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材料盛り沢山の10連休~イベントリスクの総括
  • MRA外国為替レポート

2019年4月29日号

◆先週の市場総括


先週は米中通商交渉への期待が市場のリスク選好を支えるなか米企業決算による株価動向に左右される展開。週末にはやや楽観的なムードが後退した。

週央にはS&P500、ナスダックが史上最高値を更新するなど概ね堅調な値動き。米長期金利は小幅上昇したが、週末のGDPが個人消費や設備投資の弱さやインフレの鎮静化を示したことで反転・低下した。

欧州からの材料は不芳。欧州の経済指標が弱く、欧州長期金利が低下して米長期金利の上昇を抑制した。ユーロは週央にかけて下落してそのまま引け。

ユーロドル相場は週初に1.12台半ばで始まり1.1150割れ。ユーロ円相場も126円近辺から124円台半ばへ。ドル円相場は112円近辺でもみ合い上値を試して112円40銭に上昇したが反落。

日本の10連休を前に週末にかけて円買いが広がり、また米国のGDPも重しになって111円60銭近辺で週末NYの取引を終えた。

日経平均は米国株の上昇に支えられたものの、決算発表や10連休への警戒感から上値も重く、22,100円~22,300円で上下した。引けは22,250円。

月曜日の為替市場は引き続き小動き。欧州市場が祝日で休場となるなか、ドル円相場は海外市場にかけても111円90銭~112円ちょうどで動意なくもみ合い、横ばい。

ユーロはやや底固い値動きとなったが、こちらも小幅高。ユーロドル相場は1.1240~50で始まり海外市場は1.1260近辺で小動き。ユーロ円相場は125円80銭~90銭で始まり、126円ちょうど~10銭近辺で同じく小動きのなか引けた。

日経平均は22,200円近辺で始まり22,200円割れは底固く上下動。22,200円台前半で引けた。米国株は薄商いのなか概ね横ばい。中国景気持ち直し期待が下支えとなるなか、主力企業の決算待ち。

そうしたなか、米国政府はイラン産原油の全面禁輸を決定。日本など8カ国を適用除外として輸入を許してきたが5月1日をもってその措置を撤廃するとした。

取引した外国企業は米国内資産の差し押さえなどを行うと表明。これを受けて原油価格は大きく上昇。WTIは65.7ドルと昨年10月末以来の水準へ。米長期金利は原油価格の上昇に押されて上昇し10年債利回りは2.59%。

火曜日の東京市場のドル円相場は111円90銭台で始まり朝方は日経平均の下落に押されて70銭へ小幅円高に振れるもその後はじり高。80銭~90銭。

ユーロ円相場も126円ちょうど近辺で始まり125円60銭へ。その後は125円80銭~90銭でもみ合い。ユーロドル相場は1.1250~60でもみ合い。

日経平均は22,250円で寄り付いたが、早々に利食い売りに押されて22,100円台前半へ。後場にかけてはじり高となり22,250円近辺で引けた。

海外市場では米国株が堅調。良好な企業決算が牽引してS&P500、ナスダックが史上最高値を更新した。NYダウも高値更新目前。中国経済の影響などで減益予想が多かったなか、さほど悪くない決算内容に安心感が広がりつつある。

ドル円相場は海外市場で112円を試したが111円80銭に押し戻された。ユーロが弱い経済データを受け下落。ユーロ円相場の下げに押されたかたち。

ユーロ圏消費者信頼感指数(4月)は▲7.9と予想を下回り前月▲7.2から悪化。ユーロドル相場は1.12ちょうど近辺、ユーロ円相場は125円30銭~40銭に下落。その後は堅調な米国株を受けて小幅持ち直し。

ドル円相場は111円90銭近辺、ユーロ円相場は125円60銭近辺、ユーロドル相場は1.1230近辺で引け。

米国の経済指標はリッチモンド連銀製造業指数(4月)が弱めだったが、新築住宅販売(3月)は強めだった。なお原油価格WTI(6月限)は続伸して66.30ドル。

水曜日の東京市場のドル円相場は111円80銭~90銭中心に上下、もみ合い。

午前中にはオーストラリアの消費者物価指数(1-3月期)が弱い数字となり豪ドル円相場が下落。ドル円相場やユーロ円相場が連れ安となる場面もあった。

ユーロは引き続き軟調。ユーロ円相場は125円60銭から20銭へと下落。海外市場に入るとさらにユーロ安が進んだ。

日経平均は米株高を好感して22,350円で高寄りした後は下落。後場は22,100円台前半で推移し、引けは22,200円近辺。買い一巡後は10連休や決算への警戒感で押された。

