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緩和期待で景気循環銘柄物色される
  • MRA商品市場レポート for PRO

2019年7月4日 第1565号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「緩和期待で景気循環銘柄物色される」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、一転、その他農畜産品などの非景気循環銘柄が売られ、景気循環銘柄が物色された。

昨日発表された統計はADP雇用統計が減速、ISM非製造業指数も減速するなど、景況感の悪化を示す統計があったもののむしろ景気循環銘柄が物色される流れとなった。緩和期待を受けて株価が上昇したこと、悪くなったとはいえ、まだ米国の経済統計が顕著な景気の減速を示すものではなかったことが背景にあると考えられる。

【本日の価格見通し総括】

本日はも明日の雇用統計の前日、かつ、米市場が独立記念日で休場のためむしろ、朔日上昇した商品は、ポジション調整に伴う手じまい売り、ないしは利益確定の動きに押される流れになると考える。

【昨日の世界経済・市場動向のトピックス】

昨日の市場は、米国がハト派的な金融政策に舵を切る中で、同じくハト派と目される調整型のIMFラガルド専務理事が次期ECB総裁に就任することが確定したため、緩和傾向が持続する、と見られたことがリスク資産価格を押し上げる形となった。

ラガルド専務理事は政治学科出身で大学卒後のキャリアは弁護士であり、政治の世界に飛び込んだ後は、G8発の財務大臣に該当する経済・財政・産業相に就任するが、金融や経済の専門家ではない。

ただし、これまでのIMFの見通しなどの説明を聞くに、現状において緩和を推奨(日本に対しても推奨)する傾向が強く、恐らくハト派と考えてよさそうだ。

金融に明るくなくとも、コミュニケーションの達人であるため、金融政策を混乱に陥れることはないと期待される。

欧米が緩和路線に舵を切る中で、それでは日銀はどうするのかという話が出てくるが、政府は梯子を外す形で「失業率が低下したので(おそらく選挙向けのアピール)、あとは日銀がうまくやってください」としているうえ、そもそもこれ以上打つ手がないことを考えると、海外の緩和姿勢強化を受けて円高が進行するリスクが高まる。

先日発表された日銀短観は企業の想定為替レートが109円35銭だった。6月調査が行われているときの為替水準は107円前後だったので、市場実勢からも乖離した水準。

期待を込めて為替レートを円安にしている企業もあるかもしれないが、素直に読み取れば110円を上回る円安水準で、為替予約が実施されている可能性が高い。となると、今回予想される円高リスクが軽減されることになる。

9月の日銀短観は今まで以上に重要になったといえるだろう。

【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】

(マクロ要因)

・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標再びの減速(価格下落要因)。

・世界景気の減速観測。IMFは2019年の経済見通しを引き下げ(+3.5%→+3.3%)ており、米中対立の激化があった場合には▲0.5%程度の引き下げリスクも視野に入れている。リスク資産価格に対して下向きのリスク。

・FRBの利下げの可能性が再び高まる(トランプ大統領があからさまに要求を始めており、米中通商戦争の行方次第ではあり得る状況に)。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格の上昇要因(Q119の中国GDPは前年比+6.4%、前期+6.4%と市場予想の+6.3%を上回りやや減速懸念が後退)。

※中国は地方政府の資金調達規制を実質緩和。

・景気減速下での原油価格高止まりは、消費国から生産国への所得移転を通じて景気の下押し要因に。また、リスク回避のドル高進行も価格上昇を抑制。

・2018年からインドが人口ボーナス期入りしており、構造的な需要の増加が見込めることは中長期的な価格の上昇要因。

(特殊要因)

・米中通商協議が再開で決定したが、通商協議そのものが合意をしたわけではなく、制裁は継続しており世界経済がさらに減速する場合(下落要因)。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの強まり(下落要因)。

・中東情勢の悪化を受けた域内景気の混乱と、それを受けた欧州景気への悪影響拡大(下落要因)

