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ECB追加緩和観測とトランプ発言で景気循環系商品物色される
  • MRA商品市場レポート for PRO

2019年6月19日 第1554号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「ECB追加緩和観測とトランプ発言で景気循環系商品物色される」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は景気循環系商品が大幅に上昇し、これまで上昇してきた農産品などが売られる流れとなった。

ECBが追加緩和の可能性について言及したほか、米トランプ大統領が米中首脳会談を実施する見通しを示したことで、景気に対する過剰な懸念が後退したことが景気循環系のリスク資産価格を押し上げた。貴金属は金融緩和期待で上昇。

しかし、ECB緩和見通しを受けてドル高が進行していることで、非景気循環系商品である農畜産品セクターは総じて軟調な推移となった。

【本日の価格見通し総括】

本日は注目のFOMCが予定されている。市場はすでに3回の利下げを織り込んでいるが、足元の統計は、一昨日のニューヨーク連銀指数がメキシコとの通商協議問題で大幅な悪化となったが、年内3回の利下げを織り込むほど悪いとは言えない。

また、米中首脳会談が開始される見通しが示されるなど、足元、景気に対する過剰な懸念は後退しつつある。

本日はFOMCの経済見通し並びに、パウエル議長の会見が予定されている。前回のドットチャートは年1回程度の利上げを織り込んでいたが、足元は3回の利下げを織り込んでいる。

これをどこまで調整してくるかがポイントになるが、少なくとも3回の利下げ見通しは行き過ぎであり、修正される、というのがメインシナリオだろう。

恐らく、「利下げの可能性を否定しないものの、そのペースに関しては慎重に経済動向を見決める」という表現にとどまると予想する。

取引時間に間に合う景気循環系商品価格は下落し、LME非鉄金属などは明日以降、下落に転じると考える。

非景気循環系商品は循環系商品からの回帰とドル高の進行でもみ合うとみる。

なお、トランプ大統領と習近平国家主席の会談の可能性が高まっているが、G20会合では「話し合いを継続することを確認」し、追加関税がとりあえず先送りされる可能性が高まった。

しかし、米中問題の根本的な解決にはならないため、引き続き同問題は特に景気循環系商品価格の下押し圧力となり続ける公算。

【昨日の世界経済・市場動向のトピックス】

昨日は統計ではZEW景況感指数のうち、特に期待指数が減速しており▲21.1(前月▲2.1)となり、ユーロ圏景気期待指数に関しても▲20.2(▲1.6)と大きく減速している。

これを受けてECBドラギ総裁は「追加緩和」について言及した。市場で予測されていた利下げを第一の手段としている。結局、各国中央銀行は再び緩和モードに転じることになった。

これを受けて市場はユーロ安・ドル高となったが、同時に非鉄金属が大きく上昇、エネルギーもじり安の展開だったが反発に転じている。

ただ、実際のところ、景気が悪くなったところで金融緩和の余地があるのは米国と中国程度であり、欧州や日本は打つ手が限られる。

安倍政権は誕生してからリフレ派の意見を積極的に取り入れ、日銀にハト派のメンバーを大量に送り込むことによって、大規模緩和圧力を強めてきた。

しかし、安倍首相は6月10日の衆議院決算委員会で、「日銀のと政府が掲げる2%の物価安定目標を達成していないものの、完全雇用などの『本当の目的』は達成している」と発言。さらに「出口戦略云々に関しては、日銀にお任せしたい」と発言し、日銀は梯子を外された形となった。

このことは仮に景気が悪くなったとしても、(その効果が薄い)金融緩和よりも財政政策に舵を切る方針に転換した可能性が高いと考えられる。

景気減速のリスクはあるが、ここまで来たこともあるので10月の消費増税は予定通り行い、景気が減速した場合には(これも効果や規模は限定されるが)、財政政策で景気を支える、という方針に転換したと考えられる。

しかし、これまでの政策で積み上がった債券やETFの解消。YCCによって経営状態が悪化した金融機関の立て直し、といった重い課題を日銀は背負うことになる。金融機関の経営状態の悪化リスクは、実は小さいリスクではないのではないか。

