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米中統計悪化で景気循環系商品軟調
  • MRA商品市場レポート for PRO

2019年3月11日 第1498号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米中統計悪化で景気循環系商品軟調」

昨日の商品市場は非景気循環銘柄が物色され、景気循環系商品が広く売られた。注目の中国の貿易統計は予想を大きく下回る内容となり、米雇用統計も予想を大きく下回る内容だったため、景気の先行きへの懸念が強まったことが要因。

中国の貿易統計は米国の制裁の影響で減速するとは見られていたが、この予想を大きく下回った。主に米国向けの輸出減速(前年比+9.1%→▲20.7%)が影響したが、米国からの輸入も▲35.1%(▲41.2%)と低水準が続き、アセアン諸国からの輸入も減速(▲7.1%→▲8.2%)するなど、中国の内外の景気が減速している可能性が高まった。

先日全人代で李克強首相が景気下支えのための対策実施を表明したが、それを行わなければならないほど、中国の景況感が悪化しているということだろう。

また、雇用統計も市場予想を大きく下回った。雇用者数の増加は前月比+18万人とみられていたが、蓋を開けてみればわずか+2万人の増加に止まった。

ただし、1ヵ月の雇用者数の伸び減速であり、これが来月以降も続くかどうかを注視する必要があるだろう。実際過去にも2017年9月の雇用者数の増加は前月比+1.8万人に止まったが、翌月の増加は+26万人に回復している。

労働参加率は63.2%変わらず、失業率は3.8%に低下(市場予想3.9%、前月4.0%)しており、賃金も前年比+3.4%(+3.3%、+3.1%)と上昇しており、週平均労働時間は34.4時間(34.5時間、34.5時間)と鈍化しているが、周辺材料は来月も雇用者の伸びが本当に鈍化するかどうかは微妙であることを示している。

しかし、欧州は景気見通しを下方修正、中国も現状を相当厳しく見積もっており、世界の政府・中央銀行は財政出動や金融緩和に動かざるを得なくなり、多くのリスク資産価格は下落するものの、政策的に下値も堅いと考えられる。

とはいえ、今週予定されている英議会の議論が紛糾し、その可能性はほとんどないと信じたい英国の無秩序なEU離脱が現実のものとなった場合や、それもまずありえないと信じたい米債務上限問題の顕在化による米国債のデフォルトなどが起きれば、原油価格が40ドルを下回り、工業金属価格も銅が5,000ドル前半まで下落、株式市場も混乱して不況に突入する、というシナリオもなくはない。

週明け月曜日は目立った手がかり材料に乏しいが、週末の流れを受けて総じて景気循環系商品価格が下落する展開を予想する。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

原油価格は下落後上昇した。中国の貿易統計が市場予想を大きく下回る結果となったほか、米雇用統計が予想外に大幅な雇用者数の増加幅低下が確認されたため、景気への懸念が強まったことが背景。

ただし、同時にドル安が進行したことから下げ幅も限定される形となった。

原油価格はしばらくレンジ内で軟調な推移になると考える。

米中の経済統計に減速がみられ、欧州も景気見通しが下方修正されるなど、前提となるマクロ経済の先行き見通しが不透明になってきたことが価格を下押しすると予想されるものの、OPECの減産・ベネズエラに対する制裁強化による供給減少懸念や経済対策が価格を下支えするため。

ただし、1月発表のIMFの2019年の経済見通しは+3.5%(10月比▲0.2%)に引き下げられ、EUもユーロの成長見通しを+1.3%(▲0.6%)に引き下げており、OECDも世界景気見通しを+3.3%(前回発表時比▲0.2%)と引き下げた。さらにECBもユーロの成長見通しを+1.1%(▲0.6%)と大幅に引き下げている。広く景気循環銘柄価格の下落要因になると予想される。

米中貿易交渉は妥決に向けて調整が進んでいるように見えるが、米朝協議が決裂したように、最終合意までは本当に合意できるのかどうかは分からない。ただし、米中の覇権争いが前提にあるため基本的には根源的な解決を見るまで相当の時間がかかる、と見ておくべきである。

また、Brexitもどのような形になるかわからない。英議会は3月12日までにEUとの離脱合意案に関して採決を行い、修正案が否決された場合、離脱期限の延期の採決を行うことで合意した。しかし、これも単なる先送りであり6月末までにアイルランド問題を解決できるようには見えない。

よって、今のところまだ「ハード」な離脱の可能性が高いと考えるべきだが、離脱時期が後倒しされたことで、企業や各国政府も対応する猶予が与えられたとも言え、徐々にリスク健在化時の影響が小さくなると期待される。

米朝首脳会談は予想外の決裂となったが、「なし崩し的な制裁解除」にならなかったことは意味があるといえる。今後も米朝の協議は継続するということで一致はしているようだが、今後、どのようなパスを経て非核化が進むかは不透明だ。

結局、下りのエスカレーターに乗っている中で、イベントをどのように整理するかが今後を占う上での基本的な考え方になるだろう。

北米の増産がQ119も緩やかに増加すると予想されること、年後半にかけて米国の減税効果が剥落することから上値も重く、本格的に上昇に転じるのは2020年以降のインドの人口ボーナス期入り以降となるのではないか。

短期的には投機筋動向が価格に影響を与えやすいが、3月5日付のWTIの投機筋ポジションは、ロングが前週比+11,421枚の497,656枚、ショートが▲9,709枚の148,855枚、Brentは3月5日付でロングが▲5,322枚の343,080枚、ショートは▲1,814枚の55,252枚となっている。

米国のデータは漸く直近のものが反映されるようになった。ただし、ロング増加・ショート減少が確認されており米国の景気先行きを楽観したポジション取りとなっている。しかし2月の雇用統計減速を受けて、来週以降、この積み上がったロングに再び解消売り圧力がかかるものと考えられる。

一方、Brentはロング・ショートとも減少している。やはり欧州の景気見通し下方修正がロングの解消を促したと考えられる。一方でOPECの減産延長観測でショートも若干の減少となった。しかし、WTIと同様、統計減速を受けてロングには解消圧力が強まると見る。

中長期的には中国の人口ボーナス期が2030年頃まで続く事、2020年頃からはインドも人口ボーナス期に入り需要の増加が見込まれることから構造的に需要増加が見込めるため強気である。

なお、EVが普及して原油需要は2035年~2040年頃にピークを迎えるとの見方が市場のコンセンサスとなりつつあるが、財政的なサポートが必要なEVは、市場の期待するようなペースで拡大するとは見ていない。

また、EV化が進むにつれて同時に発生する、軽量化目的の樹脂利用(化学製品向け需要の増加)も期待できること、液体燃料は保存や輸送の観点からみて依然割安であり、アフリカなどの新興国では引き続き利用されると予想されることから、2035年に「需要の伸びは鈍化」するものの、減少に転じると判断するのは早計と見る。

実際に減少に転じるのは世界的に人口伸びの鈍化が実感される頃(2050年頃)になるのではないか。

この見通しの上昇リスクを現物の需要・供給に分けてみてみると、需要面は原発事故などの突発事象で他のエネルギーを原油で代替せざるを得なくなった時がこれに当たるが、これはなかなか想定し難い。

供給面は、以下のようなものが上昇リスクと考えられる。

1.ベネズエラの供給途絶

2.中東情勢の悪化

3.上流部門投資低迷の影響

1.のベネズエラ問題は顕在化しつつある。現在、米国が支持するグアイド国会議長が暫定政権の大統領を宣言、国家が二分される可能性が出てきた。すでにベネズエラの原油生産は120万バレル程度まで減少しているが、100万バレル程度までの減産は十分にあり得る話で、場合によるとゼロ、ということも想定される。

ただし、OPECがたまたま減産を行っており、まだ供給余力があることから、ベネズエラ1国の問題であれば影響は限定される。しかしこれにイランの完全制裁が重なれば話は別だろう。

2.の中東情勢はより混迷を極めている。年初は、「米国+イスラエル+サウジ」vs「イラン+ロシア」という構図だったが、米国の大使館移転や、サウジアラビア ムハンマド皇太子のジャーナリスト殺害疑惑などで、米国・サウジアラビアの関係がギクシャクしてきている。

