CONTENTSコンテンツ

欧米主要市場休場で小動き
  • MRA商品市場レポート for PRO

2019年4月22日 第1520号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「欧米主要市場休場で小動き」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品価格は欧米の主要市場が休場だったため、弊社がウォッチしている商品価格はごく一部しか取引されておらず、小動きだった。

【本日の価格見通し総括】

週明け月曜日は引き続き欧州が休場であるため積極的な売買は手控えられると予想されるが、週末に発表された米国の住宅関連統計に減速がみられたこと、欧州製造業PMIや米フィラデルフィア連銀指数の減速といった景気循環系商品価格の売り材料となりやすい材料が多いため、軟調な推移になると考える。

【昨日の世界経済・市場動向のトピックス】

足元の世界の景況感は強弱まちまちながらも、やはり減速していることを示す指標のほうが目立つ。

各国政府の経済対策や、中央銀行の金利引き上げによって「景気が良くなっている」というよりは、大幅な減速を回避することができたと考えるほうが妥当だろう。

しかし、各国中央銀行の金融緩和が株価への楽観を強めており、株価動向と原油をはじめとする景気循環系商品価格との乖離が強まっており、実態以上に投機的な動きが強まっていることを示唆している。

今のところどこの国も急に金融引き締めを行う可能性は低く、こうした投機的な動きがリスク資産価格を支えるものと予想される。

ただし今週は企業決算が多数予定されているため、その結果次第の面も否めない。これまでの実績よりも、今後の業績見通しにより注目する必要がある。

株価が現状を楽観して上昇した場合、投機的な動きが市場動向を支配しやすくなるため、「当面市場が安定することを背景に、同じセクター内の割安な商品を物色する」動きがみられるのではないだろうか。プラチナや銀がこれにあたる。

今週は過去の指標であるが価格に対する説明力が高い米GDP(前期比年率+2.2%、前期+2.2%)、設備投資の先行指標である米コア資本財受注(市場予想+0.1%、前月▲0.1%)に注目している。

【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】

(マクロ要因)

・各国の金融緩和・経済対策を受けたPMI・ISMなどのマインド系指標の改善(価格上昇要因)。

・世界景気の減速観測。IMFは2019年の経済見通しを引き下げ(+3.5%→+3.3%)ており、先行きの見通しのリスクも下向きとしている。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格の上昇要因(Q119の中国GDPは前年比+6.4%、前期+6.4%と市場予想の+6.3%を上回りやや減速懸念が後退)。

・FRBの利上げ打ち止め~利下げ観測の強まりは、ドル安を通じてドル建て資産価格の上昇要因。

・2020年からインドが人口ボーナス期入りすることによる、構造的な需要の増加は中長期的な価格の上昇要因。

(特殊要因)

・米中貿易交渉は、貿易面で一部妥結の可能性(価格の上昇要因)。ただし、知的財産権や技術の強制移転などの重要なポイントで妥結できておらず、米中の覇権争いであり長期化の見込み。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化、トルコの景気後退など)によるリスク回避の動きの強まり。

・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク(とりあえず5月末、10月末を期限として問題先送り)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速。

(投機・投資要因)

・長期金利の低下による米長短金利の逆転が株安を誘発、リスク回避のリスク資産売り圧力が強まる場合。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油市場動向総括】

原油価格は欧米の主要市場が休場で小動きだった。

【原油価格見通し】

原油価格は現状の高値水準でもみ合う展開を予想。

足元の景気先行きへの懸念後退に加え、供給面での不安材料が多数噴出していることが背景。

米国の制裁によるイラン・ベネズエラからの供給不安、リビアの内戦激化に伴う供給不安、ネタニヤフ5選による周辺産油国との武力衝突への懸念、スーダンでのクーデター発生などが周辺諸国に拡大し、供給不安が高まるが、ロシアが減産継続に否定的な見方を示したことが供給面の材料を中立にしている。