【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】

(マクロ要因)

・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標再びの減速(価格下落要因)。

・世界景気の減速観測。IMFは2019年の経済見通しを引き下げ(+3.5%→+3.3%)ており、米中対立の激化があった場合には▲0.5%程度の引き下げリスクも視野に入れている。リスク資産価格に対して下向きのリスク。

・FRBの利下げの可能性が再び高まる(トランプ大統領があからさまに要求を始めており、米中通商戦争の行方次第ではあり得る状況に)。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格の上昇要因(Q119の中国GDPは前年比+6.4%、前期+6.4%と市場予想の+6.3%を上回りやや減速懸念が後退)。

※中国は地方政府の資金調達規制を実質緩和。

・景気減速下での原油価格高止まりは、消費国から生産国への所得移転を通じて景気の下押し要因に。また、リスク回避のドル高進行も価格上昇を抑制。

・2020年からインドが人口ボーナス期入りすることによる、構造的な需要の増加は中長期的な価格の上昇要因。

(特殊要因)

・米中通商協議が難航しており、世界経済が減速する場合(下落要因)。

足元、米中首脳会談が開催される見通しが示されたが、話し合いを継続することは決められても合意に至るかどうかは極めて不透明。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの強まり(下落要因)。

・中東情勢の悪化を受けた域内景気の混乱と、それを受けた欧州景気への悪影響拡大(下落要因)

・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク。とりあえず10月末を期限として問題先送りしたが、メイ首相退陣、ハードブレグジット推進派の台頭によってよりそのリスクは高まる(下落要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下落要因)。

(投機・投資要因)

・米利下げ観測の高まりで長短金利逆転状況が解消し、金融株を中心に株が上昇、リスクテイク再開で景気循環系商品価格にプラスの影響を与える場合。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油市場動向総括】

原油価格は上昇。ECBドラギ総裁が追加緩和を示唆したこと、トランプ大統領が米中首脳会談を実施する方針を示したことが、価格を押し上げたが同時にドル高が進行したため、上昇余地は比較的限定された。

【原油価格見通し】

原油価格は実施の可能性が大きく低下していた米中首脳会談実施の可能性が高まったことで、需要面への過剰な懸念が後退すること、イランを巡る緊張は高まっていることから、いったん買戻しが入り、上昇余地を試す展開になると考える。

実際にさらに大きく上昇するには、具体的にホルムズ海峡で国同士の軍事衝突が起きる必要があると考えるが、今のところそこまでの対立にはならないとの見方が大勢だろう。

この状況でのOPECプラスミーティングは非常に難しい選択を迫られると考えられる。今のところ、現状の減産水準を維持(▲180万~200万バレル程度の減産を維持)がメインシナリオであるが、1.数量を明示せず判断を11月に先送り、2.米国の要請を受けて▲120万バレルの減産順守を決定、といったシナリオもあり得る。

2.は先月上旬頃のメインシナリオで現在はその可能性が後退したが、ホルムズ海峡を巡る緊張が高まって価格が上昇すれば、2.に戻る可能性はある。

なお、安倍首相とハメネイ師の会談は日本では「イランは核を作らない、持たない、使わない」の言質を得た時点で成功と報じられているが、現地メディアは否定的に報じられており、温度差がある。

【石炭市場動向総括】

石炭先物市場は続落した。中国の弱めの経済統計の発表がが相次ぐ中、需要期との端境期でもあり水準を切下げる動きとなっている。

【石炭価格見通し】

石炭価格は夏場に向けて上昇するとみているものの、期間構造が全ゾーンコンタンゴとなったことに象徴されるように、足元の需要動向が弱まっている可能性が高く、当面下値余地を探る動きになると考える。

中国の石炭の輸入量は回復しており、過去5年のレンジを上抜けした。生産に関しては減少傾向となっているが、港湾在庫は増加するなど、需要面の弱さから総じて中国の石炭需給は緩和傾向にある可能性が高く、ファンダメンタルズは強くない。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・原油価格の上昇に伴う北米の増産継続は、需給緩和で価格の下落要因。