・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク。とりあえず10月末を期限として問題先送りしたが、メイ首相の後任が強硬派のジョンソン前外相である可能性が高く、ハードブレグジットの可能性が高まっている(下落要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下落要因)。

(投機・投資要因)

・米利下げ観測の高まりで長短金利逆転状況が解消し、金融株を中心に株が上昇、リスクテイク再開で景気循環系商品価格にプラスの影響を与える場合。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油市場動向総括】

原油相場は上昇した。前日のOPEC会合の結果を受けて低調な推移となり、米石油統計が弱気な内容だったことで水準を切り下げたが、イランが欧州の支援が得られなければ7日から原子炉を再稼働する、と伝えられたことや、米ISM非製造業指数の悪化を受けて金融緩和期待が高まったことが背景。

【原油価格見通し】

原油価格は現状水準でもみ合うものと考える。米国や欧州の金融緩和期待や、効果は限定的なるもOPECプラスが減産を継続する方針であることが価格を押し上げるものの、景気の減速が続いていること、米中通商協議が難航していることが上値を抑えるため。

イランと米国に関して、両国の国力を削る開戦はない、というのがメインシナリオではあるものの、イランの低濃縮ウランの貯蔵量は上限を超えており、この状態で米イラン首脳会談が開催されるとは考え難く、その選択肢を排除できない状況。

トランプ大統領はイランに対して攻撃したくない、というのが本音と見られるが、ボルトンを筆頭とする共和党保守強硬派はあまりそう考えていないようだ。引き続き両国動向は、ニュースに一喜一憂とならざるを得ない。

これ以上、中東を材料に価格が上昇するとすれば、さらに具体的に米国とイランが軍事的に衝突すること、ないしはクシュナーの提案などをきっかけにイスラエルとパレスチナの対立が深まり、軍事衝突が起きることであるが、現時点では希望的観測も含めて「ない」と信じたい。

【石炭市場動向総括】

石炭先物市場は上昇。港湾在庫の減少が継続していることが材料となった。ただし、季節的に需要の端境期にあることや、欧州ガス価格低下に伴う欧州石炭価格の低迷で低水準での推移を続けている。

【石炭価格見通し】

石炭価格は夏場に向けて上昇するとみているものの、欧州市場の需給緩和(よりクリーンなエネルギーへのシフト、景気減速による電力需要の後退)、中国の景況感の悪化を受け、当面は下値余地を探る動きになると考える。

中国の石炭の輸入量は回復しており、過去5年のレンジを上抜けした。生産に関しては減少傾向となっているが、港湾在庫は増加するなど、需要面の弱さから総じて中国の石炭需給は緩和傾向にある可能性が高く、ファンダメンタルズは強くない。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・原油価格の上昇に伴う北米の増産継続は、需給緩和で価格の下落要因。

・景気が減速する中での減産継続は、その効果が限定されはするものの、足元の価格下落を受けてOPECプラスの協調減産は7月以降も継続(場合によると減産枠拡大)の見込みであり、一定の下支え効果をもたらす見込み。

・産油国の財政悪化による上流投資部門投資の減速は、インドなどの新興国需要顕在化時の価格上昇要因。

・EV普及による需要の伸び鈍化を、軽量化目的の樹脂向け需要増加が相殺(需要が減少を始めるのは2050年頃からか)。

・世界的な石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。価格上昇要因(石炭)。

・中国の石炭生産鈍化(4月2億9,429万トン)、輸入減少(1,564万7,172トン)にもかかわらず、港湾在庫が増加していることは国内需要の弱さを示唆(石炭)。

(特殊要因)