その一方で、景気減速を回避するべく経済対策や金融緩和が世界的に行われていることで、景況感も中立に保たれているため。

【石炭市場動向総括】

石炭先物市場は休場。

【石炭価格見通し】

石炭価格は4月以降の下落幅が大きかったことから一旦買戻しが入ると見るが、本格的な上昇は季節性的にも5月以降になるだろう。

その後、8月にかけて高値を試し11月にかけて水準を切り下げる展開を予想。米中貿易協議が難航する見通しであることも価格を押し下げ。下値の目処は80ドル。

ただし、米国の北朝鮮制裁は容易に緩和せず、環境規制強化による供給の伸び鈍化が価格を下支えの見込み。また、中国による豪州炭の輸入規制(華為問題の影響)の影響でインドネシア炭にシフトしていることは逆に、上値を抑えると考えられる(日本が輸入する石炭価格CIFへの影響は中立)。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・原油価格の上昇に伴う北米の増産継続は、需給緩和で価格の下落要因。

・OPECプラスの協調減産は9月末で終了する可能性が高まっており、足元の協調減産は価格の上昇要因だが、年後半は下落要因に。

・産油国の財政悪化による上流投資部門投資の減速は、インドなどの新興国需要顕在化時の価格上昇要因。

・EV普及による需要の伸び鈍化を、軽量化目的の樹脂向け需要増加が相殺(需要が減少を始めるのは2050年頃からか)。

・世界的な石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。価格上昇要因(石炭)。

(特殊要因)

・米国のイランに対する制裁強化・ベネズエラ・リビアの情勢悪化に伴う供給途絶懸念は価格の上昇要因。

・米国のイスラエルへの過剰な肩入れと、イスラエルネタニヤフ首相の5選達成による、周辺産油国への武力行使の可能性が高まることは原油価格の上昇要因に。

・スーダンでのクーデター発生、アルジェリアでのデモ発生など、北アフリカ情勢が不安定化しており、周辺諸国に拡大するリスク。

・米国の制裁緩和による北朝鮮炭の輸出再開による需給緩和(石炭)。

・北朝鮮が新たにICBMの発射実験を検討していると伝えられ、韓国が北朝鮮に対して石油製品の瀬取りを行っていたことが判明、制裁が厳格になるとの見方は、北朝鮮からの石炭輸出(密輸)を制限(石炭)。

・米中情報戦争をめぐる華為排除の決定を受けて中国政府は豪州からの石炭輸入を規制、インドネシア炭にシフトしていることはNEWC価格の下落要因に(石炭CIF価格に対する影響は中立)。

(投機・投資要因)

・直近の投機筋のポジションは、WTIはロングが616,110枚(前週比 ▲5,656枚)、ショートが100,852枚(▲4,252枚)、ネットロングは515,258枚(▲1,404枚)、Brentが396,440枚(前週比+1,230枚)、ショートが38,299枚(▲8,251枚)、ネットロングは358,141枚(+9,481枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属市場動向総括】

LME非鉄金属価格はイースターのため休場。オープンしていた上海などは小動きだった。

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は足元、米中の経済統計が改善していることや、世界的に金融緩和や経済対策(特に最大消費国である中国の経済対策)が打たれていることが価格を下支えするため、堅調な推移になると考える。

LME指定倉庫在庫の減少が継続し、記録的な低水準となっていることや(統計上はタイトであるが、LME倉庫運営ルールの変更によって、LME指定倉庫以外の倉庫に移されている可能性もあり、単純に需給がタイト化しているとは言えない)、2020年から次の需要のけん引役として期待されるインドの需要増加観測が価格を下支え。

なお、米中貿易交渉の行方などは政治的な決断に左右されるため予見し難いが、着地するまでは基本的には積極的な買い材料にも、売り材料にもし難い。しかし、妥決するまでは懸念材料となるため、価格上昇を抑制。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・環境規制の強化で特殊需要が増加する(軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルトなど)

・中国の環境規制強化に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・亜鉛の精錬キャパシティ不足に伴う需給のタイト化。一方鉱山生産は再開しており、亜鉛精鉱需給は緩和、TCも高止まり。