欧州時間に発表されたドイツIFO企業景況感指数(4月)は99.2と予想99.9、前月99.6を下回る弱めの数字。

欧州長期金利は低下しドイツ10年国債利回りはマイナスに。ユーロドル相場は1.12を割り1.1140まで下落。ユーロ円相場も124円80銭に下落した。一方でドルは堅調。ドル円相場は一時112円40銭に上昇した。

米国株は小幅安。一部企業が決算で中国に慎重な見通しを示したことが株価を抑制した。また翌日に決算のピークを迎えることも様子見要因に。

米10年債利回りは欧州金利の低下に連れ2.52%に低下。その後はドル高、ユーロ安とも一服し、ドル円相場は112円10銭~20銭、ユーロドル相場は1.1150~60、ユーロ円相場は125円10銭~20銭で引けた。

木曜日の東京市場のドル円相場は112円10銭近辺で始まりやや円高の動で112円割れ。ユーロ円相場も125円ちょうど近辺から124円80銭台へ。日経平均は22,200円近辺で寄り付き後場にかけてじり高となり22,300円近辺で引けた。

この日、日銀は金融政策決定会合の2日目を終了。声明では従来のフォワードガイダンスの時間軸を明確化し、当分の間、少なくとも2020年春頃まで現在の極めて低い長短金利の水準を維持することを決定した。これに対する市場の反応は小さかった。

海外市場に入っても円買いの流れ。ユーロ円相場が一貫して右肩下がりとなり124円20銭~30銭に下落してもみ合い。ドル円相場も111円40銭に下落した。

ユーロは対ドルでも下落して1.1120。欧州株は下落。ドイツ銀行とコメルツ銀行が合併交渉を断念した。

米国株は個別の決算を反映してまちまち。前日のキャタピラー社の決算同様、3M社の決算が中国の影響で振るわず、ダウを押し下げた。ナスダックはしっかり。

ドル円相場の引けは111円60銭近辺。ユーロ円相場は124円30銭、ユーロドル相場は1.1130~40で引け。

発表された米国の耐久財受注(3月、非国防・除く航空機)は前月比+1.3%と強めの数字だった。

この日、麻生財務相とムニューシン米財務長官がワシントンで会談。麻生氏は、貿易協議と為替の議論を切り離し、為替は財務当局間で議論することを確認した、と述べた。

金曜日の東京市場のドル円相場は111円60銭で始まった後、50銭~80銭で上下動。60銭~70銭でもみ合い。方向感のない値動き。ユーロドル相場は1.1130~40でもみ合い。ユーロ円相場は124円台前半で上下して124円40銭中心の値動き。

日経平均は前日の米国株下落やドル円相場の反落を受けて22,200円割れで寄り付き一時22,100円に下落。決算発表や10連休を前に売り先行となった。しかし後場にかけては持ち直して22,250円近辺で取引を終えた。

海外市場に入るとドルはやや下落。米国の1-3月期GDP速報は、前期比年率+3.2%と前期の+2.2%から加速して予想+2.0%を大きく上回った。

この数字を受けてドルは一瞬上昇して112円近辺をつけたが、内容をみると「貿易赤字の一時的な縮小や在庫の積み上がり」が主要因で、個人消費は予想通り減速、設備投資も弱め。

民間最終消費は+1.3%と2013年4-6月期以来の低水準となった。コア個人消費支出価格指数の上昇率は+1.3%に鈍化。

米長期金利10年債利回りはやや低下して2.50%。ドルはすぐに反落してドル円相場は111円40銭~50銭に。ユーロドル相場は1.1170にユーロ高ドル安となった。

その後やや持ち直してドル円相場は111円60銭近辺、ユーロドル相場は1.1150近辺で引け。ユーロ円相場は124円50銭近辺で取引を終えた。

米国株は小じっかり。日米首脳会談にあたり、トランプ大統領が5月の訪日前に合意の可能性に言及した

◆今週の3つの注目ポイント


日本市場は10連休に。5月1日はイギリスを除く欧州市場、一部アジア市場も休場。

1.米国の経済指標今週は重要な経済指標が多い。企業決算とあわせて株価を押上げポジティブな市場心理が醸成されるか。

月曜日 個人所得・消費支出(3月)、ダラス連銀製造業景気指数(4月)

火曜日 住宅価格指数(2月)、シカゴ購買部協会景気指数(4月、予想59.0、前月58.7)、消費者信頼感指数(4月、予想126.0、前月124.1)

水曜日 ADP雇用報告(4月、雇用者数前月比、予想+180千人、前月+129千人)、ISM製造業景気指数(4月、予想55.0、前月55.3)、

木曜日 製造業新規受注(3月、前月比、予想+0.6%、前月▲0.5%)

