実質金利上昇とドル高で総じて軟調
- MRA商品市場レポート for PRO
2019年4月17日 第1519号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「実質金利上昇とドル高で総じて軟調」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品価格はエネルギーを除くと総じて水準を切下げる動きとなった。投資家のマインドで価格が大きく左右される株価は、各国の金融緩和や経済対策期待で上昇、それを受けて長期金利が上昇したため、実質金利上昇とそれに伴うドル高進行で、インフレ系・ドル建て資産価格が下押しされた。
エネルギーに関しては、ロシアの協調減産離脱の可能性が高まっているものの、「足元の減産は継続」しており、イランやベネズエラ、リビアからの供給懸念が価格を押し上げた。
【本日の価格見通し総括】
各国経済対策の効果で市場参加者は足元の景況感について楽観を始めており、リスクテイク意欲が回復しているが、減産やトラブルによって供給が減少しているエネルギーを除き、総じて商品価格は上値が重い。
このことは、足元の現物需給ファンダメンタルズがさほど強くないことを示唆している。そのため、現状を把握する上で重要なマクロ経済統計に再度注目があつまる。
本日は、中国の固定資産投資(年初来前年比+6.3%、1-2月期+6.1%)、鉱工業生産(+5.6%、+5.3%)に注目しているがいずれも伸びが加速の公算であり、景気循環銘柄には上昇圧力がかかることになるだろう。
また、米国商品の引け際に発表されるベージュブックでの、各連銀の景気の現状認識にも注目したい(基本的に金融政策の変更を想起させる内容にはならない見込み)。
【昨日の世界経済・市場動向のトピックス】
昨日の商品市場動向を見ると、投機の主戦場である株式市場での株価動向と、景気循環系商品の動きに乖離が見られた。通常、株価と景気循環系商品価格の動きに乖離が出ている場合、景気が転換点にあることが多い。
株価は結局、3ヵ月前に投資家と約束した営業利益を達成しているかどうかで価格が動く。昨日もJ&JやIBMなどの決算が発表され、J&Jは上昇、IBMも下落している。
つまり、株価は「景気を先取りして動く」というよりも、過去の実績を元に動いていると考えるほうが適切である。
一方、商品市場は株価が全体で上昇したものの、供給懸念が顕著に顕在化しているエネルギーは上昇したが、それ以外の商品は総じて水準を切下げている。商品は「現在必要か必要でないか」で価格が決まるため、比較的リアルタイムで景況感を反映しやすい。
もちろん、株価が上昇すれば市場参加者のリスクテイク意欲が回復して、割安な商品が物色されるようになるという効果があるため一概には言えないが、思っているほど、足元の景気は良くない可能性があるということを意識しておく必要があるだろう。
【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】
(マクロ要因)
・各国の金融緩和
・経済対策を受けたPMI・ISMなどのマインド系指標の改善(価格上昇要因)。
・世界景気の減速観測。IMFは2019年の経済見通しを引き下げ(+3.5%→+3.3%)ており、先行きの見通しのリスクも下向きとしている。
・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格の上昇要因。
・FRBの利上げ打ち止め~利下げ観測の強まりは、ドル安を通じてドル建て資産価格の上昇要因。
・2020年からインドが人口ボーナス期入りすることによる、構造的な需要の増加は中長期的な価格の上昇要因。
(特殊要因)
・米中貿易交渉は、貿易面で一部妥結の可能性(価格の上昇要因)。ただし、知的財産権や技術の強制移転などの重要なポイントで妥結できておらず、米中の覇権争いであり長期化の見込み。
・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化、トルコの景気後退など)によるリスク回避の動きの強まり。
・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク(とりあえず10月末まで先送り)。
・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速。
(投機・投資要因)
・長期金利の低下による米長短金利の逆転が株安を誘発、リスク回避のリスク資産売り圧力が強まる場合。
◆昨日の商品市場(個別)の総括
---≪エネルギー≫---
【原油市場動向総括】
