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米統計改善でエネルギー高い 非鉄金属は下落
  • MRA商品市場レポート

2023年9月7日 第2538号(簡易版)商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米統計改善でエネルギー高い 非鉄金属は下落」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、石油などのエネルギー価格が上昇したが、貴金属やその他農産品、非鉄金属は水準を切下げた。

発表された米ISM非製造業指数が予想外の大幅な改善となり、米景気が回復しているとの期待から原油需要の増加観測が強まり原油価格が上昇、同時に金融引締め加速観測を醸成してドル高が進行した。

なお、ベージュブックは景気と雇用の鈍化を指摘、賃金上昇の減速を指摘する内容だったがほとんど材料視されていない。

なお、中国景気の先行きが不透明な中、ドル高が進行したことを受けて非鉄金属価格は水準を大きく切下げている。

昨日の日経プラス9での解説の通りだが、「米景気はシクリカルに回復基調にある」と考えられる。問題はこれに伴い、コストプッシュ型のインフレが再燃する可能性がある点である。

この場合、再度政策金利を上げる、あるいは金利を上げないまでも長期にわたって実質金利がプラスの状態をFRBが許容する可能性があることを示唆している。

仮に実質金利プラスの状態が続けば、株式市場の大幅な調整をもたらし、リスク資産価格全体に下押しリスクが強まる可能性がある(詳しくは本日の見通しを参照ください)

【本日の見通し】

本日は、昨日の米統計改善を受けた米金融再引締め観測の高まりから、株や非鉄金属などは調整するが、米景気が良好であることからエネルギーなどは上昇すると考えられる。

金融引締めが加速する場合に考えるべきリスクは、過去、好況によって発生したインフレを抑制するための利上げ→打ち止め→景気後退で利下げ開始、の過程のなかで何らかのショックが発生していることが多い点だ。

よく、株式市場ではVIX指数がリスクオン・オフの指標として用いられることがあるが、株はじりじりとしか上昇しないので上昇局面ではVIXは低下し、何らかのショックがあると株が暴落することでVIXが上昇している。

VIXが低下している期間が長いほど(価格上昇の期間が長いほど)、株の下振れリスクは高まることになる。

本日の注目材料は以下の通り。昨日の強い統計を受けて、FOMCメンバーの発言に注目が集まる。

・米週間新規失業保険申請件数 市場予想 234千件(前週 228千件)

・失業保険継続受給者数 1,719千件(1,725千件)

・Q223米労働生産性改定 3.4%(速報 3.7%)

・8月中国貿易収支 739億ドルの黒字(806億ドルの黒字) 輸出 前年比▲9.0%(▲14.5%) 輸入 ▲9.0%(▲12.4%)

・フィラデルフィア連銀総裁講演

・ニューヨーク連銀総裁講演

・アトランタ連銀総裁講演


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