・米国がイランを攻撃する準備を整えていたことが発覚、両国の緊張はこれまでにないほど高まっていることは、開戦を通じた供給懸念を通じて価格の上昇要因に。

・北朝鮮のミサイル発射により、制裁が継続される可能性が高まっていることは、北朝鮮からの石炭輸出(密輸)を制限し、価格の上昇要因(石炭)。

・米中情報戦争をめぐる華為技術排除の決定を受けて中国政府は豪州からの石炭輸入を規制、インドネシア炭にシフトしていることはNEWC価格の下落要因に(石炭CIF価格に対する影響は中立)。

(投機・投資要因)

・WTI・Brentともロングの減少が顕著だが、WTIのショートには買戻し、Brentはショートが増加した。中東情勢を巡り市場参加者のスタンスはまちまちだが、とにかく積み上がったロングから解消する動きが強まっているようだ。

・テクニカルには、世界の市場参加者は原油取引において「一目均衡表」を活用するようになっており、「雲のねじれ」がある7月初に、例えば中東情勢不安が顕在化したり、金融緩和が意識されるようになったり、OPECが減産幅を拡大したり、ということがあれば、7月意向、ポジションの巻き戻しで急騰リスクはあり得る。

・直近の投機筋のポジションは、WTIはロングが496,941枚(前週比 ▲5,808枚)、ショートが118,138枚(▲21,524枚)、ネットロングは378,803枚(+15,716枚)、Brentが326,480枚(前週比▲7,003枚)、ショートが71,726枚(+9,749枚)、ネットロングは254,754枚(▲16,752枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属市場動向総括】

LME非鉄金属価格は上昇した。経済統計は悪かったが、むしろそれで世界的に金融緩和が進むとの見方が強まったことで、投機の買戻しが進んだためと考えられる。

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は現状水準でもみ合うものと考える。緩和期待で昨日は買戻しが入ったが、経済統計自体はむしろ弱く、米中通商協議も状況が改善しているわけではないため、実需面が価格を下押しすると考えられることから。。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・最大消費国である中国の製造業PMIは低調で、新規受注/完成品在庫レシオ、新規受注/原材料在庫レシオとも低下、需給環境が緩和していることを示唆。

・環境規制の強化で特殊需要が増加する(軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルトなど)

・中国の環境規制強化に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・亜鉛の精錬キャパシティ不足に伴う需給のタイト化。一方鉱山生産は再開しており、亜鉛精鉱需給は緩和、TCも高止まり。

・環境規制強化・米制裁の影響による石炭価格上昇が、中国の非鉄金属製造コストを高止まりさせる場合。

・インドをはじめとする新興国の構造的な需要増加(中長期的な要因)。

(特殊要因)

・中国政府がシャドーバンキングを含む、違法な資金調達を認めてでも公共投資を進める方針を示したことは、需要面で価格の上昇要因に。

・銅の生産減少観測(環境問題によるインド、露天掘りから地下生産に変更するインドネシア、コデルコのストライキ)、ヴァーレの尾鉱ダム事故の影響による供給減少(アルミやニッケルなどに波及する可能性)。

オランダ ニルスター社の豪鉛精錬所(ポート・ピリー)停止による、供給不安(鉛)。

ハイドロのAlunorteアルミナ精錬所の問題に象徴されるように、広く非鉄金属を含む鉱物セクターは、環境問題への高まりから供給が政府命令で急に停止してしまう可能性は低くない。

・LME指定倉庫在庫の減少が、LMEの倉庫運営ルール変更に伴う保管場所変更の取引の影響である場合、ルールが見直された際に再度、LME指定倉庫在庫が急増する可能性(下落要因)。

(投機・投資要因)

・6月21日付のLMEポジションは動きがまちまち。

亜鉛を除くすべての金属で、G20への期待などから積み上がっていたショートの解消が進んだ。銅、鉛、ニッケル、錫のロングが増加した。総じて、G20での米中協議、四半期末を控えたポジション調整の取引が主体だったと考えられる。

