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米中統計改善で軒並み上昇もドル高が重石
  • MRA商品市場レポート for PRO

2019年4月2日 第1508号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米中統計改善で軒並み上昇もドル高が重石」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品価格はその他の農産品や非鉄金属の一部などが下落したが、景気循環系商品を中心に水準を切り上げる展開となった。

週末に発表された中国の製造業PMIが予想外の改善となったこと、米ISM製造業指数も予想外の改善となったこと(ISMチャートは以下のリンクから)で景気の先行きへの楽観が広がったことが背景。

ただし英国のEU離脱を巡る懸念から、ドル高が進行したことが価格の上値を押さえた。

【本日の商品価格見通し総括】

本日は日本時間の早朝に英議会下院が、英国のEU離脱を巡る「プランB」の4案(1.EUの関税同盟に残留、2.関税同盟と単一市場に残留、3.EUとの合意には必ず国民投票を実施する、4.EUが離脱日の延期に応じなければ、離脱撤回に関する英議会採決をする)全てを否決した。これに伴うリスク回避の動きとドル高圧力が強まる見込み。

また、予定されている統計では、米コア資本財受注(市場予想 前月比+0.1%、前月+0.8%)に注目しているが、鈍化見込みであり、本日は多くの商品が軟調推移になると予想する。

【本日の商品価格見通し総括】

本日は日本時間の早朝に英議会下院が、英国のEU離脱を巡る「プランB」の4案(1.EUの関税同盟に残留、2.関税同盟と単一市場に残留、3.EUとの合意には必ず国民投票を実施する、4.EUが離脱日の延期に応じなければ、離脱撤回に関する英議会採決をする)全てを否決した。これに伴うリスク回避の動きとドル高圧力が強まる見込み。

また、予定されている統計では、米コア資本財受注(市場予想 前月比+0.1%、前月+0.8%)に注目しているが、鈍化見込みであり、本日は多くの商品が軟調推移になると予想する。

【昨日の世界経済・市場動向のトピックス】

昨日は軒並み景気循環系商品が物色された。これは中国製造業PMIと米ISM製造業指数が予想に反して改善したことによる。中国は年初から中国が行っている金融緩和やシャドーバンキング規制の緩和といった金融政策、総額5兆元近い財政出動の効果がマインドを改善させたためと考えられる。

また、米国に関してはFRBの利上げ打ち止めで景気への楽観が強まったといえる。しかし、世界経済が循環的な減速局面にあるため、「政策効果で景気の減速が後倒しされた」と整理するのが妥当だろう。言葉を変えると今年の秋に予想される米国景気の減速(トランプ減税効果の一巡)時の減速幅が大きくなる可能性がある、ということだ。

中国製造業PMIを少し細かく見てみると、新規受注指数が上昇(50.6→51.6)したが完成品在庫(46.4→47.0)の積み上がりペースを上回ったため、製品需給はタイト化している。すなわち中国政府の経済対策などの影響で最終製品需要が増加していることを示している。

一方、原材料在庫(46.3→48.4)は大幅に上昇しているが、これは季節的な在庫積み増し時期にあることによるものであり、例年通りであれば今後この水準は低下、とくに工業金属価格の押し上げ材料になると予想される。

ただし、鉄鋼業PMIは46.8(前月50.6)と減速、新規受注も46.3(47.8)と減速、完成品在庫(60.5→31.2)、原材料在庫(55.2→42.1)と鉄鋼セクターの生産活動は緩慢であり、中国政府による対策に跛行性があることが伺える。

米製造業ISM指数については、新規受注の回復が顕著(55.5→57.4)であり、本格的な景気減速が後倒しされていることをうかがわせる内容だった。

ただし、チャートにしてみると明らかだが、「減速トレンドの中での一時的な回復」に過ぎず、やはり景気の方向性は下向きと見るべきであろう。

それより英国のEU離脱が無秩序な離脱になる可能性が、極めて高くなってきたことのほうが懸念される。

無秩序離脱となれば欧州経済には確実にマイナスになるため、時間をかけて景気に悪影響を及ぼし、景気循環系商品価格の下押し要因となると予想される。

ただ、無秩序な離脱となった場合にはリーマンショックの反省から、各国中央銀行が金融緩和を行う可能性は高い。よってハードブレグジットの場合に、「逆にリスク資産価格が上昇する」可能性はあり、その後急落、という形になる可能性は意識しておきたい。

