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商品と株の動きの違い
  • ビジネスへのヒント
  • MRA商品市場レポート for MANAGEMENT(週末版)

【ビジネスへのヒント】第371号

企業決算が今週あたりから本格化します。米中の対立や英国のEU離脱などのイベントが年後半に多数予定されている中で、過去の実績よりも将来の着地見込みにより注目が集まりそうです。ですが、株価は基本的に3ヵ月前の決算時に発表された計画をどれだけ達成できるのか、に注目して変動するためある意味過去の指標といえます。これに対して商品は「足元の需給動向」に左右されやすく、株よりも足元の景況感を反映しやすいと考えられます。

仮に企業決算を受けて株価が上昇したにも関わらず、原油や非鉄金属の価格が下落するような場合には景気が転換点に差し掛かっている可能性があります(この場合は景気はピークに)。そして、原油や非鉄金属の価格と同様に株価も持続的に下落を始めた場合は、景気後退局面入りした状態を意味します。

その後、株価が下落を続けているものの商品価格が上昇を始めた場合は、景気が底を打った可能性があることを意味し、両者とも上昇を始めた場合は景気が拡大局面に向かっていることを意味しています。

なお、鉱山会社やエネルギー会社などは将来の生産や需要見通しを発表しますので、これが前回の見通しから上方修正されているのか、
下方修正されているのかで価格が動くのも事実です。しかし、株式市場には存在しない「実需」の市場参加者は日々売買をする必要があるため、こうした生産見通しや需要見通しの変化の影響はそれほど長期にわたらないと考えられます。