OPECもカタールが脱退、反サウジアラビアの姿勢を強め、イランもOPECの継続についてやや懐疑的な見方を示すなど、「景気後退局面・需要減速局面での産油国のエゴ」がむき出しになりつつある。

通常であれば増産攻勢が強まり、価格の下落要因となりそうだが、軍事的な衝突やサウジ対する制裁やそれに対する報復としての原油輸出停止も、今のところカショギ氏殺害について世界中から非難されていることから鳴りを潜めているが、ムハンマド皇太子が今のポジションにいる以上ない話ではない。

仮に、イランやサウジが軍事的に衝突した場合や、米国のイランに対する制裁が貫徹され、本当にイランが原油輸出できなくなるような場合には、ホルムズ海峡封鎖の可能性が高まるため、原油価格が100ドルを超えても何ら不思議はない。

ただ、カショギ氏殺害疑惑を契機にムハンマド皇太子の動きが若干鎮静化していることは、日本を始めとする消費国にとっては朗報、といえるだろう。

金融面・政策面では、以下の要因が上昇リスクとなる。

1.米金融規制緩和

2.米景気拡大ペースの鈍化に伴う利上げペースの減速

3.2.に限らず長期金利が日欧の低金利政策の継続で低下する場合

4.米中貿易戦争が終結する場合

1.は中間選挙で民主党が下院を押さえたため、その可能性はほぼゼロになった。

2.は1月のFOMCでFRBはハト派的なスタンス(タカ派から中立に)に転じており、金融面で原油価格を押し上げる可能性が高まっている。

4.は短期的に貿易分野で米中が合意することはあるかもしれないが、長期的な覇権を競う争いであるためそう簡単に終息するとは思えない。

下落リスクは需要面は何かしらの信用リスクが顕在化することが材料となる。

1.中国の金融市場・住宅市場正常化推進加速

2.米国の中国制裁強化による中国の財政状況悪化ないしは地方政府のデフォルト

3.地政学的リスク(特に需要面では欧州の混乱)の顕在化

4.北朝鮮戦争の開戦や中東情勢悪化を受けたリスク回避の動きの強まり

5.株価の調整

6.トランプ政権の保護主義政策推進

7.新興国の財政状況悪化ないしはデフォルト

1.の中国の金融市場・住宅市場正常化は不採算の国家プロジェクトを見直すなど緩やかに調整が起きているが、足元は米国の制裁強化の影響でむしろこちらにブレーキを踏む動きになっている。

2.は構造的な中国の経済成長減速に、米国の制裁強化が重なっているためデフォルトまでは行かなくとも地方政府の財政状況が悪化し、地域経済に影響を与える可能性は低くなくなっている。

3.は既に顕在化しつつあるが、欧州で与党が野党に敗れ、極右・極左が台頭することや、Brexitがハードなものになる可能性は2019年以降の重要なリスクの1つである。

中東についてはイランと米国の対立、イランとサウジの対立継続がリスク要因だ。イスラエルでの大使館移転の動きの拡大が、中東諸国を刺激し、イスラエルとアラブ諸国の対立が深まるリスクも無視できない。

5.は昨年後半に顕在化した。きっかけは短期金利の急上昇で2年金利が5年金利を上回った事だ。既に2年金利と5年金利は昨年後半から再び逆転し、2年金利のほうが割高に推移しているが今回はまだ昨年の様な事は起きていない。従来から言われているように、2年・10年の金利が逆転した場合の急落を想定しておいた方が良いかもしれない。

しかし仮に長短金利が逆転した場合、再び株価が調整、商品価格に影響が出るシナリオも想定される。

6.は同盟国に対しては事前の期待通り常識的な落としどころを探る動きになりつつある。しかし大統領選挙まで「戦う大統領」のポーズを示しておかなければならないため、何かしらの果実を得るまで関税問題は解決しない。

7.は米国の利上げ継続などで新興国からの資金流出が継続すると、現実のものとなるかもしれない。中国はベネズエラに対して622億ドル程度の融資(The Inter-American Dialogue調べ)をしていると考えられ、これは1,300億ドル程度と言われるベネズエラの外貨建て債務(+PDVSA債務)の5割近くに相当する。

仮にデフォルトしたり、内戦で政権が倒れた場合、ベネズエラの次期大統領がこの契約は無効として、IMFや米国に泣きつく可能性はあり、この場合の中国は債権放棄を余儀なくされる可能性がある。

この場合、中国国家開発銀行や中国輸出入銀行の負担となり、最終的には中国政府の負担となる。崩壊の危機に直面しているベネズエラであるが、これ以外の国もデフォルトする可能性はあるため、氷山の一角ともいえる。今のところベネズエラ問題のみで中国が崩壊するとみる向きは少ないが、そのリスクは無視できない。

供給面は、以下の要因が主な下落リスクシナリオだ。

1.北米の増産加速

2.OPECの結束の揺らぎ

1.は米国のパイプラインのキャパシティ問題もあり、増産ペースは鈍化している。原油価格が採算ラインに乗ってから増産が始まるまでの時間差や新しいパイプラインの稼働時期を考えると、今年から再び増産ペースが加速すると予想される。

2.は、OPECプラスが年末までの減産に言及するなど、出口を模索する状態にはない。

ムハンマド皇太子の強硬姿勢に嫌気が指し、財政状況も厳しくなったカタールがOPEC脱退を決定するなど、結束にはほころびが出始めている。イランの減産分をサウジが肩代わりするなど、対立国の利害関係が対立しており、イランの脱退で生産調整が機能しなくなる可能性もある

石炭価格は反発している。米朝首脳会談が予想外の決裂となり、北朝鮮に対する制裁解除とそれに伴う海上輸送石炭需給緩和期待が後退、買戻しが優勢になっている。

また、大企業向けが中心の製造業PMIは減速しているが、中堅企業向けが中心の財新製造業PMIに改善がみられるため、季節外れではあるが石炭価格には上昇圧力が掛かる展開が想定される。

それよりは、米中貿易戦争の激化で中国が米国に従わない、親北傾向を強める韓国が非合法に北朝鮮に対する制裁を緩和する、という展開はあり得るだろう。2019年のびっくり予想ではないが、韓国と北朝鮮が統合し、朝鮮半島が一気に親中国に傾く、というシナリオもなくはない。

ただし、環境規制強化の世界的な流れを受けて、上流部門投資が抑制される見通しであることに伴う供給制限から下値余地も限定されると考える。この場合、石炭先物の期先の価格が目安として参考になるが、85ドル程度が下値の目途になるのではないか。

なお、1月の中国の貿易統計では、中国の石炭輸入は3,350万3,000トンと大幅な増加となった。これは昨年11月に、「2017年と同程度の石炭輸入量に抑制したい」とする中国政府の意向を受けて、石炭輸入が一時的に停止していた。

この間、発電向けの石炭輸入が認められていたが、1月からこの規制が撤廃されたことによるもの。また、中国最大の発電所も在庫の再備蓄を開始しており、今後、中国の輸入は回復が予想される。

但し、1月の輸入増加時でも石炭価格は下落しており、やはり供給面というよりは景況感(=需要)動向の方が価格に与える影響の方が大きいといえる。

---≪LME非鉄金属≫---

LME非鉄金属価格は軟調な推移となった。中国の貿易統計が減速したこと、米雇用統計の減速が材料となった。ただし、住宅着工が市場予想を上回り、ドル安が進行したこともあって下げ幅はそれでも比較的限定された。

非鉄金属価格は一旦下値余地を探る動きになると考える。

米中の経済統計に減速がみられ、欧州も景気見通しが下方修正されるなど、前提となるマクロ経済の先行き見通しが不透明になってきたことが価格を下押しすると考えられるため。

まだ、中国の経済対策や公共投資の積み増しなどの影響は顕在化していないが、今後こうした経済対策や、金融緩和の効果が顕在化すると予想されるため、下げ幅も限定されると見る。。

