米国債格下げショックで下落
- MRA商品市場レポート
2023年8月3日 第2513号(簡易版)商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「米国債格下げショックで下落」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は、総じて軟調な推移となった。英格付会社フィッチが数ヵ月前からネガティブ・ウォッチとしていた米国債の格付をAAAからAA+に引き下げたことを受けて、リスク回避の動きが強まったことが材料となった。ほぼ全面安の様相。
かつてS&Pが米国債の格下げを行った時も同様で、ほとんどの商品にリスク回避の動きが出たが、今回も同様となった。また、今回の米国債の格下げを受けて長期債に売りが入り利回りが上昇、それを受けたドル高進行もドル建て資産価格の下落要因となった。
今回の格下げは前回と異なり、「格下げはある程度必定」と思われていた点は否めないため影響は限定される、との見方もあったが今回の格下げが「ゴルディロックス相場への期待」でマクロ的にリスク資産を購入してきた市場参加者の調整売りを誘いやすい。
弊社は逆イールド期間が長かったこともあって景気減速、調整局面は比較的長くなると考えて居るためまだこの状況においても年末に向けて価格の調整があると考えているが、今回の格下げがその景気となる可能性はあると見ている。
なお、フィッチは今回の格下げを財政赤字の拡大もさることながら「ガバナンスの劣化」を上げている。日銀のYCCを受けて、国債の増発を躊躇わずガバナンスが劣化している日本の国債も格下げされる可能性を意識しておく必要が、リスク管理の点では重要になるのではないか。
【本日の見通し】
本日は、米国債格下げの余波で調整売りが続くと考えるが、格下げはある程度想定された話であり、昨日の下落が大きかったことからいったん買い戻される商品が目立つと予想される。
本日予定されているイベントと統計は以下の通り。
・Q223米労働生産性 市場予想 前期比 +2.3%(前期▲2.1%)
・米週間新規失業保険申請件数 225千件(前週 221千件)
・7月米ISM非製造業指数 53.0(前月53.9)
・7月中国財新サービス業PMI 52.4(53.9)
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