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ドル高進行と景気への懸念から軟調
  • MRA商品市場レポート for PRO

2019年4月25日 第1523号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「ドル高進行と景気への懸念から軟調」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品価格は総じて軟調な推移となった。欧州統計の減速やそれを受けたドル指数の上昇がドル建て資産価格の下押し要因となった。

上昇したのは季節的に需要が増加しやすい材木、中国の豚コレラの影響を受けたシカゴ豚肉、金などの非景気循環系商品だった。

【本日の価格見通し総括】

本日もイランを巡る供給懸念を背景に原油価格は高止まりするが、その他の商品はリスク回避の動きとドル高進行、企業決算を受けた株高などの強弱材料が混在する中で、軟調地合いの中もみ合うものと考えられる。

【昨日の世界経済・市場動向のトピックス】

後5日で平成の世が終わり、新しい元号である令和が始まることもあって今年のGWは10連休となる。しかし、5月は株式市場ではセル・イン・メイの格言があるように、相場が大きく荒れることがある。今年は通常の2倍の期間休場となるため、改めてこの時期の予定とアノマリーについて振り返っておきたい。

まずGW中に予定されているイベントやマクロ統計は以下の通りとなる。中国が経済対策を実施し、米国が利上げを見送っていることで過剰な景気への懸念は後退しているが、それでも「落としどころ」を探る意味でマクロ統計は重要である。特に注目しているのが、各国の製造業PMIと米ISM製造業指数。

イベントとしてはFOMCと5月1日から始まるイランに対する制裁再開だろう。過剰にイスラエル寄りとなっている米政策を受けた中東情勢の変化は、世界経済の大きなリスクとなっている。

また、あまり考えたくないが、改元のタイミングで日本もテロが起きる可能性があることはあえて指摘しておきたい。

4月30日 4月中国製造業PMI 市場予想 55.0(前月54.8)4月米コンファレンスボード消費者信頼感 126.1(124.1)

5月1日 4月米ISM製造業指数 55.0(55.3)、FOMC、改元イラン制裁再開

5月2日 4月中国財新製造業PMI 51.0(50.8)5月3日 4月米雇用統計雇用者数増加 前月比+18.5万人(+19.6万人)、4月平均時給 前年比+3.3%(+3.2%)

ではアノマリーはどうか。直近5年の原油価格について、4月よりも5月のほうが原油価格が高かったのは2017年のみであり、それ以外の年は全て5月のほうが原油価格の水準が低い。季節的にはドライブシーズンに入り、需要期入りするのだが実需とは関係ない動きになっている。アノマリー的には原油価格は5月に下落する可能性が高い。

ただ、イランに対する制裁とその深度がどの程度かに依拠するため、今年に関しては不透明だ。

銅については2016年~2018年は5月の価格のほうが4月よりも高く、どちらかといえば上昇する傾向が強いようだ。同様に上昇傾向が強い非鉄金属はアルミ(直近5年中4回)、鉛(同3回)、錫(同4回)。逆に下落傾向が強い非鉄金属は、亜鉛(同2回)、ニッケル(同2回)となっている。

商品価格全体に与える影響が大きいドル指数については、過去5年中2015年と2017年のみドル指数が上昇しているが、その他の年は4月比で下落しており、ドル建て資産価格の上昇要因となり得る。

【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】

(マクロ要因)

・各国の金融緩和・経済対策を受けたPMI・ISMなどのマインド系指標の改善(価格上昇要因)。

・世界景気の減速観測。IMFは2019年の経済見通しを引き下げ(+3.5%→+3.3%)ており、先行きの見通しのリスクも下向き。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格の上昇要因(Q119の中国GDPは前年比+6.4%、前期+6.4%と市場予想の+6.3%を上回りやや減速懸念が後退)。

・景気減速下での原油価格高騰は、消費国から生産国への所得移転を通じて景気の下押し要因に。また、リスク回避のドル高進行も価格上昇を抑制。

・2020年からインドが人口ボーナス期入りすることによる、構造的な需要の増加は中長期的な価格の上昇要因。

(特殊要因)

