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米中貿易交渉を受けて総じて堅調
  • MRA商品市場レポート for PRO

2019年5月13日 第1529号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米中貿易交渉を受けて総じて堅調」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品価格は需給見通しが下方修正された穀物セクターなどを除き、軒並み水準を切り上げる展開となった。

米中貿易交渉再開と、それを受けてムニューシン財務長官が「交渉は建設的だった」と前向きな発言をしたことで再び米中協議妥決への期待が高まったことが背景。

【本日の価格見通し総括】

週明けの商品相場は、米中貿易交渉への懸念が若干後退したことで景気循環銘柄に買戻しが入る展開が予想される。

一方、景気非循環系商品は逆に売られる展開が予想されるが、リスクテイク再開に伴うドル安進行が、総じて下値余地を限定するとみる。

【昨日の世界経済・市場動向のトピックス】

週末は米中貿易交渉進捗への期待が再び高まったことで株価が上昇、市場参加者のリスクテイク意欲が回復したため、軒並み商品価格は水準を切り上げる動きとなった。

しかし、これを以って米中協議が進捗するとの期待はやや楽観すぎるのではないだろうか。そもそもこれまでの米中貿易交渉でのムニューシン財務長官発言は常に楽観的なものであり、その後ライトハイザー通商代表がこれを否定する、という流れになっていた。

レポートを執筆している現時点で、ライトハイザー通商代表のコメントは報道されておらず、恐らく今回の交渉でも、中国側の企業に対する補助金や技術強制移転の問題では合意への道筋を付けるに至っていないものと推察される。

というのも、「中国のルール」に則った技術強制移転や知的財産の保護規定変更は、それが国際取引慣行に照らして良いのか悪いのかの議論はさておき「内政干渉」にあたるため、中国側も簡単にこれを受け入れるわけにはいかないためである。

そうなると現在の結論は、「米国が中国に25%の追加関税を実施したこと」のみが残る。期待面ではリスク資産価格には上昇圧力がかかるが、貿易統計などのハード面の整備ではリスク資産価格に下押し圧力がかかる、という構図だ。

幸いなことに、関税引き上げを実質的に負担する米国の個人消費はまだ堅調であり、25%関税引き上げがあっても直ちに米国経済が後退局面入りするとは思えない。

しかし、この状況が継続すれば世界経済にマイナスになるのは確実である。そもそもトランプ減税の効果が剥落するとみられる秋口の、世界的な景気減速リスクは警戒しておく必要があるだろう。

【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】

(マクロ要因)

・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標再びの減速(価格下落要因)。

・世界景気の減速観測。IMFは2019年の経済見通しを引き下げ(+3.5%→+3.3%)ており、先行きの見通しのリスクも下向き。

・FRBは利下げの可能性を否定(インフレ系資産価格の下落要因)。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格の上昇要因(Q119の中国GDPは前年比+6.4%、前期+6.4%と市場予想の+6.3%を上回りやや減速懸念が後退)。

・景気減速下での原油価格高騰は、消費国から生産国への所得移転を通じて景気の下押し要因に。また、リスク回避のドル高進行も価格上昇を抑制。

・2020年からインドが人口ボーナス期入りすることによる、構造的な需要の増加は中長期的な価格の上昇要因。

(特殊要因)

・米政権は対中関税引き上げを表明(景気循環銘柄価格の下落要因)。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化、トルコの景気後退など)によるリスク回避の動きの強まり。

・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク(とりあえず5月末、10月末を期限として問題先送り)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速。

(投機・投資要因)

・長期金利の低下による米長短金利の逆転が株安を誘発、リスク回避のリスク資産売り圧力が強まる場合。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油市場動向総括】

原油価格は乱高下した結果、前日比プラスで引けた。ムニューシン財務長官の発言を受け、米中貿易交渉に一定の進捗がみられたとの報道への期待感と、イランに対する米国の制裁で中東原油の供給が不安定化するとの見方が強まったことから。