【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】

(マクロ要因)

・各国の金融緩和・経済対策を受けたPMI・ISMなどのマインド系指標の改善(価格上昇要因)。

・世界景気の減速観測。IMFは2019年の経済見通しを引き下げ(+3.7%→+3.5%)。EUもユーロの見通しを+1.9%→+1.3%、OECDも世界景気見通しを+3.5%→+3.3%に引き下げ。需要の伸び減速で価格の下落要因。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格の上昇要因。

・FRBの利上げ打ち止め~利下げ観測の強まりは、ドル安を通じてドル建て資産価格の上昇要因。

・2020年からインドが人口ボーナス期入りすることによる、構造的な需要の増加は中長期的な価格の上昇要因。

(特殊要因)

・米中貿易交渉は、貿易面で一部妥結の可能性(価格の上昇要因)。ただし、知的財産権や技術の強制移転などの重要なポイントで妥結できておらず、米中の覇権争いであり長期化の見込み。

・欧州の政治混乱(英国のEU離脱、伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化など)によるリスク回避の動きの強まり。特に英国のEU離脱が無秩序なものになる可能性は高い。

・中国地方政府

・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速。

(投機・投資要因)

・長期金利の低下による米長短金利の逆転が株安を誘発、リスク回避のリスク資産売り圧力が強まる場合。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油市場動向総括】

原油価格は上昇。米中製造業ISM・PMI指数の改善を受けて需要の回復観測が広がったこと、景気の懸念が後退する(需要がある程度堅調)中でのOPECプラスの減産順守が価格を押し上げた。

ただし英EU離脱を巡る懸念でドル高が進行、チャート的に200日移動平均線のていこうせんが意識され、引けにかけては上げ渋った。

【原油価格見通し】

原油価格は上値余地を試す展開に。

世界的に経済統計の減速が強まっていることを受けた各国の経済対策が、一時的に需要を押し上げると考えられること、OPECプラスの減産継続、金融緩和などが価格を押し上げ。

一方、季節的に不需要期に突入していることや、英国のEU離脱、米中貿易交渉の難航が価格を押し下げ。

【石炭市場動向総括】

石炭価格は限月交代に伴う「窓埋め」で大幅に水準を切下げ、現在の限界生産コストとみられる80ドルを目指す展開となった。

【石炭価格見通し】

石炭価格は当面季節性通り下落。5月から8月にかけて再び上昇、11月にかけて水準を切り下げる展開を予想。米中貿易協議が難航する見通しであることも価格を押し下げ。下値のめどは80ドル。

ただし、米国の北朝鮮制裁は容易に緩和せず、環境規制強化による供給の伸び鈍化が価格を下支えの見込み。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・原油価格の上昇に伴う北米の増産継続は、需給緩和で価格の下落要因。

・OPECプラスの協調減産は9月末で終了する可能性が高まっており、足元の協調減産は価格の上昇要因だが、年後半は下落要因に。

・産油国の財政悪化による上流投資部門投資の減速は、インドなどの新興国需要顕在化時の価格上昇要因。

・EV普及による需要の伸び鈍化を、軽量化目的の樹脂向け需要増加が相殺(需要が減少を始めるのは2050年頃からか)。

・世界的な石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。価格上昇要因(石炭)。

(特殊要因)

・中東情勢+ベネズエラの情勢悪化に伴う供給途絶懸念は価格の上昇要因。米国のイスラエルへの過剰な肩入れは中東のパワーバランス変化を通じて供給途絶リスクを高めることに。

・米国の制裁緩和による北朝鮮炭の輸出再開による需給緩和(石炭)。

(投機・投資要因)