・米中貿易交渉は、貿易面で一部妥結の可能性(価格の上昇要因)。ただし、知的財産権や技術の強制移転などの重要なポイントで妥結できておらず、米中の覇権争いであり長期化の見込み。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化、トルコの景気後退など)によるリスク回避の動きの強まり。

・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク(とりあえず5月末、10月末を期限として問題先送り)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速。

(投機・投資要因)

・長期金利の低下による米長短金利の逆転が株安を誘発、リスク回避のリスク資産売り圧力が強まる場合。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油市場動向総括】

原油価格は高安まちまち。イランに対する制裁が引き続き材料となっており、欧州原油と中東原油は上昇したが、石油統計で原油在庫が増加したWTIは下落している(詳しくは本日のMRA's Eyeをご参照下さい)。

【原油価格見通し】

原油価格は上昇余地を探る展開になると予想。

米国のイランに対する制裁が宣言通り実施される見通しとなったこと、それに対するイランの報復、ホルムズ海峡封鎖への懸念などが供給リスクを意識させるため。

また、この状況においてもOPECプラスの減産は継続する見込みであるほか、リビアやベネズエラの供給懸念も顕在化し始めていることから。

ただし、景気減速下での原油価格上昇は景気にマイナスであり、消費を減速させるほか、リスク回避のドル高進行予想されるため、上値余地も限定されると考える。

【石炭市場動向総括】

石炭先物市場は小幅に上昇。目立った材料に乏しい中、季節的に端境期にあることから横ばい推移を続けている。

【石炭価格見通し】

石炭価格は4月以降の下落幅が大きかったことから一旦買戻しが入ると見るが、本格的な上昇は季節性的にも5月以降になるだろう。

その後、8月にかけて高値を試し11月にかけて水準を切り下げる展開を予想。米中貿易協議が難航する見通しであることも価格を押し下げ。下値の目処は80ドル。

ただし、米国の北朝鮮制裁は容易に緩和せず、環境規制強化による供給の伸び鈍化が価格を下支えの見込み。また、中国による豪州炭の輸入規制(華為問題の影響)の影響でインドネシア炭にシフトしていることは逆に、上値を抑えると考えられる(日本が輸入する石炭価格CIFへの影響は中立)。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・原油価格の上昇に伴う北米の増産継続は、需給緩和で価格の下落要因。

・OPECプラスの協調減産は9月末で終了する可能性が高まっており、足元の協調減産は価格の上昇要因だが、年後半は下落要因に。

・産油国の財政悪化による上流投資部門投資の減速は、インドなどの新興国需要顕在化時の価格上昇要因。

・EV普及による需要の伸び鈍化を、軽量化目的の樹脂向け需要増加が相殺(需要が減少を始めるのは2050年頃からか)。

・世界的な石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。価格上昇要因(石炭)。

(特殊要因)

・米国のイランに対する制裁強化・ベネズエラ・リビアの情勢悪化に伴う供給途絶懸念は価格の上昇要因。

・米国のイスラエルへの過剰な肩入れと、イスラエルネタニヤフ首相の5選達成による、周辺産油国への武力行使の可能性が高まることは原油価格の上昇要因に。

・スーダンでのクーデター発生、アルジェリアでのデモ発生など、北アフリカ情勢が不安定化しており、周辺諸国に拡大するリスク。

・米国の制裁緩和による北朝鮮炭の輸出再開による需給緩和(石炭)。

・北朝鮮が新たにICBMの発射実験を検討していると伝えられ、韓国が北朝鮮に対して石油製品の瀬取りを行っていたことが判明、制裁が厳格になるとの見方は、北朝鮮からの石炭輸出(密輸)を制限(石炭)。

・米中情報戦争をめぐる華為排除の決定を受けて中国政府は豪州からの石炭輸入を規制、インドネシア炭にシフトしていることはNEWC価格の下落要因に(石炭CIF価格に対する影響は中立)。

(投機・投資要因)

・直近の投機筋のポジションは、WTIはロングが616,110枚(前週比 ▲5,656枚)、ショートが100,852枚(▲4,252枚)、ネットロングは515,258枚(▲1,404枚)、Brentが411,833枚(前週比+15,393枚)、ショートが31,968枚(▲6,331枚)、ネットロングは379,865枚(+21,724枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属市場動向総括】

