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火事を火事で終わらせない
  • ビジネスへのヒント
  • MRA商品市場レポート for MANAGEMENT(週末版)

【ビジネスへのヒント】第363号

原油価格の上昇が昨年から継続、米国とイランの緊張が高まる中で原油価格は高止まりしており、さらに価格が上昇する可能性が出てきました。仮に戦争、ということになれば100ドルを超える上昇になる可能性は高いと考えられます。ですが、景気減速下での原油価格上昇ですので、企業業績や個人消費にマイナスの影響を与える可能性が高く、暴騰した後に急落、ということも十分あり得る状況です。また、足元価格が上昇していますが、そういった戦争がなかったとした場合には、年後半にかけて価格が下落する可能性が高いと考えています。

足元の価格上昇を受けて、「調達コストが上昇して困っている」「電気代・ガス代が上昇しているがなにか方法がないか」といったお問い合わせが増えているのは事実です。ですが、上記の通り、上昇後に下落する可能性がありますので、時間経過とともにこのリスクの顕在化については忘れ去られてしまうかもしれません。まさに喉元過ぎれば熱さを忘れる、でしょう。

ですがもしまた価格が上昇した場合、同じことで悩み、業務時間の多くをその対策のために費やさなければなりません。つまり、価格の上昇が「考えることの切っ掛け」になっただけですので、仮に価格が下落(生産者にとっては上昇)して目先の危機を脱したとしても、「次の危機に備える」ために好ましくない価格動向への対応を進めるべきなのです。

相場が好ましくない方向に変化し、弊社がよく言うところの「火事」になった場合、その火事が二度と起きないように体制を構築してくことが重要だといえます。火事をただの舵で終わらせない、という姿勢が重要なのではないでしょうか。