投機筋のLME+CME銅ネット売り越し金額は▲57.0億ドル(前週▲67.1億ドル)と売り越し幅を縮小。売り越し額の減少幅は▲15.1%に。

買い越し枚数はトン数換算ベースで▲1,411千トン(前週▲1,631千トン)と売り越し幅を縮小。亜鉛と錫以外はトン数ベースでネット売り越しのまま。ネット売り越しの減少率は▲13.5%。

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料市場動向総括】

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップ市場は上昇、原料炭スワップ先物は小幅続落、中国鉄鋼製品市場は下落した。

景況感の悪化が続く中、鉄鋼製品先物価格は下落したが、鉄鉱石の供給懸念が根強いことが鉄鉱石価格を高値に張り付かせている。

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は、中国政府の公共投資促進策と豪州からの供給不安、ヴァーレの生産が完全に回復していないこと、リオの減産見通しといった供給面が意識されて高止まりすると考える。

ただし、米中通商協議継続観測を受けた買戻しの影響は一巡したとみられ、今後は協議の進展度合いに焦点が移る。ただし、相互制裁は継続したままであることから、現時点では売り材料と整理するべき。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・直近の鉄鋼業PMIは48.2(前月50.0)と減速。新規受注の回復(47.9→46.7)はあったが、輸出向け新規受注の落ち込みが大きく(45.9→40.7)国内の需要が一定の下支え効果をもたらしたようだ。

しかし、生産は減速(56.0→49.1)しているにも関わらず、在庫は完成品(38.3→39.3)、原材料(45.1→43.5)と、一部の原材料在庫を取り崩して製品生産にあてたと考えられる。国内生産者は慎重な姿勢を崩していない。

・中国の鉄鋼製品在庫水準の高さは価格の下落要因。鉄鋼製品在庫は前週比▲0.3万トンの1,178万トン(過去5年平均1,077.7万トン)と例年を上回っている。

中国の鉄鉱石在庫水準の高さは徐々に低下し、価格の下支え要因となる可能性。鉄鉱石在庫は前週比▲150万トンの1億1,525万トン(過去5年平均1億1,827.6万トン)、在庫日数は▲0.3日の23.5日(過去5年平均 28.5日)と例年の水準を下回った状態が続いている。

・季節的に鉄鋼製品在庫の取り崩し時期であり、価格には下押し圧力がかかりやすい。

・長期的には人口ボーナス期入りしているインドが、すでにインフラ整備のための投資拡大方針を示しており、鉄鋼製品・鉄鉱石価格を押し上げ。

・ヴァーレ、リオ・ティントの生産目標引き下げによる供給減速。

(特殊要因)

・中国政府がシャドーバンキングを含む、違法な資金調達を認めてでも公共投資を進める方針を示したことは価格の上昇要因。

・ヴァーレの尾鉱ダム決壊の影響が拡大し、さらに供給減少が起きた場合(自社・他社ともにあり得る)、価格の上昇要因に。

ヴァーレの尾鉱ダム事故の影響で、今後、低品位鉱石価格にも上昇圧力がかかる公算。

(投機・投資要因)

・供給懸念などを通じて大連取引所は建玉を積み増しながら、価格を切り上げており、先々の下落リスクは高まっている状況。

---≪貴金属≫---

【貴金属市場動向総括】

金・銀価格はもみ合った結果、前日比プラスで引けた。米中の対立や世界的な緩和期待などで価格が上昇していたが、米統計の悪化に伴う米金融追加緩和期待の高まりで逆に株価が上昇、安全資産需要が後退したことで、引けにかけて水準を切下げた。