【原油価格見通し】

原油価格は高値圏を維持する展開を予想。

米国が中東に打撃・空爆戦力派遣を決定、イランも核開発の一部再開を通知するなど、域内情勢が不安定化するとの見方が強まる一方、イランに対する制裁があっても輸入国とも国内の製油所の能力などから直ちに禁輸を行えるわけではないこと、仮に完全に減産が行われても、数字の上では供給は足りること、ロシアが減産を順守していないことといった供給面の不安が後退していることに加え、各国PMI、米ISM製製造業指数の減速といった下落要因が意識されるため。

ただし、イランに対する制裁が行われる以上、イランの報復懸念に伴うホルムズ海峡封鎖の可能性や、イスラエルに対する米国の過剰な肩入れが域内の供給不安を意識させること、ベネズエラ・リビアの供給不安から、大幅な調整にはならない見込み。

【石炭市場動向総括】

石炭先物市場は小幅に続落。米中貿易交渉は再開したものの、中国の経済統計の減速を受けて需要が減速するとの見方が強まったことが材料。

【石炭価格見通し】

石炭価格は季節的な需要期に徐々に入りつつあることから、じりじりと水準を切り上げる展開になると予想する。

本格的な上昇は8月頃。その後季節的な調整の後、11月にかけて水準を切り下げる展開を予想。米中貿易協議が難航する見通しであることも価格を押し下げ。下値の目処は80ドル。

ただし、米国の北朝鮮制裁はミサイル発射の影響で容易に緩和せず、環境規制強化による供給の伸び鈍化が価格を下支えの見込み。

また、中国による豪州炭の輸入規制(華為技研問題の影響)の影響でインドネシア炭にシフトしていることは逆に、上値を抑えると考えられる(日本が輸入する石炭価格CIFへの影響は中立)。米国の中国制裁強化も価格の上値を抑える公算。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・原油価格の上昇に伴う北米の増産継続は、需給緩和で価格の下落要因。

・OPECプラスの協調減産は9月末で終了する可能性が高まっており、足元の協調減産は価格の上昇要因だが、年後半は下落要因に。

・産油国の財政悪化による上流投資部門投資の減速は、インドなどの新興国需要顕在化時の価格上昇要因。

・EV普及による需要の伸び鈍化を、軽量化目的の樹脂向け需要増加が相殺(需要が減少を始めるのは2050年頃からか)。

・世界的な石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。価格上昇要因(石炭)。

(特殊要因)

・米国のイランに対する制裁強化・ベネズエラ・リビアの情勢悪化に伴う供給途絶懸念は価格の上昇要因。

・米国のイスラエルへの過剰な肩入れと、イスラエルネタニヤフ首相の5選達成による、周辺産油国への武力行使の可能性が高まることは原油価格の上昇要因に。

・米国の制裁緩和による北朝鮮炭の輸出再開による需給緩和(石炭)。

・北朝鮮のミサイル発射により、制裁が継続される可能性が高まっていることは、北朝鮮からの石炭輸出(密輸)を制限し、価格の上昇要因(石炭)。

・米中情報戦争をめぐる華為排除の決定を受けて中国政府は豪州からの石炭輸入を規制、インドネシア炭にシフトしていることはNEWC価格の下落要因に(石炭CIF価格に対する影響は中立)。

(投機・投資要因)

・直近の投機筋のポジションは、WTIはロングが616,789枚(前週比 ▲21,509枚)、ショートが122,453枚(+8,258枚)、ネットロングは494,336枚(▲29,767枚)、Brentが434,082枚(前週比+494枚)、ショートが27,907枚(▲1,312枚)、ネットロングは406,175枚(+1,806枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属市場動向総括】

LME非鉄金属価格は下落した。中国のファイナンス関連統計が発表されたが、市場予想を下回る内容であり、企業活動の鈍化懸念が強まったことが背景。

なお、消費者物価指数や生産者物価指数に上昇がみられているが、これは豚肉価格の上昇に因る食品価格の上昇によるもの(コストプッシュ型)であり、景気の回復によるものではない。

