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米中統計減速で下落も、ドル安進行が支え
  • MRA商品市場レポート for MANAGEMENT(エネルギー・週末版)

2019年3月9日 第1498号 週末版

◆昨日のエネルギー市場総括


「米中統計減速で下落も、ドル安進行が支え」

米雇用統計は予想外の大幅減速。
高水準の雇用者の増加が続くとみられていた米雇用統計だが前月比+2万人(市場予想+18万人、前月+31.1万人)と大幅に減速、米景気の先行き懸念が強まったことは景気循環銘柄価格の下落要因に(ただし単月の統計悪化でありしばらく様子見は必要か)。

中国の貿易統計は輸出が大幅な減速。
回復が期待されていた中国の雇用統計は、主に米国向けの減速(前年比+9.1%→▲20.7%)が影響したが、アセアン諸国向けも減速(▲7.1%→▲8.2%)するなど中国の内外の景気が減速している可能性が高まったことは景気循環銘柄価格の下落要因に。

前日の反動と米統計減速によるドル安進行。
ECBが年末までの緩和方針を表明、景気見通しも下方修正したため前日大幅にドル高が進行したが、昨日の米雇用統計の悪化もあって反動でドル安が進行、ドル建て資産価格の下支え要因となった。

◆今日のエネルギー市場見通し


「景気減速見通しで軟調も経済対策と金融緩和期待が支え」

世界的な景気減速観測を受けた需要減速見通し。
欧州の景気見通しが引き下げられ、米国の雇用統計が減速し、中国の交易量の伸びが鈍化していることは世界景気の減速を確認するものであり、需要減少観測を通じて景気循環銘柄価格の下落要因に。

景気減速を受けた経済対策・金融緩和期待。
世界的に景気が減速、構造的・循環的な減速に米中貿易戦争が重なり、景気の減速感が強まっている。そのため各国とも経済対策・金融緩和を検討せざるを得なくなっており、金融面でリスク資産価格を下支えする見込み。

OPECプラスの減産やベネズエラのの情勢不安。
OPECプラスは今年の年末までの減産継続の意向を示し始めており、さらにはベネズエラが海上非常事態宣言をするなど、徐々に同国の情勢が悪化、供給懸念が意識されていることは原油価格の下支え要因に。


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