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金融緩和・米中緊張緩和期待と中東有事でほぼ全面高
  • MRA商品市場レポート for PRO

2019年6月21日 第1556号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「金融緩和・米中緊張緩和期待と中東有事でほぼ全面高」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場はこれまで上昇してきた非景気循環系商品である、農畜産品の一角や上昇をしていたPGMがフィラデルフィア連銀指数を受けて売られたが、その他の商品は軒並み水準を切り上げた。

米国の利下げ期待や米中協議の進捗期待を受けて、景気循環系商品が物色される一方、中東でイランが米国の無人偵察機を撃墜したとの報道を受けて原油価格が急騰、それを受けた金銀価格の上昇などがみられ、ほぼ全面高の様相。

【本日の価格見通し総括】

世界的な金融緩和の流れが定着する中、総じてリスク資産に買戻し圧力が高まる形になっている。また同時に米金利低下により、インフレ資産も上昇、ほとんどの商品が物色される流れとなっている。

また、中東ではイランと米国の対立が強まっており供給懸念から原油も上昇と、供給面が懸念されている商品も多い。

そうはいっても、これらの政治的な動きを受けて企業の景況感がどうなっているかが重要であり、本日はユーロ圏製造業PMI(市場予想48.0、前月47.7)、独製造業PMI(44.6、44.3)に注目している。

市場予想は先月から回復を見込んでいるが、欧州地区のサプライズ指数はマイナス圏での推移となっており予想を下回る可能性は低くない。ドル高進行も予想されるため、景気循環銘柄価格を下押ししよう。

その他、減速感が強まっている米国の住宅セクターの先行指標である中古住宅販売(市場予想前月比+2.1%の530万戸、前月▲0.4%の519万戸)にも注目したい。

【昨日の世界経済・市場動向のトピックス】

金融政策動向が市場の最大関心事となる中、足元の景況感を示す指標の1つとして注目されており、ISMの先行指標であるフィラデルフィア連銀景況指数が0.3と、今年の2月以来の大幅な悪化となった。

ただ、2月の統計悪化はすっかり記憶から薄れているが、米債務上限問題を受けた政府閉鎖の影響によるものの可能性が高く、やや異例な悪化であった。

今回はメキシコに対する追加関税が取り上げられたことに伴う悪化であるため、一時的、との見方が多く2月の状況と大差はないかもしれない。しかし、7月と見られるFOMCでの利下げで、このセンチメントの悪化はある程度和らぐと思われる。

とはいえ今回のフィラデルフィア連銀指数で、来月初めに発表される米ISM製造業指数への注目度が高まった。ISM製造業指数はフィラデルフィア連銀指数から上放れしていたが、この数ヵ月でようやくその差を埋めた状況だった。

仮にフィラデルフィア連銀指数通りに減速があるとすればISM製造業指数は好不況の分かれ目となる、50を下回ることになる。

この場合、各国のインフレに影響を与えやすい原油の価格は下落が予想され、さらにはOPECプラスの減産の影響も限定される可能性が高い(中東有事が顕在化しないという前提)。来月初のISM製造業指数の重要度はさらに増したといえる。

【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】

(マクロ要因)

・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標再びの減速(価格下落要因)。

・世界景気の減速観測。IMFは2019年の経済見通しを引き下げ(+3.5%→+3.3%)ており、米中対立の激化があった場合には▲0.5%程度の引き下げリスクも視野に入れている。リスク資産価格に対して下向きのリスク。

・FRBの利下げの可能性が再び高まる(トランプ大統領があからさまに要求を始めており、米中通商戦争の行方次第ではあり得る状況に)。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格の上昇要因(Q119の中国GDPは前年比+6.4%、前期+6.4%と市場予想の+6.3%を上回りやや減速懸念が後退)。

※中国は地方政府の資金調達規制を実質緩和。

・景気減速下での原油価格高止まりは、消費国から生産国への所得移転を通じて景気の下押し要因に。また、リスク回避のドル高進行も価格上昇を抑制。

・2020年からインドが人口ボーナス期入りすることによる、構造的な需要の増加は中長期的な価格の上昇要因。

(特殊要因)

