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米GDP個人消費下方修正を受けたドル安で堅調
  • MRA商品市場レポート

2023年9月29日 第2554号(簡易版)商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米GDP個人消費下方修正を受けたドル安で堅調」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場はエネルギーセクターが軟調な推移となったが、その他の商品は総じて水準を切り上げる展開となった。

足下、米景気の動向とそれを受けたドル指数の動向が価格動向を支配しているが、昨日、大きなサプライズはないと思われた米GDP確定値で、個人消費が+0.8%(市場予想 +1.7%、速報 +1.7%)と大幅な下方修正となったことで、米景気の先行き懸念が高まり、利上げもそれほど厳しいものにならないのではないか、との見方が長期金利の低下とドル安を誘発した。

これを受けて需給ファンダメンタルズが強く意識されている原油は、需要の鈍化見通しを受けて下落、金融引締めへの過剰な懸念が後退する中でドル安が進行したことで、「米国が最終消費の主戦場ではない商品」上昇する展開となった。

金融引締めによって発生する、諸々のリスクを警戒して買われていた金は、実質金利が低下する中でソブリン、ないしは低格付企業の破綻リスクの後退が意識され(と言っても1日だけの話であるが)、リスク・プレミアムが低下する形で水準を切下げた。

【本日の見通し】

本日は、昨日のGDPを受けて個人消費関連指標、物価動向指標への注目が集まる。基本的には統計待ちでアジア時間~欧州時間に掛けては昨日売られた商品が買い戻され、買われた商品が売られる展開を予想する。

なお、昨日の米週間新規失業保険申請件数をみるに、失業者の減少→原油価格の上昇・ドル安となっている。

今日のPCEコアデフレータが減速していれば、金融引締め強化観測でドル建て商品価格全体に下落圧力が強まることになるだろう。

本日注目の材料は以下の通り。これまでそれほど商品価格に影響を及ぼしてこなかった、日本の消費者物価も、ドル円を通じて商品価格に影響を及ぼすようになったため、注目しているが、朝方発表の実績では日銀の予想通り、鈍化傾向がじわりと強まっている。

・9月東京CPI 実績 前年比+2.8%(市場予想+2.7%、前月+2.9%) 除く生鮮 +2.5%(+2.6%、+2.8%) 除く生鮮エネルギー +3.9%(+3.8%、+4.0%)

・8月米個人所得 市場予想 前月比 +0.4%(前月 +0.2%) 個人支出 +0.5%(+0.8%) 実質個人支出 ±0.0%(+0.6%) PCE価格指数 前月比+0.5%(+0.2%)、前年比+3.5%(+3.3%) PCEコアデフレータ 前月比+0.2%(+0.2%)、+3.9%(+4.2%)

・シカゴPMI 市場予想 47.6(前月 48.7)

・9月ユーロ圏CPI 前月比+0.5%(+0.5%)、前年比+4.8%(+5.3%)

・ニューヨーク連銀総裁講演(原稿のみ公表。家庭の事情で講演中止)

・中国市場休場(国慶節、10月9日に取引再開)


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