PGMは上昇。取引序盤は金銀と異なりむしろ水準を切下げていたが、世界的な緩和期待の高まりの中で株価が急上昇したため、これにつれる形となった。

【貴金属価格見通し】

金価格は高値圏でもみ合うと考える。FRBが緩和方向に舵を切ったこと、中東情勢の悪化やイタリアなどの情勢不安を材料に底堅い推移となる見込み。

銀価格は金銀在庫レシオ(銀在庫÷金在庫)の上昇が金銀レシオを押し上げているため対金で割安に推移。

PGM価格は金銀価格が底堅い推移になるため堅調だが、株価動向に左右され神経質な推移を継続。供給不安で基本的にパラジウムは堅調な推移が続こう。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・FRB・ECBの金融緩和期待が市場で再び高まっていること、原油価格の高止まりは実質金利の低下を通じて金銀価格の上昇要因に(逆に利下げ期待が高まりすぎているため、期待と金融当局の判断の乖離から、7月FOMCで下落に転じる可能性も)。

・景気の先行きを懸念した株価下落とそれに伴う長期金利・実質金利の低下(金銀価格の上昇要因)。ただし、欧州の政情安定化や米中貿易戦争の合意、景況感の改善で株価が上昇した場合には金銀価格の下落要因。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

・排ガス規制強化に伴うパラジウムへのシフト期待(パラジウムの上昇要因・プラチナの下落要因)。ただし実際にシフトが起きるには相当の時間がかかる見込み。

・パラジウム需要増加に伴うPGMの増産により、結果的にプラチナが供給過剰となり価格の下落要因に(プラチナ)。

(特殊要因)

・米中通商交渉は一旦追加関税引き上げなどが先送りになったが、企保的に難航している。知的財産権や技術の強制移転などの重要なポイントで妥結できておらず、長期化の見込み(価格の下支え要因)。

・米国とイランの開戦リスクが高まっている。共和党議会側はイランに対する戦闘の準備を終えており、それをトランプ大統領が止めた、という状況。

・米国の債務上限問題の顕在化(8月~9月にデフォルトするリスク)。

・欧州議会選でのポピュリズム政党の躍進。それに伴うEU懐疑論の高まりによる域内の政情不安定化。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加。

(投機・投資要因)

・銀価格は金銀在庫レシオが銀在庫の減少、ないしは金在庫の増加、あるいは両要因によって低下した場合、金銀レシオが上昇するリスク(銀価格の上昇要因)。

・金銀はロングが増加、ショートが減少しており、利下げ期待を織り込みながら強気のポジション取りに。

・プラチナはロングが増加、ショートも増加しネットポジションはほぼ変わらず。パラジウムはロング・ショートとも増加しているが、ロングの増加のほうが大きい。

パラジウムは基本的に供給不足であり、積み上がったショートの買戻しでさらに上昇する可能性も。

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが298,108枚(前週比 +23,475枚)、ショートが61,554枚(▲8,756枚)、ネットロングは236,554枚(+32,231枚)、銀が97,573枚(+4,298枚)、ショートが67,008枚(▲11,751枚)、ネットロングは30,565枚(+16,049枚)

・直近の投機筋のポジションは、プラチナはロングが48,631枚(前週比 +1,834枚)、ショートが46,645枚(+1,818枚)、ネットロングは1,986枚(+16枚)、パラジウムが15,181枚(+1,638枚)、ショートが4,332枚(+994枚)、ネットロングは10,849枚(+644枚)

---≪農産品≫---

【穀物市場動向総括】

シカゴ穀物価格は上昇。北米の降雨による作況の悪化、気温上昇による黒海周辺、欧州の不作不安が再び材料視され、上昇した。

【穀物価格見通し】

穀物価格は当面、天候状況が価格を左右する展開となり、神経質な推移が続くと考える。

しかし、基本的には北米の作付けの遅れから、ショートの買戻しが入り上昇すると考える。米中首脳会談で、米中交渉再開が確認されたこと、米農務省の需給報告で、トウモロコシの生産見通しが引き下げられたこと、欧州の気温も上昇しており、収穫への懸念が強まっていることも材料。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・米国のトウモロコシ・大豆の生産減少観測による需給タイト化観測。