1月発表のIMFの2019年の経済見通しは+3.5%(10月比▲0.2%)に引き下げられ、EUもユーロの成長見通しを+1.3%(▲0.6%)に引き下げており、OECDも世界景気見通しを+3.3%(前回発表時比▲0.2%)と引き下げた。

さらにECBもユーロの成長見通しを+1.1%(▲0.6%)と大幅に引き下げている。広く景気循環銘柄価格の下落要因になると予想される。

しかし今後、需要をけん引していくと考えるインドの成長見通しはIMF見通しで引き上げられ(+7.4%→+7.5%)、中国の見通しは据え置かれた(+6.2%→+6.2%)。

先日発表された中国の製造業PMIは49.2(前月49.5)と2016年の2月以来の低水準となった。生産が減速(50.9→49.5)したことが影響したようだ。

しかし、さらに細かく見ると輸出向け新規受注は減速しているが、新規受注が回復(49.6→50.6)しており、完成品・原材料在庫とも低下している。つまり、生産減速でPMI自体の数値はさほど良くないものの、需給両面で需給がタイト化しておりLME非鉄金属価格を押し上げている、という形である。

また、後に発表された財新製造業PMIは49.9(市場予想48.5、前月48.3)と市場予想を上回る改善となった。これはシャドーバンキング規制の一部緩和などの対策が奏功したと見られ、中国の需要増加に寄与すると見る。

しかし、2月の貿易統計が主に米国向けの輸出が減速(前年比+9.1%→▲20.7%)、アセアン諸国向けも減速(▲7.1%→▲8.2%)するなど中国の内外の景気が減速している可能性が高まっていることは、中国の工業金属を巡る状況が非常にいびつになってきていることを表している。

結局、景気の減速の可能性が高いため、今後は各国政府・中央銀行の経済対策動向と、たまたま発生している供給懸念が、「下りのエスカレーターに乗る非鉄金属価格」を下支えすることになると予想される。言葉を変えると政策次第ではさらに水準が下がる可能性がある、ということである。

非鉄金属需要の伸びは足元減速しているが、長期的には強気である。価格が上昇するのはおそらく次の需要のけん引役となるインドが人口ボーナス期入りする2020年以降になるだろう。

米中貿易交渉は妥決に向けて調整が進んでいるように見えるが、米朝協議が決裂したように、最終合意までは本当に合意できるのかどうかは分からない。ただし、米中の覇権争いが前提にあるため基本的には根源的な解決を見るまで相当の時間がかかる、と見ておくべきである。

また、Brexitもどのような形になるかわからない。英議会は3月12日までにEUとの離脱合意案に関して採決を行い、修正案が否決された場合、離脱期限の延期の採決を行うことで合意した。しかし、これも単なる先送りであり6月末までにアイルランド問題を解決できるようには見えない。

よって、今のところまだ「ハード」な離脱の可能性が高いと考えるべきだが、離脱時期が後倒しされたことで、企業や各国政府も対応する猶予が与えられたとも言え、徐々にリスク健在化時の影響が小さくなると期待される。

米朝首脳会談は予想外の決裂となったが、「なし崩し的な制裁解除」にならなかったことは意味があるといえる。今後も米朝の協議は継続するということで一致はしているようだが、今後、どのようなパスを経て非核化が進むかは不透明だ。

結局、下りのエスカレーターに乗っている中で、イベントをどのように整理するかが今後を占う上での基本的な考え方になるだろう。

なお、年後半にかけて米国の減税効果が剥落することから上値も重く、本格的に上昇に転じるのは2020年以降のインドの人口ボーナス期入り以降となるのではないか。

米国の制裁の影響は顕在化しつつある。1-12月期の中国工業セクター利益は前年比+10.8%の6兆6,351億元(1-11月期+11.8%の6兆1,169億円)、12月は▲1.9%の6,808億元(前月▲1.8%の5,948億円)と、1-11月期、11月から減速している。工業セクター利益は半年後の非鉄金属価格に対する説明力が高い。

さらに中国の1-12月期の固定資産投資は前年比+5.9%の63兆5,636億元(1-11月期+5.9%の60兆9,267億元)と市場予想の+6.0%を下回った。公的セクターの投資の伸びが減速(+2.3→+1.9%)したことが影響。

工業生産も年間累計では前年比+6.2%(+6.3%)、不動産開発投資も前年比+9.5%の12兆264億元(+9.7%の11兆83億元)と伸びが減速している。

構造的な成長ペースの鈍化に、循環的な減速、米中貿易戦争の影響が顕在化し始めているとみられる。

日本の歴史を見てもわかるように、人口動態のピークアウトは住宅セクターの鎮静化につながりやすく、今後はこれまで作ってきたバブルをいかに混乱なく潰せるかどうかである。

この状況に関して習近平国家主席は「急激かつ深刻な危機に直面している」と発言、中国が置かれている状況が外から見ているよりも深刻である可能性が高いこと、同時に中国政府は国内景気維持のために、経済対策を行わざるを得ない状況にあることを示している。

李克強首相は、景気下支えを目的に大規模な経済対策の実施方針を表明した。

非鉄金属価格に影響しそうな対策としては、企業の税負担と社会保険料の負担を軽減(2兆元弱)、増値税の引き下げ(製造業:16%→13%、建設業:10%→9%)、地方政府がインフラ投資に充てる債券の発行枠を2018年比+8,000億元の2兆1,500億元に、対象を絞った預金準備率、今年は中小銀行向けに追加引き下げ、などが挙げられる。

しかし、これまで緊縮財政を進めてきた習近平と対立する政策であり、胡派・習派の対立が強まる可能性もあり得る。

短期的には投機筋の動向が重要になるが、3月1日付のLMEポジションは全ての金属でネットロングが増加する流れとなった。中国政府による景気刺激策で需要への楽観が広がったことが材料となったようだ。

投機筋のLME+CME銅ネット買い越し金額は183.4億ドル(前週138.2億ドル)と大幅に増加。上昇率は+32.7%。

買い越し枚数はトン数換算ベースで4,654千トン(3,818千トン)と増加、増加率は+21.9%である。相対的価格の高い銅の枚数増加が価格ベースの上昇率押し上げに寄与したが、トン数ベースを上回る価格上昇がみられていることから、センチメントが想像以上に強まっていると考えられる。

逆に言えば、センチメントが押し上げている部分は否めず、欧州景気見通しが下方修正される中で大きな調整局面が訪れる可能性も否出来ない。

中長期的な見通しは人口動態が重要になるが、中国の人口ボーナス期は2030年頃まで続く事、2020年頃からインドが人口ボーナス期に入ることから構造的な需要増加はまだ継続すると見ており、強気のスタンスを崩していない。

また主に中国の環境規制強化に伴うスクラップの自由度の低下や、世界的な脱炭素の流れは逆に抗うつ資源需要を高めるとみられることも価格を押し上げよう。

一帯一路構想は「中国の周辺国の実効支配」を目的とするものであることは明確であり、このまま世界中がすんなりこれを受け入れるかは微妙だ。実際パキスタン、ネパール、ミャンマーの水力発電プロジェクトが相次いでキャンセルになっている。マレーシアの鉄道案件も先送りとなった。

また、2018年の軍事費も前年比+8.1%の1兆1,069億元と大幅に積み増しされており、中国が軍事的に周辺国を支配しようとしているのは明らかである。

恐らく、市場が期待していたほどのペースで一帯一路政策が進行することはないだろう。そんな中、10月の米中首脳会議で安倍首相は透明性を高めることなどを前提に、一帯一路構想への協力を約束した。

中国の資金繰りが悪化している可能性は高く、中国は日本の支援を欲しがっている、とも考えられる。軍事衝突を回避しつつ、中国をたたく戦略を採用している米国がこれを看過するかは疑問である。

この見通しの上昇リスクは需要面では、

1.中国の景気刺激策の実施

2.環境規制の強化で特殊需要が増加する(軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台が使われる)、蓄電池としての鉛、コバルトなど)

