米中対立激化とドル高進行で下落
- MRA商品市場レポート for MANAGEMENT(メタル)
2019年5月30日 第1541号
◆昨日のベースメタル市場総括
「米中対立激化とドル高進行で下落」
中国は通商交渉にレアアースを用いる可能性。
中国政府が最終カードの1つであるレアアースの対米禁輸措置に踏み切る可能性が指摘され始めており、政府も真剣に検討していると伝えられたことは、米中の景気減速懸念を強め景気循環銘柄価格の下落要因となった。
市場参加者のリスク回避姿勢の強まりを受けたドル高進行。
EUはイタリアに対して財政規律違反に対する説明を求め、再びイタリアの財政問題が意識されていること、米中対立の激化、中東情勢不安を材料にリスク回避のドル高が進行していることは、ドル建て資産価格の下落要因に。
米中対立を受けた株価の調整継続。
米中の通商協議は通商戦争まで発展、レアアースの対米輸出停止が検討されるなど、米ハイテク分野への影響が小さくないとみられたことは株価の下落を通じてリスク許容度を低下させ、リスク資産価格の下落要因となった。
◆今日のベースメタル市場見通し
「米統計減速と米中対立で下値余地探る」
米GDPは下方修正の見込み。
過去の指標ではあるが価格に対する説明力が高い米GDPは、前期比年率+3.0%(速報比▲0.2%)と下方修正見込みであり、景気循環銘柄価格の下落要因に(このほか米中古住宅販売仮契約件数も前月比+0.5%、前月+3.8%と減速見込み)。
米中関係の悪化を受けたリスク回避の動き。
米中通商交渉がとん挫し、米国が中国企業に個別に制裁を加える方針を示しており、中国もこうした米国の制裁に対して一歩も引かない構えを見せていることは両国の景気減速懸念を強め、景気循環銘柄価格の下落要因に。
LME指定倉庫在庫の減少は継続。
景気減速懸念が強まっているが、LME指定倉庫在庫の減少傾向は持続しており、非鉄金属価格の下支え要因に。
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