・豪州東部の大干ばつによる小麦生産の減少懸念。

・欧州・ロシアの気温上昇に伴う小麦生産の減少懸念。

・最終確定作付け面積動向(トウモロコシは増加、大豆は減少、小麦は横ばい)トウモロコシ 9,170万エーカー(市場予想8,703万エーカー、前年8,913万エーカー)大豆 8,004万エーカー(8,468万エーカー、8,920万エーカー)小麦 4,561万エーカー(4,561万エーカー、4,780万エーカー)

・6月の米需給報告の生産見通し

トウモロコシ136億8,000万ブッシェル(前月150億3,000万Bu)大豆 41億5,000万Bu(41億5,000万Bu)小麦 19億300万Bu(18億9,700万Bu)

・6月の米需給報告の在庫見通しトウモロコシ16億7,500万ブッシェル(前月24億8,500万Bu)大豆 10億4,500万Bu(9億7,000万Bu)小麦 10億7,200万Bu(11億4,100万Bu)

・米緩和観測に伴う実質金利の低下に伴うドル安の進行は、シカゴ穀物の輸出競争力を改善し、需給面で価格の上昇要因に。

(特殊要因)

・米中通商交渉は交渉再開で合意したが、覇権争いであり長期化の可能性は高い(価格の下落要因)。

・米政府はブッシェル当たり大豆2ドル、トウモロコシ0.04ドル、小麦0.63ドルの補助金を供給することを検討。生産減少を食い止めるため価格の下落要因に。

・エルニーニョ現象発生による北米の増産は基本的には価格の下落要因だが、今年は洪水が発生しており、夏場の気温上昇や乾燥といった育成環境の悪化の可能性はあり、価格の上昇要因に。

・中国の豚コレラ被害の拡大により、飼料需要が減少した場合は価格の下落要因(逆に終息すれば上昇要因)。

(投機・投資要因)

・すべての穀物で、ロング・ショートとも減少。G20や需給報告、四半期末を控えたポジション解消の動きが強まったため。いずれもネットロングが減少している。

・直近の投機筋のポジションは、トウモロコシはロングが462,115枚(前週比 ▲11,528枚)、ショートが154,914枚(▲48,383枚)、ネットロングは307,201枚(+36,855枚)、大豆はロングが127,643枚(▲29,590枚)、ショートが129,511枚(▲30,456枚)、ネットロングは▲1,868枚(+866枚)、小麦はロングが129,662枚(▲9,684枚)、ショートが99,458枚(▲10,585枚)、ネットロングは30,204枚(+901枚)

◆本日のMRA's Eye


「OPECプラス減産の評価」

OPEC総会・OPECプラス会合が終了し、現状の減産体制を維持することで合意した。結局追加減産はなく、減産枠遵守も設定されなかったため現状維持ということになる。結果、サウジが一国で減産規模を拡大することになると予想される。

もちろん、イランの禁輸措置に伴い、市中に出てくる原油の量が減少しているためそれほど大きな減産を強いられるわけではない。しかし、景気が減速する局面において減産による価格維持効果が限定されるのは事実である。

過去の減産で価格が維持できなかったケースが14回(注:現在の減産は3年前から行われているが断続的に行われているので減産回数としては1回とカウントしている)、うち、価格防衛ができなかったのが5回だ。

この5回はいずれも景気が減速というよりは後退している局面で発生している。その意味で、現在の世界経済は総じて減速しており、主要国の中では米国ののみ、まだ景気が拡大局面にいる状況だ。

となると、今回の減産は価格の下支え効果にはなるが、価格を押し上げるまでには至らない。もっと言えば、米国のWTIのほうが価格が上がりやすく、欧州・中東原油価格はそれほどアップサイドに反応しないことになる。

5月以降、WTI/Brentスプレッドが縮小しているのは、こういった背景があると考えられる。

では、今回の減産はうまくいくのか。景気の見通しを考えると、今年の秋口に米国もISM製造業指数が50を割り込み、循環的な景気減速感が強まることが予想される。恐らくこのタイミングで再び原油価格は下値余地を試すことになるだろう。