・米中通商協議が難航しており、世界経済が減速する場合(下落要因)。

足元、米中首脳会談が開催される見通しが示されたが、話し合いを継続することは決められても合意に至るかどうかは極めて不透明。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの強まり(下落要因)。

・中東情勢の悪化を受けた域内景気の混乱と、それを受けた欧州景気への悪影響拡大(下落要因)

・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク。とりあえず10月末を期限として問題先送りしたが、メイ首相退陣、ハードブレグジット推進派の台頭によってよりそのリスクは高まる(下落要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下落要因)。

(投機・投資要因)

・米利下げ観測の高まりで長短金利逆転状況が解消し、金融株を中心に株が上昇、リスクテイク再開で景気循環系商品価格にプラスの影響を与える場合。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油市場動向総括】

原油価格は大幅に上昇した。イランがホルムズ海峡を飛行していた米国の無人偵察機を撃墜したとの報道を受け、具体的に軍事的な衝突が、米国とイランの間で発生したことで、開戦へのリスクが意識されたため。

【原油価格見通し】

原油価格は上昇余地を探る動きになると考える。

具体的に米国とイランが軍事的に衝突したこと、G20で米中首脳会談が実施される見込みで、需要面への過剰な懸念が後退すること、FRBが利下げ方向に舵を切ったことから、いったん買戻しが入り上昇余地を試す展開になると考える。

これ以上、中東を材料に価格が上昇するとすれば、さらに具体的に米国とイランが軍事的に衝突することであるが、現時点では希望的観測も含めて「ない」と信じたい。

しかし、この中東有事の高まりで、OPECプラス会合での方針は急速に従来の見通し、すなわち▲120万バレルの減産水準を順守、という方向に舵が切られるとみられる。

中東情勢が緊迫しているためBrentベースで60ドル程度まで、価格を押し下げると期待されるが、中東の緊張が緩和されれば、ISM製造業指数の低下もあってBrentベースで55ドル程度までの下落が見込まれる。

【石炭市場動向総括】

石炭先物市場は続落した。中国の弱めの経済統計の発表が相次ぎ、環境規制強化の中で石炭価格が急落している欧州市場の影響を引き続き受けているため。

【石炭価格見通し】

石炭価格は夏場に向けて上昇するとみているものの、欧州市場の需給緩和(よりクリーンなエネルギーへのシフト、景気減速による電力需要の後退)、中国の景況感の悪化を受け、当面は下値余地を探る動きになると考える。

中国の石炭の輸入量は回復しており、過去5年のレンジを上抜けした。生産に関しては減少傾向となっているが、港湾在庫は増加するなど、需要面の弱さから総じて中国の石炭需給は緩和傾向にある可能性が高く、ファンダメンタルズは強くない。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・原油価格の上昇に伴う北米の増産継続は、需給緩和で価格の下落要因。

・景気が減速する中での減産継続は、その効果が限定されはするものの、足元の価格下落を受けてOPECプラスの協調減産は7月以降も継続(場合によると減産枠拡大)の見込みであり、一定の下支え効果をもたらす見込み。

・産油国の財政悪化による上流投資部門投資の減速は、インドなどの新興国需要顕在化時の価格上昇要因。

・EV普及による需要の伸び鈍化を、軽量化目的の樹脂向け需要増加が相殺(需要が減少を始めるのは2050年頃からか)。

・世界的な石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。価格上昇要因(石炭)。

・中国の石炭生産鈍化(4月2億9,429万トン)、輸入減少(1,564万7,172トン)にもかかわらず、港湾在庫が増加していることは国内需要の弱さを示唆(石炭)。

(特殊要因)

・ホルムズ海峡でのタンカー攻撃が定常化し始めており、武力衝突の可能性がじりじりと高まっていることは供給懸念を通じて価格の上昇要因。

・北朝鮮のミサイル発射により、制裁が継続される可能性が高まっていることは、北朝鮮からの石炭輸出(密輸)を制限し、価格の上昇要因(石炭)。

・米中情報戦争をめぐる華為技術排除の決定を受けて中国政府は豪州からの石炭輸入を規制、インドネシア炭にシフトしていることはNEWC価格の下落要因に(石炭CIF価格に対する影響は中立)。