・景気が減速する中での減産継続は、その効果が限定されはするものの、足元の価格下落を受けてOPECプラスの協調減産は7月以降も継続(場合によると減産枠拡大)の見込みであり、一定の下支え効果をもたらす見込み。

・産油国の財政悪化による上流投資部門投資の減速は、インドなどの新興国需要顕在化時の価格上昇要因。

・EV普及による需要の伸び鈍化を、軽量化目的の樹脂向け需要増加が相殺(需要が減少を始めるのは2050年頃からか)。

・世界的な石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。価格上昇要因(石炭)。

・中国の石炭生産鈍化(4月2億9,429万トン)、輸入減少(1,564万7,172トン)にもかかわらず、港湾在庫が増加していることは国内需要の弱さを示唆(石炭)。

(特殊要因)

・ホルムズ海峡でのタンカー攻撃が定常化し始めており、武力衝突の可能性がじりじりと高まっていることは供給懸念を通じて価格の上昇要因。

・北朝鮮のミサイル発射により、制裁が継続される可能性が高まっていることは、北朝鮮からの石炭輸出(密輸)を制限し、価格の上昇要因(石炭)。

・米中情報戦争をめぐる華為技術排除の決定を受けて中国政府は豪州からの石炭輸入を規制、インドネシア炭にシフトしていることはNEWC価格の下落要因に(石炭CIF価格に対する影響は中立)。

(投機・投資要因)

・WTI・Brentともロングの減少が顕著で、同時にショートが増加している。景気への懸念と生産増加観測を意識したポジション取りに。

・逆に、景気刺激策や貿易協定の妥決、生産調整の進捗、といった価格面でのプラス材料が出た場合、このショートポジションに急速に巻き戻しが入る可能性があることはリスク。

・テクニカルには、世界の市場参加者は原油取引において「一目均衡表」を活用するようになっており、「雲のねじれ」がある7月初に、例えば中東情勢不安が顕在化したり、金融緩和が意識されるようになったり、OPECが減産幅を拡大したり、ということがあれば、7月意向、ポジションの巻き戻しで急騰リスクはあり得る。

・直近の投機筋のポジションは、WTIはロングが515,457枚(前週比 ▲23,490枚)、ショートが163,802枚(+25,023枚)、ネットロングは351,655枚(▲48,513枚)、Brentが346,066枚(前週比▲5,391枚)、ショートが54,040枚(+6,910枚)、ネットロングは292,026枚(▲12,301枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属市場動向総括】

LME非鉄金属価格は大幅に上昇した。ECBドラギ総裁が追加緩和について言及したことを受け、ドル高が進行したもののリスクテイク意欲が回復、さらにトランプ大統領が米中協議を行う方針を示したことで投機の買戻しが大きく入ったためと考えられる。

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は、米中首脳会談実施の可能性が高まったことで、投機の買戻しが入り上昇余地を探る動きになると考える。また、FRB・ECBの金融緩和姿勢への転換が金融面で価格を支えることになるだろう。

売り越しに転じていた投機の買戻しが優勢になったためと考えられる。一旦買戻しが入って上昇するとみていたため、足元の動きはほぼ想定通り。

ただし、米中会談が行われるものの合意するわけではないこと、景気は循環的に減速していることから上値も重いと考える。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・環境規制の強化で特殊需要が増加する(軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルトなど)

・中国の環境規制強化に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・亜鉛の精錬キャパシティ不足に伴う需給のタイト化。一方鉱山生産は再開しており、亜鉛精鉱需給は緩和、TCも高止まり。

・環境規制強化・米制裁の影響による石炭価格上昇が、中国の非鉄金属製造コストを高止まりさせる場合。

・インドをはじめとする新興国の構造的な需要増加(中長期的な要因)。

(特殊要因)