場合によると、「減産による価格下支えが困難」として、生産余力のあるOPEC諸国が増産に舵を切るかもしれない(それでも▲120万バレルの減産は維持するとみられるが、実質増産)。その場合、原油価格は2014年のOPECショックの時のように、大きく下落して30ドル台、という展開も十分に考えられ得る。

いずれにしても、イランに対する武力行使や、米国の中国に対する制裁全面解除、年末まで3回を超える米利下げが行われる、といったいわゆる「イベント級」の出来事が顕在化しない限り、しばらく原油は現状の水準で推移することになると予想する。

◆主要ニュース


・6月中国財新サービス業PMI 52.0(前月 52.7)、コンポジット 50.6(51.5)

・6月日経インドサービス業PMI 49.6(前月50.2)、コンポジット 50.8(51.7)

・6月ユーロ圏サービス業PMI 53.6(53.4)、コンポジット 52.2(52.1)

・6月独サービス業PMI 55.8(55.6)、コンポジット 52.6(52.6)

・米MBA住宅ローン申請指数 前週比 ▲0.1%(前週+1.3%)
 購入指数+1.1%(▲0.9%)
 借換指数▲1.2%(+3.2%)
 固定金利30年 4.07%(4.06%)、15年 3.42%(3.40%)

・6月米チャレンジャー社解雇者数 前年比 +12.8%(前月+85.9%)

・6月米ADP雇用統計 前月比+10.2千人(前月改定+41千人)

・米週間新規失業保険申請件数 221件(前週229千件)、失業保険継続受給者数 1,686千人(1,694千人)

・5月米貿易収支赤字 ▲555億ドル(前月改定▲512億ドル)

・6月米サービス業PMI改定 51.5(速報比+0.8、前月改定50.9)、コンポジット 51.5(+0.9、50.9)

・5月米製造業耐久財受注改定 前月比▲1.3%(速報比変わらず、前月改定▲2.8%)
 除く輸送機器+0.4%(+0.1%、▲0.1%)
 製造業新規受注資本財非国防除く航空+0.6%(▲0.1%、▲1.1%)

・6月米ISM非製造業景況指数 55.1(前月 56.9)
 新規受注 55.8(58.6)
 受注残 56.0(52.5)
 在庫増減 55.0(54.0)
 在庫景況感 58.5(58.5)
 雇用 55.0(58.1)

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・DOE米石油統計
 原油▲1.1MB(クッシング+0.7MB)
 ガソリン▲1.6MB
 ディスティレート+1.4MB
 稼働率 UC

 原油・石油製品輸出 8,496KBD(前週比▲105KBD)
 原油輸出 3,326KBD(▲77KBD)
 ガソリン輸出 666KBD(▲29KBD)
 ディスティレート輸出 1,454KBD(▲17KBD)
 レジデュアル輸出 145KBD(▲56KBD)
 プロパン・プロピレン輸出 1,127KBD(+10KBD)
 その他石油製品輸出 1,585KBD(+44KBD)