・環境規制強化・米制裁の影響による石炭価格上昇が、中国の非鉄金属製造コストを高止まりさせる場合。

(特殊要因)

・銅の生産減少観測(環境問題によるインド、露天掘りから地下生産に変更するインドネシア)、ヴァーレの尾鉱ダム事故の影響による供給減少(アルミやニッケルなどに波及する可能性)。

・LME指定倉庫在庫の減少が、LMEの倉庫運営ルール変更に伴う保管場所変更の取引の影響である場合、ルールが見直された際に再度、LME指定倉庫在庫が急増する可能性(下落要因)。

(投機・投資要因)

・4月12日付のLMEポジションは錫を除くと総じて売り買いともポジションが増加している。亜鉛とアルミはネットロングを増加させたが、それ以外の金属はショートの積み上がりが大きく、ネットロングを縮小した。

投機筋のLME+CME銅ネット買い越し金額は156.4億ドル(前週155.1億ドル)と増加。上昇率は+0.8%。

買い越し枚数はトン数換算ベースで4,099千トン(前週4,027千トン)と増加、増加率は+1.8%。

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料市場動向総括】

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップ市場は休場、原料炭スワップ先物も休場、中国鉄鋼製品価格は直近限月・中心限月価格とも下落した。

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は一旦調整するものと考える。ヴァーレのブルクツ鉱山の稼働が再開する見込みとなり、供給懸念を緩和するため。ただしすべての鉱山の稼働が再開される訳ではないため、下値余地は限定されるだろう。

ただし、足元の中国関連統計が改善していること、過去5年の水準をはるかに上回る鉄鋼製品価格を背景とする鉄鋼生産者のマージン改善が鉄鉱石需要を押し上げることも下値余地を限定。

しかし、米中協議の先行きがはっきりせず、欧州に対する制裁が再開される可能性があること、最大消費国である中国が昨年と同レベルの生産を継続できる可能性は低いこと、鉄鋼製品在庫の取り崩し時期にあり、季節的に価格が下押しされるため上値も重くなると予想。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・中国の鉄鋼製品在庫水準の高さは価格の下落要因。鉄鋼製品在庫は前週比▲90.2万トンの1,389万トン(過去5年平均1,371.3万トン)と例年をやや上回っている。

・中国の鉄鉱石在庫水準の高さは価格を下押し。鉄鉱石在庫は前週比▲39万トンの1億4,000万トン(過去5年平均1億1,848万トン)、在庫日数は▲1.0日の35.2日(過去5年平均 29.7日)と例年の水準を上回る。

・季節的に鉄鋼製品在庫の取り崩し時期であり、価格には下押し圧力がかかりやすい。

・長期的には2020年に人口ボーナス期入りするインドの需要が鉄鋼製品・鉄鉱石価格を押し上げ。

(特殊要因)

・ヴァーレの尾鉱ダム決壊の影響が拡大し、さらに供給減少が起きた場合(自社・他社ともにあり得る)、価格の上昇要因に。

(投機・投資要因)

・固有の要因は特になし

---≪貴金属≫---

【貴金属市場動向総括】

金・銀価格は欧米主要市場が休場のため、小動き。PGMも同様だった。

PGM現物の需給バランスを見る上での指標となるロジウムの価格は2,950ドル(前日比+20ドル)と小幅に反発している。

【貴金属価格見通し】

金価格はじりじりと水準を切下げる展開を予想。株式市場が現状を楽観して上昇、長期金利も上昇して実質金利が上昇することから。

また、英国のEU離脱問題が先送りされたことや、米中・日米貿易協議でそれほどネガディブな情報がでてきていないことも、安全資産需要を減少させ、価格の下押し要因に。

ただし、米国が利上げを見送る可能性が高いこと、原油価格は供給懸念が意識されてしばらく上昇余地を探りやすいこと(秋口にはいったん下落)から、中期的な見通しは強気。

銀価格は金銀在庫レシオ(銀在庫÷金在庫)の上昇が金銀レシオを押し上げているため対金で割安に推移。

一方、欧州の政情不安、米国の債務上限問題、中東情勢の混乱懸念(イスラエル・イランを中心に)が安全資産需要を高めるため、リスクプレミアムが乗る形で価格を押し上げへ。