・中国政府がシャドーバンキングを含む、違法な資金調達を認めてでも公共投資を進める方針を示したことは、需要面で価格の上昇要因に。

・銅の生産減少観測(環境問題によるインド、露天掘りから地下生産に変更するインドネシア、コデルコのストライキ)、ヴァーレの尾鉱ダム事故の影響による供給減少(アルミやニッケルなどに波及する可能性)。

・ブラジルの裁判所、ハイドロのAlunorteアルミナ精錬所の再稼働を許可。アルミナ価格の下落を通じてアルミ価格の下落要因に(アルミ)。

・オランダ ニルスター社の豪鉛精錬所(ポート・ピリー)停止による、供給不安(鉛)。

・LME指定倉庫在庫の減少が、LMEの倉庫運営ルール変更に伴う保管場所変更の取引の影響である場合、ルールが見直された際に再度、LME指定倉庫在庫が急増する可能性(下落要因)。

(投機・投資要因)

・6月7日付のLMEポジションは動きがまちまちだったが、中国の経済政策期待はそれほど大きくなく総じてロングは減少か、増加していても小幅な増加にとどまった。一方、ショートは亜鉛とニッケルを除き減少しており、徐々に下値は堅くなってきている印象。

投機筋のLME+CME銅ネット売り越し金額は▲60.8億ドル(前週▲54.1億ドル)と売り越し幅を拡大。売り越し額の増加は+60.8%に。

買い越し枚数はトン数換算ベースで▲1,532千トン(前週▲1,444千トン)と減少。亜鉛と錫以外はトン数ベースでネット売り越しのまま。ネット売り越しの増加率は+6.1%。

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料市場動向総括】

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップ市場は上昇、原料炭スワップ先物は下落、中国鉄鋼製品市場は軟調な推移となった。

ヴァーレの供給懸念が継続していることが材料となった。鉄鋼製品に関しては中国の主要統計の減速を受けて引き続き軟調。

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は、中国政府の公共投資促進策とサイクロン、ヴェロニカの影響による豪州からの供給不安、ヴァーレの生産が回復していないこと、米中首脳会談実施期待を受けた鉄鋼製品の投機的な買戻しを背景に、高値圏での推移になると予想。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・直近の鉄鋼業PMIは50.0(前月52.1)と減速。生産の回復(54.5→56.0)はあったが、新規受注の落ち込みが顕著(51.7→46.7)であり、輸出向け新規受注も大きく落ち込み(48.9→45.9)。

・中国の鉄鋼製品在庫水準の高さは価格の下落要因。鉄鋼製品在庫は前週比+27.2万トンの1,156万トン(過去5年平均1,095.3万トン)と例年を上回っている。

中国の鉄鉱石在庫水準の高さは徐々に低下し、価格の下支え要因となる可能性。鉄鉱石在庫は前週比▲290万トンの1億1,870万トン(過去5年平均1億1,851.6万トン)、在庫日数は▲0.6日の24.9日(過去5年平均 28.6日)と例年の水準を下回った状態が続いている。

粗鋼生産の回復で原材料在庫が減少した形。これは鉄鋼業PMIとほぼ平仄が取れている。

・季節的に鉄鋼製品在庫の取り崩し時期であり、価格には下押し圧力がかかりやすい。

・長期的には2020年に人口ボーナス期入りするインドの需要が鉄鋼製品・鉄鉱石価格を押し上げ。

(特殊要因)

・中国政府がシャドーバンキングを含む、違法な資金調達を認めてでも公共投資を進める方針を示したことは、需要面で価格の上昇要因に。

・ヴァーレの尾鉱ダム決壊の影響が拡大し、さらに供給減少が起きた場合(自社・他社ともにあり得る)、価格の上昇要因に。

・ヴァーレの尾鉱ダム事故の影響で、今後、低品位鉱石価格にも上昇圧力がかかる公算。

(投機・投資要因)

・固有の要因は特になし。

---≪貴金属≫---

【貴金属市場動向総括】

金・銀価格は上昇後下落した。ECBドラギ総裁が追加緩和姿勢を示したことに伴う、世界的な金利低下圧力が強まったことが実質金利を押し下げたことが価格を押し上げたが、トランプ大統領が米中首脳会談実施方針を示したことによる株高で、引けにかけては水準を切下げた。