・3月26日付のWTIの投機筋ポジションは、ロングが前週比+25,989枚の560,552枚、ショートが▲7,884枚の111,933枚、

Brentは3月26日付でロングが+12,776枚の376,125枚、ショートは▲653枚の54,090枚。

WTI、BrentともFOMCの利上げ打ち止め以降、景気への楽観が再び強まっておりロングが増加、ショートが減少。ショートの減少はロング手仕舞い時でも下値を限定する効果。

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属市場動向総括】

LME非鉄金属価格は上昇後下落。週末発表された中国製造業PMIが市場予想を上回ったことや、米ISM製造業指数の改善が価格を押し上げたが、英EU離脱を巡るリスク回避の動きが強まり、ドル高が進行したことが重石となり、引けにかけて下落した。

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は米欧中の経済統計の悪化がベース価格を下押しするが、それを受けた金融緩和や経済対策(特に最大消費国である中国の経済対策)期待が価格を下支えするため、レンジワークを継続すると予想。

LME指定倉庫在庫の減少が継続し、記録的な低水準となっていることや、2020年から次の需要のけん引役として期待されるインドの需要増加観測が価格を下支え。

英国のEU離脱が無秩序なものになる可能性が高まっていることは、価格の下落要因として強く意識される見込み。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・環境規制の強化で特殊需要が増加する(軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルトなど)

・中国の環境規制強化に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・環境規制強化・米制裁の影響による石炭価格上昇が、中国の非鉄金属製造コストを高止まりさせる場合。

(特殊要因)

・銅の生産減少観測(インド、インドネシア)、ヴァーレの尾鉱ダム事故の影響による供給減少(アルミやニッケルなどに波及する可能性)。

(投機・投資要因)

・3月15日付のLMEポジションはアルミを除く、すべての金属でショート増加に伴う、ネットロングの減少傾向維持を確認。

投機筋のLME+CME銅ネット買い越し金額は164.6(前週173.9億ドル)と減少。上昇率は▲5.3%。

買い越し枚数はトン数換算ベースで4,295千トン(前週4,438千トン)と減少、増加率は▲3.2%。価格が高い銅やニッケルの下落が影響したとみられる。

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料市場動向総括】

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップ価格は上昇、原料炭スワップ先物は限月交代で大幅下落、中国鉄鋼製品価格は上昇。

3月の中国鉄鋼業PMIが発表され、46.8(前月50.6)と減速。しかし、新規受注の鈍化(47.8→46.3)を大きく上回る完成品在庫(60.5→31.2)、原材料在庫(55.2→42.1)が新規受注・在庫レシオを押し上げたことが鉄鋼製品価格・鉄鉱石価格を押し上げた模様。

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は高値圏での推移になると考える。ヴァーレの尾鉱ダム決壊の影響による供給減少が価格を下支えする一方、米中協議の先行きが不透明で、最大消費国である中国の景気先行きが不透明なため。

中国政府は経済対策や金融緩和による景気テコ入れを行う方針であり、2020年からはインドの需要が構造的に増加すると見込まれるため、下値余地も限定。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・中国の鉄鋼製品在庫水準の高さは価格の下落要因。鉄鋼製品在庫は前週比▲87.3万トンの1,648.7万トン(過去5年平均1,520.7万トン)と例年を大きく上回る。

・中国の鉄鉱石在庫水準の高さは価格を下押し。鉄鉱石在庫は前週比▲10万トンの1億4,760万トン(過去5年平均1億1,944万トン)、在庫日数は▲0.3日の38.4日(過去5年平均 34.5日)と例年の水準を上回る。

(特殊要因)

・ヴァーレの尾鉱ダム決壊の影響が拡大、現在稼働停止命令が出ている3鉱山の合計8,280万トン以上の供給減少が起きた場合(自社・他社ともにあり得る)、価格の上昇要因。

(投機・投資要因)

