ドル安進行でエネルギー上昇 工業金属安い
- MRA商品市場レポート
2023年4月25日 第2441号(簡易版)商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「ドル安進行でエネルギー上昇 工業金属安い」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場はエネルギーやその他農産品などの価格が上昇したが、工業金属セクターは軟調な推移となった。
景況感の見通しに関し、中国は回復期待があったものの直近の重要統計の詳細をみるにそれほど最終消費は強くなく、「意図せざる在庫積増し局面入り」している可能性が意識されていることから、公的セクターの支援がなければ工業金属需要の回復には時間が掛る、とみられているのではないか。
エネルギーは、最大消費国である米国の製造業PMIが通常よりも早いタイミングで、シクリカルな回復局面入りした可能性がある中、金利高止まりを背景とする先行き景況感の悪化がドル安を助長したため価格が上昇したと考えられる。
今後、景気の見通しが価格を左右する展開が予想されるが、仮に米国がシクリカルな回復に一足早く入って居るのならば、株や不動産が堅調に推移し、再びインフレへの懸念が強まるため、金利を高止まりさせざるを得なくなる。
足下、FRBが試みているのは景気回復ではなく「リセッションを回避してインフレを抑制する」であるが、生産者側が増産の意向が余りないため、結局景気を減速させざるを得ないと考えられる。
この状態だと欧米景気は低迷するため中国の輸出も停滞することから、いくら中国のペントアップ需要があったとしても、工業金属の上昇は年後半以降になるとみるべきではないか。
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