PGMは実質金利が低下したことを受けた金銀価格の上昇に加え、米中協議実施期待を受けた株高が価格を押し上げた。

ただし、同じ排ガス触媒であるロジウム価格は前日比▲50ドルの3,415ドルと続落しており、昨日のPGMの上昇は投機的な買いによるものと考えられる。

【貴金属価格見通し】

金価格は、中東情勢の悪化やイタリアなどの情勢不安、各国中央銀行の金融緩和姿勢を材料に堅調な推移になると考える。

また、中東情勢、英国のEU離脱、欧州問題などの悪化を受けて安全資産需要が継続していることも価格を下支えするとみる。

銀価格は金銀在庫レシオ(銀在庫÷金在庫)の上昇が金銀レシオを押し上げているため対金で割安に推移。

PGM価格は金銀価格が底堅い推移になるため堅調で、目先、米中協議が実施される見通しとなったことが株を押し上げるため、金銀以上に上昇すると考える。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・FRB・ECBの金融緩和期待が市場で再び高まっていること、原油価格の高止まりは実質金利の低下を通じて金銀価格の上昇要因に(逆に利下げ期待が高まりすぎているため、期待と金融当局の判断の乖離から、7月FOMCで下落に転じる可能性も)。

・景気の先行きを懸念した株価下落とそれに伴う長期金利・実質金利の低下(金銀価格の上昇要因)。ただし、欧州の政情安定化や米中貿易戦争の合意、景況感の改善で株価が上昇した場合には金銀価格の下落要因。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

・排ガス規制強化に伴うパラジウムへのシフト(パラジウムの上昇要因・プラチナの下落要因)。

・パラジウム需要増加に伴うPGMの増産により、結果的にプラチナが供給過剰となり価格の下落要因に(プラチナ)。

(特殊要因)

・米中通商交渉は難航しており、相互報復まで発展(価格の上昇要因)。知的財産権や技術の強制移転などの重要なポイントで妥結できておらず、米中の覇権争いであり長期化の見込み(価格の下支え要因)。

・米国とイランの開戦リスク。トランプ大統領はその気がなさそうだが、共和党議会はイランとの開戦に前向きな可能性。

・米国の債務上限問題の顕在化(8月~9月にデフォルトするリスク)。

・欧州議会選でのポピュリズム政党の躍進。それに伴うEU懐疑論の高まりによる域内の政情不安定化。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加。

(投機・投資要因)

・長期金利の低下による米長短金利の逆転が株安を誘発、リスク回避のリスク資産売り圧力が強まり、安全資産需要が高まる場合。

・銀価格は金銀在庫レシオが銀在庫の減少、ないしは金在庫の増加、あるいは両要因によって低下した場合、金銀レシオが上昇するリスク(銀価格の上昇要因)。

・金銀はロングが増加、ショートが減少し、明確に強気のポジション取りとなっている。FRBの利下げ期待が織り込まれている形。

・プラチナはロング・ショートとも減少しているがロングの解消圧力のほうが顕著。パラジウムはロングが増加、ショートが減少しており、強気のポジション取りを継続。

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが250,114枚(前週比 +9,637枚)、ショートが65,876枚(▲18,486枚)、ネットロングは184,238枚(+28,123枚)、銀が85,225枚(+8,572枚)、ショートが82,565枚(▲2,531枚)、ネットロングは2,660枚(+11,103枚)

・直近の投機筋のポジションは、プラチナはロングが47,336枚(前週比 ▲781枚)、ショートが40,384枚(▲664枚)、ネットロングは6,952枚(▲117枚)、パラジウムが12,361枚(+239枚)、ショートが2,826枚(▲113枚)、ネットロングは9,535枚(+352枚)