金曜日 ISM非製造業景気指数(4月、予想57.2、前月56.1)、雇用統計(4月、非農業部門雇用者数・前月比、予想+185千人、前月+196千人、平均時給・前年同月比、予想+3.4%、前月+3.2%)

2.FOMC、パウエル議長会見、当局者発言

4月30日火曜日・5月1日水曜日の2日間にわたりFOMC(連邦公開市場委員会)が開催される。今回は金融政策の変更は予想されていない。結果は日本時間2日木曜日未明3時に公表され、パウエル議長が会見する。

金融政策は年内据え置き、様子見となる可能性が高いが、リスクバイアスについての見方にこのところの指標を受けて変化があるか。パウエル議長が会見でどう述べるか。

また今週はFOMC終了後、雇用統計の発表がある金曜日にFRB当局者の発言が多い。同様に景気への見方、リスクバイアスの変化が注目される。

3.中国の経済指標

世界経済の鍵を握る中国の景気動向については、このところ景気減速に歯止めがかかった兆しも散見され、それがさらに確かめられるか。

火曜日にPMI景況感指数(4月)が発表されるが、製造業指数は前月に50.5と景況感の分かれ目である50を回復した。予想では50.8だが改善基調を市場に印象付けることとなるか。

木曜日には民間調査の財新製造業PMI景況感指数(4月)も発表される。こちらは前月50.8に対して51.0が予想されていおり、同様に持ち直し傾向を示すことになるか。

ほか、米中閣僚級通商協議が今週は北京で、来週はワシントンで開催される。

◆今週のMRA's Eye


材料盛り沢山の10連休~イベントリスクの総括

10連休のリスクはリスク回避・円高との見方が多い。年初、正月休みの1月3日早朝の急激な円高が記憶になお残るところ、そうした見方が高まることは当然だ。

確かにシカゴ通貨先物のポジションをみると投機筋の円売りが徐々に積み上がっており、23日火曜日時点で94千枚と昨年12月下旬の水準を回復し円買戻しリスクが強まってはいる。

何か想定外のリスクイベントがあればポジションを手仕舞う動きとなり円高となる可能性はあろう。

また、何かあるかもしれない、という不安感だけで手仕舞いによるポジション整理、円高を招くこともありうる。

連休を前にしてやや円高となったが、警戒感から日本勢による円買いが生じた結果だろう。早い段階で手仕舞いが生じ、無事に連休を経れば円安方向に持ち直す可能性もある。

イベントをみれば、総じてリスク回避、円高サイドだが、結果次第でリスク選好が強まる方向の材料もあり、薄商いのなかやや円安に動く可能性も残る。

日程と材料を確認すれば、アジア市場と欧州市場(除くロンドン)が休場となる5月1日から2日にかけて取引が薄くなり相場が荒れるリスクがある。

1日はロンドンとNYは取引が行われることから、アジア市場が休場となる日本時間1日早朝から日中や、同日ロンドン・NY両市場がクローズしたアジア時間2日の早朝が要注意の時間帯だろう。

まず4月30日火曜日のアジア時間には中国の経済指標、製造業PMIが発表になる。これに対する注目度は大きいだろう。前回50を超えたことで改善期待が高まった経緯にあるが、今回も50を上回り、かつ前月からさらに改善を示すようなら、市場のリスク選好を強めることとなる。

もちろん、前月から反転、悪化して50を割る結果となれば、景気回復の兆しとみて安心感の漂っていた市場には痛手となる。とくに前週末に発表となった1-3月期の米国のGDPが弱い内容だっただけに市場の不安は高まろう。

そのまま5月1日の休日を迎えることとなるため、30日は荒れ模様となる可能性がある。

次に気になるのはアップルの決算発表。こちらは米国時間4月30日、日本時間5月1日の早朝となる。

年初1月3日のいわゆる「フラッシュ・クラッシュ」、相場の急激な変動のきっかけとなったことは記憶に新しい。先週はキャタピラー社や3M社の決算に中国経済低迷の影響がなお表れていたことから両社の株価は大きく下落した。

米国経済指標が仮に弱い数字が続き、同社の決算もなお弱かった場合、株価全体が大きく下落してリスク回避が強まる可能性がある。その結果、円買い戻しが進むきっかけとなる点には留意を要する。

FOMC(米連邦公開市場委員会)が30日火曜日・1日水曜日にかけて開催される。FOMCの結果判明は2日のアジア時間未明。ただし今回のFOMCでは政策変更の可能性は低い。