・固有の要因は特になし。

---≪貴金属≫---

【貴金属市場動向総括】

金銀価格は乱高下した結果、前日比マイナス。英国のEU離脱が無秩序なものになる懸念が強まったことが買い材料となったが、米中経済統計の改善に伴う長期金利上昇と、ドル高進行が価格を下押し。

PGMは金銀価格の下落がベース価格を低下させたが、米中統計改善に伴う過剰な景気への悲観論が後退、株価が上昇したことが買戻しを誘った。

PGM現物の需給バランスを見る上での指標となるロジウムの価格は3,125ドル(前日比変わらず)と下落傾向を維持しており、実需面での減速が出始めている可能性はある。

【貴金属価格見通し】

金価格は上昇余地を探る動きになると予想。世界的な金融緩和観測を受け、実質金利に低下圧力がかかると考えられるため。ただし、原油価格は年後半に下落する可能性が高まっており、ベース価格の上昇余地は限定。

ただし、欧州の政情不安、米国の債務上限問題、中東情勢の混乱懸念(イスラエル・イランを中心に)が安全資産需要を高めるため、リスクプレミアムが乗る形で価格を押し上げへ。

PGM価格は金銀価格が上昇余地を探る動きになるため下値は堅いが、景気先行き懸念から対金銀では割安に推移。

パラジウムはリースレートが10%を割り込み、実際の需給面は緩和に向かいつつある。ロジウム価格の調整もあって、暫くは下値余地を探りやすい。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・FRBの利上げ打ち止め~利下げ観測の強まり、原油価格の高止まりは実質金利の低下を通じて金銀価格の上昇要因に。

・実質金利の低下に伴うドル安の進行は、金銀価格の上昇要因に(逆に欧州の政情混乱や景況感の悪化でユーロ安・ドル高となった場合には金銀価格の下落要因)。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

・排ガス規制強化に伴うパラジウムへのシフト(パラジウムの上昇要因・プラチナの下落要因)。

・パラジウム需要増加に伴うPGMの増産により、結果的にプラチナが供給過剰となり価格の下落要因に(プラチナ)。

(特殊要因)

・米中貿易交渉は、貿易面で一部妥結の可能性(価格の下落要因)。ただし、知的財産権や技術の強制移転などの重要なポイントで妥結できておらず、米中の覇権争いであり長期化の見込み(価格の下支え要因)。

・米国の債務上限問題の顕在化(8月~9月にデフォルトするリスク)。

・欧州の政治混乱(英国のEU離脱、伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化など)による安全資産需要の増加。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加。

(投機・投資要因)

・金銀の投機筋の売買動向は、3月26日時点で金のロングが+10,122枚の214,447枚、ショートが▲21,223枚の94,706枚、銀のロングが+857枚の76,053枚、ショートが▲2,022枚の49,864枚と、再び強気のポジションに転じている。

・長期金利の低下による米長短金利の逆転が株安を誘発、リスク回避のリスク資産売り圧力が強まり、安全資産需要が高まる場合。

・銀価格は金銀在庫レシオが銀在庫の減少ないしは金在庫の増加、あるいは両要因によって低下した場合、金銀レシオが上昇するリスク(銀価格の上昇要因)。

・PGMの投機筋の売買動向は、プラチナポジションはロングが+147枚の43,351枚、ショートが▲6,479枚の19,144枚、パラジウムはロングが▲141枚の17,375枚、ショートが+275枚の5,207枚。

---≪農産品≫---

【穀物市場動向総括】

シカゴ穀物価格は軒並み上昇。そもそも価格水準がこの10年で見た時に非常に低い水準にあることや、エルニーニョ現象の影響で北米で洪水が発生する可能性、米中貿易交渉の改善期待が買戻しを誘った。

【穀物価格見通し】

穀物価格はレンジの中、堅調な推移になると考える。米中貿易摩擦でシカゴの需給が緩和している可能性が高いが、エルニーニョの影響による供給懸念がショートの買戻しを誘うことが価格を押し上げると考えられるため。