3.トランプ政権のインフラ投資計画実施

4.米中貿易戦争が終結する場合

などが考えられる。

1.は米国の経済制裁を受けて、構造的な景気の軟着陸を目指すには内需刺激しかなくなっており、預金準備率の引き下げや、住宅セクターの再度の過熱を容認する可能性は排除できなくなっている。

ただ、既に預金準備率の引き下げは実施されているが地方政府財政も逼迫していることから支出の拡大となる公共投資の規模拡大は限定されると予想される。

2.の環境規制強化の流れの中でのEVブームは、若干鎮静化している。EV普及のためには補助金負担は必須であり、景気が減速する中ではなかなか積極的にEV政策を推し進められないことが背景にある。よって、市場が期待しているほどのペースで普及するとは見ていない。

3.はそもそも大きな政府を目指している民主党の理解が得られやすいため、メキシコとの壁は作らないと思うが一部実施される可能性は高まった。

4.は短期的に貿易分野で米中が合意することはあるかもしれないが、長期的な覇権を競う争いであるためそう簡単に終息するとは思えない。

供給面は個別性が強いが、以下が上昇リスク要因として挙げられる。

1.大規模鉱山の減少に伴う安価な資源確保環境の悪化(コストを掛ければ採掘できる。リサイクルの充実は必須)

2.中国の環境規制強化に伴う減産の継続

3.石炭価格上昇による生産コスト(電力コスト)の高止まり

4.銅に関してGrasberg鉱山の減産

5.ヴァーレの尾鉱ダム事故による環境規制強化に伴う減産

4.については2019年にインドネシアのGrasberg鉱山が露天掘りから坑内掘り(地下オペレーション)に移行する見込み。

これに伴い生産量は大幅に減少する見込みで2018年の54万4,000トンから27万トン程度まで減少すると予想される。

2018年の世界の生産上位10社の増産は+6.8%だったがGrasbergの減産で+4.1%程度に減速する。

Cobre Panamaプロジェクトの増産で15万トン程度が見込まれているがこれでもGrasbergの減産分の半分程度しか賄えない。

5.は今後のブラジル政府の対応によるが、汚染物質の流出や人が多数死亡していることを考えると、鉱山の種類・企業に関係なく金属生産に影響が及ぶ可能性がある。

金融面・政策面では、以下が主な上昇リスク要因だ。

1.米金融規制緩和

2.米景気拡大ペースの鈍化に伴う利上げペースの減速

3.2.に限らず長期金利が日欧の低金利政策の継続で低下する場合

1.は中間選挙で民主党が下院を押さえたため、その可能性はほぼゼロになった。

2.は1月のFOMCでFRBはハト派的なスタンス(場合によると利下げも選択肢に)に転じており、金融面で原油価格を押し上げる可能性が高まっている。

下落リスクは多く、以下があげられるが主に信用リスクの拡大が要因の軸となる。

1.中国の金融市場・住宅市場正常化推進加速

2.地政学的リスク(特に需要面では欧州の混乱)の顕在化

3.株価の調整

4.米輸入規制強化並びにそれに対する報復

5.ベネズエラをはじめとする新興国のデフォルト

1.の中国の金融市場・住宅市場正常化は不採算の国家プロジェクトを見直すなど緩やかに調整が起きているが、足元は米国の制裁強化の影響でむしろこちらにブレーキを踏む動きになっている。

2.は既に顕在化しつつあるが、欧州で与党が野党に敗れ、極右・極左が台頭することや、Brexitがハードなものになる可能性は2019年以降の重要なリスクの1つである。

中東についてはイランと米国の対立、イランとサウジの対立継続がリスク要因だ。イスラエルでの大使館移転の動きの拡大が、中東諸国を刺激し、イスラエルとアラブ諸国の対立が深まるリスクも無視できない。

3.は昨年後半に顕在化した。きっかけは短期金利の急上昇で2年金利が5年金利を上回った事だ。既に2年金利と5年金利は昨年後半から再び逆転し、2年金利のほうが割高に推移しているが今回はまだ昨年の様な事は起きていない。従来から言われているように、2年・10年の金利が逆転した場合の急落を想定しておいた方が良いかもしれない。

しかし仮に長短金利が逆転した場合、再び株価が調整、商品価格に影響が出るシナリオも想定される。

4.は同盟国に対しては事前の期待通り常識的な落としどころを探る動きになりつつある。しかし大統領選挙まで「戦う大統領」のポーズを示しておかなければならないため、何かしらの果実を得るまで関税問題は解決しないだろう。

5.は米国の利上げ継続などで新興国からの資金流出が継続すると、現実のものとなるかもしれない。中国はベネズエラに対して622億ドル程度の融資(The Inter-American Dialogue調べ)をしていると考えられ、これは1,300億ドル程度と言われるベネズエラの外貨建て債務(+PDVSA債務)の5割近くに相当する。

仮にデフォルトしたり、政権が倒れた場合、ベネズエラの次期大統領がこの契約は無効として、IMFや米国に泣きつく可能性はあり、この場合の中国は債権放棄を余儀なくされる可能性がある。

この場合、中国国家開発銀行や中国輸出入銀行の負担となり、最終的には中国政府の負担となる。崩壊の危機に直面しているベネズエラであるが、これ以外の国もデフォルトする可能性はあるため、氷山の一角ともいえる。今のところベネズエラ問題のみで中国が崩壊するとみる向きは少ないが、そのリスクは無視できない。

---≪鉄鋼原料≫---

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップ価格は下落、原料炭スワップ先物は横這い、中国鉄鋼製品価格はまちまちとなった。

中国の貿易統計が大幅な減速となり、景気の先行き懸念が強まった一方で、全人代では経済成長を死守するために財政・金融の大盤振る舞いの方針が示されたため、それが価格を下支えしている。

鉄鉱石価格は高値圏での推移になると考える。ヴァーレの尾鉱ダム決壊の供給への懸念が意識されることが価格を下支えする一方、米中協議の先行きが不透明で、中国国内の景気先行き不透明感が強いことが価格を押し下げるため。

ただし、同時に中国政府は経済対策や金融緩和による景気テコ入れを行う方針であり、下値余地も限定されると考える。

鉄鋼製品・鉄鉱石価格に影響しそうな対策としては、企業の税負担と社会保険料の負担を軽減(2兆元弱)、増値税の引き下げ(製造業:16%→13%、建設業:10%→9%)、地方政府がインフラ投資に充てる債券の発行枠を2018年比+8,000億元の2兆1,500億元に。対象を絞った預金準備率、今年は中小銀行向けに追加引き下げ、などが挙げられる。

しかし、これまで緊縮財政を進めてきた習近平と対立する政策であり、胡派・習派の対立が強まる可能性もあり得る。

ヴァーレの尾鉱ダム決壊の影響を正確に予想することは難しいが、今のところ最大で7,000万トンの供給減少になるとの見通しを同社は示している。しかし、ヴァーレが保有する17の尾鉱ダムには監査が入り、場合によれば別種の鉱山を保有する他社にも波及する可能性があるため、何とも言えない。

1月発表のIMFの2019年の経済見通しは+3.5%(10月比▲0.2%)に引き下げられ、EUもユーロの成長見通しを+1.3%(▲0.6%)に引き下げており、OECDも世界景気見通しを+3.3%(前回発表時比▲0.2%)と引き下げた。さらにECBもユーロの成長見通しを+1.1%(▲0.6%)と大幅に引き下げている。広く景気循環銘柄価格の下落要因になると予想される。

しかし今後、需要をけん引していくと考えるインドの成長見通しはIMF見通しで引き上げられ(+7.4%→+7.5%)、中国の見通しは据え置かれており(+6.2%→+6.2%)、需要の伸びは減速するものの底堅い推移になるだろう。

2月の中国鉄鋼業PMIは50.6(前月51.5)と再び減速した。新規受注の落ち込みが大きい(53.4→47.8)。輸出向け新規受注が回復しているため(44.1→48.7)、恐らく国内向けの需要が減速しているものと考えられる。