原油価格は上昇した。株価の上昇に伴う市場参加者のリスクテイク意欲が回復する中、ロシアが協調減産から離脱する可能性があるものの、足元はOPECの減産が継続しており、イラン・ベネズエラ・リビアなどからの供給不安が意識されていることが価格を押し上げた。
【原油価格見通し】
原油価格は現状の高値水準でもみ合う展開を予想。
足元の景気先行きへの懸念後退に加え、供給面での不安材料が多数噴出していることが背景。
米国の制裁によるイラン・ベネズエラからの供給不安、リビアの内戦激化に伴う供給不安、ネタニヤフ5選による周辺産油国との武力衝突への懸念、スーダンでのクーデター発生などが周辺諸国に拡大し、供給不安が高まるが、ロシアが減産継続に否定的な見方を示したことが供給面の材料を中立にしている。
その一方で、景気減速を回避するべく経済対策や金融緩和が世界的に行われていることで、景況感も中立に保たれているため。
【石炭市場動向総括】
石炭価格は小幅に下落した。中国の景気先行き懸念が若干後退したことで4月以降、買戻し圧力が強まっていたが不需要期ということ、中国の豪州に対する懲罰的な制裁によって豪州炭の中国向け輸出が滞っていることもあって、やや調整売りに押された形。
【石炭価格見通し】
石炭価格は4月以降の下落幅が大きかったことから一旦買戻しが入ると見るが、本格的な上昇は季節性的にも5月以降になるだろう。
その後、8月にかけて高値を試し11月にかけて水準を切り下げる展開を予想。米中貿易協議が難航する見通しであることも価格を押し下げ。下値の目処は80ドル。
ただし、米国の北朝鮮制裁は容易に緩和せず、環境規制強化による供給の伸び鈍化が価格を下支えの見込み。また、中国による豪州炭の輸入規制(華為問題の影響)の影響でインドネシア炭にシフトしていることは逆に、上値を抑えると考えられる(日本が輸入する石炭価格CIFへの影響は中立)。
【価格変動要因の整理】
(マクロ要因)
・原油価格の上昇に伴う北米の増産継続は、需給緩和で価格の下落要因。
・OPECプラスの協調減産は9月末で終了する可能性が高まっており、足元の協調減産は価格の上昇要因だが、年後半は下落要因に。
・産油国の財政悪化による上流投資部門投資の減速は、インドなどの新興国需要顕在化時の価格上昇要因。
・EV普及による需要の伸び鈍化を、軽量化目的の樹脂向け需要増加が相殺(需要が減少を始めるのは2050年頃からか)。
・世界的な石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。価格上昇要因(石炭)。
(特殊要因)
・米国のイランに対する制裁強化・ベネズエラ・リビアの情勢悪化に伴う供給途絶懸念は価格の上昇要因。
・米国のイスラエルへの過剰な肩入れと、イスラエルネタニヤフ首相の5選達成による、周辺産油国への武力行使の可能性が高まることは原油価格の上昇要因に。
・スーダンでのクーデター発生、アルジェリアでのデモ発生など、北アフリカ情勢が不安定化しており、周辺諸国に拡大するリスク。
・米国の制裁緩和による北朝鮮炭の輸出再開による需給緩和(石炭)。
・北朝鮮が新たにICBMの発射実験を検討していると伝えられ、韓国が北朝鮮に対して石油製品の瀬取りを行っていたことが判明、制裁が厳格になるとの見方は、北朝鮮からの石炭輸出(密輸)を制限(石炭)。
・米中情報戦争をめぐる華為排除の決定を受けて中国政府は豪州からの石炭輸入を規制、インドネシア炭にシフトしていることはNEWC価格の下落要因に(石炭CIF価格に対する影響は中立)。
(投機・投資要因)
・直近の投機筋のポジションは、WTIはロングが621,766枚(前週比 +31,454枚)、ショートが105,104枚(▲3,847枚)、ネットロングは516,662枚(+35,301枚)、Brentが396,440枚(前週比+1,230枚)、ショートが38,299枚(▲8,251枚)、ネットロングは358,141枚(+9,481枚)
---≪LME非鉄金属≫---
【非鉄金属市場動向総括】
LME非鉄金属価格は下落。株価の上昇を受けて長期金利が上昇、実質金利の上昇とそれに伴うドル高が価格を下押しした。
【非鉄金属価格見通し】
非鉄金属価格は足元、米中の経済統計が改善していることや、世界的に金融緩和や経済対策(特に最大消費国である中国の経済対策)が打たれていることが価格を下支えするため、堅調な推移になると考える。
LME指定倉庫在庫の減少が継続し、記録的な低水準となっていることや(統計上はタイトであるが、LME倉庫運営ルールの変更によるものである可能性もあり、単純に需給がタイト化しているとは言えない)、2020年から次の需要のけん引役として期待されるインドの需要増加観測が価格を下支え。
なお、米中貿易交渉の行方などは政治的な決断に左右されるため予見し難いが、着地するまでは基本的には積極的な買い材料にも、売り材料にもし難い。しかし、妥決するまでは懸念材料となるため、価格上昇を抑制。