ただし、各国の経済対策の影響から景気循環銘柄に一時的な買戻しが入る可能性はあり、非景気循環銘柄が売られる可能性があること、Brexitを意識したリスク回避のドル高進行が価格の上昇を阻害しよう。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・米穀物生産増産見通しを受けた需給緩和観測。

・実質金利の低下に伴うドル安の進行は、シカゴ穀物の輸出競争力を改善し、需給面で価格の上昇要因に。

(特殊要因)

・米中貿易交渉は、貿易面で一部妥結の可能性(価格の上昇要因)。ただし、知的財産権や技術の強制移転などの重要なポイントで妥結できておらず、米中の覇権争いであり長期化の見込み(価格の下落要因)。

・エルニーニョ現象発生による北米の増産は価格の下落要因。ただし洪水などが発生し、災害が激甚化した場合には価格の上昇要因に。

・中国の豚コレラ被害の拡大により、飼料需要が減少した場合は価格の下落要因(逆に終息すれば上昇要因)。

(投機・投資要因)

・CFTC投機筋ポジションは、トウモロコシのロングが▲25,967枚の407,147枚、ショートが▲61,722枚の472,087枚、大豆のロングが+7,579枚の135,126枚、ショートが▲5,674枚の162,353枚、小麦のロングが▲8,260枚の136,752枚、ショートが▲14,972枚の173,001枚。

指摘していたように、エルニーニョや米中貿易交渉などを材料にショートの巻き戻しが顕在化している。

◆本日のMRA's Eye


「パーム油価格は下落~豚コレラや米中交渉を注視」

アブラヤシから生産されるパーム油は、食用油として用いられる他、マーガリンや発電燃料など用途が幅広く、植物油の中では世界で最も消費されている植物油である。

最大生産国はインドネシア(生産シェア56.5%、米農務省資料より2018-2019年の見込み)で次いでマレーシア(27.9%)となっており、この2国で世界の生産の84.4%を占めており、この2国の生産動向がパーム油の供給を決めるといっても過言ではない。

2018-2019年の世界のパーム油生産は、前年比+302万9,000トンの7,348万6,000トンとなる見込みだ。

消費は生産量トップのインドネシアのシェアが大きく(17.0%)、主に食用に用いてきたインド(14.9%)がこれに続く。

インドネシアのパーム油消費増加は2006年頃からだが、背景には同国の原油生産の減少がある。もともとインドネシアはOPEC加盟国だったが、経済成長に伴い国内需要が増加、原油の純輸入国に転じてしまったためエネルギーの安全保障の観点からエネルギーとしてのパーム油が見直されたためだ。

また、世界的にもバイオ燃料向けの需要が増加したため、2018-2019年の国内需要は前年比+467万3,000トンの7,102万2,000トンが予想されている。結果需給バランスは246万4,000トン(前年比▲164万4,000トン)と供給過剰幅を縮小させる見込みであるが、それでも需給バランスは緩和した状態が続くと考えられる。

インドネシア・マレーシアの増産によって両国のパーム油在庫は2017年5月に最低水準を付けた後増加に転じ、2年弱をかけて水準を切り上げた。それに歩調を合わせる形で価格水準が低下しているが、両国の在庫水準のパーム油価格に対する説明力は高い。

パーム油価格は昨年11月を底に再び上昇に転じているが、これは在庫の減少というよりも中国で豚コレラの影響が広がり大豆の圧搾需要が減少、大豆油の生産が減少したことによる特殊需要によるものと考えられ、現在進行中の米中貿易協議の進展度合いによっては、中国が米国に配慮して大豆の輸入を再開する可能性もあり、その場合には影響は緩和するものと予想される。

しかし、総じてパーム油価格には下押し圧力が掛かりやすい地合いが続くと考えられる。

また、欧州のバイオ燃料を巡る取り決めもパーム油価格を下押しすると予想される。欧州委員会は極度な森林破壊を引き起こしている、植物性油のバイオ燃料への使用を2019年レベルで上限を設定、2030年までにゼロとする方針を示し、パーム油がこれに含まれる見込み。