また原材料在庫指数は55.2(前月55.7)と高水準を維持する一方、完成品在庫は60.5(42.4)と大幅に上昇しており、在庫の積み増し需要は鈍化すると見る。

ただし、後に発表された財新製造業PMIは49.9(市場予想48.5、前月48.3)と市場予想を上回る改善となった。これはシャドーバンキング規制の一部緩和などの対策が奏功したと見られ、中国の需要増加に寄与すると見る。

米中貿易協議に目立った進展が見られない(報道ベースでは進捗したように見られている)中、実際に経済対策を実施するのかしないのかがはっきりしていないこと、金融緩和の経済への波及効果が低下していることが要因とみられる。

鉄鋼製品在庫は前週比+115.5万トンの1,907.8万トン(過去5年平均1,569.6万トン)と昨年は水準が低かったが、今年は例年を大きく上回る水準を確保している。鉄鋼製品需要は結局政府がどれだけ経済対策を行うかに依拠するが、製鉄所の稼働が落ちている中での在庫の積み上がりは、国内の鉄鋼製品需要が鈍化している可能性を示唆している。

ただ、今は季節的に在庫積み増し時期であるため、旺盛な需要に対応するために在庫を積み増しているともいえるため、在庫の取り崩しが始まる3月以降の鉄鋼製品在庫水準の変化により注目する必要がある。

一方、鉄鉱石在庫は前週比+100万トンの1億4,605万トン(過去5年平均1億1,736万トン)、在庫日数は+3.7日の35.9日(過去5年平均 32.4日)と例年の水準を上回っている。

しかし、ヴァーレの減産の影響が徐々に顕在化するとみられるため、鉄鉱石在庫動向にも注目したい。

米中貿易交渉は妥決に向けて調整が進んでいるように見えるが、実際には3月中と言われている米中首脳会談が終了するまでは何とも言えない。しかし、米中の覇権争いが前提にあるため基本的には根源的な解決を見るまで相当の時間がかかる、と見ておくべきである。

また、Brexitもどのような形になるかわからない。英議会は3月12日までにEUとの離脱合意案に関して採決を行い、修正案が否決された場合、離脱期限の延期の採決を行うことで合意した。しかし、これも単なる先送りであり6月末までにアイルランド問題を解決できるようには見えない。

米中貿易戦争は長期化がやはり前提であり、中国の構造的な需要の伸び鈍化が継続する見込みであることや、年後半にかけて米国の減税効果が剥落することから、本格的に上昇に転じるのは2020年以降のインドの人口ボーナス期入り以降となるのではないか。

結局、工業金属の最大消費国である中国への制裁は緩和はすれども継続する見込みであるため、工業金属需要にとってマイナスに作用することは避けえない。

米国の制裁の影響は顕在化しつつある。1-12月期の中国工業セクター利益は前年比+10.8%の6兆6,351億元(1-11月期+11.8%の6兆1,169億円)、12月は▲1.9%の6,808億元(前月▲1.8%の5,948億円)と、1-11月期、11月から減速している。工業セクター利益は半年後の非鉄金属価格に対する説明力が高い。

さらに中国の1-12月期の固定資産投資は前年比+5.9%の63兆5,636億元(1-11月期+5.9%の60兆9,267億元)と市場予想の+6.0%を下回った。公的セクターの投資の伸びが減速(+2.3→+1.9%)したことが影響。

工業生産も年間累計では前年比+6.2%(+6.3%)、不動産開発投資も前年比+9.5%の12兆264億元(+9.7%の11兆83億元)と伸びが減速している。

構造的な成長ペースの鈍化に、循環的な減速、米中貿易戦争の影響が顕在化し始めているとみられる。

日本の歴史を見てもわかるように、人口動態のピークアウトは住宅セクターの鎮静化につながりやすく、今後はこれまで作ってきたバブルをいかに混乱なく潰せるかどうかである。

この状況に関して習近平国家主席は「急激かつ深刻な危機に直面している」と発言、中国が置かれている状況が外から見ているよりも深刻である可能性が高いこと、同時に中国政府は国内景気維持のために、経済対策を行わざるを得ない状況にあることを示している。

鉄鋼製品需要の伸びは足元減速するとみられるが、長期的には強気である。価格が上昇するのはおそらく次の需要のけん引役となるインドが人口ボーナス期入りする2020年以降になるだろう。

なお、アジア開発銀行は2016年~2030年のアジアのインフラ投資規模は26兆ドル(3,000兆円、年間1兆7,000億円)に達すると試算している。

一帯一路構想は「中国の周辺国の実効支配」を目的とするものであることは明確であり、このまま世界中がすんなりこれを受け入れるかは微妙だ。実際パキスタン、ネパール、ミャンマーの水力発電プロジェクトが相次いでキャンセルになっている。マレーシアの鉄道案件も先送りとなった。

また、2018年の軍事費も前年比+8.1%の1兆1,069億元と大幅に積み増しされており、中国が軍事的に周辺国を支配しようとしているのは明らかである。

恐らく、市場が期待していたほどのペースで一帯一路政策が進行することはないだろう。そんな中、10月の米中首脳会議で安倍首相は透明性を高めることなどを前提に、一帯一路構想への協力を約束した。

中国の資金繰りが悪化している可能性は高く、中国は日本の支援を欲しがっている、とも考えられる。軍事衝突を回避しつつ、中国をたたく戦略を採用している米国がこれを看過するかは疑問である。

上昇リスクについては、以下のようなものが考えられる。

1.中国の景気刺激策の実施

2.一帯一路構想が市場予想を上回るペースで実施される場合

3.米国のインフラ投資計画が実際に実施される場合

1.は米国の経済制裁を受けて、構造的な景気の軟着陸を目指すには内需刺激しかなくなっており、預金準備率の引き下げや、住宅セクターの再度の過熱を容認する可能性は排除できなくなっている。

ただ、既に預金準備率の引き下げは実施されているが地方政府財政も逼迫していることから支出の拡大となる公共投資の規模拡大は限定されると予想される。

2.はそのプロジェクトの質(たち)の悪さから導入を見送る国が増えており、中国自体の資金繰りの問題もあって以前ほど高いリスクではない。

3.は民主党が選挙で下院の過半数を占めたことから実施の可能性が後退した。しかしそもそも民主党は大きい政府を標榜しているため、部分的な財政出動で合意する可能性はある。

下落リスクは信用リスク系のものが多いが以下が主なところだ。

1.中国の住宅バブル崩壊

2.中国のインフラ投資が財政悪化で規模が期待ほどにはならない場合

3.何らかの理由で北朝鮮に対する制裁が解除され、原料炭価格が下落する場合

4.地政学的リスクの顕在化

5.米輸入規制強化並びにそれに対する報復

6.ベネズエラをはじめとする新興国のデフォルト

2.に関しては地方財政が悪化していることは確かなようで、財政状況を悪化させるような財政追加出動よりは金融緩和に舵が切られる可能性が高く、その顕在化の可能性も高まっている。

4.は既に顕在化しつつあるが、欧州で与党が野党に敗れ、極右・極左が台頭することや、Brexitがハードなものになる可能性は2019年以降の重要なリスクの1つである。

中東についてはイランと米国の対立、イランとサウジの対立継続がリスク要因だ。イスラエルでの大使館移転の動きの拡大が、中東諸国を刺激し、イスラエルとアラブ諸国の対立が深まるリスクも無視できない。

5.は貿易戦争が開戦となったが、一時的に貿易分野で米中が妥協する可能性出てきた。しかし、今回の対立は覇権争いが目的であるためことがあります仮に妥協があってもそれは仮初の妥協と考えておくべきだろう。

6.は比較的現実のものとなるかもしれない。中国はベネズエラに対して622億ドル程度の融資(The Inter-American Dialogue調べ)をしていると考えられ、これは1,300億ドル程度と言われるベネズエラの外貨建て債務(+PDVSA債務)の5割近くに相当する。

仮にデフォルトしたり、政権が倒れた場合、ベネズエラの次期大統領がこの契約は無効として、IMFや米国に泣きつく可能性はあり、この場合の中国は債権放棄を余儀なくされる可能性がある。