---≪農産品≫---

【穀物市場動向総括】

シカゴ穀物価格は軟調な推移となった。ここまで、米国の不作の影響の織り込みが一巡する中、ECBの追加緩和報道を受けてドル高が進行したことが価格を下押しした。

【穀物価格見通し】

穀物価格は再び買戻しが入り、上昇すると考える。米中首脳会談が実施される見通しが示されたこと、米農務省の需給報告でトウモロコシの生産見通しが引き下げられたことが、作付けの遅れで大豆価格を、競合飼料である小麦価格を押し上げることから。

ただし、ECBの金融緩和方針を受けてドル高が進行していることは、重石に。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・米国のトウモロコシ・大豆の生産減少観測による需給タイト化観測。

・豪州東部の大干ばつによる小麦生産の減少懸念。

・作付面積動向(トウモロコシは下落、大豆は上昇、小麦は上昇)トウモロコシ作付意向面積 9,279万エーカー(市場予想 9,127万エーカー、前年8,803万エーカー)大豆 8,462万エーカー(8,620万エーカー、8,898万エーカー)小麦 4,575万エーカー(4,688万エーカー、4,734万エーカー)

・6月の米需給報告の生産見通し

トウモロコシ136億8,000万ブッシェル(前月150億3,000万Bu)大豆 41億5,000万Bu(41億5,000万Bu)小麦 19億300万Bu(18億9,700万Bu)

・6月の米需給報告の在庫見通しトウモロコシ16億7,500万ブッシェル(前月24億8,500万Bu)大豆 10億4,500万Bu(9億7,000万Bu)小麦 10億7,200万Bu(11億4,100万Bu)

・実質金利の低下に伴うドル安の進行は、シカゴ穀物の輸出競争力を改善し、需給面で価格の上昇要因に。

(特殊要因)

・米中通商交渉はほぼ戦争にまで発展(価格の下落要因)。知的財産権や技術の強制移転などの重要なポイントで妥結できておらず、米中の覇権争いであり長期化の見込み。

・米政府はブッシェル当たり大豆2ドル、トウモロコシ0.04ドル、小麦0.63ドルの補助金を供給することを検討。生産減少を食い止めるため価格の下落要因に。

・エルニーニョ現象発生による北米の増産は価格の下落要因。ただし洪水などが発生し、災害が激甚化した場合には価格の上昇要因に。

・中国の豚コレラ被害の拡大により、飼料需要が減少した場合は価格の下落要因(逆に終息すれば上昇要因)。

(投機・投資要因)

・トウモロコシはロング・ショートとも減少。ロング減少はメキシコとの通商懸念、ショートは悪天候の影響。小麦は競合飼料のトウモロコシ価格の上昇を受けて、ロング増加・ショート減少。

大豆はロング・ショートとも増加しており方向感が出難い。

・直近の投機筋のポジションは、トウモロコシはロングが447,556枚(前週比 ▲1,963枚)、ショートが208,181枚(▲17,323枚)、ネットロングは239,375枚(+15,360枚)、大豆はロングが140,432枚(+677枚)、ショートが188,101枚(+453枚)、ネットロングは▲47,669枚(+224枚)、小麦はロングが125,812枚(+6,539枚)、ショートが116,102枚(▲6,856枚)、ネットロングは9,710枚(+13,395枚)

◆主要ニュース


・5月日本首都圏マンション販売 前年比▲10.4%の2,206戸(前月▲39.3%の1,421戸)

・5月中国新築住宅価格 前月比+0.71%(+0.62%)

・Q119ユーロ圏労働コスト 前年比+2.4%(前期+2.3%)

・5月欧州新車登録台数 欧州合計 前年比±0.0%の1,443,708台(前月▲0.5%の1,344,863台)
 年初来 ▲2.0%の6,935,028台(▲2.5%の5,491,050台)

・4月ユーロ圏貿易収支(季節調整済) 153億ユーロの黒字(前月 186億ユーロの黒字)
 調整前 157億ユーロの黒字(225億ユーロの黒字)

・5月ユーロ圏消費者物価指数 前月比+0.1%(前月+0.7%)、前年比+1.2%(+1.7%)、コア指数 +0.8%(+1.3%)