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は下値余地を探る動きになると考える。中国のファイナンス関連統計の減速に加え、各国の製造業PMIも減速していること、米中関税合戦再開懸念が価格を下押しすると考えられることから。

ただし、米中貿易交渉が継続していることは、市場参加者に若干の安心感を与えるため、下落余地も限定されると予想される。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・環境規制の強化で特殊需要が増加する(軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルトなど)

・中国の環境規制強化に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・亜鉛の精錬キャパシティ不足に伴う需給のタイト化。一方鉱山生産は再開しており、亜鉛精鉱需給は緩和、TCも高止まり。

・環境規制強化・米制裁の影響による石炭価格上昇が、中国の非鉄金属製造コストを高止まりさせる場合。

・インドをはじめとする新興国の構造的な需要増加(中長期的な要因)。

(特殊要因)

・銅の生産減少観測(環境問題によるインド、露天掘りから地下生産に変更するインドネシア)、ヴァーレの尾鉱ダム事故の影響による供給減少(アルミやニッケルなどに波及する可能性)。

・LME指定倉庫在庫の減少が、LMEの倉庫運営ルール変更に伴う保管場所変更の取引の影響である場合、ルールが見直された際に再度、LME指定倉庫在庫が急増する可能性(下落要因)。

(投機・投資要因)

・5月3日付のLMEポジション動向はまちまち。おおむねロング・ショートともポジションを落としていく動きに変わりはないが、鉛と錫はロングの減少とショートの増加が確認されており弱気のポジション取りに。

その他は亜鉛のロング解消の動きが顕著だが、銅・アルミ・ニッケルはショート解消圧力が強いため、結果ネットロングを拡大している。

投機筋のLME+CME銅ネット買い越し金額は5.7億ドル(前週1.2億ドル)と減少。上昇率は+360.9%。

買い越し枚数はトン数換算ベースで▲53千トン(▲123千トン)と増加、増加率は+56.7%。

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料市場動向総括】

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップ市場は上昇、原料炭スワップ先物は横ばい、中国鉄鋼製品価格は小幅に上昇した。

ブラジルのヴァーレの鉱山停止が需給を逼迫させていること、米中貿易交渉が再開されたことなどが材料視された。

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は高値圏でもみ合うものと考える。ヴァーレのブルクツ鉱山が再び稼働停止になったことで、鉄鉱石の供給懸念が強まる一方、米中貿易交渉の行方が不透明なことが上値を抑えるため。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・中国の鉄鋼製品在庫水準の高さは価格の下落要因。鉄鋼製品在庫は前週比▲50.9万トンの1,230万トン(過去5年平均1,231.9万トン)と例年をやや下回った。

・中国の鉄鉱石在庫水準の高さは価格を下押し。鉄鉱石在庫は前週比▲25万トンの1億3,350万トン(過去5年平均1億1,937万トン)、在庫日数は▲0.1日の34.7日(過去5年平均 30.6日)と例年の水準を上回る。

・季節的に鉄鋼製品在庫の取り崩し時期であり、価格には下押し圧力がかかりやすい。

・長期的には2020年に人口ボーナス期入りするインドの需要が鉄鋼製品・鉄鉱石価格を押し上げ。

(特殊要因)

・ヴァーレの尾鉱ダム決壊の影響が拡大し、さらに供給減少が起きた場合(自社・他社ともにあり得る)、価格の上昇要因に。

(投機・投資要因)

