中国減速 米金融政策タカ派確認で軟調
- MRA商品市場レポート
2023年8月17日 第2523号(簡易版)商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「中国減速 米金融政策タカ派確認で軟調」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は、その他農産品や自国通貨建て商品価格が上昇したが、その他は軒並み水準を切下げる展開となった。
中国の経済統計の減速が止まらない上、米製造業の景況感底入れ期待や、雇用環境がタイトな状態が続いていること、それらに伴う原油価格・エネルギー価格の上昇がインフレを助長しかねず、FOMC議事録では、ほとんどのメンバーが追加利上げに賛成している、と伝えられたことが金融引締め再加速観測を高め、ドル高が進行したことが背景。
中国経済は財政的な余力がなく、かつ、このタイミングでの経済政策実施がやり方を間違えると再び余剰在庫の積み上がりに繋がるため、当局は慎重な対応をせざるを得なくなっている。
一方、景気が良好な米国の金融当局は再びインフレ懸念を意識し始めており、既に実質金利がプラスに転じている中でこれから本格的に景気減速が始まると予想される中で、追加利上げの可能性が意識されていることは、下期から来年に掛けての大きなリスクとなろう。
今後、市場参加者の興味はインフレそのものよりも、景気がこのまま回復するのかどうか、に移ると予想される(それに伴い、インフレの動向が決まる)。
【本日の見通し】
本日は、米FOMCがタカ派スタンスであることが確認されたこと、それに伴う金利上昇やドル高進行が重石となり、調整圧力が継続し水準を切下げる商品が目立つと考えられる。
本日注目の材料は以下の通り。徐々に市場参加者は「景気そのもの」への関心と、その状況にかかわらず行わなければならないかもしれない再引締めの動向に移ることになろう。
本日予定されているイベント・統計で注目は以下の通り。
・米週間新規失業保険申請件数 市場予想 24万件(前週 24.8万件)
・8月米フィラデルフィア連銀製造業指数 市場予想 ▲10.2(前月 ▲13.5)
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