LME非鉄金属価格は総じて軟調な推移となった。ドル指数の上昇が続いたほか、独IFO景況感指数の減速を受け、景気への懸念が強まったことが背景。

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は下値余地を探る動きになると考える。中国の経済対策や米中統計の改善を織り込んで上昇していたが、再び足元の統計に弱さがみられることから、調整売り圧力が強まるため。

ただし、LME指定倉庫在庫の減少が継続し、記録的な低水準となっていることや(統計上はタイトであるが、LME倉庫運営ルールの変更によって、LME指定倉庫以外の倉庫に移されている可能性もあり、単純に需給がタイト化しているとは言えない)、2020年から次の需要のけん引役として期待されるインドの需要増加観測が価格を下支えすると予想する。

なお、米中貿易交渉の行方などは政治的な決断に左右されるため予見し難いが、着地するまでは基本的には積極的な買い材料にも、売り材料にもし難い。しかし、妥決するまでは懸念材料となるため、価格上昇を抑制。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・環境規制の強化で特殊需要が増加する(軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルトなど)

・中国の環境規制強化に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・亜鉛の精錬キャパシティ不足に伴う需給のタイト化。一方鉱山生産は再開しており、亜鉛精鉱需給は緩和、TCも高止まり。

・環境規制強化・米制裁の影響による石炭価格上昇が、中国の非鉄金属製造コストを高止まりさせる場合。

(特殊要因)

・銅の生産減少観測(環境問題によるインド、露天掘りから地下生産に変更するインドネシア)、ヴァーレの尾鉱ダム事故の影響による供給減少(アルミやニッケルなどに波及する可能性)。

・LME指定倉庫在庫の減少が、LMEの倉庫運営ルール変更に伴う保管場所変更の取引の影響である場合、ルールが見直された際に再度、LME指定倉庫在庫が急増する可能性(下落要因)。

(投機・投資要因)

・4月12日付のLMEポジションは錫を除くと総じて売り買いともポジションが増加している。亜鉛とアルミはネットロングを増加させたが、それ以外の金属はショートの積み上がりが大きく、ネットロングを縮小した。

投機筋のLME+CME銅ネット買い越し金額は11.4億ドル(前週15.6億ドル)と減少。上昇率は▲27.3%(今週から、投機筋のポジションはインベストメントファンドの数字に変更しています)。

買い越し枚数はトン数換算ベースで99千トン(前週218千トン)と減少、増加率は▲54.4%。

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料市場動向総括】

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップ市場は下落、原料炭スワップ先物は小幅下落、中国鉄鋼製品価格は下落した。

中国南部が雨季・気温上昇で建設の動きが鈍化する見込みであることや、大気の状態の悪化により減産を余儀なくされている唐山市の40%の操業規制が本日解除されるとの見方も価格を下押しした。

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は高値圏でもみ合うものと考える。ヴァーレのブルクツ鉱山の稼働の再開が供給懸念を緩和する一方、鉄鋼製品価格が記録的な高値になっていることが価格を需要面で押し上げるため。

しかし、米中協議の先行きがはっきりせず、欧州に対する制裁が再開される可能性があること、最大消費国である中国が昨年と同レベルの生産を継続できる可能性は低いこと、原油価格高騰に伴う消費国経済への悪影響、鉄鋼製品在庫の取り崩し時期にあり、季節的に価格が下押しされるため上値も重くなると予想。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・中国の鉄鋼製品在庫水準の高さは価格の下落要因。鉄鋼製品在庫は前週比▲90.2万トンの1,389万トン(過去5年平均1,371.3万トン)と例年をやや上回っている。

・中国の鉄鉱石在庫水準の高さは価格を下押し。鉄鉱石在庫は前週比▲39万トンの1億4,000万トン(過去5年平均1億1,848万トン)、在庫日数は▲1.0日の35.2日(過去5年平均 29.7日)と例年の水準を上回る。

・季節的に鉄鋼製品在庫の取り崩し時期であり、価格には下押し圧力がかかりやすい。

・長期的には2020年に人口ボーナス期入りするインドの需要が鉄鋼製品・鉄鉱石価格を押し上げ。

(特殊要因)