この場合、中国国家開発銀行や中国輸出入銀行の負担となり、最終的には中国政府の負担となる。崩壊の危機に直面しているベネズエラであるが、これ以外の国もデフォルトする可能性はあるため、氷山の一角ともいえる。今のところベネズエラ問題のみで中国が崩壊するとみる向きは少ないが、そのリスクは無視できない。

---≪貴金属≫---

金銀価格は上昇した。米雇用統計の悪化を受けてドル安が進行したことが材料となった。PGMも金銀価格の上昇を受けて水準を切り上げたが、パラジウムは株の下落に押されて前日比マイナスとなった。

しかしロジウムはついに引けベースで3,000ドルを上回った。ロジウムには先物市場が存在しないため実需家以外の参加者が基本的に存在せず、実際の需給バランスが価格に反映されやすい。

昨日もロジウム高止まりとパラジウムが下落していることを見るに、パラジウム価格の上昇は、需給バランスのタイト化が要因ではあるものの、相当投機筋などの現物需要家以外の思惑が反映されていた、といえる。

金価格は再び上昇余地を探る動きになると考える。米欧中の統計が悪化し、世界的に金融緩和観測が広がる中長金利に低下圧力がかかりやすくなり、実質金利の低下が価格を押し上げると考えられること、米中貿易交渉がまだ解決していないこと、欧州のBrexitを巡る混乱や信用リスクの高まりが安全資産需要を増加させるため。

英Brexitのシナリオとして一番現実的な解は、「とりあえずBrexitの期限を延期する」であるが、メイ首相は初めてこの可能性について言及した。ただし時限は「6ヵ月、1回のみ延期」としただけであり、本質的な解決にはなっていない。

解決が困難なアイルランド問題が障壁となっているため、もはやハードBrexitは不可避なものとしてまずは整理するべきだろう。ただ、この期限延長が起きればその時間に「企業や他国は対応する時間的なゆとりを得る」ため、ハードBrexitが顕在化した場合の影響は時間経過とともに緩和すると期待される。このことは、緩やかに金価格の押し下げ要因となるだろう。

金価格に対する実質金利の説明力が高いことは繰り返しこのコラムで解説している通りであるが、名目金利の決定要因は景気動向そのものや、株価動向などの影響を受けるが、基本的には中央銀行の金融政策動向が左右している。

(以降の分析の詳細は2019年1月17日付けMRA's Eyeを参照ください)

過去の利上げと金価格の感応度を分析すると、仮に今年の米利上げが1回、2回だった場合各々金価格を▲100ドル、▲50ドル押し下げる。仮に景気刺激のサプライズ利下げがあれば、金価格は+50ドル押し上げられる。

同様に、期待インフレ率に対する原油価格の影響は大きく、仮にWTIが現在の50ドル近辺から40ドル程度まで下落した場合には、期待インフレ率は▲0.2%低下し、逆に何かしらの供給危機が顕在化して価格が70ドル程度まで上昇した場合には+0.4%上昇することが予想される(同様の感応度分析を行うと、金価格は各々▲65ドルの押し下げ、+130ドルの押し上げ要因に)。

以上を整理すると金価格が最も上昇する場合は、「利下げ実施(1回)、中東情勢不安顕在化」の場合で現在の価格から180ドル程度上昇し、1,480ドルを付けることになる。

最も下落する場合は、「利上げ2回実施、原油価格下落」で、1,135ドル程度までの下落があることになる。

これに地政学が加わると、最も上昇する場合が、「利下げ実施(1回)、中東情勢不安顕在化、米国債リスク顕在化」であり、1,800ドルまでの上昇、次が「「利下げ実施(1回)、中東情勢不安顕在化、軽度の信用不安顕在化」で、1,510ドルまでの上昇となる。

逆に、「利上げ2回実施、原油価格下落、イベントリスクの顕在化なし」の場合は985ドルまで下落となる。

1月のFOMCを受け、「利上げなし、原油価格は緩やかな上昇、軽度のイベントリスク顕在化」で、1,300ドル程度でもみ合うことになるのではないだろうか。

銀は、Silver Instituteなどの分析では、鉱山生産が前年比▲2%となる一方、需要面は工業需要が緩やかな増加に止まる一方、世界的な再生可能エネルギーへの移行圧力が強まっていることから、太陽光発電需要が見込まれるため、需給はタイトに推移すると見られている。

しかし、価格決定要因としては、金との相対価格がより説明力が高く、引き続き80前後の金銀レシオを維持しつつ、金価格動向に振らされる展開になるだろう。

今後については金価格が、実質金利の低下を背景に堅調に推移すると考えられることから、同様に高い水準を維持すると考える。

足元、COMEXの金銀在庫レシオの金銀レシオに対する説明力が高いが、足元でも金銀在庫レシオは高い水準を維持している。記録的な水準まで積み上がった銀の取引所在庫の影響で、しばらくはこの80越えの水準を維持するだろう(詳しくは2018年10月19日付のMRA's Eyeをご参照ください)。

銀価格は金銀在庫レシオの高止まりを受け、中期的には76倍~83倍程度での推移になると考える。

最も上昇する場合は金価格が1,800ドルまで上昇する場合で23.7ドル、1,510ドルまで上昇した場合で19.9ドル、985ドルまで下落し、金銀レシオが83倍で推移した場合12ドル程度真での下落はある。

しかし実際には金1,300ドル、金銀レシオ80倍程度で16.25ドル程度が目安になるのではないか。

短期的な価格動向を占う上で参考になる投機筋の売買動向は、3月5日時点で金のロングが▲34,207枚の202,628枚、ショートが+13,471枚の114,610枚、銀のロングが▲14,017枚の76,954枚、ショートが+11,775枚の44,433枚となっている。

PGM価格は金銀価格が上昇余地を探る動きになるため下値は堅いが、景気の先行きへの懸念から対金銀ではレシオを低下させる(割安に推移する)と見る。

パラジウムはリースレートが10%台前半まで低下しており、実際の需給面は緩和に向かいつつある。また、投機のネット買いポジションも歴史的に見ても決して「高い」という感じではない。

背景には歴史的な低水準にある取引所在庫の水準が影響しているとみられる。今のところ供給面での需給タイト化が意識されているため、しばらくこの状態は続くことになるだろう。

とはいえ、短期的な売られすぎ・買われすぎの指標であるRSIは明確に買われすぎを示唆しており、米朝会談や米中協議、Brexitなどのイベントを控える中では、手仕舞い売り圧力も強まることは無視できない。

中期的には、世界景気の減速に伴う自動車販売の減速、それに伴う自動車向け排ガス触媒需要の減速が価格を下押しすると考える。

中国の1月の自動車販売(工場出荷数)は前年比▲15.8%の236万7,300台(12月▲13.0%の266.2万台、11月▲13.9%の254.8万台、10月▲11.7%の238万台、9月▲11.6%の239万4,100台、8月▲3.8%の210万3,400台、7月月▲4.0%の188万9,100台)と7ヵ月連続でマイナス成長となり、同国の耐久財需要が減少していることが伺える。

米国の2月の自動車販売は1,656万台(市場予想1,680万台、前月1,660万台)と悪化した。2019年の自動車販売は減速する、というのが市場のコンセンサスとなりつつある。

2月の米消費者信頼感は131.4と前月の121.7から大幅に改善した。FRBの利上げ打ち止めに伴う株価上昇で、消費者のマインドが改善したためとみられる。

ちなみに2月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数では、6ヵ月以内自動車購入指数は12.0(12.9)に低下しており、PGM価格には下押し要因となる。

弊社は需給面の見通しに関しWPICの見通しを参考にしているが、直近の見通しでは2019年のプラチナの需給は68万オンスの供給過剰と、前回発表の45万5,000オンスから供給過剰幅が引き上げられた。