PGM価格は金銀価格が現状水準でもみ合うが、終盤のPGMの価格上昇はやや投機的な側面が強いため、対金銀では割安に推移。

プラチナは割安感からETFに買いが入っていたがこの動きが一巡、一転売り圧力が強まっている。貴金属セクターに調整圧力が強まる中ではこのポジションの増加は、先々の売り圧力となる可能性があることは留意。

パラジウムはリースレートが低下して安定、実際の需給面は緩和に向かいつつある。ロジウム価格の調整に象徴されるように、暫くは下値余地を探りやすい。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・FRBの利上げ打ち止め、原油価格の高止まりは実質金利の低下を通じて金銀価格の上昇要因に。

・景気の先行きを楽観した株価上昇とそれに伴う長期金利・実質金利の上昇(金銀価格の下落要因)。ただし、欧州の政情混乱や景況感の悪化で株価が調整した場合には金銀価格の上昇要因。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

・排ガス規制強化に伴うパラジウムへのシフト(パラジウムの上昇要因・プラチナの下落要因)。

・パラジウム需要増加に伴うPGMの増産により、結果的にプラチナが供給過剰となり価格の下落要因に(プラチナ)。

・割安感からプラチナのETFに買いが入っており、短期的には上昇要因、中期的には手仕舞い圧力で売り要因に(プラチナ)。

(特殊要因)

・米中貿易交渉は、貿易面で一部妥結の可能性(価格の下落要因)。ただし、知的財産権や技術の強制移転などの重要なポイントで妥結できておらず、米中の覇権争いであり長期化の見込み(価格の下支え要因)。

・米国の債務上限問題の顕在化(8月~9月にデフォルトするリスク)。

・欧州の政治混乱(英国のEU離脱、伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化など)による安全資産需要の増加。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加。

(投機・投資要因)

・長期金利の低下による米長短金利の逆転が株安を誘発、リスク回避のリスク資産売り圧力が強まり、安全資産需要が高まる場合。

・銀価格は金銀在庫レシオが銀在庫の減少、ないしは金在庫の増加、あるいは両要因によって低下した場合、金銀レシオが上昇するリスク(銀価格の上昇要因)。

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが183,213枚(前週比 ▲16,294枚)、ショートが126,940枚(+32,797枚)、ネットロングは56,273枚(▲49,091枚)、銀が76,033枚(▲377枚)、ショートが70,148枚(+10,156枚)、ネットロングは5,885枚(▲10,533枚)

・直近の投機筋のポジションは、プラチナはロングが46,340枚(前週比 ▲808枚)、ショートが15,229枚(▲75枚)、ネットロングは31,111枚(▲733枚)、パラジウムが12,483枚(▲538枚)、ショートが3,659枚(+129枚)、ネットロングは8,824枚(▲667枚)

---≪農産品≫---

【穀物市場動向総括】

シカゴ穀物価格は休場。

【穀物価格見通し】

穀物価格はレンジワークを継続すると考える。米中貿易摩擦でシカゴの需給が緩和している可能性が高いが、エルニーニョの影響による供給懸念(洪水懸念)がショートの買戻しを誘うことが価格を押し上げると考えられるため。

ただし、各国の経済対策の影響から景気循環銘柄に一時的な買戻しが入る可能性はあり、非景気循環銘柄が売られる可能性があること、ブレグジットを意識したリスク回避のドル高進行が価格の上昇を阻害しよう。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・米穀物生産増産見通しを受けた需給緩和観測。

トウモロコシ作付意向面積 9,279万エーカー(市場予想 9,127万エーカー、前年8,803万エーカー)

大豆 8,462万エーカー(8,620万エーカー、8,898万エーカー)小麦 4,575万エーカー(4,688万エーカー、4,734万エーカー)