・ヴァーレの尾鉱ダム決壊の影響が拡大し、さらに供給減少が起きた場合(自社・他社ともにあり得る)、価格の上昇要因に。

(投機・投資要因)

・固有の要因は特になし。

---≪貴金属≫---

【貴金属市場動向総括】

金・銀価格は上昇。米長期金利低下に伴う実質金利の低下が材料となった。

PGMは金銀価格の上昇を受けて上昇していたが、再び割安感が強まったパラジウムに買いが入り、プラチナに売りが入る流れとなった。

PGM現物の需給バランスを見る上での指標となるロジウムの価格は2,950ドル(前日比変わらず)。

【貴金属価格見通し】

金価格は高値でのもみ合いを予想。再び株式市場に調整圧力が強まる中、債券に買いが入り長期金利に低下圧力がかかっていること、イラン問題で原油価格に上昇圧力が高まることが、実質金利を押し下げるため。

ただし、英国のEU離脱問題が先送りされたことや、米中・日米貿易協議でそれほどネガディブな情報がでてきていないことが、安全資産需要を減少させ、価格の下押し要因に。

銀価格は金銀在庫レシオ(銀在庫÷金在庫)の上昇が金銀レシオを押し上げているため対金で割安に推移。

一方、欧州の政情不安、米国の債務上限問題、中東情勢の混乱懸念(イスラエル・イランを中心に)が安全資産需要を高めるため、リスクプレミアムが乗る形で価格を押し上げへ。

PGM価格は金銀価格が現状水準でもみ合うが、終盤のPGMの価格上昇はやや投機的な側面が強いため、対金銀では割安に推移。

プラチナは割安感からETFに買いが入っていたがこの動きが一巡、一転売り圧力が強まっている。貴金属セクターに調整圧力が強まる中ではこのポジションの増加は、先々の売り圧力となる可能性があることは留意。

パラジウムはリースレートが低下して安定、実際の需給面は緩和に向かいつつある。ロジウム価格の調整に象徴されるように、暫くは下値余地を探りやすい。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・FRBの利上げ打ち止め、原油価格の高止まりは実質金利の低下を通じて金銀価格の上昇要因に。

・景気の先行きを楽観した株価上昇とそれに伴う長期金利・実質金利の上昇(金銀価格の下落要因)。ただし、欧州の政情混乱や景況感の悪化で株価が調整した場合には金銀価格の上昇要因。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

・排ガス規制強化に伴うパラジウムへのシフト(パラジウムの上昇要因・プラチナの下落要因)。

・パラジウム需要増加に伴うPGMの増産により、結果的にプラチナが供給過剰となり価格の下落要因に(プラチナ)。

・割安感からプラチナのETFに買いが入っており、短期的には上昇要因、中期的には手仕舞い圧力で売り要因に(プラチナ)。

(特殊要因)

・米中貿易交渉は、貿易面で一部妥結の可能性(価格の下落要因)。ただし、知的財産権や技術の強制移転などの重要なポイントで妥結できておらず、米中の覇権争いであり長期化の見込み(価格の下支え要因)。

・米国の債務上限問題の顕在化(8月~9月にデフォルトするリスク)。

・欧州の政治混乱(英国のEU離脱、伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化など)による安全資産需要の増加。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加。

(投機・投資要因)

・長期金利の低下による米長短金利の逆転が株安を誘発、リスク回避のリスク資産売り圧力が強まり、安全資産需要が高まる場合。

・銀価格は金銀在庫レシオが銀在庫の減少、ないしは金在庫の増加、あるいは両要因によって低下した場合、金銀レシオが上昇するリスク(銀価格の上昇要因)。

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが183,213枚(前週比 ▲16,294枚)、ショートが126,940枚(+32,797枚)、ネットロングは56,273枚(▲49,091枚)、銀が76,033枚(▲377枚)、ショートが70,148枚(+10,156枚)、ネットロングは5,885枚(▲10,533枚)

・直近の投機筋のポジションは、プラチナはロングが46,340枚(前週比 ▲808枚)、ショートが15,229枚(▲75枚)、ネットロングは31,111枚(▲733枚)、パラジウムが12,483枚(▲538枚)、ショートが3,659枚(+129枚)、ネットロングは8,824枚(▲667枚)

