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商品デリバティブ・サプライヤーの消滅リスク-その2
  • ビジネスへのヒント
  • MRA商品市場レポート for MANAGEMENT(週末版)

【ビジネスへのヒント】第355号

2019年2月4日付のビジネスへのヒントで、商品デリバティブ・サプライヤーの消滅リスクについて解説しましたが、実際にその動きが見え始めています。2月19日付の日経新聞では、「ゴールドマン聖域なき改革 CEOインタビュー 商品取引は一部撤退検討」というタイトルでゴールドマンが商品部門の規模縮小の検討を始めていることを伝えています。

そもそも投資銀行の商品デリバティブビジネスは、2000年代の中国の需要爆発を切っ掛けに拡大しました。この頃は「ほかの会社よりも出来るだけ早く、長い期間、大きい取引を行うこと」が目的でしたので、金融機関側からすれば放っておいても大きなロットの取引が舞い込んできました。とくに会計基準が甘く、投機的な取引を好む中国勢からのニーズが主体でしたので、金融機関側はより大きな収益を確保できたものと思われます。

ですが、リーマンショックが発生し、投資銀行に対する「過剰なレバレッジの効いた商品の販売」が規制されたことや、中国経済の構造的な減速で、「長期にわたってロットの大きな取引を行う」ケースが少なくなってきました。恐らく今回のゴールドマンの判断はそういったことに立脚するものです。

投資銀行による、レバレッジの効いた商品の販売が減速し、実需の市場参加者が主体の市場になる場合、市場の需給環境が変化すると今まで以上に価格変動が激しくなります。これは「割安だから買っておこう」「割高だから売っておこう」と考えて取引を行う市場参加者が減少するためです。

かつて、米国ではタマネギ先物市場がありましたが「価格変動の元凶である投機資金を追放せよぼ」という掛け声のもとに実需家のみの市場となったのち、凶作・豊作のたびに今まで以上に市場が乱高下するようになり、先物市場が機能しなくなり自体がなくなってしまうということがありました。実需の方からすれば「投機資金退場すべし」という思いがあるかもしれませんが、退場後の市場はそれ以上に厳しくなることがあることも、理解しておくことは必要でしょう。