【価格変動要因の整理】
(マクロ要因)
・環境規制の強化で特殊需要が増加する(軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルトなど)
・中国の環境規制強化に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。
・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。
・亜鉛の精錬キャパシティ不足に伴う需給のタイト化。一方鉱山生産は再開しており、亜鉛精鉱需給は緩和、TCも大幅に上昇。
・環境規制強化・米制裁の影響による石炭価格上昇が、中国の非鉄金属製造コストを高止まりさせる場合。
(特殊要因)
・銅の生産減少観測(環境問題によるインド、露天掘りから地下生産に変更するインドネシア)、ヴァーレの尾鉱ダム事故の影響による供給減少(アルミやニッケルなどに波及する可能性)。
・LME指定倉庫在庫の減少が、LMEの倉庫運営ルール変更に伴う保管場所変更の取引の影響である場合、ルールが見直された際に再度、LME指定倉庫在庫が急増する可能性(下落要因)。
(投機・投資要因)
・4月12日付のLMEポジションは錫を除くと総じて売り買いともポジションが増加している。亜鉛とアルミはネットロングを増加させたが、それ以外の金属はショートの積み上がりが大きく、ネットロングを縮小した。
投機筋のLME+CME銅ネット買い越し金額は156.4億ドル(前週155.1億ドル)と増加。上昇率は+0.8%。
買い越し枚数はトン数換算ベースで4,099千トン(前週4,027千トン)と増加、増加率は+1.8%。
---≪鉄鋼原料≫---
【鉄鋼原料市場動向総括】
中国向け海上輸送鉄鉱石スワップ価格は下落、原料炭スワップ先物は上昇、中国鉄鋼製品価格は直近限月が上昇、中心限月価格が下落した。
ブラジルのベロ・ホリゾンテ州裁判所は、ヴァーレのブルクツ鉱山の稼働停止の決定を覆す方針を示し、これによって3,000万トンの供給が再開されるとの観測が強まったことが背景。
【鉄鋼原料価格見通し】
鉄鉱石価格は一旦調整するものと考える。ヴァーレのブルクツ鉱山の稼働が再開する見込みとなり、供給懸念を緩和するため。ただしすべての鉱山の稼働が再開される訳ではないため、下値余地は限定されるだろう。
ただし、足元の中国関連統計が改善していること、過去5年の水準をはるかに上回る鉄鋼製品価格を背景とする鉄鋼生産者のマージン改善が鉄鉱石需要を押し上げることも下値余地を限定。
しかし、米中協議の先行きがはっきりせず、欧州に対する制裁が再開される可能性があること、最大消費国である中国が昨年と同レベルの生産を継続できる可能性は低いこと、鉄鋼製品在庫の取り崩し時期にあり、季節的に価格が下押しされるため上値も重くなると予想。
【価格変動要因の整理】
(マクロ要因)
・中国の鉄鋼製品在庫水準の高さは価格の下落要因。鉄鋼製品在庫は前週比▲87.0万トンの1,479.3万トン(過去5年平均1,425.5万トン)と例年を大きく上回る。
・中国の鉄鉱石在庫水準の高さは価格を下押し。鉄鉱石在庫は前週比+13万トンの1億4,890万トン(過去5年平均1億1,902万トン)、在庫日数は▲0.9日の37.5日(過去5年平均 29.9日)と例年の水準を上回る。
・季節的に鉄鋼製品在庫の取り崩し時期であり、価格には下押し圧力がかかりやすい。
・長期的には2020年に人口ボーナス期入りするインドの需要が鉄鋼製品・鉄鉱石価格を押し上げ。
(特殊要因)
・ヴァーレの尾鉱ダム決壊の影響が拡大、現在稼働停止命令が出ている3鉱山の合計8,280万トン以上の供給減少が起きた場合(自社・他社ともにあり得る)、価格の上昇要因に。
今のところはブルクツ鉱山が再稼働される見込みであり、供給環境はやや改善。
(投機・投資要因)
・固有の要因は特になし。
---≪貴金属≫---
【貴金属市場動向総括】
金・銀価格は軟調な推移となった。株価上昇に伴う長期金利上昇が実質金利を押し上げたこと、それに伴うドル高進行が価格を下押しした。
また、懸念されていた英国のEU離脱問題の先送りや、米中・日米貿易協議であまりネガディブな報道がなされていないことから、安全資産需要が減少していることも価格を押し下げている。
PGMは金銀価格の下落を受けて水準を切下げた。
PGM現物の需給バランスを見る上での指標となるロジウムの価格は2,930ドル(前日比▲50ドル)と低下基調にある。
【貴金属価格見通し】
金価格はじりじりと水準を切下げる展開を予想。株式市場が現状を楽観していることから長期金利が上昇、実質金利が上昇することから。
また、英国のEU離脱問題が先送りされたことや、米中・日米貿易協議でそれほどネガディブな情報がでてきていないことも、安全資産需要を減少させ、価格の下押し要因に。