---≪農産品≫---

【穀物市場動向総括】

シカゴ穀物価格は下落した。生産地での降雨が冬小麦の作況にプラスに働くとの見方が強まり、供給懸念が後退する中でドル高が進行したことが価格を下押しした。

【穀物価格見通し】

穀物価格はレンジワークを継続すると考える。米中貿易摩擦でシカゴの需給が緩和している可能性が高いこと、エルニーニョの影響による作付けへの懸念が後退していることが価格を押し下げるものの、米中が6月頃までに貿易面で合意するとの期待が高まっていることや、景気の先行き懸念で非景気循環銘柄が物色される流れが価格を下支えするため。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・米穀物生産増産見通しを受けた需給緩和観測。

トウモロコシ作付意向面積 9,279万エーカー(市場予想 9,127万エーカー、前年8,803万エーカー)

大豆 8,462万エーカー(8,620万エーカー、8,898万エーカー)小麦 4,575万エーカー(4,688万エーカー、4,734万エーカー)

・4月の米需給報告の在庫見通し

トウモロコシ 20億3,500万Bu(市場予想19億8,771万Bu、前回18億3,500万Bu)、大豆 8億9,500万Bu(9億1,182万Bu、9億Bu)小麦 10億8,700万Bu(10億7,500万Bu、10億5,500万Bu)

・実質金利の低下に伴うドル安の進行は、シカゴ穀物の輸出競争力を改善し、需給面で価格の上昇要因に。

(特殊要因)

・米中貿易交渉は、貿易面で一部妥結の可能性(価格の上昇要因)。ただし、知的財産権や技術の強制移転などの重要なポイントで妥結できておらず、米中の覇権争いであり長期化の見込み(価格の下落要因)。

・エルニーニョ現象発生による北米の増産は価格の下落要因。ただし洪水などが発生し、災害が激甚化した場合には価格の上昇要因に。

・中国の豚コレラ被害の拡大により、飼料需要が減少した場合は価格の下落要因(逆に終息すれば上昇要因)。

(投機・投資要因)

・再び主要穀物のショートポジションが大きく積み上がっている。これらの巻き戻し(買戻し)圧力が播種の状況によって強まる可能性があることは留意。

・直近の投機筋のポジションは、トウモロコシはロングが412,412枚(前週比 +9,090枚)、ショートが566,903枚(+34,343枚)、ネットロングは▲154,491枚(▲25,253枚)、大豆はロングが143,284枚(▲1,824枚)、ショートが200,190枚(+16,439枚)、ネットロングは▲56,906枚(▲18,263枚)、小麦はロングが135,037枚(+1,342枚)、ショートが176,587枚(+16,626枚)、ネットロングは▲41,550枚(▲15,284枚)

◆本日のMRA's Eye


「米石油統計レビュー」

昨日の在庫統計は予想比原油・ディスティレートが弱気、ガソリンが強気な内容だった。

原油は生産が増加(+0.1MBD)、輸入が増加(+1.2MBD)、稼働率が上昇(+0.5%)したが、在庫は+5.5MBと大幅な増加となった。

この結果、在庫日数は▲0.4日の27.2日と過去5年平均を下回っており、需給バランスはタイト化の傾向にあることが確認されている。

一方、WTIの価格に対する説明力が高いクッシング在庫は463KB(前週▲1,543KB)と増加に転じた。PADD2の輸入は減少(▲0.3MBD)したものの、稼働率が大きく低下(▲0.6%)したことが影響した。

今週の統計のポイントは米国原油の増産が確認されていることである。年初からの原油価格の上昇によるものであり、今後も増産ペースが強まることになるだろう。

米エネルギー省の推計では5月のシェール主要鉱床からのネット増産は、8万3,000バレル/日が見込まれている。これにより、WTI/Brentのスプレッドはさらに拡大することが予想される。

ガソリンは生産が減少(▲0.1MBD)、輸入が減少(▲0.1MBD)、出荷は増加(+0.1MBD)、輸出は減少(▲0.1MBD)、在庫は▲2.1MBの減少となった。

在庫日数は▲0.4日の23.9日、輸出需要を含む在庫日数は▲0.3日の22.5日。

ガソリンの出荷は過去5年の最高水準まで回復、在庫日数も過去5年の下限を下回っている。ガソリン・クラック・スプレッドは過去5年平均程度だが、在庫水準と季節性も考えると25ドル程度までの上昇はあるだろう。