・固有の要因は特になし。

---≪貴金属≫---

【貴金属市場動向総括】

金・銀価格は上昇した。期待インフレ率の上昇を受けた実質金利の低下とそれを受けたドルじり安が材料となった。

PGMは金銀価格の上昇に加えてムニューシン財務長官の発言を受けて株価が急速に上昇したことが材料となった。

PGM現物の需給バランスを見る上での指標となるロジウムの価格は2,935ドルと前日と変わらなかった。

【貴金属価格見通し】

金価格は上昇余地を探る展開を予想。米国の中東への空母派遣が安全資産需要を高め、それに伴う原油価格の上昇が実質金利を押し下げるため。

ただし、米金融政策がややタカ派(過剰なハト派観測が後退)よりになることが上値を抑えると予想。

銀価格は金銀在庫レシオ(銀在庫÷金在庫)の上昇が金銀レシオを押し上げているため対金で割安に推移。

一方、欧州の政情不安、米国の債務上限問題、中東情勢の混乱懸念(イスラエル・イランを中心に)が安全資産需要を高めるため、リスクプレミアムが乗る形で価格を押し上げへ。

PGM価格は金銀価格が上昇余地を探る展開が予想されることから、堅調だが、同時に米中貿易交渉の難航などを背景に景気の先行きを懸念して株価の上値も重いことから、対金銀では水準を切下げる展開を予想。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・FRBの利上げ打ち止め、原油価格の高止まりは実質金利の低下を通じて金銀価格の上昇要因に。

・景気の先行きを楽観した株価上昇とそれに伴う長期金利・実質金利の上昇(金銀価格の下落要因)。ただし、欧州の政情混乱や景況感の悪化で株価が調整した場合には金銀価格の上昇要因。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

・排ガス規制強化に伴うパラジウムへのシフト(パラジウムの上昇要因・プラチナの下落要因)。

・パラジウム需要増加に伴うPGMの増産により、結果的にプラチナが供給過剰となり価格の下落要因に(プラチナ)。

・割安感からプラチナのETFに買いが入っており、短期的には上昇要因、中期的には手仕舞い圧力で売り要因に(プラチナ)。

(特殊要因)

・米中貿易交渉は難航しているが、貿易面で一部妥結の可能性(価格の下落要因)。ただし、知的財産権や技術の強制移転などの重要なポイントで妥結できておらず、米中の覇権争いであり長期化の見込み(価格の下支え要因)。

・米国の債務上限問題の顕在化(8月~9月にデフォルトするリスク)。

・欧州の政治混乱(英国のEU離脱、伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化など)による安全資産需要の増加。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加。

(投機・投資要因)

・長期金利の低下による米長短金利の逆転が株安を誘発、リスク回避のリスク資産売り圧力が強まり、安全資産需要が高まる場合。

・銀価格は金銀在庫レシオが銀在庫の減少、ないしは金在庫の増加、あるいは両要因によって低下した場合、金銀レシオが上昇するリスク(銀価格の上昇要因)。

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが185,801枚(前週比 +8,526枚)、ショートが110,390枚(▲666枚)、ネットロングは75,411枚(+9,192枚)、銀が77,346枚(+226枚)、ショートが78,303枚(+3,319枚)、ネットロングは▲957枚(▲3,093枚)

・直近の投機筋のポジションは、プラチナはロングが45,857枚(前週比 ▲2,331枚)、ショートが17,164枚(+2,298枚)、ネットロングは28,693枚(▲4,629枚)、パラジウムが11,880枚(▲855枚)、ショートが3,900枚(+573枚)、ネットロングは7,980枚(▲1,428枚)

---≪農産品≫---

【穀物市場動向総括】

シカゴ穀物価格は軒並み水準を切下げた。昨日発表された米農務省需給報告で、在庫水準が切り上がったことが材料となった(詳しくは下記マクロ要因を参照ください)。主に、輸出見通し下方修正が要因。

【穀物価格見通し】

穀物価格はトウモロコシは、需給見通しの下方修正観測から軟調推移すると考える。

大豆は米中貿易交渉の進捗がはっきりしないことや、中国の豚コレラの影響で大豆の飼料向け需要の減少が価格を下押し。

小麦は冬小麦の作柄が良好であることや、黒海周辺国の輸出増加が、シカゴ小麦価格を下押しすると予想されることから、低迷を予想。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・米国のトウモロコシ・大豆の生産増加観測による需給緩和観測。