・4月の米需給報告の在庫見通し

トウモロコシ 20億3,500万Bu(市場予想19億8,771万Bu、前回18億3,500万Bu)、大豆 8億9,500万Bu(9億1,182万Bu、9億Bu)小麦 10億8,700万Bu(10億7,500万Bu、10億5,500万Bu)

・実質金利の低下に伴うドル安の進行は、シカゴ穀物の輸出競争力を改善し、需給面で価格の上昇要因に。

(特殊要因)

・米中貿易交渉は、貿易面で一部妥結の可能性(価格の上昇要因)。ただし、知的財産権や技術の強制移転などの重要なポイントで妥結できておらず、米中の覇権争いであり長期化の見込み(価格の下落要因)。

・エルニーニョ現象発生による北米の増産は価格の下落要因。ただし洪水などが発生し、災害が激甚化した場合には価格の上昇要因に。

・中国の豚コレラ被害の拡大により、飼料需要が減少した場合は価格の下落要因(逆に終息すれば上昇要因)。

(投機・投資要因)

・再び主要穀物のショートポジションが大きく積み上がっている。これらの巻き戻し(買戻し)圧力が播種の状況によって強まる可能性があることは留意。

・直近の投機筋のポジションは、トウモロコシはロングが412,412枚(前週比 +9,090枚)、ショートが566,903枚(+34,343枚)、ネットロングは▲154,491枚(▲25,253枚)、大豆はロングが143,284枚(▲1,824枚)、ショートが200,190枚(+16,439枚)、ネットロングは▲56,906枚(▲18,263枚)、小麦はロングが135,037枚(+1,342枚)、ショートが176,587枚(+16,626枚)、ネットロングは▲41,550枚(▲15,284枚)

◆本日のMRA's Eye


「銀価格の上昇リスクを警戒」

2018年の供給は鉱山生産が減少(▲21.2百万オンス)したことに伴い、全体でも▲28.4百万オンスとなった。主に中南米の鉛/亜鉛鉱山の減産によるもの(生産コストは低下しており、10.37ドル/オンス程度になっていると見られる)。

銀は通常、他金属鉱山の副産物として製造されるため、実需に合わせて増産されないことが多い。2018年の製造元別の生産量は、銀鉱山が26%、鉛/亜鉛鉱山が38%、銅鉱山が23%、金鉱山が13%となっている。そのため生産国の上位にはメキシコ(196.6百万オンス、シェア23.0%)、ペルー(144.9百万オンス、16.9%)、中国(114.9百万オンス、13.4%)と銅・亜鉛・鉛の主要生産国が並ぶ。

銅はインドネシアやインドなどの生産減少が見込まれ、亜鉛については価格上昇に伴いすでに増産が加速(精錬キャパシティが限定されていることから、精錬品は不足して価格が上昇しているが、鉱石は供給過多)しており今後も増産が見込まれている。恐らく全体では2019年は生産増加となるだろう。

需要は宝飾品(+8.0百万オンス)、銀食器(+3.5百万オンス)、コイン・延べ棒(+30.8百万オンス)などの半ば投機的な需要の増加が、主に太陽国発電向け需要の減速(▲8.4百万オンス)を受けた工業向け需要の減少(▲7.1百万オンス)を相殺し、全体では+32.2百万オンスとなった。

このため2018年の銀の投機取引を含む需給バランスは前年比▲60.6百万オンスの▲80.1百万オンスの供給不足となった。2019年の需要については、世界景気に減速感が強まる中で工業向けの需要が増加するとは考え難く、結局投機需要動向に左右されるものと考えられる。

では投機の動きを見てみると、銀はやはり金価格の動向に左右される傾向が強い。2019年3月26日付MRA's Eye「金銀レシオは高止まり~在庫水準の差で」でも解説したが、金に対してどれだけ割高か、割安かを判断する金銀レシオ動向が銀価格の方向性を決定づける。

過去、金銀レシオは「工業品である銀」と「投機商品である金」の相対観によって決定されるため、株価や鉱工業生産との相関性が高かった。しかし、景気が後退する局面では銀の需要も投資需要の占める比率が高まるため、より具体的な需給バランスがレシオを決定するようになった。