(投機・投資要因)

・WTI・Brentともロングの減少が顕著で、同時にショートが増加している。景気への懸念と生産増加観測を意識したポジション取りに。

・逆に、景気刺激策や貿易協定の妥決、生産調整の進捗、といった価格面でのプラス材料が出た場合、このショートポジションに急速に巻き戻しが入る可能性があることはリスク。

・テクニカルには、世界の市場参加者は原油取引において「一目均衡表」を活用するようになっており、「雲のねじれ」がある7月初に、例えば中東情勢不安が顕在化したり、金融緩和が意識されるようになったり、OPECが減産幅を拡大したり、ということがあれば、7月意向、ポジションの巻き戻しで急騰リスクはあり得る。

・直近の投機筋のポジションは、WTIはロングが515,457枚(前週比 ▲23,490枚)、ショートが163,802枚(+25,023枚)、ネットロングは351,655枚(▲48,513枚)、Brentが346,066枚(前週比▲5,391枚)、ショートが54,040枚(+6,910枚)、ネットロングは292,026枚(▲12,301枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属市場動向総括】

LME非鉄金属価格は反発。米国の利下げ期待を受けて積み上がってきた投機の買戻しが、四半期末を控えて入ったことが背景。

また、原油価格の急騰に伴う実質金利の低下も価格を押し上げた。

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は、米中首脳会談実施の可能性が高まったこと、FOMCが利下げに舵を切ったことで、投機の買戻しが入り上昇余地を探る動きになると考える。

ただし、米中会談が行われるものの合意するわけではないこと、景気は循環的に減速していることから上値も重いと考える。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・環境規制の強化で特殊需要が増加する(軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルトなど)

・中国の環境規制強化に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・亜鉛の精錬キャパシティ不足に伴う需給のタイト化。一方鉱山生産は再開しており、亜鉛精鉱需給は緩和、TCも高止まり。

・環境規制強化・米制裁の影響による石炭価格上昇が、中国の非鉄金属製造コストを高止まりさせる場合。

・インドをはじめとする新興国の構造的な需要増加(中長期的な要因)。

(特殊要因)

・中国政府がシャドーバンキングを含む、違法な資金調達を認めてでも公共投資を進める方針を示したことは、需要面で価格の上昇要因に。

・銅の生産減少観測(環境問題によるインド、露天掘りから地下生産に変更するインドネシア、コデルコのストライキ)、ヴァーレの尾鉱ダム事故の影響による供給減少(アルミやニッケルなどに波及する可能性)。

・ブラジルの裁判所、ハイドロのAlunorteアルミナ精錬所の再稼働を許可。アルミナ価格の下落を通じてアルミ価格の下落要因に(アルミ)。

・オランダ ニルスター社の豪鉛精錬所(ポート・ピリー)停止による、供給不安(鉛)。

・LME指定倉庫在庫の減少が、LMEの倉庫運営ルール変更に伴う保管場所変更の取引の影響である場合、ルールが見直された際に再度、LME指定倉庫在庫が急増する可能性(下落要因)。

(投機・投資要因)

・6月7日付のLMEポジションは動きがまちまちだったが、中国の経済政策期待はそれほど大きくなく総じてロングは減少か、増加していても小幅な増加にとどまった。一方、ショートは亜鉛とニッケルを除き減少しており、徐々に下値は堅くなってきている印象。

投機筋のLME+CME銅ネット売り越し金額は▲60.8億ドル(前週▲54.1億ドル)と売り越し幅を拡大。売り越し額の増加は+60.8%に。

買い越し枚数はトン数換算ベースで▲1,532千トン(前週▲1,444千トン)と減少。亜鉛と錫以外はトン数ベースでネット売り越しのまま。ネット売り越しの増加率は+6.1%。

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料市場動向総括】

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップ市場は上昇、原料炭スワップ先物は横ばい、中国鉄鋼製品市場は上昇した。