・イランの濃縮ウラン貯蔵上限に達する。

・イラン ロウハニ大統領、「計画通りにすべてのコミットメントを履行しないならば、イランハアラクにある原子炉を従来の状態へと回復させる。」

【メタル】
・特になし。

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.CME牛乳 ( 畜産品 )/ +6.39%/ +25.16%
2.ビットコイン ( その他 )/ +6.19%/ +209.68%
3.CBTトウモロコシ ( 穀物 )/ +4.72%/ +15.47%
4.ニューキャッスル炭 ( エネルギー )/ +3.93%/ ▲28.71%
5.ICEアラビカ ( その他農産品 )/ +3.70%/ +10.21%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
70.SHF錫 ( ベースメタル )/ ▲5.01%/ ▲2.69%
69.TCM原油 ( エネルギー )/ ▲4.68%/ +2.62%
68.TCM灯油 ( エネルギー )/ ▲2.97%/ +3.88%
67.TCMガソリン ( エネルギー )/ ▲2.93%/ +17.91%
66.TCM天然ゴム ( その他農産品 )/ ▲2.61%/ +30.23%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :26,966.00(+179.32)
S&P500 :2,995.82(+22.81)
日経平均株価 :21,638.16(▲116.11)
ドル円 :107.81(▲0.07)
ユーロ円 :121.59(▲0.15)
米10年債利回り :1.95(▲0.02)
独10年債利回り :▲0.39(▲0.02)
日10年債利回り :▲0.15(▲0.00)
中国10年債利回り :3.16(▲0.01)
ビットコイン :11,378.23(+663.35)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :25.20(▲0.05)
エネルギー :31.08(▲0.71)
ベースメタル :22.89(▲0.01)
貴金属 :15.22(▲0.67)
穀物 :22.88(+0.47)
その他農畜産品 :27.51(+0.18)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :38.59(▲1.99)
Brent :34.63(▲0.11)
米天然ガス :31.39(+0.06)
米ガソリン :35.90(▲0.04)
ICEガスオイル :21.87(▲3.52)
LME銅 :15.13(+0.12)
LMEアルミニウム :18.26(▲0.25)
金 :18.59(▲0.34)
プラチナ :14.03(▲1.48)
トウモロコシ :33.67(+2.98)
大豆 :18.59(▲0.34)

【エネルギー】
WTI :57.40(+1.15)
Brent :63.89(+1.49)
Oman :62.55(+1.35)
米ガソリン :192.42(+5.39)
米灯油 :190.35(+1.72)
ICEガスオイル :578.00(+0.50)
米天然ガス :2.29(+0.05)
英天然ガス :26.50(+0.38)

【石油製品(直近限月のスワップ)】
Brent :63.89(+1.49)
SPO380cst :389.35(+19.08)
SPOケロシン :76.60(+0.56)
SPOガスオイル :76.42(+0.46)
ICE ガスオイル :77.58(+0.07)
NYMEX灯油 :191.11(+0.74)

【貴金属】
金 :1418.78(+0.13)
銀 :15.31(▲0.01)
プラチナ :839.55(+9.44)
パラジウム :1574.15(+10.94)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :5,887(▲39:13C)
亜鉛 :2,451(+17:56B)
鉛 :1,885(▲10:11C)
アルミニウム :1,779(▲1:24.5C)
ニッケル :12,285(+165:100C)
錫 :18,070(▲380:55B)
コバルト :28,640(±0.0)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :5935.50(+41.50)
亜鉛 :2448.00(▲20.00)
鉛 :1879.50(▲9.00)
アルミニウム :1789.00(+9.50)
ニッケル :12370.00(+260.00)
錫 :18200.00(+525.00)
バルチック海運指数 :1,446.00(+65.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR青島) :休場( - )
SGX鉄鉱石 :124.31(+1.36)
NYMEX鉄鉱石 :123.16(▲0.03)
NYMEX原料炭スワップ先物 :186(▲0.50)
上海鉄筋直近限月 :3,825(▲5)
上海鉄筋中心限月 :4,042(▲21)
米鉄スクラップ :休場( - )

【農産物】
大豆 :885.25(+9.00)
シカゴ大豆ミール :306.00(+2.50)
シカゴ大豆油 :28.02(+0.36)
マレーシア パーム油 :1894.00(▲10.00)
シカゴ とうもろこし :433.00(+19.50)
シカゴ小麦 :518.00(+14.50)
シンガポールゴム :187.70(▲4.80)
上海ゴム :11100.00(+50.00)
砂糖 :12.54(+0.19)
アラビカ :112.25(+4.00)
ロブスタ :1424.00(+14.00)
綿花 :63.75(▲0.02)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :73.55(▲0.18)
シカゴ生牛 :105.45(+1.35)
シカゴ飼育牛 :136.58(▲1.80)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。