・6月ZEW独景況感調査期待指数 7.8(前月8.2)、現況指数 ▲21.1(▲2.1)
 ユーロ圏期待指数 ▲20.2(▲1.6)

・6月ニューヨーク連銀製造業景況感指数 ▲8.6(前月17.8)
 新規受注 ▲12.0(9.7)
 受注残 ▲15.8(2.1)
 在庫水準 ▲5.3(▲4.1)
 雇用者数 ▲3.5(4.7)
 6ヵ月先景況指数 25.7(30.6)

・6月米NAHB住宅市場指数 67(前月改定 66)

・5月米住宅着工件数 前月比▲0.9%の126.9万戸(前月改定+6.8%の128.1万戸)

・5月米住宅建設許可件数 前月比+0.3%の129.4万戸(前月改定+0.2%の129.0万戸)

・ECBドラギ総裁、「見通しが改善しなければ追加緩和が必要に。更なる利下げはECBの政策手段の一部。」

・ECBの複数の当局者、「新たな緩和策なら利下げが第一の手段。」

・米トランプ大統領、習近平国家主席と電話協議。G20で米中会談が行われる見込みで、それに先立ち事務レベル協議が行われる見込み。

・米トランプ大統領、「長い間、ユーロ圏と中国は通貨安誘導で不公正に逃れていた。」

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・DOE米在庫統計市場予想
 原油▲1,767KB(前週+2,206KB)
 ガソリン+192KB(+764KB)
 ディスティレート+0KB(▲1,000KB)
 稼働率+0.23%(+1.40%)

・API石油統計
 原油在庫▲0.812MB
 クッシング+0.519MB
 ガソリン+1.46MB
 ディスティレート▲0.05MB

・OPEC、7月8日~12日の開催を打診。

・米国、中東に1,000人増派を決定。トランプ大統領、「タンカー攻撃は軽度。」

【メタル】
・コデルコ、Chuquicamata鉱山でのストライキ5日目に。

・5月日本電線出荷量 前年比+1,806トンの56,800トン(前月 59,401トン)

・中国ベースメタル貿易統計(5月)、単位:千トン、錫:トン
 精錬銅輸入 294.7(前月比 +10.1, 前年比 ▲23.4)
 銅精鉱 1,655.7(前月比 ▲111.6, 前年比 +105.6)
 銅スクラップ 174.2(前月比 +72.6, 前年比 ▲10.0)
 精錬銅輸出 36.1(前月比 +4.8, 前年比 +14.9)。

 精錬亜鉛輸入 85.4(前月比 +24.7, 前年比 +44.5)
 精錬亜鉛輸出 0.8(前月比 ▲0.5, 前年比 ▲1.2)。

 精錬鉛輸入 14.7(前月比 ▲3.9, 前年比 +12.1)
 精錬鉛輸出 0.1(前月比 UC, 前年比 ▲9.4)。

 ニッケル輸入 19.1(前月比 +7.6, 前年比 ▲5.4)
 ニッケル輸出 0.4(前月比 ▲0.7, 前年比 ▲0.3)。

 錫輸入 167.0(前月比 ▲58.0, 前年比 +12.0)
 錫輸出 1,170.0(前月比 ▲137.0, 前年比 +1,130.0)。

・5月中国プライマリアルミ生産 前年比+194千トンの2,980千トン(前月 2,916千トン)