この規制を受け入れるか否か、欧州政府と議会は2ヵ月以内に結論を出す予定だが、もし予定通りこの規制が適用されれば、将来的に大豆油や菜種油、砂糖やトウモロコシなどの植物性燃料も規制の対象になる可能性がある。いずれも生産量を増加させる場合、森林伐採による森林破壊を伴う可能性があるためだ。

このことも中長期的なパーム油を含む植物油の燃料向け需要を減じ、価格上昇の抑制要因となるだろう。

但し今年はエルニーニョ現象の発生が観測されており、気象庁の予想でも今年の後半頃までエルニーニョ現象が継続する見込みが示されている。どれだけの期間発生するかは実際に起きてみなければ分からないが、エルニーニョ発生期間中はインドネシア、マレーシアとも高温・少雨となりやすい。生産地域が偏在していることで異常気象に伴う供給リスクは大きく、思わぬ急騰リスクも十分に想定される。

また、上記では売り材料になり得る、としている中国の大豆輸入再開も、豚コレラの影響が拡大して再び中国の大豆の輸入が減少した場合、大豆油がけん引する形で上昇するシナリオもあり得る。

日本でも食品向け、工業向け、発電用の燃料など、幅広く用いられているパーム油であるが、今年は天候や政治的な理由で価格が乱高下する可能性があるため、その価格リスクの制御は重要な課題になるのではないだろうか。

◆主要ニュース


・3月日銀短観業況判断DI(3ヵ月後見通し/現状/前回)
 大企業製造業 8/12/19
 中堅企業製造業 3/7/17
 中小企業製造業 ▲2/6/14
 大企業非製造業 20/21/24
 中堅企業非製造業 12/18/17
 中小企業非製造業 5/12/11

 雇用人員判断DI(過剰-不足)
 大企業全産業 ▲24/▲23/▲23。
 中堅企業全産業 ▲35/▲35/▲34
 中小企業全産業 ▲42/▲39/▲39

 需給判断DI(需要超-供給超)
 大企業製商品サービス ▲6/▲6/▲1
 中小企業製商品サービス ▲18/▲16/▲11
 大企業海外向け ▲4/▲5/3
 中小企業海外向け ▲12/▲9/▲6

 在庫判断DI(過大-不足、現状/前回/前々回)
 大企業製商品在庫 8/6/7
 中小企業在庫 13/10/10
 大企業流通在庫 8/2/3
 中小企業流通在庫 12/9/7

 価格判断DI(上昇-下落)
 大企業販売価格 ▲2/1/6
 中小企業販売価格 5/3/4
 大企業仕入 16/17/27
 中小企業仕入 40/37/41

 生産・営業設備判断DI(過剰-不足)
 大企業製造業 ▲2/▲2/▲4
 中堅企業製造業 ▲4/▲2/▲5
 中小企業製造業 ▲5/▲4/▲9

 設備投資計画前年比(前年度)
  大企業製造業 +6.2%(+11.0%)
  中堅企業製造業 ▲5.1%(+9.9%)
  中小企業製造業 ▲6.1%(+12.7%)
  大企業非製造業 ▲1.6%(+15.7%)
  中堅企業非製造業 ▲7.5%(+8.8%)
  中小企業非製造業 ▲20.1%(▲7.1%)

・2月日本貸出先別貸出金(法人) 前年比+3.25%(前月+3.18%)

・3月日経日本製造業PMI速改定 49.2(速報比+0.3、前月改定 48.9)

・3月韓国貿易収支 52億2,200万ドルの黒字(前月30億9,800万ドルの黒字)、輸出 前年比▲8.2(▲11.4%)、輸入 ▲6.7%(▲12.6%)

・3月日経韓国製造業PMI 48.8(前月47.2)

・3月中国製造業PMI 50.5(前月49.2)
 生産 52.7(49.5)
 新規受注 51.6(50.6)
 輸出新規受注 47.1(45.2)
 受注残 46.4(43.6)
 輸入 48.7(44.8)
 完成品在庫 47.0(46.4)
 原材料在庫 48.4(46.3)
 雇用 47.6(47.5)