米中首脳会談開催の見通しを受けた景気への過剰な懸念後退と、リオ・ティントが生産見通しを引き下げたことが材料となった。

なお、生産停止命令が出ていたヴァーレのBrucutu鉱山は、ブラジルの最高裁判所が再稼働を認めた。

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は、中国政府の公共投資促進策と、豪州からの供給不安、ヴァーレの生産が完全に回復していないこと、リオの減産見通しといった供給面、米中首脳会談実施期待を受けた鉄鋼製品の投機的な買戻しを背景に、高値圏での推移になると予想。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・直近の鉄鋼業PMIは50.0(前月52.1)と減速。生産の回復(54.5→56.0)はあったが、新規受注の落ち込みが顕著(51.7→46.7)であり、輸出向け新規受注も大きく落ち込み(48.9→45.9)。

・中国の鉄鋼製品在庫水準の高さは価格の下落要因。鉄鋼製品在庫は前週比+27.2万トンの1,156万トン(過去5年平均1,095.3万トン)と例年を上回っている。

中国の鉄鉱石在庫水準の高さは徐々に低下し、価格の下支え要因となる可能性。鉄鉱石在庫は前週比▲290万トンの1億1,870万トン(過去5年平均1億1,851.6万トン)、在庫日数は▲0.6日の24.9日(過去5年平均 28.6日)と例年の水準を下回った状態が続いている。

粗鋼生産の回復で原材料在庫が減少した形。これは鉄鋼業PMIとほぼ平仄が取れている。

・季節的に鉄鋼製品在庫の取り崩し時期であり、価格には下押し圧力がかかりやすい。

・長期的には2020年に人口ボーナス期入りするインドの需要が鉄鋼製品・鉄鉱石価格を押し上げ。

・ヴァーレ、リオ・ティントの生産目標引き下げによる、供給減速。

(特殊要因)

・中国政府がシャドーバンキングを含む、違法な資金調達を認めてでも公共投資を進める方針を示したことは、需要面で価格の上昇要因に。

・ヴァーレの尾鉱ダム決壊の影響が拡大し、さらに供給減少が起きた場合(自社・他社ともにあり得る)、価格の上昇要因に。

ヴァーレの尾鉱ダム事故の影響で、今後、低品位鉱石価格にも上昇圧力がかかる公算。

(投機・投資要因)

・固有の要因は特になし。

---≪貴金属≫---

【貴金属市場動向総括】

金・銀価格は大幅に上昇した。米FOMCはハト派的な内容となり、利下げ期待を織り込む中で実質金利が低下していること、中東でイランが米国の無人偵察機を撃墜したと報じられたことで、安全資産需要が高まったため。

PGMは金銀価格の急上昇を受けて水準を切り上げていたが、フィラデルフィア連銀指数が大幅な悪化となったことで引けにかけて水準を切下げ、前日比マイナスで引けた。

【貴金属価格見通し】

金価格は、FRBが緩和方向に舵を切ったこと、中東情勢の悪化やイタリアなどの情勢不安を材料に堅調な推移になると考える。

また、中東情勢、英国のEU離脱、欧州問題などの悪化を受けて安全資産需要が継続していることも価格を下支えするとみる。

銀価格は金銀在庫レシオ(銀在庫÷金在庫)の上昇が金銀レシオを押し上げているため対金で割安に推移。

PGM価格は金銀価格が底堅い推移になるため堅調で、目先、米中協議が実施される見通しとなったことや米利下げ観測が株を押し上げるため、金銀以上に上昇すると考える。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・FRB・ECBの金融緩和期待が市場で再び高まっていること、原油価格の高止まりは実質金利の低下を通じて金銀価格の上昇要因に(逆に利下げ期待が高まりすぎているため、期待と金融当局の判断の乖離から、7月FOMCで下落に転じる可能性も)。

・景気の先行きを懸念した株価下落とそれに伴う長期金利・実質金利の低下(金銀価格の上昇要因)。ただし、欧州の政情安定化や米中貿易戦争の合意、景況感の改善で株価が上昇した場合には金銀価格の下落要因。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

・排ガス規制強化に伴うパラジウムへのシフト(パラジウムの上昇要因・プラチナの下落要因)。

・パラジウム需要増加に伴うPGMの増産により、結果的にプラチナが供給過剰となり価格の下落要因に(プラチナ)。

(特殊要因)