足元、金銀在庫レシオが示す金銀レシオの水準は簡単な回帰分析の結果を元にすると79倍程度である。その意味では現在の86倍程度の金銀レシオは高すぎとも言える。

しかし、金銀在庫レシオ(銀在庫÷金在庫)の低下基調が続いており(銀在庫の増加+金在庫の減少)、銀の需給が対金で緩和している可能性は高い。結果、しばらくはこの水準で金銀レシオは安定するだろう。

しかし、やや上振れ気味の金銀レシオが上記分析の通り79倍程度まで低下することはあり得る。現在の金価格が1,300ドル程度であることを考えると、現在15ドル程度の銀価格が16.5ドル程度までは上昇しても違和感はない。

仮に銀在庫が減少に転じ、金銀在庫レシオが低下するようなことがあればさらに価格は上昇することが予想される。特に、世界的に金融緩和が継続しているため、市場参加者は「割安に見える商品」に資金を振り向けやすい。

結果、同じ貴金属セクターで割安に放置(需給面を考慮すると割安ではないのだが)されている、銀やプラチナに物色の手が伸びてもおかしくない。実際、プラチナは「プラチナ売り・パラジウム買い」のポジションが解消される流れの中、急速にETFの残高を積み上げている。

銀は投機商品であると同時に、精密機械や太陽光発電向けの重要な接点部品でありこの価格の上昇リスクについては警戒しておく必要があるだろう。

◆主要ニュース


・3月日本首都圏マンション販売 前年比▲7.7%の3,337戸(前月▲7.1%の2,313戸)

・3月日本鉱工業生産確報  前月比+0.7%(速報比▲0.3%、前月改定▲2.5%)、前年比▲1.1%(▲0.3%、+0.7%)
 出荷+1.6%(▲0.2%、▲2.4%)、▲0.3%(▲0.2%、▲0.1%)
 在庫+0.5%(▲0.1%、▲0.9%)、+1.9%(▲0.1%、+0.3%)

・3月日本貿易収支季節調整前 5,285億円の黒字(前月3,349億円の黒字)
 輸出 前年比▲2.4%の7兆2,013億円(▲1.2%の6兆3,849億円) 
 輸入+1.1%の6兆6,728億円(▲0.8%の6兆501億円)

 米国向け
 輸出 前年比+4.4%の1兆4,157億円(+2.0%の1兆3,031億円)
 輸入▲0.2%の7,322億円(+5.5%の6,820億円)

 欧州向け
 輸出+7.3%の8,620億円(+2.5%の8,005億円)
 輸入▲0.6%の8,178億円(+0.5%の7,422億円)

 アジア向け
 輸出▲5.5%の3兆8,099億円(▲1.8%の3兆3,144億円)
 輸入+3.9%の3兆1,522億円(▲10.6%の2兆8,203億円)

 中国向け
 輸出▲9.4%の1兆3,046億円(+5.6%の1兆1,397億円)
 輸入+10.9%の1兆4,973億円(▲15.8%の1兆2,711億円)

・4月日経日本製造業PMI速速報 49.5(前月改定 49.2)

・3月日本全国消費者物価指数 前年比+0.5%(前月+0.2%)
 除く生鮮+0.8%(+0.7%)
 除く生鮮エネルギー+0.4%(+0.4%)

・1-3月期中国工業生産 前年比+6.5%(1-2月期+5.3%)、3月+8.5%

・1-3月期中国固定資産投資 前年比+6.3%の10兆1,871億元(1-2月期+6.1%の4兆4,849億元)公的 +6.7%(+5.5%)、民間 +6.4%(+7.5%)

・1-3月期中国小売売上高 前年比+8.7%の9兆7,790億元(1-2月期+8.2%の6兆6,604億元)。3月+8.7%の3兆1,726億元

・中国実質GDP年初来 前年比+6.4%(前期+6.6%)、Q119 +6.4%(前期+6.4%)、前期比+1.4%(+1.5%)