・米国の作付けの遅れに伴う需給タイト化観測。

・作付面積動向(トウモロコシは下落、大豆は上昇、小麦は上昇)トウモロコシ作付意向面積 9,279万エーカー(市場予想 9,127万エーカー、前年8,803万エーカー)大豆 8,462万エーカー(8,620万エーカー、8,898万エーカー)小麦 4,575万エーカー(4,688万エーカー、4,734万エーカー)

・5月の米需給報告の在庫見通し

トウモロコシ24億8,500万ブッシェル(前穀物年度20億3,500万Bu)大豆 9億7,000万Bu(8億9,500万Bu)小麦 11億4,100万Bu(10億8,700万Bu)

・実質金利の低下に伴うドル安の進行は、シカゴ穀物の輸出競争力を改善し、需給面で価格の上昇要因に。

(特殊要因)

・米中貿易交渉は、貿易面で一部妥結の可能性(価格の上昇要因)。ただし、知的財産権や技術の強制移転などの重要なポイントで妥結できておらず、米中の覇権争いであり長期化の見込み(価格の下落要因)。

・エルニーニョ現象発生による北米の増産は価格の下落要因。ただし洪水などが発生し、災害が激甚化した場合には価格の上昇要因に。

・中国の豚コレラ被害の拡大により、飼料需要が減少した場合は価格の下落要因(逆に終息すれば上昇要因)。

(投機・投資要因)

・再び主要穀物のショートポジションが大きく積み上がっている。これらの巻き戻し(買戻し)圧力が播種の状況によって強まる可能性があることは留意。

・直近の投機筋のポジションは、トウモロコシはロングが375,616枚(前週比 +2,014枚)、ショートが566,664枚(▲15,230枚)、ネットロングは▲191,048枚(+17,244枚)、大豆はロングが138,532枚(+12,910枚)、ショートが256,043枚(+12,086枚)、ネットロングは▲117,511枚(+824枚)、小麦はロングが141,095枚(+5,412枚)、ショートが189,792枚(▲1,069枚)、ネットロングは▲48,697枚(+6,481枚)

◆本日のMRA's Eye


「バルクコモディティ価格見通し」

鉄鉱石価格は1.鉄鋼製品価格の高止まり、2.ヴァーレの尾鉱ダム事故の影響による減産、3.中国政府の経済対策期待などを材料に、年初から堅調な推移となっており、依然として90ドルを上回る水準を維持している。

ヴァーレのBrucutu(3,000万トン)鉱山は稼働を再開したものの、裁判所の判断で再び稼働停止となった。また、Fejao,Fabrica and Vargem Grande(4,000万トン)、Timbopeba(1,280万トン)、Alegria(1,000万トン)は依然、稼働停止の状態にあり供給懸念は払しょくされていない状態。

一方、需要面では中国の鉄鋼製品価格が極めて高いことから、在庫取り崩しの時期にあるにも関わらず、粗鋼生産は堅調に推移している。しかし、鉄鋼業PMIの回復は一時的なものに留まる可能性が高く、中国国内の需給環境の改善は力強いものにならない可能性も高いことから、現在の価格上昇一時的なものに留まると予想される。

また、中国の鉄鉱石港湾在庫は、絶対水準ベースでも、在庫日数ベースでも高い水準にあり、足元の中国の鉄鉱石需給はさほどタイト化していないことを示唆している。

これに加え、中国の経済対策実施はあるものの、やはり構造的な景気減速に歯止めをかけることが容易でない他、米国の中国に対する制裁が強化される方針であり、景気の減速感が強まるためだ。よって、鉄鉱石価格の上値は重いと考えられる。

アジア太平洋地区の石炭価格の指標であるグローバルコール・ニューキャッスル炭価格は上昇している。これは季節的な需要の回復に加え、北朝鮮が短距離弾道ミサイル(と思われる)飛翔体を複数発射、北朝鮮に対する制裁が今後も継続するとの見方が強まったことが材料となった。