ディスティレートの生産は増加(+0.2MBD)、輸入は増加(+0.1MBD)、出荷は減少(▲0.1MBD)、製品輸出は減少(▲0.1MBD)、在庫は▲0.7MBの減少となった。

在庫日数は+0.7日の33.7日、輸出を含む在庫日数は▲0.1日の24.3日)。

ディスティレート出荷は過去5年平均を下回り失速している。しかし、在庫水準は過去5年平均を下回り、在庫日数も過去5年平均を下回っているため、ディスティレート・クラックは高止まりするだろう。

◆主要ニュース


・3月日本企業向けサービス価格指数 前年比+1.1%(前月+1.1%)

・2月日本全産業活動指数 前月比▲0.2%(前月±0.0%)

・2月日本景気動向指数改定 先行指数 97.1(速報比▲0.3、前月改定 97.5)、景気一致指数 100.4(+1.6、101.8)

・4月独IFO企業景況感指数 99.2(前月99.7)。期待指数 95.2(95.6)、現状指数 103.3(103.9)

・米MBA住宅ローン申請指数 前週比 ▲7.3%(前週▲3.5%)
 購入指数▲4.1%(+0.9%)
 借換指数▲11.0%(▲8.2%)
 固定金利30年 4.46%(4.44%)、15年 3.87%(3.84%)

・ドイツ銀行とUBS、資産運用部門の統合を検討。

・スリランカテロ、イスラム国が犯行声明。

・クシュナー 米大統領上級顧問、6月に中東和平案について発表する。

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・DOE米石油統計 原油+5.5MB(クッシング+0.5MB)
 ガソリン▲2.1MB
 ディスティレート▲0.7MB
 稼働率+2.4%

 原油・石油製品輸出 7,771KBD(前週比+36KBD)
 原油輸出 2,539KBD(▲51KBD)
 ガソリン輸出 604KBD(▲37KBD)
 ディスティレート輸出 1,446KBD(+102KBD)
 レジデュアル輸出 281KBD(+22KBD)
 プロパン・プロピレン輸出 1,152KBD(+39KBD)
 その他石油製品輸出 1,563KBD(▲26KBD)

・イラン ハメネイ師、「米国の努力は失敗する。我々は必要なだけ原油を輸出する。イランは敵対行為に黙っている国ではない。」

・イスラエル ネタニヤフ首相。「ゴラン高原の主権を認めたトランプ大統領に敬意を表し、ゴラン高原のユダヤ人入植地に、彼の名前絵を付ける。」

・米オキシデンタル、アナダルコに買収提案。シェブロンに対抗。

・ナイジェリア、「OPECプラスの減産を6ヵ月延長したい。」

【メタル】
・Teck リンゼーCEO、「世界の亜鉛需給は非常にタイト。世界供給は4.1日分と、25年平均の22.3日を大きく下回る。」

・Q119Antofagasta 銅年初来生産 前年比+22.6%の188.6千トン(前年153.8千トン)
 金生産+92.6%の62.2千オンス(32.3千オンス)
 2019年の銅生産計画 75万トン~79万トン(前期75万トン~79万トン)

・Q119 Teck 原料炭生産 610万トン(前期730万トン、前年620万トン)、生産コスト(含む輸送コスト)77ドル(79ドル、67ドル)

銅生産 70千トン(73千トン、74千トン)、マージン考慮前キャッシュコスト 4,076ドル(3,878ドル、3,745ドル)

亜鉛精鉱 135千トン(189千トン、148千トン)、マージン考慮前キャッシュコスト 1,035ドル(991ドル、1,234ドル)

精錬亜鉛 74千トン(75千トン、79千トン)