ただし、米国が利上げを見送る可能性が高いこと、原油価格は供給懸念が意識されてしばらく上昇余地を探りやすいこと(秋口にはいったん下落)から、中期的な見通しは強気。
銀価格は金銀在庫レシオ(銀在庫÷金在庫)の上昇が金銀レシオを押し上げているため対金で割安に推移。
一方、欧州の政情不安、米国の債務上限問題、中東情勢の混乱懸念(イスラエル・イランを中心に)が安全資産需要を高めるため、リスクプレミアムが乗る形で価格を押し上げへ。
PGM価格は金銀価格が現状水準でもみ合うが、終盤のPGMの価格上昇はやや投機的な側面が強いため、対金銀では割安に推移。
プラチナは割安感からETFに強烈な買いが入っており、この5年の最高水準まで残高が積み上がっている。当面はこのトレンドが続こうが、先々の売り圧力となる可能性があることは留意。
パラジウムはリースレートが10%を割り込み、実際の需給面は緩和に向かいつつある。ロジウム価格の調整もあって、暫くは下値余地を探りやすい。
【価格変動要因の整理】
(マクロ要因)
・FRBの利上げ打ち止め、原油価格の高止まりは実質金利の低下を通じて金銀価格の上昇要因に。
・景気の先行きを楽観した株価上昇とそれに伴う長期金利・実質金利の上昇(金銀価格の下落要因)。ただし、欧州の政情混乱や景況感の悪化で株価が調整した場合には金銀価格の上昇要因。
・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。
・排ガス規制強化に伴うパラジウムへのシフト(パラジウムの上昇要因・プラチナの下落要因)。
・パラジウム需要増加に伴うPGMの増産により、結果的にプラチナが供給過剰となり価格の下落要因に(プラチナ)。
・割安感からプラチナのETFに買いが入っており、短期的には上昇要因、中期的には手仕舞い圧力で売り要因に(プラチナ)。
(特殊要因)
・米中貿易交渉は、貿易面で一部妥結の可能性(価格の下落要因)。ただし、知的財産権や技術の強制移転などの重要なポイントで妥結できておらず、米中の覇権争いであり長期化の見込み(価格の下支え要因)。
・米国の債務上限問題の顕在化(8月~9月にデフォルトするリスク)。
・欧州の政治混乱(英国のEU離脱、伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化など)による安全資産需要の増加。
・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加。
(投機・投資要因)
・長期金利の低下による米長短金利の逆転が株安を誘発、リスク回避のリスク資産売り圧力が強まり、安全資産需要が高まる場合。
・銀価格は金銀在庫レシオが銀在庫の減少、ないしは金在庫の増加、あるいは両要因によって低下した場合、金銀レシオが上昇するリスク(銀価格の上昇要因)。
・直近の投機筋のポジションは、金はロングが199,507枚(前週比 +5,723枚)、ショートが94,143枚(▲5,085枚)、ネットロングは105,364枚(+10,808枚)、銀が76,410枚(▲2,583枚)、ショートが59,992枚(▲2,218枚)、ネットロングは16,418枚(▲365枚)
・直近の投機筋のポジションは、プラチナはロングが47,148枚(前週比 +5,684枚)、ショートが15,304枚(▲2,805枚)、ネットロングは31,844枚(+8,489枚)、パラジウムが13,021枚(▲899枚)、ショートが3,530枚(▲311枚)、ネットロングは9,491枚(▲588枚)
---≪農産品≫---
【穀物市場動向総括】
シカゴ穀物価格は大幅に下落。ドル高の進行が広く価格を押し下げた。小麦に関しては冬小麦の作況が例年を上回っていることが材料となり、価格を下押しした。
【穀物価格見通し】
穀物価格はレンジワークを継続すると考える。米中貿易摩擦でシカゴの需給が緩和している可能性が高いが、エルニーニョの影響による供給懸念(洪水懸念)がショートの買戻しを誘うことが価格を押し上げると考えられるため。
ただし、各国の経済対策の影響から景気循環銘柄に一時的な買戻しが入る可能性はあり、非景気循環銘柄が売られる可能性があること、ブレグジットを意識したリスク回避のドル高進行が価格の上昇を阻害しよう。
【価格変動要因の整理】
(マクロ要因)
・米穀物生産増産見通しを受けた需給緩和観測。
トウモロコシ作付意向面積 9,279万エーカー(市場予想 9,127万エーカー、前年8,803万エーカー)
大豆 8,462万エーカー(8,620万エーカー、8,898万エーカー)小麦 4,575万エーカー(4,688万エーカー、4,734万エーカー)
・4月の米需給報告の在庫見通し