・3月中国鉄鋼業PMI 46.8(前月50.6)
 生産 44.7(52.2)
 新規受注 46.3(47.8)
 輸出新規受注 46.2(48.7)
 完成品在庫 31.2(60.5)
 原材料在庫 42.1(55.2)

・3月中国非製造業PMI 54.8(前月54.3)
 新規受注 52.5(52.7)
 新規輸出 49.9(51.6)
 受注残 45.0(44.9)
 在庫 47.1(47.1)
 雇用 48.7(48.6)

・3月中国財新製造業PMI 50.8(前月改定49.9)

・3月ユーロ圏製造業PMI改定 47.5(速報比▲0.1、前月改定 49.3)

・3月独製造業PMI改定 44.1(速報比▲0.6、前月改定 47.6)

・3月ユーロ圏消費者物価指数 前年比+1.4%(+1.5%)、コア指数 +0.8%(+1.0%)

・3月シカゴ購買部協会指数 58.7(前月 64.7)

・2月米小売売上高 前月比 ▲0.2%(前月+0.7%)
 除く自動車▲0.4%(+1.4%)
 除く自動車ガソリン▲0.6%(+1.7%)
 除く自動車・建材▲0.6%(+1.7%)

・2月米製造業PMI改定 52.4(速報比▲0.1、前月改定 53.7)

・3月米ISM製造業景況指数 55.3(前月54.2)
 仕入れ価格 54.3(49.4)
 生産 55.8(54.8)
 新規受注 57.4(55.5)
 受注残 50.4(52.3)
 在庫 51.8(53.4)
 顧客在庫 42.7(39.0)
 輸出 51.7(52.8)
 輸入 51.1(55.3)

・2月米建設支出 前月比 +1.0%(前月改定+2.5%)

・1月米企業在庫 前月比+0.8%(前月+0.8%)、企業売上高+0.3%(▲0.9%)、売上高在庫比率 1.39ヵ月(1.38ヵ月)

 製造業在庫 +0.5%(+0.1%)、製造業売上高▲0.4%(▲0.2%)、売上高在庫率1.36ヵ月(1.35ヵ月)

 小売在庫+0.8%(+1.1%)、小売売上高+0.8%(▲1.8%)、小売売上高在庫率 1.47ヵ月(1.47ヵ月)

 卸売在庫+1.2%(+1.1%)、卸売売上高+0.5%(▲0.9%)、在庫率 1.34ヵ月(1.33ヵ月)

・2月ブラジル製造業PMI 52.8(前月53.4)

・3月ブラジル貿易収支 49億9.000万ドルの黒字(前月36億7,300万ドルの黒字)。輸出 181億2,000万ドル(162億9,300万ドル)。輸入 131億3,000万ドル(126億2,000万ドル)