プラチナはパラジウム需要の増加で結果的に増産となり、その一方で需要が減速しているため需給は大きく緩和している。

2019年の自動車向けの触媒需要は前年比▲75万オンスとなる一方、供給はパラジウム需要の増加に伴う増産の影響などで、南アフリカ(+18万オンス)、ジンバブエ(+4万オンス)が増産となるが、北米(▲4万オンス)、ロシア(▲1万5,000オンス)が減産の見込みだが、合計で+16万5,000オンスの供給過剰となる見込み。

この結果、地上在庫は349万5,000オンス(2018年 281万5,000オンス))に増加する見込みで、在庫日数も162.6日(137.6日)と増加見込みであり、在庫の顕著な増加が価格を低水準に抑制するだろう。

ただしパラジウム価格の高騰が、代替品・投資向け代替品としてのプラチナ需要を高めるためそれでも下値は限定されると考える。

なお、南アフリカのPGM生産指数は12月時点で107.5(季節調整前)と過去5年平均程度まで減速した。今の需要動向をみるとよりプラチナ需給が緩和し、パラジウムの供給は不十分で両者のスプレッドは、需給面からまた拡大する可能性が出ている。

3月5日現在、CFTCのプラチナポジションはロングが▲3,866枚の43,779枚、ショートが▲9,584枚の22,316枚、パラジウムはロングが▲690枚の18,070枚、ショートが▲54枚の4,442枚となっている。

---≪農産品≫---

シカゴ穀物価格は下落した。久しぶりに発表された米需給報告で、需給見通しが下方修正されたことが売り材料となった。小麦は2月14日以降大きく水準を切り上げてきたため、ドル安進行局面で若干の買戻しが入った。

需給報告では、トウモロコシの期末在庫が18億3,500万Bu(市場予想17億5,096万Bu、前月17億3,500万Bu)、大豆が9億Bu(9億407万Bu、9億1,000万Bu)、小麦が10億5,500万Bu(10億1,937万Bu、10億1,000万Bu)だった。

2018-2019年の米穀物生産は豊作が見込まれており、さらにエルニーニョの発生が北米生産にプラスに作用すると考えられることから、価格には下押し圧力が掛かりやすい。

穀物価格は一旦買戻しが入るものと考える。シカゴの需給は緩和している可能性が高いものの、景気の先行き不透明感が強い中で景気循環系商品が売られ、非景気循環銘柄に買い圧力が強まると考えられるため。

米中貿易交渉は、中国が何らかの譲歩をする可能性はあるものの、まだ正式合意に至っていないことから、4月にずれ込むとみられる米中首脳会談まで予断を許さない状況が続くと予想する。

先日発表された米国の作付け意向面積では、弊社は大豆/トウモロコシレシオの水準から考えて、大豆の大豆+トウモロコシ作付け面積比率は46.8%(誤差考慮後45.4%~48.2%)と予想していたが、結果は48.0%と、その上限近辺で収まった。

予想通り、トウモロコシの作付け面積が増え、大豆の作付け面積が減る形であり、トウモロコシ価格の下押し、大豆価格の上昇要因となる(詳しい解説は、2019年1月11日付けの弊社レポート「2019年穀物価格見通し~米中貿易戦争に左右されつつも軟調推移か」をご参照ください)。

CONABの見通しではブラジルの大豆生産が1億1,153万4,000トンと前月の1億1,880万トンと下方修正された。トウモロコシについては9,165万トン(前月9,119万トン)とこちらは上方修正されたが、市場予想の9,387万トンを上回った。

3月5日付のCFTC投機筋ポジションは、トウモロコシのロングが+17,917枚の409,773枚、ショートが+79,177枚の456,090枚、大豆のロングが+123枚の123,079枚、ショートが+8,082枚の154,010枚、小麦のロングが+8,969枚の139,708枚、ショートが+16,913枚の191,315枚となっている。

今年はエルニーニョ現象が発生しており、受粉期の異常気象は十分に考えられ、一時的に積み上がったショートポジションの解消が進む可能性は否定できない。

詳しくは2019年3月7日付MRA's Eye「穀物のショート積み上がり」をご参照ください。

◆本日のMRA's Eye


「商品市場と人口動態」

商品市場には比較的大きな変化が起きていると考えられる。しかしこれは今まで想定していなかった変化ではなく、あくまで人口動態の変化に伴うものである。

中国の人口動態がピークアウトし、次の構造的な世界景気のけん引役として期待されるインドや中東・西アジア・アフリカ諸国の需要顕在化がまだ起きていないのが現状である。

「構造的な経済成長のドライバーの移行」が進行中であるともいえる。また、後述するが、商品市場における投資銀行の役割変化も相場の振る舞いを変質させた。

しかし、景気が構造的・循環的に減速する中ではどうしても政策動向が「ポピュリズム」が台頭しやすくなり、政策は大衆迎合型になりやすい。これは政治の機能が富の再配分であるため、不況になると負担の再配分となるためだ。

その結果、財政出動や金融の過剰な緩和といった政策が世界中に広がり、危機発生時のリスクを高めることになる。結局、今の世界の金融システムは好況時にしか心地よく機能しない、言葉を替えると景気減速時の痛みが今までよりも大きくなりやすい環境にある。

上流に近い商品の需要動向(ひいては価格動向)は、やはり人口動態に左右されやすい。多くの製造業が海外に出店するときにその地域の人口動態を分析し、将来的に需要が増加しそうな国に出店するのはまさにその国の「モノ」の需要が人口構成に依拠することを知っているからだ。

かのピーター・ドラッカーも「人口動態を見ることで、すでに起こっている未来を予見することができる」としている。

弊社も商品需要の構造的な増減を占う場合に人口動態を多用しているが、国連発表の人口データを基にした分析だと、中国のいわゆる「人口ボーナス指数(生産年齢人口比率)」が、商品需要が大幅に増加する閾値とされる2倍を超えたのが1996年、最大になったのが2010年頃であり、その後は経済活動が鈍化、商品需要の伸びも鈍化すると見ていたが概ねそのようになっている。

この影響は特に中国の消費シェアが大きい工業金属に顕著に表れた(ただし胡錦涛政権の4兆元経済対策によって、「自然な価格調整」は失われてしまったが)。

中国の人口ボーナス期は2032年に終了するとみられるため、それまでは多くの商品需要は、「増加ペース」は鈍化するものの増加を続けるだろう。

ちなみに日本の人口ボーナス期入りは1964年、ピークが1992年、人口ボーナス期の終了が2005年だ。1964年は池田内閣が所得倍増計画を実施している時期に当たるが、計画以上の成長となったのは時節に合った政策がとられていたため、といえるだろう。

1992年がピークであるが、株バブル・不動産バブルが崩壊した時期に重なることも見逃せない。

では今後はどうか。2020年頃からは恐らくインドが構造的な需要増加局面に入ると予想され、エネルギーや工業金属価格の動向に大きな影響を及ぼすようになると考えている。

ただし、その国の「潜在需要」を「顕在需要」にするには適切な政策が遂行されることが重要であり、インドの政権運営次第のところも否めない。

現在、インドはパキスタンとの対立が焦点となっている。今まで比較的無難にインドの政策を運営してきたモディ政権が春に行われる選挙で敗北した場合、能力が未知数の時期政権がこの人口ボーナス期入りのタイミングを十分に活かせるかどうかは重要なポイントになるだろう。これはインドに限ったことではなく、今後人口ボーナス期入りする国を多数抱える中東・西アジア諸国でも同じことである。

◆主要ニュース


・1月日本経常収支(季節調整済)1兆8,330億円の黒字(前月1兆6,334億円の黒字)(季節調整前)6,004億円の黒字(4,528億円の黒字)
 貿易収支 517億円の黒字(1,847億円の黒字)、輸出 6兆3,398円(6兆6,937億円)輸入 6兆2,882億円(6兆5,090億円)
 サービス収支 ▲856億円の黒字(306億円の黒字)
 第一次所得収支 1兆9,859億円の黒字(1兆5,557億円の黒字)

・2月日本 銀行貸出動向 銀行計 前年比+2.4%(前月+2.4%)、含信金 +2.3%(+2.4%)

・2月日本企業倒産 前年比▲4.53%(前月+4.88%)