トウモロコシ 20億3,500万Bu(市場予想19億8,771万Bu、前回18億3,500万Bu)、大豆 8億9,500万Bu(9億1,182万Bu、9億Bu)小麦 10億8,700万Bu(10億7,500万Bu、10億5,500万Bu)
・実質金利の低下に伴うドル安の進行は、シカゴ穀物の輸出競争力を改善し、需給面で価格の上昇要因に。
(特殊要因)
・米中貿易交渉は、貿易面で一部妥結の可能性(価格の上昇要因)。ただし、知的財産権や技術の強制移転などの重要なポイントで妥結できておらず、米中の覇権争いであり長期化の見込み(価格の下落要因)。
・エルニーニョ現象発生による北米の増産は価格の下落要因。ただし洪水などが発生し、災害が激甚化した場合には価格の上昇要因に。
・中国の豚コレラ被害の拡大により、飼料需要が減少した場合は価格の下落要因(逆に終息すれば上昇要因)。
(投機・投資要因)
・直近の投機筋のポジションは、トウモロコシはロングが403,322枚(前週比 +3,343枚)、ショートが532,560枚(+27,470枚)、ネットロングは▲129,238枚(▲24,127枚)、大豆はロングが145,108枚(+344枚)、ショートが183,751枚(▲5,053枚)、ネットロングは▲38,643枚(+5,397枚)、小麦はロングが133,695枚(▲1,946枚)、ショートが159,961枚(▲3,084枚)、ネットロングは▲26,266枚(+1,138枚)
◆主要ニュース
・2月日本第3次産業活動指数 前月比▲0.6%(前月改定+0.6%)
・3月中国新築住宅価格 前年比値上がり 70都市(前月69都市)
横ばい 0都市(1都市)
値下がり 0都市(0都市)
前月比値上がり 65都市(57都市)
横ばい 3都市(9都市)
値下がり 10都市(14都市)
・3月中国新築住宅価格 前月比+0.61%(前月+0.53%)
・2月ユーロ圏建設業生産高 前月比+3.0%(前月改定▲0.8%)、前年比+5.2%(▲0.1%)
・4月ZEW独景況感調査期待指数 5.5(前月11.1)
現況指数 3.1(▲3.6)
ユーロ圏期待指数 4.5(▲2.5)
・3月米鉱工業生産 前月比▲0.1%(前月改定 +0.1%)、設備稼働率 78.8%(79.0%)
・4月米NAHB住宅市場指数 63(前月改定 62)
・日銀黒田総裁、「物価目標2%
・米クドロー米経済会議委員長、「中国都の通商協議は非常に良い進展。」
◆エネルギー・メタル関連ニュース
【エネルギー】
・DOE米在庫統計市場予想 原油+1,564KB(前週+7,029KB)
ガソリン▲1,720KB(▲7,710KB)
ディスティレート▲1,176KB(▲116KB)
稼働率+0.89%(+1.10%)
・API石油統計 原油在庫▲3.1MB
クッシング▲1.56MB
ガソリン▲3.56MB
ディスティレート+2.33MB
・米国、イランの革命防衛隊を正式にテロ組織認定。
【メタル】
・2月日本特殊鋼材受注 前年比▲10.7%の4,995億円、内需▲2.8%の3,489億円
・Q119Rio Tinto 鉄鉱石生産 前年比▲9%の76.0百万トン(前期▲3%の87.4百万トン)。ボーキサイト+1%の12,
◆主要商品騰落率
【上昇率上位5商品】
商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.TGEトウモロコシ ( 穀物 )/ +15.18%/ ▲4.14%
2.TGE小豆 ( 穀物 )/ +3.45%/ +5.71%
3.中国CSI300 ( 株式 )/ +2.77%/ +35.71%
4.SHF天然ゴム ( その他農産品 )/ +2.39%/ +5.05%
5.NYB綿花 ( その他農産品 )/ +1.90%/ +7.95%
【下落率上位5商品】
商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
68.CME木材 ( その他農産品 )/ ▲3.97%/ +0.51%
67.CBT小麦 ( 穀物 )/ ▲3.16%/ ▲11.57%
66.LME亜鉛 3M ( ベースメタル )/ ▲3.04%/ +14.47%
65.CBTオレンジジュース ( その他農産品 )/ ▲2.18%/ ▲14.14%
64.ICEココア ( その他農産品 )/ ▲1.75%/ ▲2.15%
※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。
◆主要指標
【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :26,452.66(+67.89)
S&P500 :2,907.06(+1.48)
日経平均株価 :22,221.66(+52.55)
