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商品デリバティブ・サプライヤーの消滅リスク
  • ビジネスへのヒント
  • MRA商品市場レポート for MANAGEMENT(週末版)

【ビジネスへのヒント】第353号

アラン・グリーンスパンがFRBの議長になって以降、「バブルは新たなバブルを作ることで解消する」という手法が広く「正しい」と認知されるようになり、リーマンショックはそのツケの総決算となるはずでしたが、初回の信用不安解消のための取引の後に立て続けに行った量的緩和の影響で、再び市場ではバブルが形成されようとしています。

しかし、金融機関がレバレッジを効かせた取引を拡大する中で規制も厳しくなり、投資銀行が商品の現物を積極的に取引したり、商品ファンドに出資したりといった行動が制限されるようになり、取引に旨味を感じなくなった投資銀行が商品分野から撤退する動きが加速しました。現在、対顧客向けに価格リスク制御ツールとしての商品デリバティブを提供する金融機関の数は限られています。

しかし、もしこの動きが加速した場合どうなるでしょうか?企業は市場価格の変動に伴う価格リスクの制御の手法が限定されてしまうことになります。サプライヤーと交渉したとしても、サプライヤーもそのリスクを引き受けてくれる相手方がいないためです。

そのように考えると、このリスクを回避するには最終的に「取引所に直接アクセスする」必要が出てきます。経営がきちんとしている取引所との取引であれば、ある意味金融機関と取引するよりも安全です。ですが、取引所の商品は商品設計が決まっている、いわば「レディメイド型」の商品であるため、価格リスクヘッジを行おうとしている原資産とツールの間でベーシスリスクが発生することは回避できません。そのためにも、自社の調達や販売の状況がどのようになっているか、それをどのように分解すればリスクヘッジを行うことができるかを考える必要が出てきます。

「そこまでの取引は必要がないだろう」

と思うかもしれませんが、火事になってから対応しても手遅れです。ゆとりがあるうちにこうしたリスクも想定してある程度の準備を進めておく必要があるのではないでしょうか。