・米中通商交渉は難航しており、相互報復まで発展(価格の上昇要因)。知的財産権や技術の強制移転などの重要なポイントで妥結できておらず、米中の覇権争いであり長期化の見込み(価格の下支え要因)。

・米国とイランの開戦リスク。トランプ大統領はその気がなさそうだが、共和党議会はイランとの開戦に前向きな可能性。

・米国の債務上限問題の顕在化(8月~9月にデフォルトするリスク)。

・欧州議会選でのポピュリズム政党の躍進。それに伴うEU懐疑論の高まりによる域内の政情不安定化。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加。

(投機・投資要因)

・長期金利の低下による米長短金利の逆転が株安を誘発、リスク回避のリスク資産売り圧力が強まり、安全資産需要が高まる場合。

・銀価格は金銀在庫レシオが銀在庫の減少、ないしは金在庫の増加、あるいは両要因によって低下した場合、金銀レシオが上昇するリスク(銀価格の上昇要因)。

・金銀はロングが増加、ショートが減少し、明確に強気のポジション取りとなっている。FRBの利下げ期待が織り込まれている形。

・プラチナはロング・ショートとも減少しているがロングの解消圧力のほうが顕著。パラジウムはロングが増加、ショートが減少しており、強気のポジション取りを継続。

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが250,114枚(前週比 +9,637枚)、ショートが65,876枚(▲18,486枚)、ネットロングは184,238枚(+28,123枚)、銀が85,225枚(+8,572枚)、ショートが82,565枚(▲2,531枚)、ネットロングは2,660枚(+11,103枚)

・直近の投機筋のポジションは、プラチナはロングが47,336枚(前週比 ▲781枚)、ショートが40,384枚(▲664枚)、ネットロングは6,952枚(▲117枚)、パラジウムが12,361枚(+239枚)、ショートが2,826枚(▲113枚)、ネットロングは9,535枚(+352枚)

---≪農産品≫---

【穀物市場動向総括】

シカゴ穀物価格は上昇した。利下げ期待でドル安が進行したことや、米中協議の進捗期待、米国の作付け遅れによる供給不安が材料となった。

【穀物価格見通し】

穀物価格は再び買戻しが入り、上昇すると考える。米中首脳会談が実施される見通しが示されたこと、米農務省の需給報告でトウモロコシの生産見通しが引き下げられたことが、作付けの遅れで大豆価格を、競合飼料である小麦価格を押し上げることから。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・米国のトウモロコシ・大豆の生産減少観測による需給タイト化観測。

・豪州東部の大干ばつによる小麦生産の減少懸念。

・作付面積動向(トウモロコシは下落、大豆は上昇、小麦は上昇)トウモロコシ作付意向面積 9,279万エーカー(市場予想 9,127万エーカー、前年8,803万エーカー)大豆 8,462万エーカー(8,620万エーカー、8,898万エーカー)小麦 4,575万エーカー(4,688万エーカー、4,734万エーカー)

・6月の米需給報告の生産見通し

トウモロコシ136億8,000万ブッシェル(前月150億3,000万Bu)大豆 41億5,000万Bu(41億5,000万Bu)小麦 19億300万Bu(18億9,700万Bu)

・6月の米需給報告の在庫見通しトウモロコシ16億7,500万ブッシェル(前月24億8,500万Bu)大豆 10億4,500万Bu(9億7,000万Bu)小麦 10億7,200万Bu(11億4,100万Bu)

・実質金利の低下に伴うドル安の進行は、シカゴ穀物の輸出競争力を改善し、需給面で価格の上昇要因に。

(特殊要因)

・米中通商交渉はほぼ戦争にまで発展(価格の下落要因)。知的財産権や技術の強制移転などの重要なポイントで妥結できておらず、米中の覇権争いであり長期化の見込み。

・米政府はブッシェル当たり大豆2ドル、トウモロコシ0.04ドル、小麦0.63ドルの補助金を供給することを検討。生産減少を食い止めるため価格の下落要因に。

・エルニーニョ現象発生による北米の増産は価格の下落要因。ただし洪水などが発生し、災害が激甚化した場合には価格の上昇要因に。

・中国の豚コレラ被害の拡大により、飼料需要が減少した場合は価格の下落要因(逆に終息すれば上昇要因)。

(投機・投資要因)