この影響で急速に縮小してきた豪州炭と中国国内炭価格の価格差は、再び拡大基調を強めている。但し米国は北朝鮮との対話を継続する方針であり、今回のミサイル発射を厳しく追及する流れにはまだなっていない。

恐らく燃料炭価格が本格的な上昇に転じるのは、夏場が意識される6~7月以降になると予想されるが、上述の中国の景気先行き不透明感が強いことから、上昇したとしても上値余地は限定されると予想される。

これに加えて中国は華為技研問題で米国に追随した豪州に制裁を科しており(中国政府は否定)、豪州炭の中国への輸出量は、前月比▲91,980トンの80,679トンまで落ち込んでいる。このことは、テクニカルな固有要因であるが、石炭の国際需給を緩和し、同様に上昇余地を限定しよう。

石炭価格の期間構造を見ると、足元期近の価格の下落が顕著でコンタンゴになっている。

中国製造業PMIの減速に見られるような国内景気の減速に加え、中国国内の石炭生産(燃料炭+原料炭)も3月は過去5年平均(3億942万トン)は下回ったが、昨年よりは+813万トンとなる2億9,835万トンと増産されていること、それに伴い港湾在庫の水準もほぼ過去5年平均程度まで回復しており、国内の需給は緩和している可能性が高い。

今後、季節的な石炭価格の上昇の可能性は高いが、石炭価格の上値も重いものと考えられる。

◆主要ニュース


・3月日本家計支出 前年比▲1.9%(前月▲0.7%)

・3月独経常収支 302億ユーロの黒字(前月175億ユーロの黒字)。貿易収支 227億ユーロの黒字(180億ユーロの黒字)
 輸出 前月比+1.5%(▲1.2%)、輸入+0.4%(▲1.6%)

・3月インド鉱工業生産 前年比▲0.1%(前月改定+0.1%)

・4月米消費者物価指数 前月比+0.3%(前月+0.4%)、前年比 +2.0%(+1.9%)
 コア 前月比+0.1%(+0.1%)、前年比+2.1%(+2.0%

・4月米実質平均賃金 前年比+0.9%(前月改定+1.4%)、実質平均時給 +1.2%(+1.3%)

・4月米財政収支 1,603億ドルの黒字(前月2,143億ドルの黒字)

・米中貿易交渉は終了、「話し合いは建設的(ムニューシン財務長官)。」

・北朝鮮の貨物船、米国が差し押さえ。違反の石炭輸出か。

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・ベイカー・ヒューズ週間米国石油リグ稼働数805(前週比▲2)、 ガスリグ 183(前週比±0)。

・オキシデンタルの買収提案を受け、シェブロンがアナダルコ買収を断念。

・イラン革命防衛隊幹部、「イラン政府は米国と協議を行わない。イランに対する軍事行動を米国は敢行しない。」

・シリア政府軍、反政府勢力の拠点空爆強化。200名以上死亡、15万人が避難。

【メタル】
・バークレイズ、鉄鉱石価格見通しを83ドル(前回見通し75ドル)に引き上げ。ブラジルの大雨と、豪州のサイクロンの影響で。

・グレンコア、ザンビアの銅抗2基稼働停止。鉱山寿命で。

・ILZSG、「2019年の亜鉛鉱山生産は6.2%増加。豪州と中国の生産増加で1,348万トンに。一方需要は▲0.6%の1,377万トンとなり、需給バランスは▲12万1,000トンの供給不足に。鉛は生産が+2.5%、需要が+1.2%となることで+7万1,000トンの供給過剰を予想。」