・1-3月期中国不動産開発投資 前年比+11.8%の2兆3,803億元(1-2月期+11.6%の1兆2,090億元)

・3月欧州新車登録台数 欧州合計 前年比▲3.6%の1,770,849台、年初来 ▲3.2%の4,146,152台

・3月ユーロ圏消費者物価指数 前月比+1.0%(前月+0.3%)、前年比+1.4%(+1.5%)。コア指数 +0.8%(+1.0%)

・2月ユーロ圏貿易収支(季節調整済) 195億ユーロの黒字(前月 174億ユーロの黒字)
 調整前 179億ユーロの黒字(15億ユーロの黒字)

・3月独生産者物価指数 前月比▲0.1%(前月▲0.1%)、前年比+2.4%(+2.6%)

・4月ユーロ圏製造業PMI速報 47.8(前月改定 47.5)、サービス業 52.5(53.3)、コンポジット 51.3(51.6)

・4月独製造業PMI速報 44.5(前月改定 44.1)、サービス業 55.6(55.4)、コンポジット 52.1(51.4)

・米MBA住宅ローン申請指数 前週比 ▲3.5%(前週▲5.6%)
 購入指数+0.9%(+0.5%)
 借換指数▲8.2%(▲11.4%)
 固定金利30年 4.44 %(4.40%)、15年 3.84%(3.83%)

・3月米小売売上高 前月比 +1.6%(前月▲0.2%)
 除く自動車+1.2%(▲0.2%)
 除く自動車ガソリン+0.9%(▲0.7%)
 除く自動車・建材+1.0%(▲0.3%)

・4月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数 8.5(前月13.7)
 新規受注 15.7(1.9)
 受注残 0.4(3.1)
 在庫水準 2.6(17.2)
 雇用者数 14.7(9.6)
 6ヵ月先景況指数 19.1(21.8)

・米週間新規失業保険申請件数 192千件(前週197千件)、失業保険継続受給者数 1,653千人(1,716千人)

・4月米製造業PMI速報 52.4(前月改定 52.4)、サービス業 52.9(55.3)、コンポジット 52.8(54.6)

・3月米景気先行指標総合指数 前月比 +0.4%(前月改定+0.1%)

・3月米住宅着工件数 前月比▲0.3%の113.9万戸(前月改定▲12.0%の114.2万戸)

・3月米住宅建設許可件数 前月比▲1.7%の126.9万戸(前月改定▲2.0%の129.1万戸)

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・DOE米石油統計 原油▲1.4MB(クッシング▲1.5MB)
 ガソリン▲1.2MB
 ディスティレート▲0.4MB
 稼働率+0.2%

 原油・石油製品輸出 7,735KBD(前週比+32KBD)
 原油輸出 2,590KBD(▲248KBD)
 ガソリン輸出 641KBD(▲15KBD)
 ディスティレート輸出 1,344KBD(+187KBD)
 レジデュアル輸出 259KBD(+56KBD)
 プロパン・プロピレン輸出 1,113KBD(+84KBD)
 その他石油製品輸出 1,589KBD(▲60KBD)

・DOE天然ガス稼働在庫 1,247BCF(前週比+92BCF)
 東部 228BCF(+19BCF)
 中西部 254BCF(+14BCF)
 山間部 66BCF(+2BCF)
 太平洋地区128BCF(+9BCF)
 南中央 571BCF(+48BCF)

・ベイカー・ヒューズ週間米国石油リグ稼働数825(前週比▲8)、 ガスリグ 187(前週比▲2)。

【メタル】
・2月日本特殊鋼材受注 前年比▲10.7%の4,995億円、内需▲2.8%の3,489億円

・Q119Rio Tinto 鉄鉱石生産 前年比▲9%の76.0百万トン(前期▲3%の87.4百万トン)。ボーキサイト+1%の12,763千トン(▲14%の11,790千トン)。アルミ±0.0%の796千トン(▲1%の874千トン)。銅鉱山生産+3%の143.9千トン(+20%の177.8千トン)