・トウモロコシはロング・ショートとも減少。ロング減少はメキシコとの通商懸念、ショートは悪天候の影響。小麦は競合飼料のトウモロコシ価格の上昇を受けて、ロング増加・ショート減少。

大豆はロング・ショートとも増加しており方向感が出難い。

・直近の投機筋のポジションは、トウモロコシはロングが447,556枚(前週比 ▲1,963枚)、ショートが208,181枚(▲17,323枚)、ネットロングは239,375枚(+15,360枚)、大豆はロングが140,432枚(+677枚)、ショートが188,101枚(+453枚)、ネットロングは▲47,669枚(+224枚)、小麦はロングが125,812枚(+6,539枚)、ショートが116,102枚(▲6,856枚)、ネットロングは9,710枚(+13,395枚)

◆主要ニュース


・5月日本工作機械受注 前年比▲27.3%の1,085億円(前月▲33.4%の▲28.5%の1,087億円)
 外需 ▲23.8%の658億円(▲31.1%の651億円)

・5月日本コンビニエンスストア売上高 前年比+1.7%(前月+1.3%)

・4月日本全産業活動指数 前月比+0.9%(前月▲0.3%)

・5月ユーロ圏消費者信頼感速報 ▲7.2(前月改定 ▲6.5)

・Q119米経常収支 ▲1,304億ドルの赤字(前期改定▲1,439億ドルの赤字)

・米週間新規失業保険申請件数 216件(前週222千件)、失業保険継続受給者数 1,662千人(1,699千人)

・6月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数 0.3(前月16.6)
 新規受注 8.3(11.0)
 受注残 10.2(1.9)
 在庫水準 2.4(▲3.1)
 雇用者数 15.4(18.2)
 6ヵ月先景況指数 21.4(19.7)

・5月米景気先行指標総合指数 前月比 ±0.0%(前月改定+0.1%)

・日銀当座預金残高の預金金利 ▲0.1%(前回 ▲0.1%)、10年債金利の誘導目標 ±0.0%(±0.0%)

・トルコ大統領、「政策金利は高水準、引き下げる必要がある。政策金利を引き下げれば消費者物価は低下する。」 リラ急落。

・米トランプ大統領、「私はパウエルFRB議長を交代させる権限を持っていると確信している。パウエル議長はもっと早くすべきだった。」

・習近平国家主席、北朝鮮金委員長と会談、朝鮮半島非核化に積極関与表明。

・インド中銀、レポレートを25bp引き下げ5.75%に 、リバースレポレートを5.50%で据え置き、預金準備率は7月から▲50bp引き下げ3.50%に。

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・DOE天然ガス稼働在庫 2,202BCF(前週比+113BCF)
 東部 472BCF(+32BCF)
 中西部 503BCF(+34BCF)
 山間部 118BCF(+7BCF)
 太平洋地区234BCF(+7BCF)
 南中央 875BCF(+33BCF)