ドル円 :112.02(▲0.02)
ユーロ円 :126.37(▲0.28)
米10年債利回り :2.59(+0.04)
独10年債利回り :0.07(+0.01)
日10年債利回り :▲0.02(+0.00)
中国10年債利回り :3.39(+0.02)
ビットコイン :5,184.08(+162.55)
【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :20.76(+0.35)
エネルギー :27.16(+0.07)
ベースメタル :15.31(▲0.05)
貴金属 :20.67(▲0.16)
穀物 :15.52(+0.95)
その他農畜産品 :22.62(+0.52)
【主要商品ボラティリティ】
WTI :19.79(+0.33)
Brent :14.22(+0.24)
米天然ガス :20.66(▲0.87)
米ガソリン :22.27(+0.21)
ICEガスオイル :16.52(+0.42)
LME銅 :13.78(▲0.01)
LMEアルミニウム :14.40(▲1.19)
金 :11.15(+0.79)
プラチナ :21.04(▲0.61)
トウモロコシ :20.41(+0.26)
大豆 :11.15(+0.79)
【エネルギー】
WTI :64.05(+0.65)
Brent :71.72(+0.54)
Oman :71.32(+0.96)
米ガソリン :203.17(+1.99)
米灯油 :208.22(+2.12)
ICEガスオイル :638.25(+8.50)
米天然ガス :2.57(▲0.02)
英天然ガス :35.68(▲0.41)
【石油製品(直近限月のスワップ)】
Brent :71.72(+0.54)
SPO380cst :419.33(+0.70)
SPOケロシン :83.81(+0.89)
SPOガスオイル :84.06(+0.89)
ICE ガスオイル :85.67(+1.14)
NYMEX灯油 :208.40(+0.89)
【貴金属】
金 :1276.80(▲11.15)
銀 :15.00(+0.00)
プラチナ :881.54(▲6.31)
パラジウム :1356.83(▲8.13)
※ニューヨーククローズ。
【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :6,488(+13:28C)
亜鉛 :2,832(▲68:87.5B)
鉛 :1,962(+13:19C)
アルミニウム :1,856(▲4:17C)
ニッケル :13,090(+145:120C)
錫 :20,560(▲95:240B)
コバルト :34,500(▲500)
(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :6491.50(+1.50)
亜鉛 :2809.00(▲88.00)
鉛 :1927.00(▲24.00)
アルミニウム :1853.50(▲9.50)
ニッケル :12930.00(▲70.00)
錫 :20510.00(▲110.00)
バルチック海運指数 :738.00(+12.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック
【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR青島) :休場( - )
SGX鉄鉱石 :93.79(▲0.86)
NYMEX鉄鉱石 :93.44(▲0.53)
NYMEX原料炭スワップ先物 :203.75(+0.75)
上海鉄筋直近限月 :4,150(+30)
上海鉄筋中心限月 :3,802(▲19)
米鉄スクラップ :345(±0.0)
【農産物】
大豆 :888.00(▲10.75)
シカゴ大豆ミール :306.50(▲4.50)
シカゴ大豆油 :28.72(▲0.09)
マレーシア パーム油 :2105.00(+5.00)
シカゴ とうもろこし :359.00(▲3.75)
シカゴ小麦 :445.00(▲14.50)
シンガポールゴム :171.80(▲1.50)
上海ゴム :11550.00(+270.00)
砂糖 :12.51(▲0.15)
アラビカ :90.50(▲0.90)
ロブスタ :1402.00(▲8.00)
綿花 :77.94(+1.45)
【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :88.98(▲1.10)
シカゴ生牛 :127.15(+0.85)
シカゴ飼育牛 :145.68(±0.0)
※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。