・ヴァーレ、「ミナスジェライス州の検察と合意に達するまで、年間3,000万トンが生産・閉鎖されたままとなる見込み。」

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.TGE大豆 ( 穀物 )/ +13.17%/ ▲6.44%
2.TGE小豆 ( 穀物 )/ +7.57%/ +40.24%
3.CME木材 ( その他農産品 )/ +6.22%/ +23.31%
4.NYM WTI ( エネルギー )/ +2.65%/ +18.70%
5.CME豚赤身肉 ( 畜産品 )/ +2.65%/ +33.62%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
68.TGEトウモロコシ ( 穀物 )/ ▲7.08%/ +3.37%
67.SHF亜鉛 ( ベースメタル )/ ▲4.43%/ ▲4.65%
66.CBTオレンジジュース ( その他農産品 )/ ▲2.68%/ ▲18.74%
65.NYM米天然ガス ( エネルギー )/ ▲2.47%/ ▲20.82%
64.ICEアラビカ ( その他農産品 )/ ▲1.77%/ ▲7.41%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :26,465.54(+353.01)
S&P500 :2,917.75(+28.08)
日経平均株価 :20,972.71(▲151.29)
ドル円 :108.45(▲0.09)
ユーロ円 :121.40(▲0.36)
米10年債利回り :2.06(▲0.03)
独10年債利回り :▲0.32(▲0.08)
日10年債利回り :▲0.12(▲0.00)
中国10年債利回り :3.25(+0.01)
ビットコイン :9,125.34(▲147.71)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :25.22(+0.16)
エネルギー :35.67(+1.13)
ベースメタル :20.09(+0.25)
貴金属 :15.44(+0.12)
穀物 :24.80(+0.04)
その他農畜産品 :25.92(▲0.24)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :43.30(+3.55)
Brent :39.91(+1.2)
米天然ガス :28.53(+0)
米ガソリン :35.16(+1.55)
ICEガスオイル :29.77(+0.51)
LME銅 :15.46(+1.29)
LMEアルミニウム :14.00(+0.1)
金 :20.61(▲0.11)
プラチナ :19.08(+0.47)
トウモロコシ :31.73(+0.66)
大豆 :20.61(▲0.11)

【エネルギー】
WTI :53.90(+1.97)
Brent :62.14(+1.20)
Oman :61.23(+1.28)
米ガソリン :172.14(+3.06)
米灯油 :182.78(+2.83)
ICEガスオイル :562.50(+4.50)
米天然ガス :2.33(▲0.06)
英天然ガス :27.82(▲1.49)

【石油製品(直近限月のスワップ)】
Brent :62.14(+1.20)
SPO380cst :362.72(+15.73)
SPOケロシン :74.28(+1.23)
SPOガスオイル :73.98(+1.25)
ICE ガスオイル :75.50(+0.60)
NYMEX灯油 :183.46(+1.18)

【貴金属】
金 :1346.61(+6.95)
銀 :15.01(+0.17)
プラチナ :804.15(+8.90)
パラジウム :1482.02(+23.99)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :5,876(+86:27.5C)
亜鉛 :2,476(+48:113B)
鉛 :1,892(+21:6C)
アルミニウム :1,763(+9:30C)
ニッケル :11,775(▲70:70C)
錫 :18,875(▲75:100B)
コバルト :28,000(±0.0)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :5956.00(+104.00)
亜鉛 :2513.50(+39.50)
鉛 :1916.50(+34.00)
アルミニウム :1778.00(+19.50)
ニッケル :11950.00(+185.00)
錫 :19205.00(+300.00)
バルチック海運指数 :1,093.00(+8.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR青島) :休場( - )
SGX鉄鉱石 :106.87(+1.92)
NYMEX鉄鉱石 :105.79(+1.62)
NYMEX原料炭スワップ先物 :196(▲1.50)
上海鉄筋直近限月 :3,703(▲16)
上海鉄筋中心限月 :3,710(▲12)
米鉄スクラップ :264(±0.0)

【農産物】
大豆 :913.50(+0.75)
シカゴ大豆ミール :322.00(▲2.30)
シカゴ大豆油 :28.33(+0.19)
マレーシア パーム油 :2005.00(▲18.00)
シカゴ とうもろこし :449.75(▲5.00)
シカゴ小麦 :531.50(▲8.00)
シンガポールゴム :199.40(▲1.70)
上海ゴム :11670.00(▲30.00)
砂糖 :12.61(▲0.05)
アラビカ :94.30(▲1.75)
ロブスタ :1340.00(▲16.00)
綿花 :65.32(▲0.31)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :81.48(▲1.58)
シカゴ生牛 :109.45(±0.0)
シカゴ飼育牛 :137.25(+0.33)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。