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.中国CSI300 ( 株式 )/ +1.19%/ +36.87%
2.TCM天然ゴム ( その他農産品 )/ +0.60%/ +6.98%
3.日経平均 ( 株式 )/ +0.50%/ +10.92%
4.TCMガソリン ( エネルギー )/ +0.48%/ +33.49%
5.TCM灯油 ( エネルギー )/ +0.41%/ +21.27%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
68.SHFニッケル ( ベースメタル )/ ▲1.15%/ +12.99%
67.SHF天然ゴム ( その他農産品 )/ ▲0.66%/ +2.09%
66.SHF亜鉛 ( ベースメタル )/ ▲0.57%/ +2.76%
65.TGEトウモロコシ ( 穀物 )/ ▲0.52%/ ▲6.58%
64.SHF銅 ( ベースメタル )/ ▲0.50%/ +2.47%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :休場( - )
S&P500 :休場( - )
日経平均株価 :22,200.56(+110.44)
ドル円 :111.92(▲0.05)
ユーロ円 :125.85(+0.11)
米10年債利回り :2.56(±0.0)
独10年債利回り :0.03(±0.0)
日10年債利回り :▲0.03(▲0.00)
中国10年債利回り :3.37(+0.02)
ビットコイン :5,269.97(▲38.60)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :20.83(+0.16)
エネルギー :26.67(▲0.01)
ベースメタル :15.61(+0.35)
貴金属 :21.32(+0.37)
穀物 :14.92(▲0.35)
その他農畜産品 :22.95(+0.31)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :19.41(▲0)
Brent :12.93(▲0.69)
米天然ガス :21.45(+1.2)
米ガソリン :22.32(+0.37)
ICEガスオイル :14.42(▲0.95)
LME銅 :14.31(+0.27)
LMEアルミニウム :12.86(▲1.11)
金 :11.37(▲0.19)
プラチナ :21.43(+0.54)
トウモロコシ :19.69(▲0.7)
大豆 :11.37(▲0.19)

【エネルギー】
WTI :休場( - )
Brent :休場( - )
Oman :休場( - )
米ガソリン :休場( - )
米灯油 :休場( - )
ICEガスオイル :休場( - )
米天然ガス :休場( - )
英天然ガス :休場( - )

【石油製品(直近限月のスワップ)】
Brent :休場( - )
SPO380cst :419.67(+0.30)
SPOケロシン :83.40(+0.12)
SPOガスオイル :83.33(+0.07)
ICE ガスオイル :休場( - )
NYMEX灯油 :207.34(▲0.03)

【貴金属】
金 :1275.52(▲0.30)
銀 :15.03(+0.02)
プラチナ :903.04(+0.03)
パラジウム :1425.15(+2.41)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :休場( - )
亜鉛 :休場( - )
鉛 :休場( - )
アルミニウム :休場( - )
ニッケル :休場( - )
錫 :休場( - )
コバルト :35,000(±0.0)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :休場( - )
亜鉛 :休場( - )
鉛 :休場( - )
アルミニウム :休場( - )
ニッケル :休場( - )
錫 :休場( - )
バルチック海運指数 :790.00(+23.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR青島) :休場( - )
SGX鉄鉱石 :休場( - )
NYMEX鉄鉱石 :休場( - )
NYMEX原料炭スワップ先物 :休場( - )
上海鉄筋直近限月 :4,108(▲14)
上海鉄筋中心限月 :3,713(▲26)
米鉄スクラップ :休場( - )

【農産物】
大豆 :休場( - )
シカゴ大豆ミール :休場( - )
シカゴ大豆油 :休場( - )
マレーシア パーム油 :2108.00(+1.00)
シカゴ とうもろこし :休場( - )
シカゴ小麦 :休場( - )
シンガポールゴム :休場( - )
上海ゴム :11225.00(▲75.00)
砂糖 :休場( - )
アラビカ :休場( - )
ロブスタ :休場( - )
綿花 :休場( - )

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :休場( - )
シカゴ生牛 :休場( - )
シカゴ飼育牛 :休場( - )

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。