)
亜鉛 :2,389(▲10:3B)
鉛 :1,898(+27:14C)
アルミニウム :1,800(▲2:17C)
ニッケル :12,590(+220:65C)
錫 :18,355(▲20:70B)
コバルト :28,620(▲5)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :5879.50(▲18.50)
亜鉛 :2381.50(▲28.00)
鉛 :1892.00(+15.00)
アルミニウム :1804.50(±0.0)
ニッケル :12710.00(+245.00)
錫 :18465.00(+185.00)
バルチック海運指数 :1,740.00(+40.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR青島) :休場( - )
SGX鉄鉱石 :118.33(+2.55)
NYMEX鉄鉱石 :119.17(+2.07)
NYMEX原料炭スワップ先物 :186(±0.0)
上海鉄筋直近限月 :3,777(▲72)
上海鉄筋中心限月 :4,002(▲12)
米鉄スクラップ :271(±0.0)

【農産物】
大豆 :875.25(+3.00)
シカゴ大豆ミール :304.20(+0.40)
シカゴ大豆油 :27.86(+0.42)
マレーシア パーム油 :1891.00(▲18.00)
シカゴ とうもろこし :438.50(+4.50)
シカゴ小麦 :516.75(▲2.50)
シンガポールゴム :180.70(▲3.00)
上海ゴム :11125.00(▲30.00)
砂糖 :12.45(+0.09)
アラビカ :104.75(▲4.70)
ロブスタ :1390.00(▲24.00)
綿花 :62.33(▲1.11)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :70.08(▲2.05)
シカゴ生牛 :106.15(▲0.85)
シカゴ飼育牛 :138.90(+0.08)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。