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.CME木材 ( その他農産品 )/ +4.32%/ ▲1.20%
2.パラジウム ( 貴金属 )/ +1.62%/ +12.14%
3.CME豚赤身肉 ( 畜産品 )/ +1.54%/ +46.25%
4.インド・センセックス ( 株式 )/ +1.27%/ +8.28%
5.銀 ( 貴金属 )/ +0.69%/ ▲3.54%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
68.TGE小豆 ( 穀物 )/ ▲3.47%/ +2.04%
67.CBTエタノール ( エネルギー )/ ▲2.10%/ +3.09%
66.CME肥育牛 ( 畜産品 )/ ▲2.07%/ ▲1.56%
65.ICEココア ( その他農産品 )/ ▲1.91%/ ▲6.46%
64.CBT小麦 ( 穀物 )/ ▲1.48%/ ▲14.11%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :26,597.05(▲59.34)
S&P500 :2,927.25(▲6.43)
日経平均株価 :22,200.00(▲59.74)
ドル円 :112.19(+0.33)
ユーロ円 :125.15(▲0.44)
米10年債利回り :2.52(▲0.05)
独10年債利回り :▲0.01(▲0.05)
日10年債利回り :▲0.04(▲0.01)
中国10年債利回り :3.42(+0.03)
ビットコイン :5,435.81(▲144.26)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :20.94(+0.06)
エネルギー :26.86(+0.29)
ベースメタル :15.29(+0.2)
貴金属 :19.55(▲1.15)
穀物 :15.41(▲0.11)
その他農畜産品 :23.59(+0.33)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :19.38(▲0.03)
Brent :14.43(▲0.08)
米天然ガス :20.71(+1.09)
米ガソリン :23.94(+0.06)
ICEガスオイル :13.11(+0.79)
LME銅 :11.42(▲0.37)
LMEアルミニウム :12.42(▲0.17)
金 :12.44(+0.07)
プラチナ :20.52(▲0.05)
トウモロコシ :19.86(+0.24)
大豆 :12.44(+0.07)

【エネルギー】
WTI :65.89(▲0.41)
Brent :74.57(+0.06)
Oman :74.25(+0.07)
米ガソリン :212.85(▲0.31)
米灯油 :209.87(▲1.93)
ICEガスオイル :642.25(▲6.00)
米天然ガス :2.46(+0.01)
英天然ガス :33.87(▲0.47)

【石油製品(直近限月のスワップ)】
Brent :74.57(+0.06)
SPO380cst :440.36(+8.83)
SPOケロシン :84.55(▲0.56)
SPOガスオイル :84.47(▲0.56)
ICE ガスオイル :86.21(▲0.81)
NYMEX灯油 :210.08(▲0.81)

【貴金属】
金 :1275.76(+3.34)
銀 :14.95(+0.10)
プラチナ :884.10(▲4.84)
パラジウム :1415.01(+22.53)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :6,442(+3:4.5C)
亜鉛 :2,757(▲22:102.5B)
鉛 :1,925(▲21:20C)
アルミニウム :1,872(+1:18C)
ニッケル :12,450(▲150:110C)
錫 :19,700(▲325:55B)
コバルト :34,500(±0.0)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :6441.50(+27.50)
亜鉛 :2749.00(±0.0)
鉛 :1924.50(▲1.00)
アルミニウム :1871.50(▲4.50)
ニッケル :12425.00(+15.00)
錫 :19700.00(▲145.00)
バルチック海運指数 :821.00(+31.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR青島) :休場( - )
SGX鉄鉱石 :92.99(▲0.30)
NYMEX鉄鉱石 :92.95(▲0.34)
NYMEX原料炭スワップ先物 :204.25(▲0.25)
上海鉄筋直近限月 :4,135(▲22)
上海鉄筋中心限月 :3,733(▲44)
米鉄スクラップ :332(▲8.00)

【農産物】
大豆 :855.25(▲6.75)
シカゴ大豆ミール :300.40(▲0.60)
シカゴ大豆油 :27.92(▲0.14)
マレーシア パーム油 :2079.00(±0.0)
シカゴ とうもろこし :346.75(▲4.50)
シカゴ小麦 :432.25(▲6.50)
シンガポールゴム :171.40(▲1.30)
上海ゴム :11245.00(▲70.00)
砂糖 :12.68(▲0.02)
アラビカ :90.45(▲1.05)
ロブスタ :1363.00(▲6.00)
綿花 :75.77(▲0.80)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :89.18(+1.35)
シカゴ生牛 :126.78(▲1.55)
シカゴ飼育牛 :146.53(▲3.10)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。