インパクトがあるとすれば議長会見での景気認識に大きな変化があった場合か。足元の経済指標からはさほどダウンサイドのリスクを示す数字はみられない。

むしろ中国の経済指標が持ち直しを示しているのではないかとの期待を持たせている。

また1日(日本時間2日未明)にFOMCの結果が出る前にはADP雇用報告やISM製造業景気指数など重要指標が発表になる。

今回の数字は年後半の世界景気回復期待が高まりつつあるなかだけに、弱い数字に対する反応の方が大きくなりそうだ。

その後、2日のアジア時間には中国で民間調査の財新製造業PMI景況感指数が発表になる。そして3日金曜日がヤマ場。米国で雇用統計とISM非製造業景気指数の発表となる。

この時間帯は通常でも日本市場は休場であり、10連休としての特殊要因とはならない。やはりその前、1日~2日が山場となるのではないか。

また連休も終盤となると、イベント一巡、逆に警戒感が後退してリスク選好が回復する可能性がある。とくに経済指標が強かった場合には週初に向けて円安方向への動きが強まる可能性もあるので留意が必要だ。

年初のフラッシュ・クラッシュでは日本の外為証拠金取引のポジションの損失確定による円買い戻しが円高の動きを招き、薄商いのなか、相乗的に急激な円高を招いた。

今回は事前に警戒感が高まっており、前回ほどの事態とならない可能性もある。ドル円相場におけるポジションはドル買い円売りがかなり抑制されているようだ。

一方、豪ドルやトルコリラなどの買い持ち、これらに対する円売りは相応のポジションが積み上がっているようだ。これが再び損切りを余儀なくされれば円高を招く。

ただ今回は事前の警戒感は十分に高まっていることから大事に至らない可能性もある。また本邦個人投資家には105円近辺でのドル資産購入ニーズが根強い。年初の安値水準を絶好のドル買い機会とみているようだ。

総合すればこの10連休中から連休明けにかけても大幅なドル安円高にはならないだろう。基本的なファンダメンタルズや市場動向に変化がない限り調整は一時的だ。

本邦輸入企業にとって110円割れは短期的にドル買いのチャンスであり、輸出企業にとっては引き続き110円台でドル売りをする機会があるとみられる。

◆主要指標


【対円レート】
ドル :111.58(▲0.05)
ユーロ :124.46(+0.10)
英ポンド :144.181(+0.11)
豪ドル :78.619(+0.29)
カナダドル :82.947(+0.15)
スイスフラン :109.514(+0.02)
ブラジルレアル :28.3715(+0.12)
中国人民元 :16.586(+0.05)
韓国ウォン(日本円=100) :9.626(+0.00)

【対ドルレート】
ユーロ :1.1151(+0.002)
英ポンド :1.2916(+0.002)
豪ドル :0.7042(+0.003)
カナダドル :1.3455(▲0.003)
スイスフラン :1.0196(▲0.001)
ブラジルレアル :3.9321(▲0.020)
中国人民元 :6.7288(▲0.015)
韓国ウォン :1160.86(+0.24)

【主要国政策金利】
米国 :2.50
ユーロ :0.00
日本 :0.00

【主要国長期金利】
米10年債 :2.50(▲0.03)
米2年債 :2.28(▲0.05)
日本10年債利回り :▲0.04(▲0.01)
日本2年債利回り :▲0.04(+0.00)
独10年債利回り :▲0.02(▲0.01)
独2年債利回り :▲0.60(▲0.00)

【主要株価指数・ビットコイン】
NY ダウ :26,543.33(+81.25)
NASDAQ  :8,146.40(+27.72)
S&P500 :2,939.88(+13.71)
日経平均株価 :22,258.73(▲48.85)
ドイツ DAX :12,315.18(+32.58)
インド センセックス :39,067.33(+336.47)
中国上海総合 :3,086.40(▲37.43)
ブラジル ボベスパ :96,236.04(▲315.99)
英国FT250 :19,856.87(▲14.18)
ビットコイン :5097.52(▲397.66)

【主要商品価格】
WTI :63.30(▲1.91)
Brent :72.15(▲2.20)
米ガソリン :210.06(▲3.15)
米灯油 :205.12(▲4.69)

金 :1286.16(+8.99)
銀 :15.09(+0.14)
プラチナ :899.05(+11.88)
パラジウム :1462.53(+45.14)
銅 :6388.00(+8:5B)
アルミニウム :1849.00(▲13:17C)
※貴金属はニューヨーククローズ。ベースメタルは3ヵ月公式セト
ル価格。
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

シカゴ大豆 :853.75(▲5.50)
シカゴ とうもろこし :351.25(+3.75)
シカゴ小麦 :435.00(+0.25)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。
※ 「休場」となっているものは、取引所が休場ないしはデータ更新時点で最新データを取得できなかった場合を指します。

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