・日本の新元号、「令和」に決定。

・イタリア トリア経済・財務相、「財政赤字、2019年の新目標は▲2.5%以下に。」

・英下院、英議員の支持動向を探る拘束力のない4つの投票、すべて否決。

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・米国、トルコに対するF35戦闘機関連機材出荷を停止。

【メタル】
・Teck、Korea Zincとの契約、TCは2015年以来となる245ドルに。

・Nornickel、2025年までにニッケルと銅の生産量を15%引き上げ。

・2018年のアルミニウム生産、Chalco(417万トン)がRusal(375万トン)を抜く。

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.CBTオレンジジュース ( その他農産品 )/ +3.09%/ ▲1.24%
2.パラジウム ( 貴金属 )/ +2.74%/ +12.79%
3.中国CSI300 ( 株式 )/ +2.62%/ +32.00%
4.NYM WTI ( エネルギー )/ +2.41%/ +35.63%
5.SGX鉄鉱石 ( 鉄鋼原料 )/ +2.10%/ +23.03%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
68.ニューキャッスル炭 ( エネルギー )/ ▲11.05%/ ▲19.16%
67.原料炭スポット ( 鉄鋼原料 )/ ▲7.37%/ ▲13.56%
66.TGEトウモロコシ ( 穀物 )/ ▲4.80%/ ▲11.37%
65.ICE欧州天然ガス ( エネルギー )/ ▲3.67%/ ▲45.41%
64.LIFFEロブスタ ( その他農産品 )/ ▲2.61%/ ▲5.84%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :26,258.42(+329.74)
S&P500 :2,867.19(+32.79)
日経平均株価 :21,509.03(+303.22)
ドル円 :111.35(+0.49)
ユーロ円 :124.86(+0.49)
米10年債利回り :2.50(+0.10)
独10年債利回り :▲0.03(+0.04)
日10年債利回り :▲0.07(+0.01)
中国10年債利回り :3.13(+0.07)
ビットコイン :4,126.69(+54.53)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :21.28(+1.31)
エネルギー :25.17(+9.39)
ベースメタル :17.56(▲0.86)
貴金属 :21.20(▲0.22)
穀物 :19.03(+0.13)
その他農畜産品 :22.20(▲0.28)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :18.23(+1.58)
Brent :12.15(+0.2)
米天然ガス :23.23(+0.22)
米ガソリン :17.73(▲0.15)
ICEガスオイル :16.23(▲0.54)
LME銅 :17.16(▲1.98)
LMEアルミニウム :16.70(▲0.94)
金 :13.71(+0.75)
プラチナ :19.86(▲2.18)
トウモロコシ :24.81(+0.61)
大豆 :13.71(+0.75)

【エネルギー】
WTI :61.59(+1.45)
Brent :69.01(+0.62)
Oman :68.78(+1.36)
米ガソリン :189.89(+0.33)
米灯油 :198.81(+1.47)
ICEガスオイル :609.75(+4.50)
米天然ガス :2.71(+0.05)
英天然ガス :33.34(▲1.27)

【石油製品(直近限月のスワップ)】
Brent :69.01(+0.62)
SPO380cst :421.88(+2.26)
SPOケロシン :80.69(+1.32)
SPOガスオイル :80.78(+1.40)
ICE ガスオイル :81.85(+0.60)
NYMEX灯油 :199.19(+0.91)

【貴金属】
金 :1287.72(▲4.66)
銀 :15.11(▲0.01)
プラチナ :849.84(+0.38)
パラジウム :1423.11(+37.91)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :6,492(+14:6B)
亜鉛 :2,949(+33:69B)
鉛 :2,035(+3:13C)
アルミニウム :1,913(▲1:25C)
ニッケル :13,250(+130:95C)
錫 :21,525(+75:75B)
コバルト :30,000(±0.0)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :6461.00(▲12.50)
亜鉛 :2896.00(▲17.00)
鉛 :2011.00(▲4.00)
アルミニウム :1892.00(▲19.00)
ニッケル :13115.00(+120.00)
錫 :21420.00(+20.00)
バルチック海運指数 :689.00(▲3.00)
※C=Cash2M コンタンゴ、B=Cash2M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR青島) :休場( - )
SGX鉄鉱石 :87.5(+1.80)
NYMEX鉄鉱石 :87.52(+1.82)
NYMEX原料炭スワップ先物 :196.5(▲15.63)
上海鉄筋直近限月 :3,800(+68)
上海鉄筋中心限月 :3,777(+50)
米鉄スクラップ :360(▲7.00)

【農産物】
大豆 :895.50(+11.25)
シカゴ大豆ミール :309.40(+2.90)
シカゴ大豆油 :28.57(+0.21)
マレーシア パーム油 :2009.00(+8.00)
シカゴ とうもろこし :361.75(+5.25)
シカゴ小麦 :462.75(+5.00)
シンガポールゴム :165.70(▲0.90)
上海ゴム :11395.00(±0.0)
砂糖 :12.67(+0.14)
アラビカ :92.10(▲2.40)
ロブスタ :1418.00(▲38.00)
綿花 :77.36(▲0.25)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :77.40(+0.03)
シカゴ生牛 :126.18(+0.48)
シカゴ飼育牛 :145.45(+0.20)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。