CONTENTSコンテンツ

米雇用コスト指数低下で上昇
  • MRA商品市場レポート

2023年11月3日 第257(簡易版)商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米雇用コスト指数低下で上昇」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、水準を切り上げた商品が目立った。米国時間に発表された米非農業部門労働生産性も+4.7%(+4.3%、+3.6%)と大幅な改善となり、米雇用コスト指数も前期比▲0.8%(市場予想+0.3%、前期+3.2%)と減速したことで、賃金上昇圧力の低下や、賃金上昇がインフレに与える影響が緩和されるとの期待が高まったことが背景。

この結果、長期金利は低下し、株は上昇、ドル安も進行したためドル建てで取引される商品は軒並み水準を切り上げる展開となった。特に株価の上昇はリスク資産価格を押し上げやすい。

一方、各国、地域の経済統計とアナリスト予想の乖離を示す「サプライズ指数」はシティバンクのデータに基づくと、米国が60前後で高止まりしてもみ合っている。世界全体は今年の7月から改善していたが、20程度で頭打ち感がでてきた。

欧州も改善してきたが▲50近辺で、「アナリスト予想よりも統計の結果が悪い状態」が続き、中国も昨年7月から改善が続いていたが先日のPMI以降頭打ちとなっている。このままだとマイナス圏に沈むだろう。

なお、比較的高い水準まで改善が続いていた日本のサプライズ指数は減速を始めており、閾値のゼロが目前に迫っている状況。

地域毎に水準感が異なるが、アナリスト予想からの上振れは徐々に頭打ち感がでてきており、今後、統計が予想よりも下振れる可能性が高まっていると考えるべきだろう。

この場合、統計発表のたびに、1.金融引締め観測の後退(ファイナンシャルな面で商品価格を押し上げ)、2.需給ファンダメンタルズの緩和(景気循環系商品価格の下落)、をもたらすことになる。


主要ニュース/エネルギー・メタル関連ニュース/主要商品騰落率/主要指数/市場の詳細データPDFは、有料版「MRA商品市場レポート」にてご確認いただけます。
【MRA商品市場レポート】について