・イラン、米無人機をホルムズ海峡で撃墜。

・米トランプ大統領、「イランは非常に大きなミスを犯した!」

・イエメン フーシ派、サウジの淡水化施設を攻撃。

・OPEC、7月の総会で減産幅を従来の合意の水準(▲120万バレル)順守に。

【メタル】
・コデルコ労働者、土曜日に企業側の新しい提案に関する投票を実施の予定。

・Rio Tinto、西豪州のトラブルで生産目標を3億2,000万トン~3億3,000万トンに引き下げ(当初目標3億3,300万トン~3億4,300万トン)。

・ブラジル最高裁判所、ValeのBrucutu鉱山の再稼働を認可。

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.NYM WTI ( エネルギー )/ +5.38%/ +24.75%
2.ICEアラビカ ( その他農産品 )/ +4.99%/ ▲0.79%
3.DME Oman ( エネルギー )/ +4.76%/ +19.32%
4.ICE Brent ( エネルギー )/ +4.25%/ +19.80%
5.ICEガスオイル ( エネルギー )/ +3.44%/ +13.46%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
68.NYM米天然ガス ( エネルギー )/ ▲4.00%/ ▲25.68%
67.NYB綿花 ( その他農産品 )/ ▲3.32%/ ▲12.45%
66.TGEトウモロコシ ( 穀物 )/ ▲3.12%/ +0.81%
65.CME豚赤身肉 ( 畜産品 )/ ▲2.91%/ +29.97%
64.ICEココア ( その他農産品 )/ ▲2.64%/ +2.28%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :26,753.17(+249.17)
S&P500 :2,954.18(+27.72)
日経平均株価 :21,462.86(+128.99)
ドル円 :107.30(▲0.80)
ユーロ円 :121.17(▲0.18)
米10年債利回り :2.03(+0.01)
独10年債利回り :▲0.32(▲0.03)
日10年債利回り :▲0.17(▲0.03)
中国10年債利回り :休場( - )
ビットコイン :9,562.66(+395.39)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :26.12(+0.89)
エネルギー :36.90(+1.55)
ベースメタル :21.09(+0.92)
貴金属 :16.24(+0.78)
穀物 :25.55(+0.2)
その他農畜産品 :26.72(+0.92)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :47.27(+4.47)
Brent :40.57(+0.94)
米天然ガス :28.05(+0.28)
米ガソリン :37.43(+2.44)
ICEガスオイル :30.29(+0.89)
LME銅 :15.49(▲0.24)
LMEアルミニウム :14.76(+0.9)
金 :20.77(+0.21)
プラチナ :18.66(▲0.03)
トウモロコシ :33.36(+0.34)
大豆 :20.77(+0.21)

【エネルギー】
WTI :56.65(+2.89)
Brent :64.45(+2.63)
Oman :63.85(+2.90)
米ガソリン :178.63(+5.08)
米灯油 :188.43(+5.49)
ICEガスオイル :579.50(+19.25)
米天然ガス :2.19(▲0.09)
英天然ガス :26.27(▲0.28)

【石油製品(直近限月のスワップ)】
Brent :64.45(+2.63)
SPO380cst :374.85(+14.37)
SPOケロシン :76.57(+2.33)
SPOガスオイル :76.48(+2.34)
ICE ガスオイル :77.79(+2.58)
NYMEX灯油 :189.14(+2.34)

【貴金属】
金 :1388.44(+28.06)
銀 :15.42(+0.27)
プラチナ :807.54(▲4.65)
パラジウム :1486.88(▲17.30)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :5,972(+52:10C)
亜鉛 :2,489(+7:97.5B)
鉛 :1,921(+23:5C)
アルミニウム :1,803(+27:25C)
ニッケル :12,305(+350:60C)
錫 :19,325(+375:75B)
コバルト :28,000(±0.0)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :5972.00(+77.00)
亜鉛 :2465.50(+2.50)
鉛 :1904.50(+2.50)
アルミニウム :1782.00(+3.00)
ニッケル :12325.00(+205.00)
錫 :19125.00(+130.00)
バルチック海運指数 :1,179.00(+44.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR青島) :休場( - )
SGX鉄鉱石 :109.25(+1.33)
NYMEX鉄鉱石 :107.21(+1.01)
NYMEX原料炭スワップ先物 :195(±0.0)
上海鉄筋直近限月 :3,760(+33)
上海鉄筋中心限月 :3,800(+38)
米鉄スクラップ :264(±0.0)

【農産物】
大豆 :915.50(+12.25)
シカゴ大豆ミール :323.00(+6.10)
シカゴ大豆油 :28.59(+0.22)
マレーシア パーム油 :2004.00(▲22.00)
シカゴ とうもろこし :450.00(+9.00)
シカゴ小麦 :526.50(+4.25)
シンガポールゴム :200.90(+1.40)
上海ゴム :11580.00(▲65.00)
砂糖 :12.43(▲0.07)
アラビカ :101.05(+4.80)
ロブスタ :1385.00(+45.00)
綿花 :63.21(▲2.17)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :79.25(▲2.38)
シカゴ生牛 :108.18(▲0.33)
シカゴ飼育牛 :134.70(▲1.83)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。