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中国の景気先行き、世界経済の減速懸念を受けて軟調
  • MRA商品市場レポート for MANAGEMENT(メタル)

2019年1月22日 第1468号

◆昨日のベースメタル市場総括


「中国の景気先行き、世界経済の減速懸念を受けて軟調」

中国の固定資産投資は減速も鉱工業生産は改善。
非鉄金属価格に対する説明力の高い固定資産投資は年初来累計で前年比+5.9%(+6.0%、1-11月期+5.9%)と公的セクターが減速、鉱工業生産も単月ベースでは改善も年初来累計が+6.2%(+6.2%、+6.3%)と減速、工業金属価格の下落要因となった。

IMF経済見通しは下方修正。
昨年10月のIMF見通しでは2019年の経済成長は+3.7%とされたが、昨日発表の世界GDP見通しは米中貿易戦争の激化と、金融市場のモメンタム悪化などを材料に3.5%と下方修正されリスク資産価格の下落要因に(なお、先行きの見通しのリスクも下向きと表明)。

習近平国家主席は共産党は危機に直面と発言。
習近平国家主席が、「共産党は急激かつ深刻な危機に直面している」と発言、共産党の支配体制が崩れる可能性を指摘したことは市場参加者のリスク回避姿勢を強め、非鉄金属価格の下落要因となった。

◆今日のベースメタル市場見通し


「景気の減速懸念と米中戦争の行方を懸念して軟調」

世界景気の減速懸念強まる。
IMFの経済見通しでは中国に関して据え置かれたが、世界のGDP成長は+3.5%と下方修正され、さらに見通しは下振れリスクが大きいと指摘されたことは景気循環銘柄価格の下落要因に。

世界経済フォーラムでの要人発言はネガティブなものになる可能性。
今回、米トランプ政権からは出席者がいないが、昨日の報道では米中の貿易交渉に関し関係者のコメントとして「知的財産分野においては何の進展もない」と報じられるなど、米中交渉が進捗していないとする発言が出る可能性があることはリスク資産価格の下落要因に。

中国政府による景気刺激策への期待。
習近平国家主席は景気の減速を受けて共産党が「危機的な状況に直面している」と発言、鉄道・電線網向け投資、住宅市場規制の一部緩和や金融緩和(預金準備率の引き下げ、短期市場での資金の潤沢な供給など)を実施する見込みであり非鉄金属価格の下支え要因に。


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