・2月日本景気ウォッチャー調査 現状判断DI 47.5(前月45.6)、先行き判断DI 48.9(49.4)

・2月中国貿易収支 41.2億ドルの黒字(前月391.6億ドルの黒字)
 輸出総額 前年比▲20.7%(+9.1%)、輸入総額▲5.2%(▲1.5%)
 輸出年初来ベース
  対米国 前年比 ▲14.1%(▲2.4%)
  対欧州 +2.4%(+15.3%)
  対日本 ▲1.1%(+5.7%)
  対アセアン諸国 +2.0%(+12.5%)
 
 輸入
  対米国 前年比 ▲35.1%(▲41.2%)
  対欧州 +5.8%(+8.2%)
  対日本 ▲0.7%(▲1.3%)
  対アセアン諸国 ▲8.2%(▲7.1%)

・2月中国消費者物価指数 前年比+1.5%(前月+1.7%)、生産者物価指数+0.1%(+0.1%)

・1月米住宅着工件数 前月比+18.6%の123万戸(前月改定▲14.0%の103.7万戸)

・1月米住宅建設許可件数 前月比+1.4%の134.5万戸(前月改定+0.3%の132.6万戸)

・2月米雇用統計 非農業部門雇用者数 前月比+20千人(前月改定+311千人(速報比+7千人))
 民間部門雇用者数 +25千人(+308千人)
 製造業雇用者数 +4千人(+21千人)

・2月米失業率 3.8%(前月 4.0%)、不完全雇用率 7.3%(8.1%)、労働参加率 63.2%(63.2%)時間当たり平均賃金 前月比+0.4%(+0.1%)、前年比+3.4%(+3.1%)。
 週平均労働時間 34.4時間(34.5時間)

・FRBパウエル議長(投票権あり・中間派)、「米金融当局に対して差し迫った政策対応を求めるものは見通しに存在せず、とくにインフレ圧力が落ち着いていることを前提としてFOMCは政策スタンスの変更の検討に当たり、忍耐強く状況の推移を見守るアプローチを採用している。」

・米トランプ大統領、「ミサイル発射実験を見れば失望するだろう。」

・EUバルニエ交渉官、「EUから英国が一方的に出ていく選択肢を英国に提供することを約束する。」ただし、北アイルランドだけはEUに残すことを要求。

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・ベイカー・ヒューズ週間米国石油リグ稼働数834(前週比▲9)、 ガスリグ 193(前週比▲2)。

・2月中国原油輸入 3,923万トン、1,161万バレル(前月4,260万トン、1,017万バレル/日)、輸出 NA(NA)
 精製石油製品輸入 235万トン(338万トン)、輸出 381万トン(542万トン)

※原油1トン=7.4バレルとして算出。石油製品は種類の内訳が不明のためバレル換算していない。

・2月中国石炭輸入 1,764.1万トン(前月3,350万トン)、輸出 66万トン(60万トン)

・アルジェリア、4期大統領を務めた現職が立候補することで、反対するデモが拡大。ブーテフリカ大統領は2013年に脳梗塞で倒れて後、大統領の職務遂行は無理だとする住民の反発が強い。

【メタル】
・2月中国銅輸入 31万トン(前月 48万トン)
 銅鉱石・精鉱 193万トン(190万トン)
 アルミ(未加工品含む) 輸出 34トン(55万トン)

・2月中国鉄鉱石輸入 8,308万トン(前月9,126万トン)

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.CME豚赤身肉 ( 畜産品 )/ +4.89%/ ▲0.70%
2.NYB綿花 ( その他農産品 )/ +2.21%/ +1.79%
3.銀 ( 貴金属 )/ +2.08%/ ▲1.03%
4.ICEアラビカ ( その他農産品 )/ +1.76%/ ▲6.43%
5.LIFFEロブスタ ( その他農産品 )/ +1.68%/ +0.53%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
68.中国CSI300 ( 株式 )/ ▲3.97%/ +21.49%
67.SHFニッケル ( ベースメタル )/ ▲2.88%/ +18.48%
66.TCM天然ゴム ( その他農産品 )/ ▲2.30%/ +6.22%
65.ニューキャッスル炭 ( エネルギー )/ ▲2.10%/ ▲6.37%
64.SGX鉄鉱石 ( 鉄鋼原料 )/ ▲2.10%/ +19.28%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :25,450.24(▲22.99)
S&P500 :2,743.07(▲5.86)
日経平均株価 :21,025.56(▲430.45)
ドル円 :111.17(▲0.41)
ユーロ円 :124.90(+0.01)
米10年債利回り :2.63(▲0.01)
独10年債利回り :0.07(+0.00)
日10年債利回り :▲0.03(▲0.03)
中国10年債利回り :3.14(▲0.03)
ビットコイン :3,868.84(▲2.58)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :21.30(+0.29)
エネルギー :23.99(▲0.41)
ベースメタル :17.55(+0.97)
貴金属 :17.31(+0.7)
穀物 :15.86(▲0.13)
その他農畜産品 :25.21(+0.37)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :22.51(▲1.8)
Brent :21.77(+0.36)
米天然ガス :30.93(▲0.01)
米ガソリン :34.86(▲1.85)
ICEガスオイル :21.24(+1.25)
LME銅 :17.93(+0.36)
LMEアルミニウム :14.13(+0.07)
金 :11.51(▲0.11)
プラチナ :21.68(+0.01)
トウモロコシ :13.61(▲0.18)
大豆 :11.51(▲0.11)

【エネルギー】
WTI :56.07(▲0.59)
Brent :65.74(▲0.56)
Oman :66.05(▲0.60)
米ガソリン :180.17(▲0.37)
米灯油 :199.98(▲1.29)
ICEガスオイル :610.25(▲12.00)
米天然ガス :2.87(▲0.00)
英天然ガス :41.95(+0.10)

【石油製品(直近限月のスワップ)】
Brent :65.74(▲0.56)
SPO380cst :416.80(▲1.21)
SPOケロシン :79.59(▲0.58)
SPOガスオイル :80.21(▲0.40)
ICE ガスオイル :81.91(▲1.61)
NYMEX灯油 :199.12(▲0.71)

【貴金属】
金 :1298.30(+12.69)
銀 :15.34(+0.31)
プラチナ :818.21(+3.44)
パラジウム :1516.05(▲11.75)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :6,368(▲53:30.5B)
亜鉛 :2,701(▲76:5.5B)
鉛 :2,092(▲22:20C)
アルミニウム :1,872(+8:24C)
ニッケル :13,125(▲325:85C)
錫 :21,380(▲100:30B)
コバルト :33,000(▲2,000)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :6395.50(▲39.50)
亜鉛 :2718.50(▲16.50)
鉛 :2091.00(▲12.50)
アルミニウム :1865.00(+2.00)
ニッケル :13080.00(▲140.00)
錫 :21370.00(▲115.00)
バルチック海運指数 :649.00(▲8.00)
※C=Cash2M コンタンゴ、B=Cash2M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR青島) :休場( - )
SGX鉄鉱石 :84.83(▲1.82)
NYMEX鉄鉱石 :85.15(▲1.61)
NYMEX原料炭スワップ先物 :207(±0.0)
上海鉄筋直近限月 :3,825(▲9)
上海鉄筋中心限月 :3,783(+9)
米鉄スクラップ :373(±0.0)

【農産物】
大豆 :883.75(▲7.00)
シカゴ大豆ミール :299.10(▲2.90)
シカゴ大豆油 :29.39(▲0.02)
マレーシア パーム油 :1971.00(▲2.00)
シカゴ とうもろこし :354.75(▲1.25)
シカゴ小麦 :432.75(+1.25)
シンガポールゴム :172.20(▲0.30)
上海ゴム :11860.00(+55.00)
砂糖 :12.18(+0.04)
アラビカ :95.30(+1.65)
ロブスタ :1514.00(+25.00)
綿花 :73.49(+1.59)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :60.55(+2.83)
シカゴ生牛 :129.68(+0.73)
シカゴ飼育牛 :143.93(+1.03)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。