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.パラジウム ( 貴金属 )/ +4.44%/ +7.54%
2.中国CSI300 ( 株式 )/ +3.63%/ +23.91%
3.TCM天然ゴム ( その他農産品 )/ +2.96%/ +13.37%
4.プラチナ ( 貴金属 )/ +1.96%/ +8.80%
5.CBTオレンジジュース ( その他農産品 )/ +1.65%/ ▲23.81%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
68.ICE欧州天然ガス ( エネルギー )/ ▲3.59%/ ▲46.72%
67.欧州排出権 ( 排出権 )/ ▲3.33%/ +3.32%
66.NYB綿花 ( その他農産品 )/ ▲2.53%/ ▲5.19%
65.TGEトウモロコシ ( 穀物 )/ ▲1.96%/ ▲10.68%
64.LME鉛 3M ( ベースメタル )/ ▲1.38%/ ▲9.52%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :25,942.37(+114.01)
S&P500 :2,881.40(+10.68)
日経平均株価 :21,344.92(▲57.21)
ドル円 :109.95(+0.21)
ユーロ円 :123.55(+0.48)
米10年債利回り :2.47(+0.03)
独10年債利回り :▲0.05(+0.00)
日10年債利回り :▲0.05(▲0.00)
中国10年債利回り :3.31(+0.01)
ビットコイン :6,342.73(+262.01)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :21.18(+0.11)
エネルギー :21.40(▲0.25)
ベースメタル :16.06(+0.43)
貴金属 :19.40(+1.31)
穀物 :15.42(+0.04)
その他農畜産品 :26.25(▲0.18)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :20.82(▲0.62)
Brent :20.06(▲0.37)
米天然ガス :26.21(+0.03)
米ガソリン :23.81(▲0.55)
ICEガスオイル :20.06(±0)
LME銅 :13.91(▲0.57)
LMEアルミニウム :11.13(+0)
金 :10.35(+0)
プラチナ :20.02(+1.55)
トウモロコシ :17.89(+0.02)
大豆 :10.35(+0)

【エネルギー】
WTI :61.72(+0.02)
Brent :70.77(+0.38)
Oman :70.88(+0.63)
米ガソリン :199.10(+1.56)
米灯油 :205.59(+1.23)
ICEガスオイル :632.25(±0.0)
米天然ガス :2.62(+0.03)
英天然ガス :32.54(▲1.21)

【石油製品(直近限月のスワップ)】
Brent :70.77(+0.38)
SPO380cst :413.05(+0.81)
SPOケロシン :82.93(+0.33)
SPOガスオイル :82.81(+0.36)
ICE ガスオイル :84.87(±0.0)
NYMEX灯油 :205.75(+0.52)

【貴金属】
金 :1286.12(+2.04)
銀 :14.78(+0.01)
プラチナ :865.69(+16.60)
パラジウム :1356.90(+57.64)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :6,147(+26:11C)
亜鉛 :2,630(+6:121B)
鉛 :1,836(▲30:13C)
アルミニウム :1,801(+2:35.5C)
ニッケル :11,925(+165:60C)
錫 :19,330(+30:320B)
コバルト :34,500(±0.0)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :6146.00(+5.00)
亜鉛 :2641.00(+3.00)
鉛 :1819.00(▲25.50)
アルミニウム :1815.00(+8.50)
ニッケル :11960.00(+145.00)
錫 :19450.00(+130.00)
バルチック海運指数 :974.00(+34.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR青島) :休場( - )
SGX鉄鉱石 :95.23(+1.09)
NYMEX鉄鉱石 :95.08(+0.84)
NYMEX原料炭スワップ先物 :205(±0.0)
上海鉄筋直近限月 :4,139(+9)
上海鉄筋中心限月 :3,736(+10)
米鉄スクラップ :休場( - )

【農産物】
大豆 :797.00(▲3.25)
シカゴ大豆ミール :284.10(▲1.20)
シカゴ大豆油 :26.50(+0.16)
マレーシア パーム油 :1920.00(+10.00)
シカゴ とうもろこし :342.50(▲2.00)
シカゴ小麦 :419.00(▲2.75)
シンガポールゴム :174.40(+2.20)
上海ゴム :11545.00(+45.00)
砂糖 :11.72(▲0.06)
アラビカ :89.45(▲0.05)
ロブスタ :1337.00(+15.00)
綿花 :68.45(▲1.78)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :83.75(±0.0)
シカゴ生牛 :112.45(+0.50)
シカゴ飼育牛 :137.63(+1.38)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。